ちょこっと高御位山(2002.5.某日)


  
P・@〜F
P・@〜F

ちょっと高御位山

仕事が早めに終わった夕方。かねてから行ってみたかった高御位山から加古川市西神吉町辻への東尾根を歩くことにしました。志方町成井の駐車場(P)には,車が5〜6台もとまっています。さすがに人気スポットだけあって,夕方でも登る人がいるんですねぇ。

さて,まずは高御位山へ登ることにします。いつものように,階段の登山道を登ろうと思いながら,道の脇の看板にふと目をやると,地蔵堂・牛岩から山頂へのルートがのっています。???階段ルートではないようです。なるほど!これは要チェックです。さっそくオジャマすることにします。

まずは,地蔵堂。我々凡人の身代りになってくれる地蔵とか。こりゃあ,いい。でも,残念ながらボクには「悪しきところ」も「不得手なところ」もないので,縁がありません。よって,この地蔵をパス。

身代り地蔵の縁起

ここに鎮座する身代り地蔵は衆生の悪しきところ不得手なところ無解決な諸諸の祈事を身代りとなって受けられその願いを成就させ秘かに属人の信仰を集めている地蔵尊であります。御参拝されるときは慎んで身も心も清め頭をぬかづけ一心に自らの祈願を奏上されることを御勧めいたします。

すぐ脇には,神泉があります。こちらも,穢のないボクには無縁です。

天寶神泉の由緒

當神泉は今上天皇陛下御即位式要材の御下賜を受け神示に基づき底津岩根よりの霊水を発掘創設水波女能神少名毘古那命及び吉備津彦命の尊き御守護を受けています。
この霊水は蛤水又は御禊の水とも言い諸諸の穢を御禊祓い給い蘇生させる奇霊な水であります。
 名くはじき稲見の海のおきつ浪
 千里のかくりぬ山跡しまねば(万葉集)

けものみちの登山道

石仏の裏から山道に入ります。しばらくすると,牛岩が出現。縄が張られ,信仰の対象になっているようです。牛というだけのことはあって,横から見ると,牛が寝ている姿に見えます。牛は天満宮に関係があるということですが,この牛岩もふもとの高御位神社となんらかの関係があるのでしょうか。

  
牛岩 高御位山山頂
牛岩
高御位山山頂

成井からの登山道がすぐ近くに見えていますが,しだいに遠ざかり,山道らしい道になります。少し急ですが,展望が開け始めると,気持ちのいいものです。ふもとの田園地帯や遠くにかすむ加古川の市街地が見えています。ツツジは終了間際。道の脇には,あまり花がありません。はっきりとした尾根を登り始めると,右手の斜面に小さなお堂があります。さらに登ると,尾根に出ます。成井からの登山道とほぼ同じ地点(@)に出ますが,岩には「成井けものみち」とあります。以前は,けものみち状態だったのかもしれませんが,今ではしっかりとした山道です。

モヤで真っ白

ここからは,岩尾根を登って高御位山山頂(A)へ。約20分ほどの登りです。山頂には,ハイカーが2人。昼間ならもっとたくさんの人でにぎわう山頂ですが,静けさを取り戻しています。山頂の岩場からは,高砂の田園地帯や瀬戸内海が見えるはずですが,この日は猛烈なモヤで真っ白です。残念。

しばらく山頂からの展望を楽しみ,下山です。まずは,尾根を南下します。岩場の急な下りですが,新しくなったマークをたどって一旦,鞍部へ。そこから少し登り返すと,「小高御位山」の標識があります。すぐ近くなので,オジャマすることにいます。小高御位山の小さな山頂(B)には岩があり,ふもとの田園地帯が一望できます。200mたらずのピークとは思えない高度感です。この小高御位山からも成井への下山ルートがあります。

小高御位山から少し下ると高圧線鉄塔があります。左手には,巡視路があります。これが地形図にある破線ルートなのでしょう。さらに進むと,小さなアップダウンがあります。モヤさえなければ,振り返ると高御位山の山頂の岩場がきれいに見えることでしょう。

183から東尾根へ

2つ目の高圧線鉄塔への登りからも高御位山山頂が一望できます。高砂市の全山縦走路はさらに南に延びています。183のピーク(C)からは,東尾根を下ります。昨年,高御位山を馬蹄形に縦走した時は,高砂市阿弥陀町北山から正面の尾根を登ってきたのですが,今日は左手の尾根です。右手下の谷は,ゴルフの練習場になっています。東尾根には明確な登山ルートがあり,山友会のプレートもあります。一般のガイドブックには,あまり紹介されていないルートですが,利用する人は多いのでしょうか。

  
縦走路から高御位山山頂 183からの南尾根と竜山太閤岩
縦走路から高御位山山頂
183からの南尾根と竜山

今までの尾根とは違って,岩場が少なく,アップダウンの少ない歩きやすい道です。もちろん,道の両側は低木があるだけの展望のよさです。加古川の市街地を眺めながらの快適な尾根歩きです。この展望のよさを利用して,小さなピークには米相場中継所があったそうです。

米相場中継所跡

ここは昔米相場中継所が建っていた場所である。
明石の方を見ては外に出ては大きな旗を振り姫路の方を見ては旗を振り一日のうち幾度となく繰り返していたものだ。
明石と姫路の中間にあって米相場の中継をしていたのである。
天気のよい日は村からでも旗を振っているのがよく見えたものでそれは明治時代の頃の話である。
電信電話の発達が旗振りを不要にしたのである。
         志方町誌より

そのピークをさらに少し下ると,今度は太閤岩(D)の出現です。高御位山山頂からちょうど1時間です。

太閤岩

今を去る400有余年の昔天正年間に羽柴秀吉が志方城を攻めたときここに本陣をおいてこの岩に腰を下ろして采配をとったといい伝えている。
今この岩の上に立つと城山は指呼の間にあり横大路氷室原成井のとりでからは遠く中道子山城東は神吉・加古川の諸城・西は姫路まで手にとるように見わたされて軍兵を指揮するにかっこうの場所であったことがうなずかれる。
ここから眺められる尾上・高砂・曽根をはじめ淡路・四国の島々の景色はまことにうつくしい。

         志方町誌より

案内板にあるように城山がくっきりと見えています。モヤのために遠望がきかないのが残念です。空気の澄んだ冬場なら展望がいいことでしょう。

太閤岩からは,縦走路が一望できます。ここからは,高砂市と加古川市の市境を離れ,尾根は北東に延びています。途中で市境に沿った山道が右手に分岐していますが,尾根を進みます。最後のピークを過ぎると,眼下に高圧線鉄塔が見えます。「播磨アルプス」のプレートも見えます。高圧線鉄塔からは,九十九折りの山道を下ります。この道は,関電の巡視路にもなっているようです。木立に囲まれた薄暗い山道を下ると,辻(E)です。正面には,お堂があります。

  
太閤岩 高御位山と小高御位山
太閤岩
高御位山と小高御位山

さらに巡視路は続いているようなので,お堂の脇を登ります。すぐに高圧線鉄塔へ。そのまま巡視路を下ってもいいのですが,左手のピークをチェック。やはりありました,三角点。その奥を見ると,この小さなピークにも縦走路らしいものがあります。行ってみましょう。竹林を抜け,畑の脇を通り,さらに進むと墓地の裏(F)に出ます。これで,縦走はおしまいです。高御位山に登り始めてから2時間足らず。短いながらも楽しい尾根歩きができました。それにしても,高御位山は奥が深い。


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