なぜか,またもやガスのち晴れ 星山・櫃ヶ山縦走(2001.11.18)
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風邪が…
フルマラソンから1週間。体力も回復し,元気はつらつと言いたいところですが,週明けから風邪をひいてしまい,もう大変。声が出ないのにはまいってしまいました。幸い,熱は出ていないので,以前からS田さんに誘われていた岡山県の星山〜櫃ヶ山の縦走に行くことにしました。
いつもより早く出発。S田さんのお友だちと待ち合わせの場所に行きます。結局,総勢11人で山歩きです。今回は,櫃ヶ山の登山口(P2)に車を置き,星山の登山口に別の車で移動です。これだと,両登山口間の長〜いMTB走行が省略できます。特に,星山登山口までの長い登りを登らなくてもいいので,本当にありがたい企画です。
ガスの星山
星山登山口には,ビジターセンターがあり,まわりは「美しい森」ということで,遊歩道やキャンプ場などが整備されています。車を置き,出発です。ビジターセンターにある縦走路マップをいただき,ルートの確認です。植樹地帯を過ぎ,道が急になってきます。時おり見える星山の山頂部分は,白いガスで覆われています。登るにつれて,冷たい風も吹きつけてきます。でも,MTBを担いでいるので,身体は熱く,汗も出てきます。サングラスも曇りがちです。
星山1.0km30分 標高800米 美しい森(ビジターセンター)登山口1.0km25分
こんな雨っぽい日にも,星山に登る人は絶えません。先行しているグループ,下ってくる人,やはり,星山は人気スポットのようです。谷を見ると,ガスってはいますが,黄葉が圧巻です。道は,粘土質から黒い火山灰に変わったものの,足元が滑ることには変わりはありません。縦走路の下りもこんなだとちょっとヤバイかも。そんな心配をしながら高度を稼ぎます。山の空気で,少しは風邪が治るかもなんて思ってもいたのですが,あいかわらず,咳がゴホン!ゴホン!先が思いやられます。
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星山西口韓の登山道との分岐点は,鞍部になっています。右手の暗〜い植林の奥には,ブルーシートで囲った簡易WCが設置されています。案内板まであります。でも,こんな所で用をたすのは,ちょっと勇気が要りそうです。
東口(美しい森)30分 星山 頂上まで20分
この鞍部からは,星山頂上までは一気の登りです。滑る足元に注意しながら,MTBを担ぎ上げます。この頃になると,服は汗でビッショリです。まわりにはガスが流れ,うっとうしいですが,チョッピリ幻想的です。と,登りの途中で「サル,発見!」との知らせ。木の枝にサルがちょこんと座っています。餌付けされたサルやサルに似た人間は見たことがありますが,こんな野性のサルを見るのは初めてです。チョッピリ感動。
山頂近くには,大岩があります。岩の上に立つと,なかなかの高度感です。でも,まわりがガスっぽいので,遠くまでは見えません。残念!少し登ると,山頂(@)です。山頂には,一等三角点や方位板があります。ガスがなければ,大山や蒜山をはじめ,瀬戸内海に浮かぶ小豆島の星ヶ城山だって見えるそうです。でも,こんなガスでは…。天気さえよければ,ゆっくり休みたいところですが,ガスで寒いので,一同で記念撮影をして早速,縦走にかかります。
縦走開始!
星山からの下山は,等高線が示す通り,ゆるやかな傾斜です。でも,黒い火山灰の路面は滑りやすく,MTBで下っていてもズルズルです。路面には,階段状のだんだんがつけられ,これまた危険です。でも,それがまたおもしろい!ガスの縦走路は,植林の中へ。暗い道ですが,走りやすい道です。しかも,ピークを巻いているので,チョッピリ楽勝。
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植林帯の道から尾根道に変わる頃,空には青空が広がり,左右の展望が開けてきました。左手の斜面は黄葉に覆われ,右手の斜面には,中国山系の山々が見渡せます。前方には,大小のピークにつけられた縦走路も一望できます。見事な展望です。縦走路が整備される前は,この展望を見ることのできるのは,ごく限られたヤブマニアだけだったのでしょう。でも,今年,この縦走路が整備されたおかげで,われわれだって見ることができるのですから,ありがたいことです。
扇山でランチタイム
扇山(A)着。11時半なので,ランチタイムにすることにしました。いつもは,無線に夢中のS田さんは,今日は無線をしていません。なぜでしょう。定番のコーヒーを飲み,ランチタイムは終了。振り返ると,小さなピークの向こうに大きな山容の星山が見えています。すっかりガスはなくなっているようです。1時間の違いで,こんなに違うものなんですねぇ。扇山山頂には,縦走路のイラストマップがあります。
大佐山(988m) 毛無山(1218m) 大山(1711m) 上蒜山(1202m) 中蒜山(1123m) 下蒜山(1100m) 津黒山(1118m) 那岐山(1240m) 泉山(1209m) 摺鉢山(879m) 三坂山(903m)
星山1030m 扇山960m 五輪山980m 櫃ヶ山954m
12時のサイレンを聞き,再び縦走開始。大小のピークがいくつかありますが,下りはほとんどMTB乗車可能です。雄大な展望を見ながらの下りは,爽快です。これがあるから,重いMTBを担いで登ることができるのです。ピークを越えるたびに,遠くに見えていた五輪山にどんどん近づいていきます。振り返ると,しだいに遠くになる星山ですが,大小のピークの向こうに見えるのもいいものです。
五輪山
五輪山(B)で,団体のハイカーに遭遇。話によると,縦走路の先端が櫃ヶ山とか。あまり距離はないようです。奇異の視線を受けながら,S田さんは下っていきます。しだいに近づく櫃ヶ山を見ながら,縦走路を走るのは楽しいものです。部分的には激下りはありますが,下りはほとんど乗れるので,うれし〜い!
龍頭の滝方面への下山道との分岐点には,案内板があります。
下山道 龍頭の滝方面
星山山頂まで4755m 櫃ヶ山山頂まで245m
龍頭の滝コースは,最初が激下りで,あとは谷道ということです。距離的には少し短いでしょうが,展望ということを考えれば,縦走路を下る方がいいようです。
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最後のピークの櫃ヶ山
櫃ヶ山の上(C)にも,多くのハイカーがいます。これまた,奇異の目で見られるMTB2人連れです。ここが最後のピークなので,最後の展望を楽しみます。北方面は,山頂がガスっている大山の中腹の谷に雪が見えています。その東には,蒜山高原も見えています。東方面は,後山とか日名倉山とか黒尾山などが見えるそうです。はるかかなたには,明神山も見えているそうです。すごい展望です。
櫃ヶ山からは,下るだけです。ところが,いきなりの丸太階段。しかも,路面はズルズルの黒土です。MTBに乗るどころか,押して下ることだってソロリソロリです。ようやく,ズルズルの丸太階段を抜け,MTB乗車可能です。斜面につけられた登山道は,細いので要注意です。右手後ろには,もっこりとした櫃ヶ山の山頂が見えています。片斜面の道を抜けると,天狗の森への分岐点です。ここから少し入ったところに「銀嶺の水」があります。飲料可能のようです。記念にボトルに入れて,お持ち帰りです。
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草地の中を,櫃ヶ山を見ながら,ちんたら走ります。と,いきなりの激下り。これには,さすがのS田さんも,命を惜しいと思ったのか,MTBを押しながら下っています。道はしだいに植林帯の中へ。これまた,片斜面。左手にこけるとかなりの距離を転げ落ちてしまうでしょう。オオ,コワイ〜!ウワァ〜!アブナイ〜!いつものように叫びながら下っていると,先行グループの追いついてしまいました。やっぱり,乗車率が高いとMTBの方が早い。
植林の中の道は,木の根があったり,岩が出ていたりで,スリル満点です。しかも,左手にこけると,数mは転落するので,キケン!後ろでニワトリの鳴き声のようなブレーキ音を聞きながら,植林を抜け,駐車場(P1)へ。
今回は,車を分けておいたので,ずいぶんと楽でした。が,咳は未だに止まず。風邪は,悪化もせず,良化もせず。今年になって整備が終わったような縦走路ですが,休みにはたくさんの人が利用しているようです。これで,この縦走路もしっかりとした道になっていくことでしょう。