春が足踏み 高雄山・荒山(2001.3.4) 


  
P・@〜E
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天候急変!急げ!

夜明けまでの風雨に,今日は家でゴソゴソしようと考えていましたが,朝,起きて見ると風はあるものの雨は降っていません。朝食を終える頃には,青空が広がってきました。こんなにいい天気に,家に居るわけにはいきません。早速,準備をしてGO!めざすは,「赤穂ふれあいの森」です。里山整備事業で,お手軽な里山として整備されています。しかも,時間があれば,周世坂をへだてそびえ立つ荒山にも登れます。

「赤穂ふれあいの森」に到着。下で車をとめようとしましたが,駐車場がないので,高雄山山頂の駐車場(P)に行ってしまいました。昨夜の雨のせいでしょうか,駐車場には車がとまっていません。MTBを準備している間に,高雄山荘の管理人らしきおじさんが,原付で通っただけです。ということは,ボクの他には,誰も来ていないかもしれません。山道をMTBで走っているのに出会ったら,やっぱりいい気はせんでしょ。だから,ラッキー!

昼なお暗い古代の林

準備ができ,早速神護寺跡へ。まわりには,「高雄山荘」という管理事務所のようなところがあり,その前の広場には水道やかまどまであります。まるでキャンプ場です。でも,キャンプはできないのでしょう。

赤穂ふれあいの森
 この地域は本来スダジイやコジイなどの常緑広葉林に覆われる地域です。しかし,古くから製塩や生活のための燃料として森林の伐採が行われてきたため,現在では尾根に多く見られるアカマツや沢および斜面の一部にみられるコナラ・アベマキなどの広葉樹林で占められています。
 ここに位置する神護寺は天台宗の寺院で,鎌倉初期に文覚が開創したと伝えられています。また,周辺は兵庫県を代表する貴重なスダジイの自然林が残されています。

広場を過ぎると,薄暗い森の中に神護寺があります。神護寺ったって,ふつうの人家のようです。「神護寺は,浅野長直公の援助によって寛文3年(1663)ごろ再興され,大石家の別荘もあった古刹。」だそうです。近くに,この付近の林の説明板があります。

コジイ―カナメモチ群集
 赤穂市は,本来はスダジイコジイなどの常緑広葉樹林に覆われた地域でした。しかし,古くから薪炭材などとして利用したためにこれらの林は伐採されつづけられ,現在ではほとんどが二次的な植生に移り変わっており,自然の林はごくわずかしかありません。
 当地の神護寺周辺にみられる
シイの林は兵庫県を代表する貴重な自然林として,県の環境緑地保全地域に指定されています。
 群落内には,
スダジイコジイ,の大木がみられるほか,カナメモチタラヨウヒサカキアラカシクロガネモチサカキヤブツバキシキミベニシダマンリョウなど常緑性の木が多くみられます。(平成7年度里山林整備事業)

見ると,緑の葉をいっぱいにつけたスダジイをはじめ,コジイなどの大木があり,荘厳な雰囲気をかもし出しています。足元の地面には,コケが全面に生えています。まわりには,石仏や霊泉もあります。

高雄山山頂は,もう少し登らなければいけません。丸太の階段を登り,数分で山頂です。山頂からは,南の展望がきれいです。春の日を受けて白く光る千種川,その向こうには,瀬戸内海に浮かぶ家島が見えます。先日登った高山もアンテナ群がはっきりと見えます。標高182mの低山ですが,展望は素晴らしいものがあります。

  
神護寺の霊泉 験行寺
神護寺の霊泉
験行寺

ブル道の遊歩道

さて,これから尾根を縦走です。再び,神護寺にもどり,遊歩道に入ります。ここは,車やバイクは禁止です。MTBはどうなのでしょう。すぐに車道に出ますが,展望広場を通って,再び遊歩道へ。前方には,これから登るであろう遊歩歩道が,山の中腹を斜めに横切っています。さらには,その上には,高圧線鉄塔,その上には三角点のある286.9のピークも見えています。

アカマツ―モチツツジ群集
 赤穂市にはアカマツ群落(2次林)が広くみられます。当地のアカマツ群落は,地表植生の違いによってコウヤボウキ型ネズ型に分けられます。ネズ型はここに多くみられ,尾根の急傾斜面上部の劣悪な土壌条件のところに分布しているためアカマツの樹高が低く,出現種数も少なくなっています。多くは地表にコシダの密生するコシダ型ですが,局所的に林床のコシダを欠きコケ類を伴うハナゴケ型がみられます。これは劣悪な土壌条件のところで局地的な極相林に近いと考えられます。群落内にはコバノミツバツツジモチツツジソヨゴイヌツゲヒサカキなどのほか地表植生を特徴づけるネズナツハゼススキなどがみられます。(平成7年度里山林整備事業)

遊歩道は,山の中腹につけられているので,東方面の展望は開けています。今日,もしかすると登るかもしれない荒山もどっしりとした山容を見せています。山頂には,反射板があるようです。遊歩道は,アップダウンがあるものの,丸太の階段はところどころにしかありません。この遊歩道は,できて間がないようですが,あまり人が歩いている感じはありません。ところどころ,地表の土が雨水に流されてえぐれています。これって,これからも人が歩かなければ,もっとえぐれて,歩きにくくなり,さらに利用者が少なくなってしまうのでしょう。そして,しまいには廃道に。でも,このあたりの植生は貧疎なので,完全にヤブになることはないでしょう。

鉄塔直下には,東屋があります。ここからは,東の尾根にも道がありますが,まずは山頂へ。「神護寺へ(シイの森)1.3km 験行寺へ(昭葉の森)1.4km 山頂へ0.3km」です。プラ階段を登り,鉄塔へ。鉄塔からはさらに登り,ゆるやかになった尾根の先に山頂はあります。山頂(@)には三角点だけでなく,測量用の白赤のポールも放置しています。南には,巡視路が延びています。ここからは,尾根をたどります。

切り開きの尾根道は切り株がたくさんあり,MTBで走るのにはちょっとツライですが,小さなアップダウンもあり,遊歩道を走るよりは楽しめます。自然林の中の落ち葉の道を楽しむと,再び遊歩道へ。「神護時へ(シイの森)2.0km 山頂へ0.5km 験行寺へ(昭葉の森)0.7km」です。丸太の階段を登りきると東屋があります。この遊歩道のいたるところに展望台をかねた東屋があります。日陰のない遊歩道ですから,これだけの東屋が必要なのでしょう。

3階建ての展望台

この東屋からは,「赤穂ふれあいの森」の範囲外です。目指すは,験行寺です。丸太の階段を下ると,昔からの山道になります。やっぱり,長い年月をかけて踏み固まった路面は快適です。験行寺はすぐです。横には管理事務所らしい「医王山 薬師山荘」(A)があります。ここへは,ふもとから車道がつけられています。すぐ上の尾根近くには,木製遊具がたくさんあります。再び,尾根道に戻ります。

  
験行寺のアスレチック 鴾ヶ堂城跡3階建ての展望台
験行寺のアスレチック
鴾ヶ堂城跡3階建ての展望台

鴾ヶ堂城跡 
 三重山の山頂(標高196m)にある鍵形梯郭式の山城跡である。 播州赤穂郡志によれば小田弾正がはじめて住んだとある。

どうやら,尾根の先端部が城跡になっているようです。ということは,展望がいい。期待,大です。木立を抜けると,広場になっています。目の前には,3階建ての展望台が建っています。展望台で,3階建てとは珍しいです。これも,このあたりが城跡だったからでしょうか。尾根の先端(B)からは,国道2号線やJR,有年の集落が小さく見えています。さすがにお城があっただけのことはあります。

高雄山を出発してから1時間半。ちょうどお昼になったので,ランチタイムです。展望台でランチですが,座ると板壁しか見えません。でも,だからといって,展望のいい尾根の先端では,強風が吹きつけています。しかたなく,板壁を見ながらランチです。ここで重大な忘れ物です。温かい汁物を買い忘れていました。ああ,無情。

しばらくじっとしていると,さすがに冷えてきます。やはり,今日は真冬なみの冬型の気圧配置です。温かいものがないなら,長居はできません。ランチを食べ終えると,早速出発です。北にSTが下っていますが,これから周世坂に向かうのですから,鞍部から下ります。

チョイと寄り道が…

長い階段を下ると,遊歩道です。周世坂へはこのまま下ればいいのですが,時間があるのでチョット寄り道。遊歩道を登ります。と,最終的には先ほどの尾根の先端の直下に出ました。念のため,尾根を上ると,先ほどの尾根(B)から北に下るSTとなっていました。尾根は鞍部から北に向かっているようなので,これなら縦走できるかもしれません。が,すぐに鞍部の下に出てしまいました。どうやら,このあたりを植林するためにつけたSTのようです。チョットがっかり。

しかたなく,今度は遊歩道を下ろうとしたその時,左手の谷にSTを発見!こりゃもう,行くっきゃない。あまり利用する人はいないようで,ヤブっぽい上に,雨水でえぐれガレ気味です。でも,これもまた楽しや。九十九折りの道を下り,しだいに高度が下がります。目の前には,植林帯が見えてきました。が,この植林帯で,道がわからなくなり,お決まりのヤブ漕ぎです。でも,今回は,とげとげの木や草が多く,もう大変。となりの植林帯まで行けば何とかなりそうですが,そこまでの10mが…。バリバリと音を立てながら,ちょびっと前進。いつものことながら,困ったものです。

なぜか,巡視路へ

結局,どうにかとげとげ帯を突破。竹やぶを抜けると,そこは畑です。人家もあります。有年横尾の集落です。ここからは,周世坂を通り,高雄山への車道を登りフィニッシュです。周世坂の途中には,赤穂ふれあいの森への登山道がいくつかあります。車道を登りつめるその手前に,「火の用心」(C)を発見。もうこのまま車道を登って,車まで帰るはずだったのですが,なぜかMTBは吸い込まれるように「火の用心」の巡視路に進んでしまいました。今日は風が強いし,荒山へはMTBで行っても意味がないはずなのに,どうして巡視路に入ってしまうのでしょう。

傾斜のゆるやかな巡視路を登り,一つ目の鉄塔着。これで帰ろうかなぁなどと思っていると,知らず知らず,尾根を登っています。ここもゆるやかな登りです。これは帰りは楽勝です。でも,このまま登っても,荒山はダメでしょう。地形図を見ると,傾斜が急です。到底,乗ることはできそうにありませんし,担ぎ上げだって大変そうです。そんなことを考えながら登っていると,2つ目の鉄塔です。ここからは少し下っていますが,荒山への登り口はありません。このまま引き返しても楽しそうですが,せっかくですから荒山への登り口の調査です。もうしばらく進んでみることにしましょう。

なぜか,荒山へ

と,すぐに分岐(D)です。2本の「火の用心」の1本には,「REF」とあります。荒山の反射板のことでしょう。ふむふむと見ながら,MTBは肩に載っています。MTBを分岐に置いて登れば,身軽でしょうが,なぜか担いでしまっています。これはどうしたことでしょう。先ほどの巡視路突入といい,今回のMTB担ぎといい,なにか荒山にとりつかれているようです。きっと,荒山山頂にはなんらかの怨念おんねんなぁ。「MTBで,おいで,おいでおいでお〜い〜で…

予想外のゆるやかな登り道に気をよくして,荒山を目指します。部分的には,MTBに乗車可能です。でも,さすがに中腹は,急斜面です。道は九十九折りになり,昨夜の雨の影響で路面がぬかるんでいます。注意,注意。急坂を登ると,「火の用心」があり,ルートは外れていないようです。傾斜はゆるやかになり,下りはMTBに乗ることができるほどです。これは楽しみです。荒山の怨念に感謝です。

結局,巡視路の入口から40分で荒山山頂(E)です。反射板がありますが,展望はほとんどありません。三角点を探すものの,あたりには見当たりません。なだらかな山頂ですが,木々におおわれているので,歩くのが大変です。この山頂から南に下りる道があるかもしれません。あたりをウロウロ。と,三角点を発見。山頂からはずいぶん離れています。このあたりからはシダの密生した林です。踏み跡すら見つかりません。時間があれば,コンパスを頼りに強引に下ってもいいのですが,今日はヤメ。

  
荒山山頂の三角点 快適ST
荒山山頂の三角点
快適ST

下りがあるからやめられない

反射板にもどり,下りにとりかかります。ゆるやかな山頂部分は,岩が多くてテクニカルです。ときどき,岩につまずきながら,急坂へ。ここは担ぎで下ります。下りきったところから分岐までは,MTB乗車可能区間です。それを楽しみに,担ぎます。快適に下りきった分岐(D)からも,巡視路の下りです。こちらもチョー快適です。これがあるから,MTBは楽しんだよねぇ。登りのつらさを忘れ去ってしまいます。だから,毎回,懲りずに担いでしまうのでしょう。学習能力,無しです。まるで,どこかの首相並みです。我ながら,アッパレ,アッパレ!…?

周世坂にもどると,あとは高雄山への車道を登るだけです。MTBで 舗装路を登る 悲しさよ。それも10分ほどで終了。あいかわらず,誰もいない山上の駐車場着です。おかげで静かな山歩きwithMTBを楽しむことができました。心残りは,荒山から南に下る道がわからなかったことです。でも,やっぱり縦走って,いくら短くても楽しいものですね。メデタシ,メデタシ。


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