MTBで気楽・快楽・極楽 三郡山(2001.10.6)


  
P・@〜P・E
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MTBが楽しそう

秋晴れの3連休初日。今日は,withMTBで山行きです。目指すは,綾部市三郡山。S田さんのお誘いです。いつもはダマされることの多いお誘いですが,このコースは「北摂のボスザル」S川さんのお勧めということもあり,極楽ダウンヒルが楽しめそうです。

地形図を見せてもらうと,この山域には無数の破線,おそらくシングルトラック(ST)があります。しかも,等高線が広めなので,MTBでも乗車できる可能性が高そうです。期待は大です。でも,綾部までの道のりが長い。

ドライブすること2時間半。ようやく,三郡山の麓に到着です。麓にはJR線が通っており,山家駅付近(P)で駐車。目の前には,行者道への登り道があります。早速,MTBを準備し,出発です。今回も,できるだけ乗車できそうな道から三郡山に登り,山頂からはできるだけ長い距離を下ろうという計画です。となると,三郡山の東の林道から登るのがいいでしょう。途中までは林道なので,少なくともその林道だけでも乗車できそうです。

JR「たちき」駅を目指します。と,左手に「立岩」の案内板があります。河原にあるようなので,帰りに時間があれば見物することにして,先に進みます。と,今度は右手に「梅ノ木谷不動滝」の案内板があります。

本村は滝口に鎮座し悪魔や煩悩を払うといわれ,毎年7月28日例祭を行う。石灯籠左手の小さな池は干天にも絶対涸れず,その御神水で『いぼ』が取れるとの説もある。
尚,橋の上から眺めた不動滝不動尊はまさに一幅の絵といえよう。

  
梅ノ木谷不動滝 和知西国十番大成観音堂
梅ノ木谷不動滝
和知西国十番大成観音堂

お堂と廃村

さほど大きくはない滝ですが,夏であれば,涼しいことでしょう。いきなりの寄り道でしたが,先を急ぐことにします。舗装路が狭くなり,JR「たちき」駅(@)に到着です。駅といっても,無人で,到着する列車は日中は1時間に1本というのどかな駅です。林道は,駅の西の谷にあります。車のわだちがしっかりついたきれいな林道です。

ゆるやかな林道は途中で左右に別れています。メインの林道は左ですが,三郡山へは右手の林道を進みます。と,急に斜度が増してきました。クモの巣もあり,この林道を利用する人は少ないようです。ちなみに,このあたり一帯の山は,松茸山だそうです。警告の看板もあちこちに立っています。もちろん,我々は松茸なんかメではありません。垂涎モノのダウンヒルあるのみです。

急になった林道をなおも登ります。後ろの方から時々聞こえてきたS田さんの奇声?悲鳴?がしだいに遠くなり,あたりはひっそりと静まり返ってきます。時おり,鳥の鳴く声が聞こえるだけです。朽ちかけた道標の先で林道はおしまい。S田さんを待って,林道の先(A)を登ります。その先には「和知西国十番大成観音堂」があります。地形図でも神社マークがありますが,林道から考えると位置が少し違っているような気がします。古びたお堂の裏には石仏があります。石仏マニアのS田さんは,カメラを構え,あれやこれやとアングルを考えています。

石仏をカメラにおさめ,先を進みます。植林の中を横切ると,石灯籠が見えます。真ん中の灯をともすところは,5本の木でできています。上部の石の重みはかなりあのに,それをしっかり支えているのにビックリです。組木細工だからできる技なのでしょうか。

道は植林の中を登っています。左右には,石垣があり,植林される前は棚田だったようです。さらに登ると,今度は大規模は石垣があります。朽ちた角材もあるので,ここは住居跡のようです。ということは,このあたりは,棚田だった頃は小さな集落だったようです。先には,シュロの木もあります。植林前ということは,第二次世界大戦前まではこのあたりは,棚田が広がり,数戸の人家があったのでしょう。その人たちが利用していたのが,今,我々が登っている道かもしれません。当時の人々は,この道をこんな使われ方をするなんて,想像だにできなかったことでしょう。

快適尾根道

棚田風植林を抜けると,道は左右に。石の道標があります。「左やま 右おおはら」大原というのは,正面の尾根を越えたところにある集落の名前です。ということは,右です。すぐに峠(B)です。三郡山へは,この峠から尾根をたどります。この尾根は,和知町と三和町の町界ともなっているので,踏み跡ぐらいはあるでしょう。が,そんな我々の予想をはるかに越えた快適尾根道が続いています。とはいっても,三郡山までは登り基調なので,MTBに乗ることはできませんが,下りなら極楽です。三郡山からの下りにも,期待が持てます。

登りなのがもったいない尾根道をしばらく進むと,関電の巡視路と合流。さらに道はよくなっています。まわりは薄暗いものの,夏草のまったくない快適な尾根道です。これが下りだと,さぞ極楽でしょう。それでも,MTBで乗車可能なところが数ヶ所あります。時間的には,一瞬ともいえる時間ですが,乗れるだけでもマシというものです。小さなピークをいくつか巻きながら,三郡山に近づきます。

三郡山らしいピークを目の前にして,STは左に下り,鉄塔のある尾根に進みます。このあたりは展望が開け,現在地の特定がしやすくなっています。地形図を見ると,先ほどのピークが三郡山のようです。山頂でランチタイムが定番ですが,三郡山の山頂は展望がまったくないようなので,鉄塔へのSTの途中でランチです。北方面の展望が開けていますが,なじみのない京都の山なので山名がまったくわかりません。

展望のない三郡山山頂

ランチタイムが終わる頃には,曇り空から秋の青空が少しずつ見え始めてきました。三郡山に引き返し,山頂に登頂です。予想通り,展望のまったくない山頂(C)です。チョットがっかりです。山頂には,旧式の三角点がきれいなまま鎮座しています。おそらく,この三郡山山頂を訪れる人は,数えるほどなのでしょう。

  
三郡山山頂 お気楽,快適,極楽尾根道
三郡山山頂
お気楽,快適,極楽尾根道

下りは,町界線をたどることにしました。地形図では,山頂直下に巻き道があるようになっているのですが不明です。町界は踏み跡があるものの,荒れているので,MTBでは乗車できません。強引に下ること100mほどで,きれいなSTに出ました。道の脇には,石仏があり,石の道標もあります。下りは右に進めばいいのですが,左手に伸びているSTが気になります。チョット探検へ。

お気楽,快適,極楽

左手に伸びているSTは,結局,先ほどの巡視路の延長と判明。しかも,その巡視路は,西の尾根へとつながっているようです。きれいな道だけに,興味津々です。が,今日はこの尾根道を行くわけには行きません。先ほどの石の道標のあるポイントに引き返し,待望のダウンヒルの開始です。

ところが,このダウンヒルは,期待以上の極楽コースです。細い尾根道あり,ボブスレーコースのような凹道あり,九十九折あり,片斜面あり,ところどころに出ている岩もアクセントになっています。しかも,さほど急ではないので,十分コントロールできます。ところが,いつの間にか,行者堂に行く分岐点を過ぎ,巡視路を下ってしまいました。谷に下りきる前に気がついたものの,登り返す気も起こらず,そのまま巡視路を下ることにしました。

谷に下りきると,岩場の道になり,MTBは乗車不可能です。それでも,すぐに林道に出ると,またもやお気楽コースです。高圧鉄塔に寄り道をしながら,無事下山(D)。あ〜あ,お気楽,快楽,極楽コースでした。地形図の等高線からは想像できない道でした。さすが,ボスザルです,こんな極楽コースを見つけるとは。感謝,感謝です。

行者堂へ

と,下山したものの,時間があるので,今度は行者堂へ行ってみることにしました。登り口(P)は舗装路ですし,もしかすると行者堂まで車で行けるかもしれません。MTBを車に積んで,出発です。が,1kmも行かないうちに,行者堂への分岐点になってしまいました。ということは,再びMTBで登らなきゃあいけません。

MTBを担ぐほどの急斜面ではありませんが,ダラダラとした登りで,MTBに乗って登ることはできません。押しが続きます。登るに連れて,路面は岩が多くなり,苔すら生えています。踏ん張ると,ズルッと滑ります。エエ〜ッ!帰りは,こんな所をMTBで下るの?ブレーキが効かんでぇ。道にひもまで張ってるでぇ。MTBに乗ったまま突撃したら,首吊りやでぇ。なんとも物騒な行者堂参道です。

三郡山への登山道との分岐点からは,左手の尾根を目指します。尾根に登ると,古びたお堂(E)があります。奥には,これまた古びたトイレと,簡易トイレが並んでいます。さらにその奥には,STが伸びていますが,林の中に入ると急斜面になっています。お堂の南にもSTがありますが,これもどこへ下るかわかりません。やはり,今,登ってきた道を下るのが無難です。

  
行者堂 旧トイレと仮設トイレ
行者堂
旧トイレと仮設トイレ

行者堂

安永6年山家城主谷衛友公により建立され,その後,天明元年3月堂宇を焼失し,谷鶴太郎公により再現された。120年後の明治39年瓦屋根に葺き替え,今日に至る。
水堂は時の城主谷衛友公が或る日南の空を仰ぎ見られた時,後光が射し霊験のあらたかさに身もふるえ吉野の大峰山と同木で建立されたという。五穀豊穣の神として子々孫々に至るまで山家の守護神として崇め奉る。
 上原町自治会

押しで登った参道ですが,MTBで下るとなると,あっという間です。滑りやすかった岩の路面も,意外とグリップし,快適,快適。今日のツーリングのフィナーレを飾るのにふさわしい極楽道です。

綾部はチョット遠かったものの,こんなにもMTBを楽しめる山があるなんて,オドロキです。この三郡山塊は,まだまだSTがあります。S田さんは,西の端の質山峠までの尾根道を行ってみようと気合いを入れています。今日のように乗り乗りのコースだと,ドライブが長いものの,悪くはないかなぁ。


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