新緑の海,ナダレ尾・童子・花・稚子ヶ墓・帝釈・丹生・シビレ山(2001.5.5)


  
P・@〜H
P・@〜H

久しぶりの丹生山系縦走

天気がイマイチすっきりしないこの大型連休。今日も朝から,どんよりと曇り,天気予報では雨は降らないといっていますが,いつ降ってもおかしくない天気です。こんな日は,近場で,雨が降ったら即下山できる,つまりエスケープルートがいくつもある山でwithMTBです。

となると,丹生山系縦走が最適でしょう。これまでに数回,縦走をしたことがありますが,ピークハンティングが楽しめ,展望もそこそこいい。なんたって,下山ルートがたくさんあります。雨が降らなくったって,疲れたら即下山です。しかも,MTBの乗車率が高い。ただ,大型連休中なので登山者が多いかもしれません。それだけが気になります。今回もいつものように縦走するだけでは,同じことの繰り返しです。今回のテーマは,ナダレ尾山・金剛童子山・花折山・稚子ヶ墓山・帝釈山・丹生山・シビレ山のそれぞれのピークハンティングです。特に,ナダレ尾山と金剛童子山は,縦走路からは少し外れているので,まだ登ったことのない山です。

新緑の海

車を自然休養センターの駐車場(P)にとめ,東端のナダレ尾山目指して出発です。まずは,神鉄大池までの舗装路の登りです。MTBだからできることで,歩きだとこんな道のりを歩けません。でも,MTBで車の多い舗装路を走るのはウンザリです。ただ,現在は,歩道ができ,比較的安全に走れます。

神鉄大池駅前から急坂(@)を登って,山の方に進みます。しばらくすると,舗装路は地道にかわりますが,住宅は続きます。橋を渡る手前で道標があります。天下辻に登るルートですが,今回は直進して,遠回りルートをとります。住宅の外れを走っていると,ゲームボーイの興じていた子どもがいきなり「山登りですか?」ちょっとビックリ。「あいよ!」と返事をしておく。

道はしだいに山道になり,小川を渡るころからは早くも押しです。ウグイスの鳴き声が聞こえ,のんびりと歩けます。ここまでは,オフロードバイクは入ってきません。小川の右に出たり,左に出たり。しだいに岩が多くなり,歩きにくいのですが,傾斜がゆるやかなのが救いです。頭上には,新緑の明るい緑がきれいです。

ナダレ尾山はいずこへ?

のんびり押しながら,分岐着。さて,ここからはナダレ尾山です。早速,目の前の山に登ろうとしましたが,道がありません。しかたなく,巻き道を進みます。巻き道は水平についているので,MTBに乗車できます。どんどん進みます。まわりの緑の鮮やかさに見とれながらも,どこまで続いてるんや?グルッと巻き,結局は,縦走路へ出てしまいました。う〜ん,これなら道の横の斜面を登るしかありません。MTBを置いて,ヤブに突進です。さほど時間はかからず山頂へ。ところが三角点はありません。???らしいところを探しても,ありません。???どうしたコッチャ!?ナゾです。最初からつまずいてしまいました。

いろいろうろついたのですが,結局,ナゾということで次のピークの金剛童子山を目指すことにしました。縦走路は快適に乗車できますが,ところどころにオフロードバイクが掘りかえした轍が水たまりとなっています。しばらくすると,右手に小さな木のプレートを発見。念のために見てみると,汚れてかすれかけた「ナダレ尾山」という文字が見えます。おお〜!こんなところに登山口があったのか〜!一度はあきらめかけたナダレ尾山ですが,早速,行ってみることにしました。

さほど広くないシングルトラック(ST)の登山道は,ゆるやかに登っています。そのままナダレ尾山山頂(A)へ。山頂を示すプレートはありませんが,三角点があります。一休みしていると,あとからハイカーがやって来ました。京都から来られたそうで,今日は稚子ヶ墓山まで縦走されるそうです。休憩を終え,「お先に…」と言って,登山道を降ります。小さなギャップや木の枝があり,MTBでも十分に楽しめます。すぐに縦走路に下り,先を急ぎます。

  
ナダレ尾山 金剛童子山
ナダレ尾山
金剛童子山

このあたりから鰻手池までの縦走路は,オフロードバイクによって深く掘りかえされた轍があちこちにあり,ハイカーも歩きにくそうです。もちろん,MTBでは,乗車不能の箇所もあります。なのに,この日も,オフロードバイクが5〜6台入り,エンジン音を響かせています。バイクでも通ることのできない轍のある箇所は,林の中に新しいルートを作って,そこを走っています。でも,いずれはそのルートも深い轍になり,通ることができなくなるのでしょう。ひどいところは,車が入れるほどの轍ができています。オフロード車で掘り返してできたものでしょう。深さは1m以上はあるので,その脇を通るだけでも怖い。

金剛童子山もいずこへ?

途中でいくつかの分岐がありましたが,巡視路以外は行ったことがないので,どこに続いているかはわかりません。ようやく,鰻手池の近くの舗装路へ出ました。これから金剛童子山です。以前は,黒甲越えへの分岐点から林道で登ったような記憶があるのですが,なにせアルツなので,記憶がほとんどありません。とりあえずは,黒甲越えへの林道を進みますが,なんだか違うようです。引き返して,舗装路から直接アタックです。が,いくらアタックしてもらしい所には出ず,林道に出てしまいます。しかたないので,この林道がどうつながっているかを確かめると,先ほどの黒甲越えの道と合流しています。何がなんだかわかりません。こうなれば,金剛童子山の西からアタックをすることに。

舗装路をさらに登ると,車止めのような大がかりな盛り土があります。見ると,先に林道らしきものが伸びています。この林道のどこかから登るに違いありません。入るとすぐにSTが東に向かって登っています。これが山頂への道?もう少し林道を進んでみることにしました。林道はあまり高低差がなく,金剛童子山を巻くように伸びています。結局,金剛童子山の東に出たところで,山頂へ行くらしい道を発見。早速,登ってみることにしました。ナダレ尾山へのSTと同じような道です。STは山の南に巻いて,山頂へ伸びています。見ると,途中で,分岐があります。おそらく,先ほどの入口すぐのSTなのでしょう。

しばらくして,待望の山頂(B)へ。と,リュックがあります。見ると,先ほどのハイカーが写真をとっている最中です。なんちゅうコッチャ!「お先に…」といったボクの方が遅いなんて!聞けば,金剛童子山へのルートは,ガイドブックにちゃんとのっているとのこと。う〜ん,ボクのあの迷走は何だったのでしょう。ナダレ尾山といい,この金剛童子山といい,こんな調子で7山のピークハンティングができるのでしょうか。しかも,時刻は,この時点ですでに13時前。これから三木の三津田までの縦走はできるのでしょうか。ちょっと不安。金剛童子山の山頂は,三角点はあるものの,まわりの木立のために展望はまったくなし。ただ,山頂を示すプレートはあります。

金剛童子山
この山の山頂部に修験道に関連する金剛童子(カニクロダ)が祀られていることによる山名。

次は花折山

アブの多い山頂を後に,先ほどのSTを西に向かって下ります。これまた,MTBで下るには楽しいSTです。気分がスッキリしたところで,花折山へ向かいます。しばらくは兵庫ゴルフ場のアクセス路を登ります。ヘアピンカーブになったところが,縦走路と花折山への進入口です。縦走路は右手,花折山は左手です。ここは,左手へ進み,花折山を目指します。キレイなSTを進み,しだいに急になる坂を上り詰めると,花折山山頂(C)です。

花折山
稚子たちの墓に供える花(しきみ)を折ったためにこの名が付いたとされている。

  
新緑の海 花折山
新緑の海
花折山

ここで,遅いランチタイムとすることにしました。山頂は三角点があり,木立に囲まれていますが,南側に少し開けた所があります。そこからは,北神戸の街並みが一望できます。今日のルートで初めて見る展望を楽しみながらランチを終え,縦走路へ。花折山から縦走路へ行く道がハッキリしません。よく見ると,山頂から西の林の中に踏み跡らしいものがあります。MTBに乗って下れそうなので,これを下りることにしました。西に向かっていることだし,そのうちに縦走路に出ることでしょう。

伝説の稚子ヶ墓山

しばらく木立スラロームを楽しんだ後,予想通り,縦走路に復帰。これからは,今までに何回か通った道です。迷う心配はないでしょう。とはいうものの,なにせアルツ気味ですから,いつ記憶が途絶えるかわかりません。縦走路は快適に下っています。ランチを終え,元気を取り戻したので,気分も爽快です。気持ちよく下ると,ふもとの原野から志久峠への登山道に出ます。この道は,岩だらけで,ほとんど乗車不能です。押しで下ると,肘曲りで稚子ヶ墓山への分岐があります。「稚子ヶ墓山0.9km 原野 志久峠」

谷沿いの道を登ります。この道も岩だらけで,MTBに乗ることはできません。乗るどころか,押しもできず,担ぎになります。滑る足元に気をつけながら,うす暗いSTを登ります。ところどころに道標があるので,迷うことはないでしょう。谷を登りつめると,ここにも道標があります。道は谷を外れ,しだいに尾根へと登っていきます。

稚子ヶ墓山頂手前に「稚子ヶ墓山伝説遺跡」があります。横にはツバキの木があります。ここから南方向への展望はよく,木立に囲まれ展望のない山頂よりも,こちらの方が山頂らしい雰囲気です。

稚子墓山
この沢を登りつめたところが稚子墓山(596m)です。頂上近くに稚子の墓。それは,羽柴秀吉の三木城攻めのさい,丹生の僧兵が別所に味方した為,全山が焼きうちにあい,その時死んだ侍童−稚子を葬ったものだという伝説があります。

三角点のある山頂(C)は,さらに少し進んだ所にあります。展望がありませんが,プレートはかかっています。休憩もそこそこに,下山にとりかかります。こちらのルートも快適に下れますが,しだいに道があれ,ついにはガレガレの谷道になってしまいました。そして,下りを押す羽目に。しかし,距離はそれほど長くなく,しだいに車の騒音が近くに聞こえるようになり,R428へ。

  
稚子ヶ墓山のツバキ 帝釈山
稚子ヶ墓山のツバキ
帝釈山

二等三角点の帝釈山へ

ここから舗装路を下って帰ってもいいのですが,もう少し。せっかくここまで来たのだから,帝釈山と丹生山までは行きたいものです。少し舗装路を登ると,再び山道へ。以前は,溝にフタがなかったのですが,今ではきちんと取り付けられています。MTBの乗ったまま山道へ突入したものの,すぐに乗車不可能。押しながら登り,尾根道へ。ここからは,縦走路の道標もあり,迷うことはありません。

小さなアップダウンを繰り返し,途中の尾根道では展望を楽しみ,帝釈山頂へ。山頂(D)には,二等三角点と石の祠が一対あります。この山頂からの展望も素晴らしく,このルート随一の展望といってもいいかもしれません。

帝釈山
丹生山妙要寺の奥ノ院として梵天帝釈を祭ったためにこの名がついた。

丹生山丹生神社へ

少し休んだあと,丹生山を目指します。ここからは,快適な下りです。新緑の自然林を抜けると,丹生山に近づくにつれて,杉林になってきます。最後のピークを巻くと,シビレ山への分岐があります。丹生山へは尾根を直進。丹生神社(E)に到着。丹生山は三角点のないピークです。鳥居前の広場に出ると,南の方の展望が開けています。丹生山は,その昔,播磨灘を航行する船の目標になっていたということです。

丹生神社
千数百年前,百済から渡来した童男行者によって開山(妙要寺創建)されたが,秀吉の三木城攻めで焼け,その後復興されたが,明治の廃仏毀釈で廃寺となり,寺の鎮守であった山王社が丹生神社として残り現在に至っている。

丹生山は,丹生鉱山跡があります。「丹生」の名前からすれば,丹=水銀あるいは水銀化合物が採れたのかもしれません。丹生神社境内では,ピクニックのグループが2つ。今回の縦走路では,思ったほどのハイカーには出会いませんでした。人数にしても合計20人にも満たないほどです。以前は,この山域は神戸の秘境とも言われていたようですが,今では,神戸電鉄のハイキングコートにも選ばれるほどの人気ルートです。今日のようにハイカーが少ないのは,ラッキーとしか言いようがありません。

  
丹生山丹生神社 シビレ山
丹生山丹生神社
シビレ山

最後にシビレ山へ

丹生山を後にして,目指すは,最後のピーク「シビレ山」です。先ほどの帝釈山への分岐点から,左へ。しばらくは,片斜面のチョットこわいSTを進みます。ところどころに石柱があります。片斜面が終わると,帝釈山からのショートカットコースと合流。そのまま下ってしまうと,淡河町へ下ってしまいます。途中で,尾根に登り,尾根道を進みます。

急坂を登り,ついでに三角点のある512.9を目指します。このピークは名前がないのが残念です。無傷の三角点です。登った道をピストンしてもよかったのですが,西に抜けても縦走路に出ることができるでしょう。踏み跡をたどって下りますが,しだいにヤブになってしまいました。それでも,縦走路はすぐ下でしょう。強引に突破をはかりますが,下っても縦走路が見つかりません。???です。こうなれば,引き返すしかありません。とんだタイムロスです。

縦走路に復帰し,STを楽しみます。途中の分岐から200mでシビレ山(G)着。三角点のない,展望のないピークです。時刻は16時です。金剛童子山から3時間ほどで縦走したことになります。やっぱりwithMTBならではでしょう。ここからは,三木市三津田に下るだけです。見晴らしのいい尾根道,ガレたST,うす暗いST,道はさまざまに変化していきます。小川を渡って,フィニッシュです。この小川で,汚れた手や顔を洗うとスッキリ。広芝池の脇を通り,舗装の車道(H)へ。「広芝池シビレ山3.8km 千年家4.8km つくはら湖0.6km 満願時1.1km」あとは,駐車場に向かって,ロードの練習?です。

今回の縦走は,ほとんどが鮮やかな新緑の中のコースでした。曇りがちの天気で,見通しはあまりよくなかったのですが,それでも北神戸の町並みが眼下に広がり,すばらしい展望も楽しむことができました。そして何より,MTBを大いに楽しめたことがよかったです。


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