今はもう秋 誰もいない扇ノ山(2001・夏 処暑)


  
P・@〜C
P・@〜C

残暑,残暑,残暑

台風11号が過ぎ,これで秋が来るかと思いきや,さにあらず。再び,暑い夏が戻ってきてしまいました。こんな暑い日には,1000m級のお山で避暑です。先日は氷ノ山に行ったので,今日は扇ノ山です。数年前にもwithMTBで登ったことがあるのですが,お手軽コースで,山頂からの眺めもよかったように記憶しています。登山道も,ブナに囲まれて,暑い夏の日には快適な木陰道になっているようです。ただ,登山口に行くまでに時間がかかりすぎます。今回は,家から河合谷登山口まで4時間半もかかってしまいました。途中で,道路工事のため,何分も待たされたこともありますが,これだけの時間をかけて,登り1時間,下り30分じゃあ,チョットもったいない気がします。

それにしても,あの道路工事はなんとかならないのでしょうか。幹線国道の9号線で,何ヶ所も工事をされたのではたまりません。道路特定財源の見直しとか,公共事業費の縮小とか,巷では話題になっていますが,そんな話はどこの国の話?って感じです。それとも,これは「痛みにともなう雇用の創出」なのでしょうか。必要だから工事をしているのでしょうが…。

温泉町の海上から上山高原経由で,河合谷登山口を目指します。まずは,R9の千谷から海上口,上山高原の案内板に従って道路を登ると,深い谷へばりつくように海上の集落が現れます。水の豊富な扇ノ山山系ですから,水田に適しているのかもしれませんが,急な斜面に作られた水田を見ると驚いてしまいます。

海上の集落を過ぎると,一旦道は未舗装路になりますが,すぐに簡易舗装に変わります。右手には,深い谷の向こうの斜面にガケ崩れの跡があります。

これは,この山にすんでいた大蛇が慈覚大使によって退治された時に抜け出した跡だといい伝えられている(『但馬の自然』神戸新聞社)

上山高原

扇ノ山山系は,滝が多いことでも有名ですが,この林道からも「シワガラの滝」「桂の滝」へ行けるそうです。曲がりくねった林道を登ると,しだいに道は緩やかになり,高原に出ます。上山高原です。ここには,「雲無心」の石碑があり,青下からの登山道も合流しています。高原というには,あまり広くはありませんが,目の前には丸い山容の上山が見えます。ここには三角点があり,遊歩道が整備されています。300mほどで山頂(C)です。山頂には,なぜか,ゴミ箱まであります。この山頂からは,青ヶ丸,仏ノ尾,扇ノ山が見えます。日本海も見えるのかもしれませんが,この日はモヤっぽくて見えませんでした。

氷ノ山後山那岐山国定公園
湯村温泉を含む南部の山岳は,扇ノ山をはじめ大ヅッコ,小ヅッコなど1000m級の山なみが続き,ブナの自然林におおわれています。ここ上山高原(890m)は,扇ノ山(1309.8m)の山腹にあって,樹齢300年あまりのブナ,トチなどの原生林がうっそうとしげる畑ヶ高原に連続しています。一帯の谷は浸食がすすみ渓谷となっていますが,中でも霧ヶ滝渓谷や,小又川渓谷は,大小多くの滝があって県下有数の秘境です。高原西方の稜線には中国自然歩道が整備され,雄大な日本海の展望を楽しむことができます。

  
上山高原の「雲無心」 上山山頂から 仏ノ尾と青ヶ丸
上山高原の「雲無心」
上山山頂から 仏ノ尾と青ヶ丸

さらに林道を登ると,兵庫県と鳥取県の県境を過ぎ,わき水のある公園(P)へ到着。この公園は,東屋やテーブル&イスがあり,バーベキューも楽しめるようになっています。夏場などは,ここでキャンプをする人もいるとか。水があるので大丈夫でしょうが,トイレがありません。12時もとっくに過ぎているので,さっそく車をとめ,MTBの準備です。ボトルにはわき水を入れ,準備OKです。それにしても,ここのわき水は冷た〜い!

ブナ林の登山道

登山口は,二つ。公園の南から河合谷登山口,林道を少し戻ったところから小ヅッコ小屋経由の登山口。今回は,小ヅッコ小屋経由で登ることにしました。登り口に着くと,右手に林道,左手に丸太階段です。おや?登山道を行くはずですから,左手の丸太階段を選択。数mほど登ると,先ほどの林道と合流。なんのこっちゃ。林道は,100mほど先の小ヅッコ小屋まで続いています。この小ヅッコ小屋は,1964年に建てられたそうです。つまり,東京オリンピック記念?まわりは広場になっていて,たくさんのトンボが飛んでいます。残暑の厳しい下界より一足先に秋の気配です。

小ヅッコ小屋からは,スギの植林帯の中の道です。先日の台風11号の影響でしょうか,道には折れた木の枝が散らばり,路面はにゅるにゅるです。そのために,傾斜は急ではないのですが,MTBに乗ることはできません。しばらくすると,河合谷登山道と合流します。中国自然歩道「河合谷登山口0.9km 扇ノ山頂上2.3km」の標識があります。このあたり(@)からはブナの林になります。MTBで快適に進めます。両脇のブナの木を注意してみると,幹がミョ〜に曲がりくねった木があります。このあたりは,冬の間は湿気の多い雪が大量に積もるので,曲がってしまうのでしょうが,それにしてもめずらしいです。

今から15年ほど前,当時高校生だった私は初めてこのブナの木に出合い,その生命力に感動して「根性の樹」と勝手に名づけてしまった。以後,このブナに出会うたびに懐かしい想いに駆られる。(前掲書)

  
ブナの木N ブナの木X
ブナの木N
ブナの木X

静かなブナの林を進みます。公園では,何人かの人に出会いましたが,この登山道に入ってからは,誰にも出会いません。時おり,鳥の鳴き声が聞こえるだけです。上を見ると,ブナの葉を通してやわらかい緑の日の光がさしています。落ち葉のじゅうたんを敷き詰めた道ですが,先日の台風の影響でしょうか,ところどころで湿地帯になっています。MTBのタイヤがもぐってしまいます。また,あるところでは,木の根がいたるところに張り出し,MTBのハンドルがとられます。タイヤが滑ります。

急な登りを登ると,そこが大ヅッコ(A)です。小ヅッコも,大ヅッコも標識がないので,地図を見なければ,扇ノ山につながる尾根のピークにしか思えません。一旦,鞍部に下りますが,再び登り。これが扇ノ山山頂への登りです。登り終えると,展望台があります。日本海や湖山池が見えるそうですが,今日はモヤっているので見えにくい。

  
ブナ林を走る 扇ノ山山頂小屋
ブナ林を走る
扇ノ山山頂小屋

扇ノ山山頂

展望台から山頂はすぐです。途中で,畑ヶ平高原からの登山道と合流し,200mで山頂(B)へ。ここには三角点があり,ログハウスの山頂小屋,テーブル&イスもあります。ここのログハウスは,とてもきれいです。強化ガラスを多用し,室内が明るいのもグッドです。2階は土足厳禁です。積雪期には,2階から直接入ることができます。

95年の夏,鳥取の扇ノ山に出かけたとき,山頂に小屋ができたばかりだったが,2階の廊下をすのこ状にして,靴のドロや雪を落とせる工夫をするなど,従来の小屋にない工夫をしていた。(『山の社会学』菊地俊朗 文春新書)

2階からは,近くの樹木のために360度とはいえないものの,かなりの展望が開けています。南には,氷ノ山のなだらかなシルエットが見えます。山頂の小屋も確認できます。南東には,青ヶ丸と鉢伏山が一直線上に見えています。東には,蘇武岳などのシルエットが見えます。夜なら,鳥取の市街地の夜景や日本海の漁火が見えることでしょう。このきれいな山頂小屋でお泊りをして見てみたいものです。

うれし,たのし,ダウンヒル

お弁当を食し,登山日誌に記帳し,帰りはお楽しみの下りです。部分的には,MTBで乗れない所もありますが,90%以上は乗車可です。ピストンコースなので,下りはMTBを楽しみます。最後の下りは,河合谷登山口に下ります。最後の丸太階段を下って,公園へ。登りの乗車率は20%,下りの乗車率は90%といったところです。もちろん,S田さんのような?テクニック上級者なら下りは100%乗車可能でしょう。

海上の昆虫化石

帰りは,河合谷林道からR29へ下ってもいいのですが,せっかくここまで来たのですから,海上の化石産出地を見学することにしました。再び,上山高原を通り,海上まで下ります。海上の集落の西の谷に下り,小又川沿いの道に出ます。化石産出地は,小又川の対岸です。1964年に小又川の転石から化石が発見された時は露頭だったようですが,今では草が生い茂り,露頭はほとんど見えません。しかも,産地を保護するために金網で柵をしています。わずかに,凝灰質シルト岩の平行葉理が見えるだけです。この地層から,昆虫や植物の化石が発見されたそうです。ここで発見された化石,特に昆虫化石は全国的にも珍しく,翅脈や触角,棘毛も保存されていることがあるそうです。なお,R9近くには,「おもしろ昆虫化石館」ができています。

滝の多い扇ノ山系

帰路は,工事だらけのR9はイヤなので,畑ヶ平林道を通り,R29で帰ることにしました。途中で,霧ヶ滝への入口があります。それにしても扇ノ山って,滝が多い山です。

扇ノ山(標高1310m)は兵庫県でも一番北の,鳥取県境にある火山である。この火山は約70万年以前から4万数千年前頃に終わったとされる火山活動で形成された。その際に噴出した何枚もの溶岩が山を平たく広くおおっている。兵庫・鳥取の両県側から多くの河川が谷を刻んでいるが,新しい火山であるために山全体の侵食はそれほどすすんでいない。また,それらの溶岩が堅硬であるために,山頂部や稜線部は侵食作用から保護され,高原として広く残っている。畑ヶ平高原は畑ヶ平溶岩上に,上山高原は上山溶岩上に広がっているなど,周囲には多くの高原ができている。
下流からおよんできた侵食作用は溶岩部分で中断して上流側まではおよばず,その部分に滝を作る。溶岩は滝を懸ける造瀑層となる。但馬には新旧の火山岩が広く分布し,そのために各地の溶岩層が造瀑層を作り,沢山の滝が形成されている。美方郡温泉町の霧ヶ滝もそのような滝で,霧滝溶岩に懸かっている。厚さ60mの溶岩が造瀑層となり,滝を作っている。
(『ひょうごの地形・地質・自然景観』神戸新聞社)

帰路も3時間半。結局,本日の扇ノ山登山,8時間のドライブと1時間半の山歩きwithMTBとなりました。これでは,ドライブのついでに扇ノ山登山って感じです。「ドライブがてらにお越しください」です。次回からは,登山口やドライブコースを検討する必要があります。それとも,余裕を持って,1泊2日で,見どころの多い扇ノ山を歩き回るというのも楽しそうです。滝も見てみたいものです。


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