明るい春の日ざしをいっぱいに 長水山(2001.オ○マの日)


  
P・@〜E
P・@〜E

3月末の「戻り寒波」が去り,春らしい日ざしが戻ってきました。こんな日は,のんびり山歩きをしたいものです。でも1000mを越えるような山では,まだまだ雪が積もっているでしょう。そこで,前から行ってみたかった長水山に決定。長水山からのびる南東尾根は,さほど高低差がなく,MTBでも快適に乗れることでしょう。それに,長水山は,山城があった山です。ということは,長水山からの展望はよさそうです。しかも,今日は風が強いので,春かすみもかかっていないでしょう。

のどかな山道

ユックリ家を出たために,駐車場(P)を出発したのは11時です。まずは,伊水小学校を目指しますが,なにせ今日は風が強い。なかなか進みません。右手には,これから走るであろうなだらかな尾根が続いています。伊水小学校の手前の道(@)に,登山口を示す立派な石柱があります。道は,舗装路です。学校の裏にまわると,キレイな洋風の家が建っています。まわりの景観からまったく浮き上がっています。

道はさらに登ります。すぐに舗装は切れ,地道になり,しかも傾斜がきつくなってきます。道の脇には,電柱が点々と続いています。結局,乗車不能になり,MTBを押しながら進みます。ところどころ,木の橋がかかっています。これらは,比較的新しいものです。長水山が「ふるさと兵庫50山」に選定されたのを機に,登山道が整備されたのでしょう。道幅は,車でも通れるぐらいの広さがあります。右手,左手に沢の流れは変わるものの,下りならMTB乗車率100%の登山道です。

ふもとでは強かった風は,山に入るとまったくの無風です。しかも,登山道は長水山の南斜面にあるので,明るい春の日ざしがいっぱいです。道の脇には,紫の小さな花がいくつも咲いています。まわりの木々にも,鮮やかな緑が見えはじめています。ウグイスの鳴き声が,あちらこちらから聞こえてきます。静かな山の中で,春を満喫って感じです。あ〜あ,幸せ。

道がガレてくると,「うぐいすの滝」(A)です。残念なことに,今日は水量が少ないために,滝って感じではありません。それでも,しめ縄がかけられ,近くにはベンチもあります。まわりの木々からは,滝の名にふさわしく,うぐいすの鳴き声がここでも,あちこちから聞こえてきます。「うぐいすの滝」とは,よく付けたものです。

  
うぐいすの滝 朽ちかけたお堂
うぐいすの滝
朽ちかけたお堂

山頂の人家

うぐいすの滝を過ぎると,道はシングルトラック(ST)に変わり,植林帯の境界を進みます。植林帯の中に入ると,ヒノキのいい香りがしてきます。でも,山の香りはヒノキだけではありません。松林は松の香り,雑木林は雑木の香り,それぞれに気持ちのいいものです。木によって,植生によって,香りが違うのも山の楽しみのひとつです。しかし,香りは楽しいものの,九十九折りの道はキツイ!

しだいに標高は増し,木々の間からはふもとの集落が見えるようになってきました。と,左手に朽ちかけたお堂を発見。このお堂から尾根は,ひとふんばりです。傾斜はゆるやかになり,歩きやすくなってきます。尾根に出ると,左手に進みます。右手に進むと,南東尾根の縦走路です。

左手に進むと,いきなり人家が現れます。洗濯物が干してあったり,道のまわりの草が刈られていたりしているので,この人家に住人がいることは確かです。一段下の人家は,空家のようです。『ふるさと兵庫50山』によると,山頂の信徳寺の母屋とか。それにしても,この山頂で生活をしているなんて,オドロキです。電柱があるので電気や電話は通っていますが,水道はどうなのでしょう。また,日々の買い物はどうしているのでしょう。新聞や郵便物,宅配便は,この山頂まで持って来てくれるのでしょうか。どのように生活されているのでしょうか,ナゾです。

  
山頂の人家 長水山信徳寺
山頂の人家
長水山信徳寺

やはり,山城址は眺めがいい

山頂直下には,広場があり,さらにその奥にも円形の広場があります。先客は,熟年夫婦1組です。この広場からは,家島諸島の男鹿島が見えています。東には,明神山。そのずっと北には,暁晴山。西には,雪をかぶった後山。その右手奥には,氷ノ山の南尾根らしい尾根が見えています。さすがに山城があっただけのことはあります。

熟年夫婦は,伊水小学校からの登山道のピストンだとのこと。このあと,白旗山にも登るそうです。なかなかの元気っぷりです。熟年夫婦がいなくなると,広場でただ一人,展望を楽しみながらのランチタイムです。贅沢なひと時です。今回は,汁物も忘れず持って来ました。

ランチタイムのあとは,長水山山頂へ。山頂(B)には,信徳寺があり,その一段高い所に墓地?があります。三角点は,その墓地の中にあります。なんだかヘンな感じです。山頂とはいえ,まわりの木々のために,展望はありません。先ほどの広場が,長水山の展望台なのでしょう。お寺の前には,石柱「長水山 信徳寺  標高584米 東経134度32分 北緯35度2分」があります。

長水城跡 標高585m
長水山の山頂にあり,建武3年(1336) 赤松則村(円心)の3男である赤松則祐によって築かれた山城。本丸は東西45m,南北49m,二の丸は東西36m,南北41mであったと伝えられており,天正8年(1580)羽柴秀吉の攻撃により落城しました。山頂には信徳寺があり,石垣や古井戸が当時をしのばせています。また,長水山周辺は林間遊歩道,東屋や四季の花木が植栽整備され,町民の憩いの場となっています。(山崎町HPより)

南東尾根縦走へGO!

さて,いよいよこれから長水山の南東尾根の縦走です。人家の前を過ぎ,再び登山道との分岐点に戻ります。ここからは,尾根をたどるだけです。高低差がそれほどなく,快適にwithMTBが楽しめます。初心者大歓迎コースですが,ここに登るのが問題です。あまり広くない尾根なので,木々の間からは南北の山々が望めます。また,まわりが雑木林なので,明るい春の日ざしがいっぱいにふりそそいでいます。ところどころに「しそう森林王国やまさきミニ王国 長水まつり 順路←」といった表示板があります。長水まつりというイベント?で,この縦走路を歩いたなごりなのでしょう。

しばらくすると,「やまさきみんなの森」の案内板(C)が現れます。

やまさきみんなの広場 面積43ヘクタール
この森の森林植生は,大きく分けてアカマツもしくはアベマキが優占する二次林と,スギヒノキの人工林からなっています。アカマツ林は尾根筋の一部分に分布しており,アベマキ林は斜面を広く覆っています。また,谷部を中心に人工林が見られます。山先町は古くから瀬戸内海と日本海の結節点として,あるいは戦国の歴史の要衛として知られており,この近くには室町時代に成る古い城址として長水山の山城があります。

ここからは,遊歩道を進むことになります。遊歩道といえば,お決まりなのが,苦手の丸太の階段です。ここは広い遊歩道ですが,山肌を削り取って作ったものです。それまでの落ち葉が積もった山道と違って,味気ないものです。でも,小さなピークを巻き,一定した傾斜で下っているので,楽なことも確かです。

しばらくすると,丸太の階段はなくなり,広い遊歩道はハイスピードコースです。今日は,幸い,ハイカーがいないので,気持ちよく飛ばせます。薄暗い植林帯をかすめ,小さなアップダウンを繰り返しながら,気持ちよく進みます。と,「長水山1.7km 展望舎0.2km 林間広場(健脚向)1.2km」と書かれた道標が現れました。少し行くと,またもや道標。さらにその先に,望遠鏡が設置されたあずまや(D)があります。このあずまやから,瀬戸内海の家島諸島男鹿島が見えますが,南方面が切り開かれているだけなので,それほど展望はよくありません。長水山山頂の広場には及びません。

遊歩道から山道へ

このあずまやが,「やまさきみんなの森」のはずれのようです。ここからは,道は再び山道に変わります。切り株があったり,小さなギャップがあったりと,先ほどまでの遊歩道のようには走れませんが,それでもこの小さな変化が楽しいものです。

山道を楽しんでいると,前方で建設重機の音がしてきます。?です。こんな山の中に,なんで重機?行ってみると,小型のユンボが道を切り開いているところでした。その先には,林道ができています。生谷から登ってきている林道「普通林道法師ヶ谷線」なのでしょう。地形図では,途中までしか書いていませんが,今では尾根の鞍部にまでのびています。この鞍部から道をつけて,先ほどの「やまさきみんなの森」のあずまやに行けるようにするようです。

鞍部からは,412.7の三角ピークを目指します。久しぶりの担ぎです。この尾根ルート中で,一番高低差のあるところです。急斜面を登ると,三角点があります。ここからは,尾根が東と南に分かれているので,要注意です。が,縦走路は,ハッキリとしており,全然問題なしです。ただ,下りはじめは急斜面なので,MTBには乗れません。しばらくすると,遊歩道らしきものが右手からのびてきています。どうやら,先ほどの林道からのびてきているようです。つまり,「やまさきみんなの森」から,先ほどの412.7の三角点ピークをパスするように遊歩道をつけたということのようです。

再び,山道になり,withMTBを楽しみます。このあたりにも「長水まつり」の際の表示があります。また,「たんさくの道」という木のプレートもあります。なんのこっちゃ?!まわりは,雑木に囲まれていますが,よく繁っているので,薄暗く,展望もよくありません。こんな道は,歩いてもあまり楽しくはないかもしれません。このあたりも,先ほどの遊歩道がのびてくるのでしょうか。

  
快適!縦走路 南東尾根の先端
快適!縦走路
南東尾根の先端

尾根の先端は展望台

小さなアップダウンを繰り返し,広く開かれた尾根道に出ます。道標「林道まで320m あずまやまで330m」があります。ここからは,先ほどの林道法師ヶ谷線に出ることができるようです。でも時間があるので,あずまやまで行ってみることにしました。

なだらかな広い尾根道を進むと,尾根の最南端に出ます。あずまや(E)と,その下には展望台もあります。このあずまやからは,山崎の町と揖保川の流れが箱庭のように見えます。手前には,生谷温泉が見え,その駐車場にとめてあるわが愛車も見えます。どうやら,放置自動車と間違われて持ち去られてはいないようです。メデタシ,メデタシ。

尾根の先端部分からは,九十九折りのSTが池まで続いています。木のない道なので,谷側にこけるとチョットこわい。池のほとりには,周回道があります。ついでにこの道も行ってみることにしましょう。結局,ただの遊歩道でした。このあたりは,「夢を育む森」ということで,整備されているようです。数年後には,先ほどの「やまさきみんなの森」と遊歩道で結び,この南東尾根の南斜面全体を整備するのでしょう。池から下ったところには,広場があり,遊具もできつつあります。ここも,「夢を育む森」の一部となるのでしょう。

今回の山歩きwithMTBは,から長水山(B)までが1時間,長水山(B)から南東尾根を縦走してまでが1時間半。お手軽な山歩きコースでした。なんといっても,長水山からの縦走路は,MTB乗車率95%なのがイイですねぇ。しかも,展望はいいし,尾根道は明るいし,春の日ざしがいっぱいだし。でも,本によると「ここにはヒルが多いので,注意して下さいね。」とあります。今日は出会うことはありませんでしたが,やっぱり気持ちワル〜い。


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