ナンデこうなるの!? 深山幽谷のシワガラの滝(2002.8.18)


扇ノ山へ

先日の氷ノ山に味をしめて,今回も1000m級の山,扇ノ山に登ることにしました。S田さんは,その途中にあるしワガラの滝に行きたいということです。なんでも,洞窟の中に滝が流れ落ちているという珍しい滝だそうで,こちらも興味津々です。

青空の加古川を出発。気分よく但馬に向かいます。ところが,しだいに上空に雲が多くなり,生野を越えるころには大倉部山でさえもガスっています。これはちょっとヤバイっす。でも,この生野あたりは天候が変わりやすいところなので,こんなこともあるだろうと北上。ところが,和田山に入っても青空はなし。八鹿に入ると,ついに雨が降ってきました。ありゃまぁ。雨だなんて,兵庫県は広い!でも,広い兵庫県だから扇ノ山あたりは青空ってこともあるかも。雨の中をなおも進みます。

美方町あたりになると,青空が広がり,いい感じ。やっぱり,兵庫県は広いねぇ。気分をよくして温泉町に入ります。この温泉町は,湯村温泉で有名です。扇ノ山へは,昆虫化石館?から左に入り,海上を目指します。海上からは,上山高原を経て,河合谷登山口へ舗装された林道が続いています。シワガラの滝は,その途中にあります。

ガス,雨の扇ノ山

海上の集落に入ると,谷の中腹に開かれた棚田の緑が幾何学模様を描いています。牛ヶ峰山の稜線は,すっかりガスの中です。高度を上げるにつれ,ガスからハッキリとした雨に変わります。このあたりでこれでは,扇ノ山は雨です。しかたがないので,シワガラの滝だけでも見に行きましょう。

会場の集落が見えなくなったあたりで,道路の右に案内板が立っています。

小又川渓谷
桂の滝入口 2100m   シワガラの滝 1200m   
注意 難所があります    温泉町

駐車スペースはほとんどありませんが,そのせまいスペースに車をとめ,シワガラの滝に行ってみましょう。1200mほどの距離なので,さほど時間はかからないでしょう。でも,「難所があります」という注意書きが気になります。

  
海上の棚田 ガスったブナの木
海上の棚田
ガスったブナの木

傘を差して林道を進みます。木の橋を渡り,九十九折りの上りを登ると,尾根に出ます。尾根にも案内板があります。

←1700m 桂の滝   シワガラの滝 800m→

どうやら,シワガラの滝は,この先の谷のようです。こんなにいい道があるのなら,MTBを持ってきたらよかったなぁなどとのんきなことをしゃべりながら,林道を下ります。下りきったところは,ナント!田んぼです。棚田になった,小さな田んぼです。こんな所に田んぼがあるなんて,ビックリです。昔は,隠し田だったのかもしれません。それにしてもこんな所にまで田んぼを開くなんて,昔の人はスゴイですねぇ。でも,この小さな田んぼを維持している今の人もスゴイです。

難所あり?!

ここにも案内板があります。矢印の方向を見ると,左手に水路に沿って水平道があります。なるほど,ここを行くのか。あまりハッキリした道ではありませんが,踏み跡は明瞭です。水路は,先ほどの田んぼに水を引くためのもののようです。こんなにまでしてあれだけ田んぼを世話するのですから,大変でしょう。

右側の斜面は,草木は生えているものの,ガケといってもいいような傾斜です。そして,ついに水平道は行き止まり。さて,どうしましょ。下を見ると,ガケを下ったような跡があります。「難所」というのは,ここのことなのかな?しかたがないので,「難所」を下ります。下ると,左手に山道があります。なるほど,やっぱりここが難所だったんだ。S田さんと二人で勝手に納得。雨が降っているというのに,お気楽です。

この山道は,ブナの林の中に道です。ガスで白っぽくなった木々が深山の趣を演出しています。気持ちよく進みます。途中で一旦,斜面に出ますが,再び林の中へ。小さな尾根が派生していますが,その先はガケです。???もちろん,尾根でないところはいきなりのガケです。さすがにお気楽な我々も,このままでは谷に下れそうな気がしません。が,黄色テープがあるので,もう少し行ってみましょう。しかし,ついに山道は終了。小さな尾根を上ると,その先はガケそのものです。尾根の先もガケ。もうこれ以上進めません。谷に下ることもできません。???何でこうなるの!?

正規ルートは田んぼの下から

しかたがないので,引き返すことにします。先ほどのテープから下りの道があるのかもと探すものの,やっぱり,その先はガケです。じゃあ,いったいどこで道を間違ったの?谷に下る道を探しながら引き返すものの,やはり見当たりません。結局,先ほどの「難所」へ。もうこうなったら,確実にわかる場所に引き返すしかありません。つまり,来る時にあった棚田です。あそこにあった案内板をもう一度チェックです。

再び,水路沿いの踏み跡を戻ります。そして,棚田へ。案内板の向こうにあるトタンを越えて,田んぼの下に行ってみましょう。ありました!田んぼの下から,きれいな道が谷に向かって下っています。な〜んや。あの案内板の矢印は?です。それにしても,水路沿いの踏み跡を,何の疑問もなく,進んでしまう我々の感覚は,どうなっているのでしょう。踏み跡がなくっても,木の間があいていれば,それだけでもOKなんて思ってしまう感覚は,どうなんでしょう。特に,今回は,「難所があります」なんて書かれていたので,どんなところも「なるほど,ここが難所かぁ」などと納得してしまいます。山歩きは難しい。

正規のルートを下ると,道はハッキリ,急斜面にはロープが張り巡らされているので,安全です。「難所」というのは,ここのことのようです。ハイヒールでは歩きにくいでしょうが,難所というほどのこともないかも。ロープがなければ,難所でしょうが。急斜面につけられた九十九折りの山道を下ると,ほどなく谷へ。シワガラの滝はすぐです。渓流をさかのぼること,100mです。

  
この奥の洞窟にシワガラの滝が シワガラの滝 その1
この奥の洞窟にシワガラの滝が
シワガラの滝 その1

両側は切り立ったガケに挟まれ,そのガケにはコケや小さな草がビッシリと生えています。シワガラの滝は,その奥の洞窟のようなところにあります。落差10mほどの小さな滝にもかからず,暗い洞窟とまわりの緑のガケ,そしてたちこめたガスが,幽谷の趣を醸し出しています。雨の日の山歩きもいいものです。

  
シワガラの滝 その2 シワガラの滝 その3
シワガラの滝 その2
シワガラの滝 その3

但馬牛あれこれ

この後は,上山高原で山道をチェック。河合谷登山口では,寒さに震えてしまいました。帰りは,同じ道を帰るのもおもしろくないので,湯村温泉から但馬牧場公園へ。ここは,冬期はスキー場になる所ですが,今は公園です。但馬牛博物館なるものがあります。但馬牛の歴史や骨格標本,但馬牛のおいしさの秘密なんてのも解明しています。

  
但馬牛の歌
但馬牛の歌

但馬牛の歌

1.但馬の里に生まれた子牛 こがらし忍びて 春を待つ ここはふる里 但馬の里よ 兵庫自慢の但馬牛

2.春の但馬に新芽も出て 子牛いきいき 野山を走る ここはふる里 いなきばの里よ 兵庫自慢の但馬牛

3.夏の但馬に草木も茂る 子牛育ちて せりを待つ ここはふる里 よしづるの里 兵庫自慢の但馬牛

4.秋の但馬は時雨れてならぬ 子牛別れて 他人の家 ここはふる里 ふきづるの里 兵庫自慢の但馬牛

5.お父出かせぎ 根雪も深く お母せっせと 牛の世話 ここはふる里 あったの里よ 兵庫自慢の但馬牛

6.せりにかけられ売られた子牛 二年余月で 霜降り肉よ 口に含めば とろりととけて これが自慢の神戸肉

歌だけではありません,「但馬牛の飼い方」というパンフレットもあります。きっと,ここで食べた但馬牛の肉に感激して,我が家でも但馬牛を育てたいと思いたった人のために作ったパンフレットなのでしょう。細やかな心遣いがうれしい。下記は,そのパンフレットからの抜粋です。

和牛飼育の心構え
     
和牛は語るが,和牛は語りかけない,和牛と語れ

1.自己流の牛飼いをしているか…母樹も幹を切られば枯れてしまう

2.だろう飼いをしていないか…和牛のための愛畜心

3.省力管理は和牛のためか,人間のためか…和牛もストレスがたまる

4.和牛と接する時間は1日どれくらいか…和牛も人間と語り合いたい

5.今日の飼養管理の良否が現れるには長時間かかる…和牛の最大欠点

6.貴重なお金と労力はどこに投資すれば最大の利益が得られるか

7.最良の子牛は自家保留か地域内保留が鉄則

牧場公園をあとにし,美原高原スキー場跡を過ぎ,柤岡高原に到着。ここから春来トンネルの上を越えて丸味へ。途中で,子牛を散歩している人に遭遇。さすがは但馬牛の産地です。このあたりでは,犬を連れて散歩するのじゃなく,子牛を連れて散歩するんですねぇ。

R29に出て,琴弾峠を越え,養父町を抜け,渋滞の福崎町を抜け道し,加古川へ。おっさん2人の一日ドライブ&ちょっと滝見物が終了。メデタシ,メデタシ?


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