姫路アーバンハイキング 苫編山塊縦走(2001.2.12)


  
P・@〜E
P・@〜E

今日も懲りずに…

冬の三連休の最終日。朝から灰色の空です。雨は降らないようですが,気分のいいものではありません。気温は低めで,雪が降るかもしれないという天気予報です。北の山に行くつもりはないので,そんな心配は無用です。今日も,近場の里山でwithMTBを楽しみます。ターゲットは,昨日の京見山とは,夢前川をはさんで反対側,苫編山とそれから続くピークを縦走です。これもまた,姫路バイパスから見ると,そのなだらかな稜線に惹かれてしまいます。昨日の京見山でも痛い目にあったというのに,懲りないというか,学習能力が皆無というか。我ながら,あきれてしまいます。今日も同じメにあったらどうすんねん!なんて,考えないもんね。今日こそ,楽勝コースやろってね。

この山塊は姫路平野の中でぽつんと取り残されているように存在しています。さほど大きな山塊ではないので,昼までには縦走できるでしょう。ただし,道があれば!の話です。昨日の時速400mでは,一日かかっても縦走できません。でも,今日はそんな心配はないでしょう。西庄トンネルの上までは,地形図では道があることになっているのですから。心配なのは,西庄トンネルから先です。ねらいとしては,尾根をたどるつもりですが,道があるかどうかは?です。最悪,西の谷の変電所に降り,そこから巡視路で登り,尾根を少し走って,地形図上の破線の道と合流。これで,地図上での苫編山塊縦走は完璧です。

通学用自転車!?

車を四つ池のほとり(P)にとめ,MTBで進みます。(9:15)地形図では,苫編山山頂への実線の道があるはずですが,見当たりません。廃道になったのでしょう。しかも,らしきところは,建築資材置き場のようになっていて,入ることもできそうにありません。しかたがないので,舗装路をどんどん登ります。右手に,保育園や名古屋コーチン(地鶏)の直売所らしきものがあります。さらには,その山腹には,鶏などを飼っていそうな飼育舎があります。コケコッコーという鶏の声と,ワンワンという犬の声でにぎやかです。

そして,おどろいたのは,この舗装路の終点に,通学用自転車が3台とめてあったことです。そういえば,池のほとりで車をとめていると,何人かの女子高生がこの道を通っていました。まさか,その女子高生たちの自転車ではないでしょう。制服で山には入らんでしょう。でも,だとしたら…?ナゾは深まります。

まずは鞍部へ

舗装路の終点からは,笹ヤブの中に踏み跡があります。池のほとりで,地元の人らしき人と話したところ,この谷の上部を越えて向こう,蒲田の方に道があるとのことでした。とすれば,この谷の上部から,苫編山へ登れそうです。とりあえずは,この笹ヤブへ突入です。

道は一気に悪くなり,踏み跡程度です。でも,谷を登りつめるだけですから,迷うことはありません。水の流れた跡を,右に左に踏み跡は続いています。まわりは雑木に囲まれているので,薄暗い道です。その雑木が少なくなり,まわりが明るくなる頃に谷の上部(@)に出ました。(9:23)峠といってもいいようなところです。予想通り,尾根に登る道が南北に延びています。正面,西の方にもきれいな道が延びています。これが,先ほど教えてもらった,蒲田へ抜ける道なのでしょう。

昨日の赤テープと石柱が…

苫編山へは,南に向かう尾根道を登ります。地形図の等高線の間隔からも予想はされたものの,いきなり急な登りが始まっています。路面を見ると,人が歩いた跡があります。やはり,女子高生たちが登ったのでしょうか。まさか〜?!行く手には,昨日同様,赤テープと赤ペンキの石柱があります。チョット,不吉。否!とっても不吉!

ところどころ,岩が出ています。滑らないように注意,注意。特に,SPDシューズは。ほとんどが担ぎですが,しだいに下界の展望がよくなってきます。遠くには,手柄山遊園地の観覧車も見えます。もちろん,姫路の町もよく見えます。気分をよくして,登っていきます。10分ほどで電波反射板のある苫編山山頂です。(9:33)電波反射板のフェンスには,「苫編山166m」という木のプレートがかかっています。南には,瀬戸内海とそこに浮かぶ家島諸島が,昨日よりはっきりと見えています。西には,昨日の白毛無線中継所と例の大岩が見えています。

先客は,男の子2人とその父の3人連れです。双眼鏡で,姫路の町の展望を楽しんでいます。少し話をすると,登山口にあった自転車はその親子連れのものだとか。なるほど,これで納得。でも,自転車をこの山頂まで持って上がったのを見て,お父さんはあきれ顔。

苫編山からの快適尾根道

さて,問題はこれからです。先ほどの峠に下り,縦走を開始する予定でしたが,南に下るきれいな道が続いています。地形図で見ると,尾根はなだらかです。この道が,尾根上に延びていれば,これはもう行くっきゃありません。以前,山の雑誌にこの苫編山がとりあげられたことがありました。その時は記事は,もうすっかり忘れてしまいましたが,ルートはこの尾根を下るようになっていたような気がします。ものはためしです。行ってみましょう。こんなにハッキリした道ですから,どこかに降りるのでしょう。

  
姫路南部の街と瀬戸内海の島々 苫編山山頂をバックに 岩場の尾根道
姫路南部の街と瀬戸内海の島々
苫編山山頂をバックに 岩場の尾根道

山頂からゆるやかな下りをすぎると,岩場です。播州地方によくある凝灰岩の露岩です。左側が岩壁なので,見晴らしはいいのですが,チョットこわい。岩場を過ぎると,再び,木立に囲まれた尾根道です。あいかわらず,なだらかな傾斜の,よく踏み固められた落ち葉道です。MTBで走るには,とっても気持ちのいい道です。一気に下り,姫路バイパス夢前トンネルの上に出ました。

山崎ルートで正解!?

「至山崎登山口900m」「至富士見ヶ丘登山口700m」の標識があり,分岐になっています。(9:47)チョット思案。富士見ヶ丘は,この山の麓の団地です。山崎は,尾根に先端を下りたあたりの地名です。距離は,山崎の方が長い。ということは,それだけ傾斜がゆるやかかもしれません。しかも,富士見ヶ丘に下るということは,あの峠を登るには同じルートで登らなければならないわけです。チョット,うんざり。同じ登るなら,反対側の知らないルートの方が新鮮というものです。ということで,山崎登山口を目指すことに決定。ファイナルアンサー!走り出したら戻れない,戻らない。ところが,あいかわらず,尾根道は快適。やっぱり,こっちで,「…正解!」

少し登り返すと,高圧線鉄塔。再び,登り返すと,配水タンクが見えます。「姫路市水道局 山崎配水池」(A)です。もう,人家は足元に見えます。この展望を楽しむためか,配水池のフェンス沿いにベンチがあります。(10:00)残念ながら,これから先は階段で下るので,MTBは乗れません。でも,ここまで,苫編山から20分間乗車率98%です。しかも,初心者大歓迎のようなコースです。ものはためし。試してみてよかったです。

再び,鞍部へ

下蒲田の集落の奥から鞍部を目指して登ります。こちらの道の方が,はるかにきれいです。下りなら,100%乗車できます。近くの人が「向こう側は道が悪い」と言っていましたが,この道と比べれば,四つ池からの道は廃道みたいなものです。

なんなく2回目の峠(@)着。(10:25)これからルートを北にとって,縦走の再開です。尾根を登り始めると,苫編山の反射板が見え始めます。同時に,苫編山への急斜面が,さらに急に見えます。あんな急な斜面やったんかぁと,ミョ〜に感心。こちらの尾根は,木が少なく,明るい尾根です。あいかわらず,谷間からは,コケコッコーとワンワンの声が聞こえてきます。

ピークに立つと,分岐になっています。西に下る道と,東の尾根に伸びる道,そして北に延びる縦走路。まずは,展望のよさそうな東の尾根の岩場に行くことに。歩くこと数分。(10:34)展望台になっているほどで,姫路の町がきれいに見えます。少し下がった岩場も展望台のようですが,同じような展望台に2回も行ってもしかたがありません。尾根の麓には,姫路商高があります。テニスコートからは,女子高生のかけ声が聞こえてきます。テニスって,静かにやれないものなのでしょうか。

再びピークに戻り,縦走路を進みます。ここからは,MTBはほとんど乗車可能です。展望のよさもあり,快適です。途中で石柱を発見。見ると,「陸軍―」とか。陸軍の施設がこの近くにあったのでしょうか。快適な尾根道はさらに続きます。地形図にもある破線の道なので,これぐらいの道でも不思議ではありません。よく踏まれているところを見ると,ハイカーが多いのかもしれません。でも,今日,ボクが出会ったハイカーは,苫編山頂の親子連れだけです。陸軍の石柱があるからって,自衛隊が走っているわけではないでしょう。

  
岩場の展望台から 姫路南部の街と手柄山遊園地 姫路循環器病センター
岩場の展望台から 姫路南部の街と手柄山遊園地
姫路循環器病センター

地図には道はないが…

高圧線鉄塔に着くと,西庄トンネルの上です。次の鉄塔が157のピーク(B)のようです。(10:50)道は,このピークから東に下るようになっています。高圧線の巡視路を下るのでしょう。でも,それでは縦走になりません。北を見ると,草の中に踏み跡があります。鉄塔には,「循環器病院」「鉄柱に登るな!1250m27分」というプレートがかかっています。北の踏み跡をいくと,循環器病センターへの鞍部に行くようです。では,GO!

道は,今までより確実に悪くなっています。昨日の悪夢がチラリと脳裏をよぎります。でも,幸か不幸か,学習能力がないので,すぐに悪夢を忘れてしまいます。アルツにもいいことがあります。地形図通りの急坂は,乗車不能。押しながら下ります。傾斜がゆるくなったところで,ようやくMTBに乗り,快適に下ります。下りきったところは,循環器病センターと変電所への分岐です。どちらもあまりいい道とはいえません。縦走路は正面です。

急な尾根道を担ぎ上げると,眼下には循環器病センターが見えてきます。今は亡きじいさんが入院していた病院です。チョットなつかしい。見上げると,反射板と高圧線鉄塔が見えています。三角点のある200.3のピークに向かっているようです。…正解!あまりにも予想が的中したので,思わず会心の笑みをもらしました。(注)もらしたのは,笑みだけです。

展望のいい快適な尾根道

鉄塔と反射板は,三角点のあるピーク(C)からは,少し下がった所にあります。(11:05)北を見ると,これから縦走する尾根が続いています。見た目にはかなりのアップダウンのようですが,実際に行ってみるとそれほどではないのでしょう。南を見ると,今まで登ってきた苫編山からの尾根が続いています。もちろん,姫路の街並みもきれいに見えています。国宝・世界文化遺産の姫路城も見えます。

三角点のあるピークには,「伏見宮―」と掘られた小さな石碑が,二つに割れて置かれています。MTBに轢かれたのでしょうか,それとも空手の練習台にされたのでしょうか。それにしても,小さいとはいえ,あんな石碑を真っ二つにするとは,なかなかの腕前です。変なことに感心しながら,岩場の下りを下っていると,前から,ハイカー登場。縦走路を聞くと,最後は琴ヶ丘高校に下りる道がいいだろとのこと。なるほど!地形図通りです。

  
200.3のピーク付近 岩場と姫路の中心地
200.3のピーク付近
岩場と姫路の中心地

気分をよくして,縦走再開です。予想通り,見た目ほどの登りではなく,しかも下りは乗り乗り。あっけなく,186のピークに到着。縦走路はいよいよフィニッシュ近しです。あとは,地形図の点線を下るだけです。186のピークから下ると,見事な岩場(D)があります。(11:33)このあたりの岩場は,善防山や高御位山のそれに似ています。大岩のてっぺんに立つと,姫路城を中心とした姫路の街並みが小さく見えます。北には,広峰山,書写山,その左には,峰相山系が少し。さらには,その奥に先日の亀山連山も。すぐ下には,琴ヶ丘高校が見えます。野球の練習をしているのでしょう。「アホが〜!」と言う播州地方独特の激励?の声も聞こえてきます。太く低い男子高校生の声も聞こえてきます。先ほどの姫路商高のテニスコートからの女子高生の高い声とは大違いです。

先の見えない尾根の先端に行くと,さらに尾根は続いています。乗ったり押したりで下った尾根には,鉄塔が2ヶ所。途中に「火の用心」があります。北に下る別ルートがあるようです。最後の鉄塔を過ぎると,琴ヶ丘高校の体育館の屋根が見え始めます。乗車不可能の荒れた下りを下ると,フィニッシュは,琴ヶ丘高校の体育館裏(E)です。ここからは,琴ヶ丘高校の中を通り,車道へ。右手に見える尾根やピークを見ながら,快適な縦走の余韻を楽しみます。今日は,昨日が昨日だっただけに「苦あれば楽あり」でした。メデタシ,メデタシ。


「山と自転車」にもどる

ホームページにもどる


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理