先達はあらまほしき事なり 鉄鈷山(2001.12.8) 


  
P・@〜D
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再び,夜久野町へ

先週に引き続き,夜久野町のお山です。といっても,今日は,先週の富岡山とは板生の谷をはさんだ真正面,兵庫県との県境の鉄鈷山から県境尾根を歩いてみようというわけです。おまけに,「鉄鈷山からは化石が出る」という極秘情報を,先週の井戸端会議中のおばちゃんたちから入手。山歩きに化石採集。今日は一石二鳥です。と,ウマクいきますでしょうか。

板生の集落を過ぎ,天谷峠手前の林道入口(P)に車をとめます。いつもと違って,ハンマーを持ち出発です。朝まで降っていた雨で,路面はぬれています。植林の中の林道は静かです。それにしても,今日はこの冬で一番の冷え込みだとかで,確かに寒い!

植林の中の林道ですが,植林が所々に広がっているだけで,左手は雑木林なので明るい道です。これなら,わざわざ林道をつけるほどのこともないような気がします。林道はゆるやかに登り,しだいに高度を稼いでいきます。右手に大きく曲がる地点からは,法面が新しくなり,ここからは新しくのびた林道のようです。ということは,この辺りから化石が出た可能性があります。法面に要注意です。

すばらしい展望の林道

谷の中の林道から尾根につけられた林道になり,展望が広がります。まずは,真正面にテッコウ山や深山のなだらかな稜線が広がっています。北には,大江山もなだらかなシルエットを見せています。

しばらく歩くと,林道は天谷峠からの県境尾根と合流。ここからは,林道は県境尾根の少し下をなだらかに登っています。もちろん,展望は抜群です。北には大江山とその周辺の山やま。真正面には,同じぐらいの高さになったテッコウ山・深山。そのふもとには,田谷の棚田が見えます。尾根に遊歩道を発見。富岡山とテッコウ山の中間点にある763ピークからの尾根にあるようです。南には,雲海をまとった粟鹿山が,青いシルエットを見せています。この林道からの眺めは秀逸です。でも,この林道って,何のために延ばされたのでしょう。まさか,この展望を見るためにだけできたわけではないでしょう。でも,周囲には林道なんてありません。ナゾです。

展望を楽しみながら林道を歩きます。しだいに高度を稼ぎ,法面には堆積岩が見えてきました。これはいよいよ化石が近づいた証拠でしょう。躍る心を抑え,歩を進めます。と,法面におびただしい堆積岩層。下には,ハンマーで割ったような石が散らばっています。なんと,なんと,ここが化石ポイントかいなぁ。それにしても,大昔に海底にあったものが,この高さまで上がってきたなんて,地殻変動のパワーにはビックリです。でも,エベレスト山のテッペンから貝の化石が見つかったのですから,これぐらいの高さなんて,地球にとっては「小さなシワ」なのでしょう。ということは,我々は「シワ」に登ろうとしているのでしょうか。チョット哀しい。

化石はいずこへ?

早速,ハンマーを取り出して,石を割ります。カン,カン!気持ちのいい音が谷間にこだましています。何事も,し始めると執念を燃やすS田さんは,「一攫千石」を狙っています。この辺りの石は,堆積岩,しかもはがれやすい頁岩のようです。よこからハンマーで叩くと,すぐに薄くはがれます。1mmぐらいの薄さではがれると,感動ものです。まるで,雲母です。法面のところどころには,タマネギ状溶岩のようなものもまじっています。こちらは,ハンマーで叩くと,タマネギをむくようにはがれます。これもおもしろい岩です。あるかわからない化石より,こんな岩をたたいている方がおもしろいです。

しばらく叩くと,すぐまた上の法面へ。ここも見事な堆積層です。もちろん,堆積岩だらけです。ここでも,カン,カン!が,でてくるのは,木くずの化石だけです。もっとも,泥で汚れているので,小さな化石あってもわからないでしょうし,そもそも,素人が目で見てわかるような化石がそんなに簡単に採れるとは思えません。でも,そんな気になれるだけでも,楽しいものです。山歩きに新たなる1ページが加わった感じです。ただ,その1ページが「白紙」なのが哀しい〜!

眺めよしの三角点と鉄鈷山

結局,化石らしいものは見つからず,林道の終点にまでやって来ました。さて,これからどうするっぺ?林道は消え,あるのは笹ヤブの急斜面だけです。前方上に見えるのが,鉄鈷山でしょう。その手前のうすい谷を登ると,鉄鈷山から下った暗部のハズです。ということは,この急な笹ヤブを強行突破するしかありません。幸い,谷の向こうは雑木林で,歩きやすそうです。笹ヤブを横切り,雑木林へ出て,鞍部に直登です。

  
大江山方面の山やま 718.3の三角点
大江山方面の山やま
718.3の三角点

笹で見えない足元はふらつき,滑ります。何とか,雑木林に到達。ようやく鞍部(@)に直登です。鞍部はススキ野原ですが,踏み跡があり,木にはテープが付いてます。ススキの向こうには,東床尾山がきれいに見えています。これまたすばらしい眺めです。

踏み跡をたどり,一旦,718.2の三角点に行ってみましょう。ススキの間を抜けると,小さなピークです。ピークからは,西床尾山や東床尾山が正面にドド〜ンと見えます。西床尾山の向こうには,雪をうっすらとかぶった氷ノ山が南になだらな尾根をのばしています。手前には,杉ヶ沢高原や大杉山・須留ヶ峰などが見えます。東床尾山の北にも但馬の山やまが見えています。

小ピークから少し下がった所が,三角点(点名西谷)です。訪れる人は少ないと思われる三角点ですが,角が欠け,削れています。測量用の標識?があります。ここからも展望はよく,但馬の山やまだけでなく,京都北部の山やまもよく見えます。糸井渓谷のある谷からは,林道工事の音が聞こえてきます。

再び,鞍部に戻り,鉄鈷山を目指します。急な斜面ですが,踏み跡があります。あまり有名と思えない鉄鈷山にも,訪れる人がいるんですねぇ。ぬれて滑りやすい路面に気をつけながら登ると,長細い山頂の鉄鈷山に到着。山頂には,黄色い山名プレートがかかっています。記述を見ると,ことしの秋に登ってきているようです。山頂とはいえ,周りは木々に囲まれ,さほど展望はよくありません。雑木の間からは,西床尾山,東床尾山の稜線が見えます。その稜線の向こうには,三川山や神鍋山が見えています。神鍋山はあまり高くない山ですが,人工降雪ゲレンデの上部まで見えています。鉄鈷山からの展望もすばらしいものがあります。

ぬれた落ち葉を気にしながら,ランチタイムです。気温は低いものの,風が無いので暖かです。食後のコーヒーをいただき,満腹,満腹です。近くの木からは,キツツキが木をつつく音が聞こえてきます。頭上は,雲が多少あるものの,青空が広がっています。のどかな山頂です。

  
鉄鈷山 縦走路のブナ
鉄鈷山
縦走路のブナ

極楽尾根道

山頂直下に岩の段々があります。まるで,山城跡の石垣のようですが,この山頂には山城はなかったそうです。いよいよ縦走です。とはいえ,テープがあちこちに付いているところをみると,737ピーク付近までは,道は大丈夫のようです。事実,尾根を下る道は,落ち葉サクサクの道で,どこでも歩けそうです。左右に植林が迫っていますが,尾根道は雑木林の中です。と,テープの中に見慣れた赤い布切れを発見。この色といい,この伸縮性といい,この赤布はまぎれもなくO柿さんのものです。こんなマイナーな山にも,O柿さんは出没したようです。

落ち葉を踏みながら,尾根を下ります。下り切ったところが暗部です。737ピークへの急な登りが見えます。しだいしだいに踏み跡は薄くなるものの,ピークを登るので間違うことはありません。登り切ったピークは,植林の中です。しかも,間伐した木があちらこちらに倒されたままです。このピークからは,尾根道は植林混じりの雑木林の中の道になります。植林を見ると,あちこちに切り倒された間伐材が無造作に散らかっています。737ピークからの道は?でしたが,これだけ作業で人がはいっていれば,道はしっかりしているはずです。

703ピーク(A)でチョット迷子になってしまいました。このピークを三角点ピークと間違えてしまったのです。でも,山頂を越え直進しても,道はありません。周りが植林に囲まれているだけに,現在地点の確認がしにくい。切り株には赤テープが巻きつけられています。もう一度,地図で確認すると,何のことはない,703のピークでした。ということは,南に進路を変えなければなりません。

まだまだ続く極楽尾根

南に進路を帰ると,きれいな尾根道が出現。再び,気持ちのいい尾根道を進むと,ブナの木が点在しています。嬉しくなって,思わず抱きしめてしまいました。でも,これってブナ?…でしょ?

広くなだらなか尾根をのんびりと歩きます。この縦走には,多少の不安もありましたが,この調子なら尾根道ははっきりしているでしょう。でも,少し気になることがあります。先ほどの703ピークを下ったあたりから赤テープはもちろん,何のテープ,目印も見えなくなっているのです。先達はいなくなったわけです。

木立の間から三角点ピークが見えます。直下の鞍部に下ると,直径2m深さ1mほど穴がきれいにあいています。先週の富岡山から深山への縦走路でもよく見た穴ですが,いったい何のために掘った穴なのでしょう。ヤマイモ掘りの跡ではないでしょうし,炭焼ガマ跡でもないでしょう。ナゾです。

鞍部からは,地形図通りの急斜面です。踏み跡は不明瞭になり,獣の跡だけがピークに向かって続いています。その獣の足跡も,時々は滑っています。ところどころに,新鮮なシカのフンもあります。獣臭も漂ってきます。シカならいいのですが,イノシシならヤバイ!

三角点から支尾根へ

手足四輪駆動で急斜面を登ると,古めかしい三角点(点名内海)があります。この三角点ピークを直進すると,兵庫県側に下ってしまいます。先ほどの703ピークと同じで,直進の方が尾根が広いので,まちがいやすいようです。時間的にも限度なので,この三角点ピークから鞍部に下り,細長くゆるやかな尾根に入り,現世に下ることにしました。ただ,気になるのは,ゆるやかな尾根の先の急斜面です。ガケに近い斜面です。これを下るのは,ちょっとヤバイかも。

  
730.5の三角点ピークへの急登 鞍部の落ち葉のじゅうたん
730.5の三角点ピークへの急登
鞍部の落ち葉のじゅうたん

三角点ピークをあとに,鞍部(B)に下ります。広い鞍部にはブナの木が点在し,一面落ち葉のじゅうたんです。これは,ここまで縦走してきた者への大自然からのささやかなプレゼントです。思わず,歓声が上がります。キャッホッホーッ!

さて,問題はこれからです。縦走路から外れ,急な斜面を下り,やせ尾根に出ます。このあたりは,完全に踏み跡はなく,先行きが不安です。まるで,先の見えない日本経済です。下手をすると,急斜面に転落です。右手には,縦走路が見え始めました。

尾根は細いものの,落ち葉のじゅうたんです。木の枝がジャマですが,歩くには問題はありません。尾根先の急斜面の不安があるものの,左右の展望があります。ようやく,広い尾根(C)に出ると,赤いプラ杭があります。が,プラ杭は二手に分かれています。右は,急斜面に行っているようです。左は,ゆるやかな尾根に続いています。ここは,とりあえず,妥当な線で左に下ることにします。

しだいに急になっていく斜面

先ほどまでのやせ尾根とはちがって,ゆるやかな広い尾根を下ります。当初の予定では,この尾根からトラバースし,先ほどの急斜面に出て,現世の集落に下るルートでした。が,こんなにもゆるやかな尾根だと,こちらから谷に下る方がいいようです。

が,地形図はウソをつきません。しだいに斜面は急になり,周りの木をつかみながら,下ります。でも,落ち葉の下に隠れた木や根を踏みつけて,ズル〜ッ!ぬれた落ち葉に尻もちをつくと,お尻までが冷たくなってきます。まるで,今流行の病気になった牛のようです。

斜面の斜度は,下るにしたがって,ますます増してきます。つかむ木があるから下れるものの,木がなければ,滑り落ちるだけです。でも,だからといって,もう引き返すことはできません。このあたりの山では,クマが出ることもあるそうですが,今となってはそんな事も考える余裕もありせん。第一,こんなにギャーギャー言っていれば,クマも逃げるでしょう。

木々の間からは,近くなった鉄鈷山と縦走尾根が見えています。ようやく,谷川の水音が聞こえてきました。あと少しで,谷のようです。ズル〜ッ,ズル〜ッ!と滑りながら,斜面を下ります。と,谷川が見えました。ようやく,激下りの終わりです。下り終わると,砂防ダムがあります。小さな小川を飛び越すと,現世集落から登ってきた林道(D)がありました。あとは,車道に出て,車に戻るだけです。

重大な事実発覚!

車道を歩いて田谷に着くと,第一村人を発見!軽くあいさつをして通り過ぎようとすると,第一村人から声をかけられ,少し話をすることに。が,この時,重大な事実が発覚!その村人の言うには,「化石は,この谷の奥で採れる」そうです。エエ〜ッ!先週のおばちゃんたちは,「林道の上の方」って,言ってたよ。そ,そ,そんな〜!採れないはずだわ。

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