withMTBでお手軽縦走 三濃山・感状山(2001.9.2)


  
P・@〜C
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相生だって近場

8月が終わり,いきなり秋がやってきたような今日この頃です。1週間前までの猛暑がウソのように,さわやかな日が続いています。とはいえ,低山はまだまだクモの巣,夏草の真っ盛りです。昼からは天気がくずれるということなので,近場でお手軽縦走に行くことにしました。目的地は,三濃山・感状山の縦走です。

ここは,数年前にS田さんに連れられていった所です。その時は冬だったので,夏草も枯れていました。もちろん,クモの巣なんてありませんでした。林道を登り,尾根を縦走するので,MTBの乗車率は80%といったところでした。MTBには,ピッタリのコースです。しかも,家から羅漢の里まで40分ほどです。

瓜生羅漢渓

鍛冶屋側の源流三濃山の東南山麓に位置する瓜生字鍛冶屋谷,古くは天慶の乱(939〜941)の賊徒藤原純友の一味が隠れ住んだ矢野の岩屋,くだって建武年間,赤松氏の居城であったと言う感状山城の西搦手の間道に沿った渓谷として知られてきた。
この渓谷の岩屋の奥に羅漢が祀られていることから,早くより“瓜生の羅漢さん”と呼ばれしたしまれてきた。
羅漢渓谷の中には渓川が流れ,春は桜,初夏のもみじ,夏のキャンプ設営,秋の紅葉と,人里からほんのわずか入ったところでありながら,深山幽谷の味わえる好適地である。
小岩の石段を登り巨岩のトンネルをくぐり抜けると大きく張り出した岩壁のくぼみに,釈迦三尊の石仏を中心に,十六羅漢が肩を寄せ合うように安置されている。
このあたり,鍛冶屋川をさかのぼると,海抜508mの三濃山頂にたどりつく。
ここはかつて,三濃千軒として栄えた三濃山求福寺の遺跡がある。
また,羅漢境内からの登山路(延長412m)を散策し,尾根づたいの道をたどれば,中世山城の石垣が残る感状山城跡をたずねることができる。
   相生市

羅漢の里に車をとめ,MTBで進みます。公園や研修センター,キャンプ場などがあり,朝早くからたくさんの人がアウトドアを楽しんでいます。車が通ることができるのは舗装路までで,地道の入口には進入禁止の立て札があります。つまり,林道になると,MTB&ハイカー天国ということです。

三濃山への林道

砂防ダムの手前に,「げんこつ岩」があります。直径4〜5mの大きな岩が三つ四つ転がっていますが,「げんこつ」というにはあまりにも平凡です。しかも,あんな大きなげんこつって,キングコングのでしょうか。砂防ダムを過ぎ,快適に林道を登ります。前から,子どもの集団が降りてきました。どこへ行っていたのでしょう。

  
げんこつ岩 盃流し
げんこつ岩
盃流し

木々に囲まれ,昼でも薄暗い林道を登っていくと,「盃流し 山頂まで2.8km」の案内があります。右手の渓谷に降りると,一枚岩の川床を水が流れています。その昔,上手から盃を流し,下手の人が盃が流れ着くまでに一句読むという遊びをしたのでしょうか。でも,それなら,酒好きな人は,いつまでたっても一句も読まないんじゃないの?といらぬ心配をしてしまいます。

「渓流釣りの道」を過ぎ,林道をさらに登ると,こんどは「山頂まで2.9km 三濃別れ」の道標(@)があります。道の分岐点には,登山用の杖を入れる入れ物に「左 金出地 登山用杖 右 三濃山」と書かれています。ちなみに,杖入れには杖はなく,傘がつっこんでありました。以前は,金出地へ抜ける道から境界尾根を通って三濃山に行ったこともあったけなぁ。でも,このあたりはゴミが目立ちます。残念なことです。

分岐を右手にとり,林道を登ります。きゅうなうえにガレているので,MTBに乗ることはできません。このまま山頂に行くのかぁと思っていると,すぐに乗車可。道は少し細くなり,ガレ気味ですが,軽トラなら十分登ることができそうです。左手に池を見て,スイッチバックを抜けると,山頂は間近です。湿地あたりでは,クロカンランナーに出会いました。おそらく,羅漢の里から林道を往復しているのでしょう。暑い夏には,日陰の多いこの林道を走るのがいいかもしれません。

三濃千軒の跡

尾根に登るとT字路(A)です。左手には,三濃山求福教寺への階段があります。直進すれば,感状山への縦走コースの入口があります。が,とりあえずは,三濃山山頂を目指します。

三濃山求福教寺(相生市矢野町三濃山)

三濃山求福教寺は,伝承によると,弘法大師が平安時代の大同年間(806〜9)に伽藍を建立し,真言の法窟としたといわれ,また「峰相記」では貞観6年(864)に赤穂郡の長官であった秦造内麻呂が秦河勝の遺跡を訪ね,冥福を祈って観音寺を建立したと伝えられています。また,鎌倉時代には源義家が堂宇を再建し,三濃千坊の隆盛をみたが,保元・平治の乱で焼失して本堂だけが残り,三濃山観音寺として法燈が守られてきたと伝えられています。
本堂の周辺には,往時の寺の礎石や五輪塔が残され,境内には大避神社と弁才天社が祀られています。
  相生市教育委員会

本道の裏から三濃山への道は続いています。右手に,山王権現?のお堂があります。家らしいものもあり,まわりの草は短く刈り込まれています。ということは,定期的に手入れがされているということでしょう。あの家に住んでいる人がいるのでしょうか。昔は,三濃千軒といわれほどですから,このあたりに人家があったっておかしくはないでしょう。三濃山山頂は,目の前,否,目の上です。

急坂を押して上がると,三濃山山頂のシンボルである赤樫の老木が迎えてくれます。おや?先客がいらっしゃいます。中年女性ばかりのグループです。岡山から来られたとかで,西の本金出地から登ってきたそうです。今日は,今度の山の会の下見とかで,しきりに山頂からの展望をメモっています。お弁当を食べる場所も検討しています。たくさんの人を案内するからでしょうが,準備万端です。すべてが行き当たりばったりの,どこかのMTBクラブと大違いです。

老,赤樫より
気がついてくれてありがとう
無残な姿をさらしている私が今も最後の力をふりしぼって
新しい根を伸ばし続けていることを
遥かなる時の中で,人々の暮らしをこの三濃山の頂上
で見守ってきたけれど
そしてもう終わりに近いことと悟ってはいるけれど
それでもまだあきらめてはいない
私の新しい根が大地にたどりつくまで
そして みんなが私を忘れずにいてくれるかぎり…
赤樫を守る会

三濃山山頂508.6からは,播磨灘が見えます。家島諸島の西には,小豆島の大きな島影が見えます。左手を見ると,姫路の臨海工場群の煙突も見えています。展望があるのは南だけで,北の展望がないのがチョッピリ残念です。

さて,これからしばしのダウンヒルです。山頂から下っていると,先ほどのオバチャンたちが「さようなら〜」こちらも「さようなら〜」手も振りたいところですが,ブレーキをかけているので,振ることはできません。求福教寺の境内を通り,先ほどのT字路へ。左折し,東に下ります。九十九折りの道を下ったところに,感状山へ案内板がかかっています。いよいよ,縦走の開始です。

  
三濃山山頂の赤樫 感状山縦走路の案内
三濃山山頂の赤樫
感状山縦走路の案内

感状山への縦走

S田さんが初めてこのコースに来た時は,案内板はなく,道ももっとヤブっていたので,大変だったそうです。しかし,今では案内板があり,道が整備されているので,快適コースのハズです。植林の中を抜け,松林を進みます。小さなアップダウンがありますが,登りの距離は短いので助かります。イヤなのは,倒木とクモの巣です。せっかく気持ちよく走っているのに,いきなりの倒木の出現でストップ!倒木が草で隠れているのに気づかなければ,大前転です。倒木もなく,気持ちのいいシングルトラックを走っていると,バリッ!バリッ!という音がします。クモの巣が破れる音です。ヘルメットで,ハンドルで,身体で,時には顔面でクモの巣を直撃です。もう,気持ちの悪いこと,気持ちの悪いこと。夏の間は,この縦走路を利用する人は,あまりいないのでしょうか。路面には,イノシシのドロ遊びの跡もあります。

一つ目の高圧線鉄塔を過ぎ,二つ目の高圧線鉄塔です。部分的には,開けたところがありますが,ほとんどが松林の中です。ですから,展望はあまりありません。MTBでは楽しく走ることができますが,歩きではあまり楽しくないかもしれません。

二つ目の高圧線鉄塔(B)からは,羅漢の里へ下る道や高圧線巡視路もありますが,感状山の案内板に従って,谷沿いに下ります。こんなところに炭焼窯跡があります。あいかわらず,倒木が多く,それを除けながら進みます。クモの巣対策は,ブレーキケーブルのすき間に木の枝を差し込み,木の枝を突っ立てて前進です。やっぱり,この時期のこのルートは,あまりよろしくないようです。

  
赤松林の縦走路 感状山山頂
赤松林の縦走路
感状山山頂

339.3のピークからは一気の下りで感状山305(C)です。山城があっただけに,展望はスバラシイ!ハイキングコースにもなっているそうですが,手軽に展望が楽しめるポイントです。

国指定史跡感状山城跡

建武3年(1336年)足利尊氏が京都から九州に落ち延びたとき、赤松円心は白旗城にあって新田義貞の追討軍を防いだ時、円心の子、則祐がこの城にこもって奪戦し、尊氏から感状を与えられたことによると伝えられている。

曲輪を過ぎ,井戸跡のある広場に出てきました。今でも,水をたたえた井戸だということですが,見つからず。大手門を目指して進みます。石段の道は,ガレ場と同じで,MTBを押すのさえ大変です。整備された階段を下ると,大手門目指して,左手の尾根道に入ります。整備された階段は,右手に下っているようです。

尾根道は,クモの巣があるものの,下り基調で快適です。尾根を意識しながら下っていると,左手に下る道になります。???尾根から外れるのはヘンです。倒木を越え,尾根を進むと,踏み跡が続いています。先ほどの左手に下る道ほど明瞭ではありませんが,MTBで乗車可能です。以前,S田さんと来た時には,この尾根の先端から八柱神社に下ったはずなので,この踏み跡で間違いはないのでしょう。

狭いながら,テクニカルなコースを楽しみながら,尾根の先端へ。反射板?の跡に出ると,縦走はいよいよフィナーレを迎えます。急な山道を下るとお墓があり,さらに下ると八柱神社。縦走の終点です。

羅漢の里から三濃山まで1時間。三濃山から感状山を経て八柱神社まで1時間半。今回は,時期的にも,夏草やクモの巣が多く,超快適とはいきませんでした。それでも,これだけのMTB乗車率の高いコースを手軽に楽しめるのはうれしいことです。


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