涼風さわやか 笠松山・善防山縦走(2001.7.7)


  
P・@〜E
P・@〜E

たまには山歩き

梅雨のこの時期,週末に晴れるという幸運にめぐり合えることはあまりありません。しかも,この時期は,ロードの練習をすることが多いので,なかなか山に行くことはありません。でも,今日は風もさわやかです。たまには,山歩きもいいものだろうという気になり,お手軽山歩きに出かけることにしました。行き先は,加西市の笠松山・善防山です。

この山は,アルプスのミニ版を彷彿とさせる山々が怒涛のように立ち並び,激しい起伏とすばらしい展望がふんだんに見られる魅力あふれるコースだ。『大阪周辺の山200』

この二つの山は,別々に登ったことはあるものの,縦走はしたことがありませんでした。もちろん,笠松山から熊野神社までの縦走も初めてです。ルートは,笠松山から熊野神社,そこから車道を通り農協前へ。池のほとりの小道から善防山を目指します。善防山からは,つり橋手前の尾根を下ることにします。

虹が…!

つり橋手前の駐車場(P)に車を止め,つり橋を目指します。細く曲がりくねった車道を登ると,目の前につり橋が見えます。と,よく見ると,つり橋の向こうに虹が見えます。が,よく見る円弧の虹とは違って,部分的に虹色になっているだけです。珍しいので思わずピッ!それにしても,雨上がりでもなく,太陽のある方向に向かっているのに虹が見えるなんて,オドロキです。

早速,いいものを見て,気分よくつり橋へ。ここはいつ来ても,いいところです。つり橋の向こうには岩壁,そのはるか向こうにはとんがり帽子の笠松山が見えます。標高は300m足らずの山々ですが,岩場が多く,展望のいい尾根歩きができます。

  
つり橋の向こうにレインボー つり橋と岩場
つり橋の向こうにレインボー
つり橋と岩場

石切り場をロッククライミング!

岩壁を登り,尾根道に出ると,左手の谷からカチン,カチンという音が聞こえてきます。話し声も聞こえてきました。石の加工でもしているのでしょうか。尾根は,低い松が生えていますが,展望はよく,なだらかな尾根の笠形山もきれいに見えます。直射日光が当たるものの,尾根に吹く風はさわやかです。しばらく,展望を楽しみながら尾根を進むと,先ほどからのカチン,カチンの音の主が判明。なんと,垂直に切り取られた石切場の岩壁(@)を登っている人がいたのです。彼が岩にハーケンを打ち込む音だったのです。なんとまぁ,人間って,あんな岩壁を登ることができるんですねぇ。

  
石切り場でロッククライミング はるか向こうに笠形山
石切り場でロッククライミング
はるか向こうに笠形山

しだいに尾根道は傾斜を増し,とんがり帽子の笠松山へ。頂上直下の急斜面を上ると,展望台のある笠松山です。三角点は,その展望台の下にあります。この展望台からは,笠形山はもちろん,鎌倉山,五峰山,西には七種山も見えています。展望台の下には,いくつかのプレートがあります。中でも,兵庫登山会のプレートには,スバラシイ文が書かれています。

自然を愛するあなたへ―――
人は誰しも明日と云う日を夢み,今日を生きている。未だ見ぬものとの出会いに,人生は感動の連続でありたい。―――
人生と云う長い長い山道――!その道の途中でめぐり会った自然の美。通いなれた道にも季節がめぐると,新しい発見があるように,誇りあるあなたの人生の中で,明日は,今日よりもさわやかな笑顔の日であることを祈ります。
いつ迄もお健やかに…
             兵庫登山会

ハイキングコースは,下に見える東屋に向かっていますが,縦走路は北西に進みます。それまでのハイキングコースほどのきれいな道ではありませんが,はっきりとした道です。ところどころに熊野神社への道標もあります。笠松山から熊野神社(権現堂)へは900mということです。

熊野神社へ

それまでのコースとは違って,熊野神社への道は,木立に囲まれた日陰の道です。太陽が当たらない分,涼しく感じますが,木が多いということはそれだけクモの巣が多いということです。事実,この縦走路はクモの巣が多かったです。それはチョット…。

小さなピークを過ぎ,振り返ると笠松山,さらには善防山が望めます。急な下りの向こうには急なピークがそびえています。道はあまりよくはありませんが,尾根道なので迷うことはありません。急なピークに登り,少し進むと熊野神社(権現堂)への分岐点(214のピーク)(A)です。このまま尾根道を進むと,三角点のあるピークに行けそうですが,夏草と伸びた木の枝でで歩きにくくなっています。

右手の尾根を下ると熊野神社です。あまりきれいではありませんが,コンクリート作りのがんじょうそうなお堂です。このお堂への参道が下から続いています。「北条鉄道 長駅方面2km」参道は,木立に囲まれて苔むし,歴史を感じます。少し下には,親子連れが休憩中です。この道は,ハイキングコースとして親しまれているのでしょうか。参道に入り口に着くと,石の鳥居があり,燈篭もあります。脇には,ポール代わりの木の杖も準備されています。

善防山への岩場

登り始めて1時間。縦走路の半分が終わりました。ここからは,縦走路の東端まで車道歩きです。約30分。農協前の池のほとりの道を進み,竹やぶ(B)に入ります。しばらくすると,雑木林へ。尾根への登りが始まり,小学校からの登山道と合流すると,岩場はすぐです。

この岩場は,展望がよく,気持ちのいい尾根(C)です。目の前には善防山がそびえ,眼下には加西・小野の街が見えます。そのはるか向こうには,六甲の山影が見えます。この岩場にもさわやかな風が吹き,夏を忘れてしまいそうです。さわやかな気分になったところで,急な岩場の登りです。さっそく汗がふき出します。振り返ると,急な岩場が見え,スリルがあります。

善防山

急な岩場を過ぎると,善防山第二頂上はすぐです。途中の分岐点には「富士山行き★★ 第二頂上行き★ 牧場行き難度★★」の道標があります。富士山って,どこや?牧場は,南の尾根を下るのでしょう。しばらくすると,第二頂上(D)へ。小さなプレートのある,展望のないピークです。善防山山頂は,さらに西です。

  
善防山への急な岩場 荒武者のような岩山
善防山への急な岩場
荒武者のような岩山

なだらかな尾根を上ると,善防山山頂です。この山頂も展望はありません。「善防山 標高251m 第1頂上おつかれさま」山頂からは,タフロープが張られています。タフロープ沿いに進むと,結局は行き止まり。なんのコッチャ!再び,善防山山頂に戻り,正規ルートへ。急な下りの途中に丸岩があります。この岩の上に登ると,笠松山方面の展望がスバラシイ。

丸岩に登ると,それはもう思わず歓声をあげたくなるような展望だ。ピラミダルな笠松山を中心にして岩山が林立し,波涛のように激しく波打つ。どの山もこの山も鎧をまとった荒武者のようだ。これが標高200mの山かと眼を疑うだろう。『前掲書』

荒武者のような岩山を眺めながら,さらに下ると,今度は,左手に岩壁が見えてきます。一枚岩のようななだらかな岩壁ですが,迫力があります。最後の小さなピーク(E)を過ぎると,右手の尾根を下ります。朽ちかけた木の階段があるハイキングコースですが,この道も展望がよく,気持ちよく歩けます。左手には笠松山,右手には善防山を見ながら下ります。最後は木立の中の道になり,フィニッシュです。「播磨下里駅1800m つり橋500m ハイキングコース」

蒸し暑い梅雨のこの時期にしては,さわやかな風に吹かれながら,久しぶりに山歩きをしました。アスファルトの舗装路をロードレーサーで,汗を流すのも悪くはありませんが,時にはのんびりと山歩きしたいものです。今回の縦走路も短いながら,岩場あり,開放感のある尾根道あり,木立の中の日陰の道ありと,変化に富んだコースでした。お手軽に楽しめるのも,このコースのいいところです。


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