新春もwithMTBで山歩き 小野アルプス縦走(2002.1.3)


  
P・@〜I
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新春の初走り?初担ぎ?です。メンバーは,いつものS田さんに加え,I本さんの3人です。カゼ気味のI本さんは,MTBでひと汗かいてすっきりしようというので,参加です。すごいカゼの治療法です。ひとっ風呂浴びて,温かくして寝るというのは,知っていましたが,MTBを担いでひと汗かくと!さすが,超人です。

昨年末の高山大ヤブ縦走に懲りて,お手軽な小野アルプス縦走です。アダメ峠から東の縦走路は,以前は荒れていて大変でしたが,最近の記録(『兵庫の山々 山頂の岩石』)では,歩きやすい道となっているようです。この小野アルプスを西から東へ縦走しようというわけです。展望の良い岩場あり,極楽尾根道あり,テクニカルダウンヒルありと変化に富んだ縦走が期待できます。

鴨池(P)を出発して,権現ダムに抜ける県道の福甸峠(@)を目指します。小野アルプスの西端は,この峠です。入口には,案内板があります。

小野アルプス 縦走西コース 福甸峠入口(山岳風) 近畿自然歩道 鴨池1.1km 権現ダム1.1km

早速,進入です。林の中の急登がはじまります。日陰の北向き斜面なので,路面はカチカチに凍りついたままです。しかし,しばらくすると身体は温かくなってきます。  北風吹きぬく〜 寒い朝も〜 MTBひとつで〜 温かくなる〜  体が温まった頃に,一つ目のピーク着です。展望はよく,鴨池も見えています。3人で展望を楽しんでいると,ハイカーが登場。ドライブがてらに登ってきたようです。ピーク付近は,MTBに乗車可能ですが,すぐに急坂になります。それでもしばらくは乗れるものの,岩場でストップ。岩場を過ぎると,急坂を下って,鞍部へ。

下りきったところは,左右に道が分岐しています。縦走路は直進です。この登りも,ほぼ直登です。何でこんなにまっすぐ登るんやろ。ジグザグにしてくれれば,少しは楽やのに。と,ブツブツいいながら登りきると,気持ちのいいフラットコースです。もちろん,これはしばしの極楽です。道はしだいに急になり,一直線の激下りです。テクニシャンのS田さんは,果敢に挑戦です。所帯持ちのボクは,危険箇所はパス,後半部分を気持ちよくダウンヒルです。下り切ったところが,2つ目の鞍部です。

  
激坂ダウンヒルへ 紅山岩壁を望むI本さん
激坂ダウンヒルへ
紅山の岩壁を望むI本さん

正面には,三角点のピークが見えています。これまた,直登です。途中の岩場から振り返ると,先ほどのピークから下ってきた一直線の激坂が一望できます。その中ほどを下っているハイカーの赤いジャンパーが鮮やかです。見事な眺めです。

登り切ると,これまた乗車可能です。MTBで気持ちよく走っていると,四等三角点(点名岩山163.8)があります。気持ちよく走った後は,いったん鞍部に下り,紅山への最後の上りを登ります。なだらかな尾根道を走ると,急に前方の視界が開けます。紅山を左に見て,正面には権現湖,その右手には城山が見えます。足元にはおもちゃのような車が山陽自動車道を走っています。やっぱり,岩場は気持ちのいいものです。紅山はすぐです。

紅山(A)着。いつ見ても,南面の一枚岩はスリル満点です。歩きならさほど危険ではありませんが,金具の付いたSPD用の靴では,スリル満点どころか,身の危険を感じます。紅山山頂には,冷蔵庫の中に登山ノートがあります。3日だというのに,すでにたくさんの人が登頂しています。北に見える笠形山は,白くなっています。この2,3日の冷え込みで,積雪があったのでしょう。

  
紅山山頂
紅山山頂

紅山からの下りは,2ルートあります。南の岩壁を下るルートと,東の山道を下るルートです。今日は,withMTBでSPD用の靴をはいている3人は,東の山道を下るのが無難です。金具の付いたSPD用の靴で岩場を下ると,滑落必至です。新年早々の滑落なんて,ごめんです。

東への下山ルートは,九十九折りの急坂です。しかし,チャレンジャーSは,果敢に下っています。路面が数年前よりはえぐれ,走りにくくなっています。でも,中腹までは展望はすばらしい。後半は,朝日をいっぱいに浴び,MTBで気持ちよく下山。下り切ったところが,惣山(小野富士)展望デッキへの分岐点です。 「展望デッキへ0.6km 中央林間広場へ0.5km 西林間広場へ0.3km」 惣山へは,峠から巡視路を使って登るルートがありますが,このルートは今までにも何回も使っているので,今日は展望デッキから山頂を目指します。

このあたりは,「きすみ見晴らしの森」の一部で,遊歩道があちこちにあります。もちろん,展望デッキへの遊歩道も完備しています。途中に,湿地があります。

湿地(ヌマガヤ群落)

 ここは,ヌマガヤというイネ科の草本植物によって覆われている湿地です。湿地内にはサワシロギク,ユウスゲ,サワヒヨドリなどの湿ったところを好む植物が生育しています。しかし,湿地は次第に落ち葉や土壌がたまって乾燥化し,長い年月をへると森林となります。この湿地にもアカマツやイヌツゲといった木本類が侵入していたため,これらを冬期に伐採し,湿地の状態を保つようにしています。

お願い:湿地内の植物はとてもデリケートです。湿地に立ち入らず,また植物を採らないようにお願いします。

斜面の一部が湿地とは,珍しいのではないでしょうか。しかも,この時期はヌマガヤがすっかり枯れてしまっているので,湿地には見えません。

この「きすみ見晴らしの森」一帯は,単なる憩いの場というだけでなく,いろいろな案内板があります。それを見るだけでも,お勉強になります。

コナラ中木林(コナラ-ナツハゼ群集)

 山の斜面中部から上部にかけてみられるコナラ林で,谷筋にみられるコナラ林よりも樹高の低い林となっています。
 かつてはこの地域に広くみられたアカマツ林であったところが,マツ枯れによってコナラの多い林へと変化してきたと考えられます。それは林内に少し残っているアカマツや,アカマツの枯れ木が多く見られたからです。このアカマツの枯れ木や常緑樹は伐採し,林内を明るくする管理をしています。特にこの解説板の周辺の林内にはコバノミツバツツジという早春に紅紫色の花をつける低木がたくさんあります。

なるほど,なるほど。お勉強をしながら,遊歩道を登ります。ひと汗かいたところで,展望デッキです。惣山からの北尾根に設置された展望デッキは,吹きさらしで寒い!でも,先客のハイカーはいます。この展望デッキからは,北方面の展望が一望できます。笠形山はもちろんのこと,五峰山,鎌倉山,数曽寺山塊など。小野の街も見えます。寒いものの,展望はすばらしい。

惣山山頂は,少し登ったところです。三角点はありませんが,小野アルプスの最高峰です。といっても,標高は200mほどです。山頂(B)からは,木立が少しジャマをしますが,紅山の岩壁,権現ダム湖,加古川,もちろん,北の山々も眺めることができます。なかなかの展望です。

山頂からの展望を楽しんだあとは,待望のダウンヒルです。出だしは急ですが,しばらくすると,極楽尾根道になります。惣山をバックに,絶好の写真ポイントです。尾根は見晴らしがよく,ところどころにある岩場がアクセントになっています。下りきると,アンテナ山への登りです。さほど標高差はないので,すぐに山頂へ。この山頂には,アンテナがあります。このアンテナを見て,放送のプロのI本さんと電気屋のS田さんは,嘆いています。コードの処理はメチャクチャ,アンテナの取り付け方もデタラメ。これでは,まともにTVが見られるはずがないとのことです。そんなもんかねぇ〜。

このアンテナ山からの下りも楽しい。途中で,休憩中のハイカーに見送られながら,下ります。こちらの下りも,ところどころに岩場があり,怖おもしろです。そして,下り切ったところが,「きすみ見晴らしの森」への入口です。この鞍部からも,気持ちのいい落ち葉の雑木林を通って,行くことができます。縦走路は,正面の三角点ピークに登ります。

担ぎと押しで登り,いったん道は平坦になりますが,再び,担ぎと押しです。が,ほどなく,三角点(C)へ。ここは三等三角点(168.3)です。点名は,なぜか,惣山です。じゃあ,さっきの惣山って,何?点名だから,山名とはちがうのですが,ちょっとナゾです。この山頂は,展望はまったくありませんが,木立に囲まれ,この縦走路中で,ボクの好きなポイントの一つです。

山頂からの下りも激坂です。これまた,絶好の写真ポイントです。木立の間を抜け,滑る落ち葉の上を走り,ギャア〜ギャア〜言いながら下ります。下りきる手前が分岐です。急道は,直進ですが,草が繁っているのでわかりにくく,S田さんとI本さんは,新しくできた階段の道に行ってしまいました。あとから行くボクは,旧道へ。こちらなら,乗車率100%です。ところが,入ったとたんにイバラでバリッ!首と耳が,イッテ〜!でも,あとは気持ちよく下り,アダメ峠へ。 

小野アルプス 縦走コース(中)紅山方面 アダメ峠登山口(山岳風)

これで,小野アルプス西コース,中コースが終了。残るは,西コースです。何年か前の悪夢がよみがえりますが,今はそんなことはないでしょうと,いつものお気楽?前向き?な気持ちで,縦走路へ。入口には,朽ちかけた道標があります。早速突入です。が,しばらくすると道がない!ウウ〜,やはり西コースは荒れたままかぁ。と,後ろから「こっちやながな〜!どこへ行くんや〜!」とS田さんの声。引き返すと,きれいな道が右手に延びています。ピンクテープもあります。ありゃりゃ。

尾根に出ると,そこは加古川市と小野市との市界です。両荘来住と彫られたきれいな石柱が立っています。左手の縦走路を進み,ピークに登ります。ところどころに,先ほどの石柱があります。登りきったところが,ピークです。ここから,縦走路は右折します。下りですが,残念ながらMTB乗車率100%とはいきません。草の下に倒木があったり,ギャップがあったり,岩があったりで,気が抜けません。それでも,数年前とはかなり違って,乗れるだけマシです。

亀裂を越え,植林を抜けると,鞍部(D)です。ここから,南に進むと「見土呂ひざしの森」の大山谷池に出ます。緑のきれいな池です。縦走路は,直進です。あいかわらず,道ははっきりしており,ピンクテープもあるので,迷うことはありません。急坂を担ぎ上げ,三角点ピークへ。四等三角点点名来住 156.3 展望はまったくなし。赤白の測量用のポールは,立ったままです。訪れる人は少ないのでしょう。

  
小野アルプス縦走東コース
小野アルプス縦走東コース

ヤブっぽい下りを下ります。これまた,路面が見えないので,ヤブの下に何が隠れているかはお楽しみです。前方でS田さんがいきなり転倒。大当たりです。倒木です。同じ轍は二度踏まず。人の振り見て,我振り直せ。チョットちがう。

さて,次が大切なピークです。というのは,前回は,このピークを越えたあたりから道が変になったのです。ということは,そこからルートを間違ったということ?なだらかな鞍部を過ぎると,問題のピークです。このピークが,電波塔への最終ピークです。ピークには,踏み跡が何本かあり,ルート選択に要注意です。が,今回はピンクテープがあるので助かります。やはり,何事にも先達はあらまほしき事なりです。

無事,ルート選択を終え,いよいよ電波塔ピークです。少し担ぎ上げると,電波塔のフェンス(E)に出ます。やはり,前回とはちがいます。前回は,電波塔への車道の途中に出ました。縦走路とは,まったくちがっていたようです。

この電波塔は,NTTDocomoの電波塔です。縦走路は,車道を少し下ったところに入口があります。入口には,非行防止の看板があります。パトロールの指定地にもなっているようです。要注意です。入口からは,落ち葉のシングルトラックが続いています。あいかわらず,道は明瞭です。この様子だと,縦走路全体がずいぶん歩きやすくなったようです。

次のピークからは,落ち葉のSTを気持ちよく下り,鞍部へ。再び,登り返すと,採石場の上部(F)に出ます。足元は切れ落ち,採石場全体が見渡せます。すばらしいというか,見事というか。縦走はここから,鍬渓神社へ下るテもありますが,せっかくですので,完全縦走を目指します。

残るピークは2つです。採石場沿いに道はついています。ピンクテープもあります。が,切り株と木の枝,ワイヤーなどがあり,MTBには乗れません。歩いていても,切り株につまずき,ワイヤーにひっかかります。左手には,採石場の絶壁が切れ落ちています。一つ目のピークに登ると,炭焼き釜跡のようなものを発見。山頂に炭焼き釜?ナゾです。まわりは木が切り開かれ,広場のようになっています。もしやすると,古代の祭祀跡?

下りは,しばらくは採石場沿いに下りますが,やがて林の中へ。と,掘割のような溝が出現。早速,溝に入ってMTBジェットコースターです。が,しだいに溝は深くなり,鞍部へ。このまま鞍部を下ると,南の池に出るようです。でも,最後のピークが残っています。最後のピークに向かってGO!ところが,ピークに向かう道がありません。踏み跡すらありません。それまであったピンクテープも見当たりません。おやっ?ピークを巻くように溝があります。とりあえずは,この溝を行ってみましょう。

溝はずっと続いています。もちろん,MTBジェットコースターです。最後のピークをかなり巻いているようです。地図を見ると,北から東,南へ270度の巻き道です。結局,貯水タンクへの道に出て,縦走は終了。最後のピークは登りませんでしたが,小野アルプス完全縦走の達成です。福甸峠からアダメ峠は2時間。アダメ峠からは1時間半です。東コースの道がよかったのが,うれしい誤算でした。新年から,幸先のいい山歩きwithMTBでした。

  
採石場上部から丹生山系・六甲山を望む ダチョウ牧場
採石場上部から丹生山系・六甲山を望む
ダチョウ牧場

縦走は終わると,次は観光ツアーです。一つ目は,すぐ近くにある温泉スタンド「太古の湯」(G)を見物。無料で温泉がテイクアウトできるということで,利用する人は途絶えません。

太古の湯〜ご家庭で温泉気分を〜

利用時間 9時〜21時   利用料金 無料  

注意事項 

1.当温泉は,基準の10倍もの温泉成分を含んでおり,薄めても十分な効果が期待できます.ご家庭では,最初に浴槽に少し熱めの湯を入れていただき,その後当温泉18g(ポリタンク1個分程度)を継ぎ足してお使いになることが最適です。
2.当温泉は,種々の溶存物質が含まれておりますので,風呂釜などを傷める恐れがあります。使用後は水道水にて十分洗浄を心がけて下さい。

泉質と効能

●泉質:カルシウム・ナトリウム―塩化物低温泉(鳥取県の皆生温泉,石川県の片山津温泉に似た泉質です。)
●効能:高齢者の入浴に適し,病後の回復に良い効果があり,19種類の病にも効用

適応症

神経痛/筋肉痛/関節痛/五十肩/運動麻痺/関節のこわばり/うちみ/くじき/慢性消化器病/疲労回復/健康増進/切り傷/やけど/慢性皮膚病/虚弱児童/慢性婦人病

次もI本さんの案内で,ダチョウ牧場(H)の見物です。こちらは,JR加古川線の向こう側にあります.車道を車で通ると,見落としてしまいそうです。ダチョウの肉はヘルシーで,一時は流行にもなりましたが,今ではどうなのでしょう。

3つ目は,鍬渓温泉(I)です。小さな温泉ですが,以前,入浴したことのあるS田さんによると,泉質は先ほどの太鼓の湯と似ているそうです。温泉のある建物の中からは,人の声がしてきます。お正月に,近くの温泉でのんびりってところでしょう。

塩の井

冷泉の鉱泉で,天正10年(1582)に鍬渓神社の神託により湧き出したと伝えられています。成分は塩鉄で,子の水で沐浴をすると病気がまたたくまに治るとのことで,昔は湯治場として賑わい,軒を連ねる程の宿屋があったそうです。昭和の初め頃には,この冷泉を使った鍬渓温泉もありました。

観光スポットを回りながら,帰路に着きます。左手には,縦走した小野アルプスの稜線が見えています。満足感でいっぱいの初担ぎ&初走りでありました。メデタシ,メデタシ。


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