最後はヤブで締めくくり 深山・日光寺山縦走(2002.3.3)


  
P・@〜I
P・@〜I

緑の回廊

3月に入り,春らしくなったものの,今日は一時的に冬型とか。そうなれば,空気が澄み,遠望がききます。今日の山行きはwithMTBで,加西市と福崎町,市川町の深山,日光寺山,322の三角点(点名北浦谷)を縦走です。このあたりは,S田さんの職場に近く,S田さんの庭といった感じです。車を神積寺の駐車場(P)にとめ,MTBで出発です。S田さんが,「そこの石橋を見て」と言っています。石の鳥居の脇には,案内板があります。チョット読んでみましょう。

緑の回廊 自然歩道 石造鳥居と石橋

この鳥居は,姫路城主池田輝政が慶長16(1611)年に建立したもので,県指定の重要文化財に指定されている。また,この石橋も同じ時期に作られたと言われ,造り方は簡素で,反橋の形式となっている。
 建立された時には,欄干があったが,今は親柱をさしこんだ跡が残っているだけである。この石橋も県指定の重要文化財に指定されている。

 兵庫県・福崎町

なるほど,古そうな石の鳥居の前には,これまた古そうな石橋があります。橋といっても,跳び越せそうな小川をまたぐ,短いものですが,真ん中の2本の柱でアーチ状の通路を支えている太鼓橋です。400年もの風雪にさらされてきた上に,材質がもろい凝灰岩なので,今にも倒壊しそうです。こわごわ,記念撮影。

いきなり,ヤブ漕ぎ!?

MTBで亀坪に向かいます。すぐに,日光寺山への車道がありますが,今日は別ルートで深山に登ります。ため池を過ぎ,亀坪へ。ここからは,日光寺山への登山道があります。ところが,このルートもパス。S田さんの目論見によると,亀坪から奥池への破線を進み,加西市との市境尾根をたどって,深山に行こうというものです。なるほど,それもいいかもしれない。

ところが,亀坪から破線の道を進むと,しだいに踏み跡になり,ついにはササヤブです。朝一番からヤブ漕ぎとは,これいかに。今日の山行きを暗示するかのようです。見ると,左手の斜面にガードレールがあります。林道のようです。これはもう,いつまでもヤブ漕ぎをしていてもらちがあきません。林道に出て,深山への尾根に登ることにしましょう。日光寺のアンテナが見えるため池の脇(@)から道のない急斜面をよじ登り,林道へ出ます。ようやく,第1関門,クリアです。あとは,林道を登りつめ,尾根に出るだけです。

  
石橋 日光寺山とため池
石橋
日光寺山とため池

林道は,一般には開放されていないらしく,きれいな路面です。ゆるやかな登りなので,気分よく走れます。登るにしたがって,左手の展望がよくなってきます。南に広がる東播磨の山々が見えます。城山,高御位山,藤ノ木山,広峰山,棚原山などなどです。

深山へ

林道は,尾根近くでは工事中です。重機の脇を抜け,尾根(A)に登ります。ここからの南の展望もいいものです。さて,深山に向かって尾根縦走です。登り基調ですが,意外にもところどころはMTBに乗車可能です。小ピークを巻きながら,尾根を走ります。このルートは,日光寺山へのピストンルートでもあるので,帰りのことを考えて,倒木を除けながら進みます。福崎町,市川町,加西市の3つの境界が集まるピーク(B)には,O柿さんの赤テープが目立ちます。O柿さんは,このピークから,南の境界尾根を下ったようです。

3境界ピークからもMTBで快走。深山山頂直下の林道に飛び出します。山頂には,NTTDoCoMo 深山無線中継所があります。三角点は,山頂から林道を少し下ったところにあります。深山山頂(C)は,アンテナがあるものの,展望はgoodです。特に,今日は空気が澄んでいるので遠望がききます。北には,笠形山がどっしりとかまえています。その左手には,雪をかぶった段ヶ峰,さらには暁晴山,岩壁の雪彦山,七種山塊が続いています。東には,鎌倉山も見えます。さらには,白山・妙見山,西光寺山などの北播の山々もきれいに見えています。フェンスを南に巻くと,木立の間からは,加古川の山々が見えます。S田さんから聞いていた通りの見事な展望です。400mほどの山とは思えません。

  
笠形山
笠形山

風は冷たいものの,陽射しは春です。あまりにも気持ちがいいので,少し早いですが,ランチタイムにすることにしました。ボクは,いつものようにコンビニ弁当にこうどんです。一方,S田さんは,途中のコンビニで鍋焼きうどんを買えなかったので,ちょっとガッカリです。力なく,おにぎりとこうどんを食しています。しかし,食後のコーヒーを飲む頃には,気を取り直していました。メデタシ,メデタシ。

激下り,そして…!

食後は,日光寺山を目指し,尾根の縦走です。舗装路から尾根道へ。1時間ほど前に通った道を,今は下ります。雑木林の中の道は,展望はありませんが,落ち葉サクサクの快適路です。3境界ピーク(B)からの下りは,絶好のフォトポイントです。気持ちよく下り,鞍部への激下りです。ここの路面は,落ち葉が積もり,MTBのブレーキが効きそうにありません。しかも,両側の木立がせまっているので,狭い。S田さんは,奇声を発しながら,下っていきます。S田さんに続いて下るものの,途中の木立に激突!イテテテテ〜ッ!それでも懲りずに,ダウンヒル。最後のピークを巻いて,再び,林道上部の鞍部(A)へ。

  
下り〜! そして…!
下り〜!
そして…!

鞍部は短いながらも,幅50cm足らずの極細山道です。しかも,ところどころに岩や杭があり,MTBに乗って通るのにはスリルがあります。激坂とは違ったスリルを楽しんだ後は,尾根道の縦走です。小さなピークがあるものの,それを巻く道があるので,楽です。ピークの南側を巻きながら縦走は続きます。日光寺山のピークも巻き,日光寺へ。車道に出ると,軽トラックのハンターがいます。ドキッとしながら車道を下ろうとしたその瞬間,ドテッ!道路に5cmほどの段差があったのに気付かず,ハンドルをとられてしまいました。なんだか,今日はよくコケます。

ハンターの溜まり場?日光寺

すぐ下の車道脇の鐘(D)をつきます。ゴ〜ン!なかなかいい音色です。日光寺へは,車道を西に入ったところです。このあたりは,自然歩道が交差し,いろいろなルートがとれるようです。

日光寺

大化元年(645年),法道仙人により開基され,真言宗御室派の中本山で,かつては天武天皇の勅願寺,霊元天皇の御猶子の隠居所として栄えました。その後,衰微していたものを宝暦年間明導上人が復興しましたが,明治の神仏分離により再び荒廃しました。昭和になり,前住職安井淳明師によって現在の姿に再建増築されました。日光寺山からは,姫路平野や播磨臨海工業地域,遠くは六甲山系や明石海峡大橋を一望できます。

近畿自然歩道 環境庁・兵庫県

案内板にあるように,日光寺からの南の展望はすばらしいものがあります。縦走路は,この日光寺の奥にあります。日光寺山を大きく巻くようにつけられた縦走路です。さほど高低差はないものの,倒木が多く,MTBに乗ることはできません。この道を利用する人は,あまりいないのでしょう。そして,日光寺山からの尾根道と鞍部で合流。鞍部からは,快適な縦走路になり,極楽,極楽。このあたりの尾根道も,小さなピークを巻きながら進んでいます。

地形図で…線が始まるピーク(E)に到着。ここはしっかり方向を確認する必要があります。巡視路なので,「火の用心」があります。これからは巡視路を進むことになるので,これまた快適尾根道になるでしょう。気持ちよく下り,尾根道をどんどん進みますが,しだいにヤブっぽくなってきます。なんとか強引にクリアーすると,今度は,いきなり,目の前に大岩壁が出現。こりゃあ,どうするだ〜?ついに縦走断念か!?と思いきや,尾根の右側に鹿除けフェンスがあり,そのフェンスに沿って道があります。おお,これこれ。早速行ってみましょう。

フェンス沿いに進むと,すぐに左手に登る道がありますが,なんとなくこの道を行けば,尾根に出そうな気がします。S田さんは,???です。ダメならもどればいいがやと,進むものの,結局,植林の中を下ることになってしまいます。しかたなく,フェンス沿いを戻っていると,S田さんがすぐに右手に登るSTを発見。なんともはや,鋭い観察眼というか,動物的カンというか,STを見つけるのは天才的です。この調子で,早く,人生の快適縦走路を見つけてほしいものです。

風にたなびく綿

尾根道に復帰し,縦走の再開です。巡視路のはずですが,あまりいい道ではありません。MTBにも乗れない所も多く,ちょっと不満です。三角点(322.0 点名北浦谷)(F)に登ると,巡視路から外れます。踏み跡はしっかりしていますが,「綿」のように裂けたタフロープが,のれんのように風に吹かれています。しかも,道の両側に延々と張り巡らされています。これはヤバイ!もし,この「綿」が変速機やギアにからまると大変です。幸い,下りなので,できるだけペダルを回さないようにして進みます。

  
タフロープにはさまれて アンテナピーク
タフロープにはさまれて
アンテナピーク

そして,アンテナのあるピークへ。ここが,播但第一トンネルの上のピークでしょう。地形図では,…線の山道があるはずですが,見当たらず。あいかわらず,「綿」にはさまれ,「綿」だらけになりながら,進みます。と,ついに,「綿道」が縦走路から外れています。(G)「綿道」は南の尾根を下っているのです。ところが,縦走尾根はというと,踏み跡すら見当たらないヤブ尾根です。う〜ん,「綿道」をとるか,ヤブ尾根をとるか。でも,縦走というのなら,最後まで尾根を進むというのが,王道です。ここは,ヤブっていても,縦走はあとわずかなので,強引に縦走にこだわってみましょう。

最後はお約束?のヤブ漕ぎ

というものの,やはり,踏み跡すらないというのは,ツライものです。しかも,withMTBなので,思うように進めません。木の枝が突き刺さる。イバラが引っ掻く。倒木につまづく。MTBがツルにからまる。最後のピークは目の前ですが,急にペースが落ちてしまいました。でも,なぜかこのあたりの松を何十本もきれいに切り倒しています。どうせ切るなら,道ができるように切ってくれればいいのですが,手当たりしだいに切っている感じです。その倒木を乗り越え,切り株を越え,尾根を縦走します。

最後のピーク(H)になんとか登り,西に下ります。S田さんによると,下りきった所に神社があるそうです。ヤブを抜けると,中腹からは,落ち葉のじゅうたんの疎林になります。どうやら,これでフィナーレが見えてきました。落ち葉の上を滑りながら,MTBで木々の間を下ります。最後は快適な下りで締めくくることができ,メデタシ,メデタシ。フィニッシュは,S田さんの言う通り神社(I)です。でも,なぜか,この神社には名前が見当たりません。?です。このあとは,車道を通り,神積寺の駐車場へ。途中の道からは,日光寺山からの縦走尾根が一望できます。なだらかな稜線に,最後のヤブヤブがウソのようです。やはり,低山,侮りがたしです。


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