古墳,古墳… 黍田富士とヤッホのこみち(2002.9.16)


  
P・@〜F
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ヤッホのこみち

昨日の太陽と緑の道の「悪夢」をにも負けず,今日も今日とてwithMTBで山歩きに出かけました。秋らしいさわやかな空気です。里の田んぼは,黄金の穂をたれ,実りの秋近しです。早いところでは,すでに稲刈りが終わっているそうです。残念ながら,今日は雲が多く,いつ雨が降ってもおかしくない天気です。こうなると,すぐに撤退できるお手軽コースをチョイス。行き先は,HP「播州野歩記」で紹介された黍田富士です。この山は,2号線からも見ることができ,山頂の展望台が目立っています。以前から行ってみたいと思っていた山です。

登り口は,「ヤッホのこみち」の案内に従って,神部小学校前の駐車場(P)へ。MTBを準備し,ヤッホのこみちに向かいます。ここ(@)にはアスレチックやログハウス,古墳,炭焼釜などがあります。

ヤッホのこみち

黍田富士や亀岩展望台などから眺める揖保川の流れと町並み。歩道上に点々と見られる太古の人々の生きた証の古墳。谷のずっと奥に突然現れる花咲く湿地。これらがみんなこの里山の大きな魅力です。登っていくのに少し骨が折れる場所もありますが,そんなものを全て吹き飛ばしてくれる出会いが待っています。
また,この山を通して周辺の集落や,神部小学校,河内小学校のみんなが出会える山です。
尾根からまっすぐ黍田富士に登る道は健脚向きですが,そのほかはだれでも登っていけます。がんばって山での出会いを探しに行きましょう。

       兵庫県・揖保川町・(社)兵庫県森と緑の公社

黍田11号墳石室

 この横穴式石室は,6世紀末(いまから1400年前)に造られたもので,町道を広げるためにサルビア園の玄関の近くにあった古墳をここに移したものです。
 発掘調査の結果,石室やその周辺からたくさんの遺物が出てきました。
 その主なものは,耳かざり・ガラス小玉・鉄のやじりや土器などです。
 この古墳は,昔の人たちが神部の里に住んでいたことを現在の私たちに伝えてくれる貴重なものです。みんなでいつまでも大切に保存してください。

              平成5年9月1日  揖保川町立神部小学校

まずは黍田富士を目指します。尾根を直登するコースと,鞍部から登るコースがあります。鞍部まではMTBでも少しは乗れそうなので,鞍部コースを選択。岩の多い山道ですが,さほど傾斜がないので,予想通り乗車可能です。チンタラ登っていると,前からハイカーが降りてきました。さすがに最後はMTBを押しながら鞍部へ。ここには,案内板がたくさんあります。なぜか,鐘もぶら下がっています。せっかくですの,鳴らしておきましょう。カ〜ン!

亀岩大展望台・黍田隠し田・炭焼窯跡・三角点大展望台・金剛山日吉神社

黍田富士山頂へ(見晴らしの道)250m  亀岩展望台へ(見晴らしの道)960m  
どんぐり広場神部小学校へ500m 
 

アカマツ林について(アカマツ−モチツツジ群集)

 この地域のアカマツ林は,植物社会学的にアカマツ−モチツツジ群集に区分されています。アカマツ−モチツツジ群集は,兵庫県では瀬戸内側に広く見られるアカマツ林で,この地域の代表的な里山林です。
 アカマツ林は主に土壌の乾燥した場所に見られる林ですが,ここでは全山に広く分布しています。このことは,この場所が全体的に乾燥していることをあらわしていると考えられます。土壌の調査でもこの地域の土壌が薄く乾燥しやすいことが確認されています。
 また,この地域のアカマツ林は2つのタイプに分けられました。ここから,黍田富士に向かって登っていくと,すぐにアカマツの背が低くなっていくのがわかる思います。この背が低いアカマツ林は,さらに土壌条件の良くない場所に生えるタイプの林で,背の高いアカマツ林には見られない,ススキアリノトウグサ等といった明るい場所に生える植物が生育しているのが特徴です。

  
黍田11号墳石室 黍田富士山頂から的場山方面
黍田11号墳石室
黍田富士山頂から的場山方面

黍田富士へ

鞍部から左に,九十九折りの山道を登ります。黍田富士の標高は166mほどですので,登りはさほど長くはありません。5分も歩けば,黍田富士山頂(A)です。山頂にも鐘があり,その脇には展望台があります。166mの山頂からの展望はすばらしいものです。ふもとの揖保川町の町並み,右手を流れる揖保川,北には的場山から大倉山への山なみが続いています。西の方には,天下台山からの山なみが見えています。黍田富士という名にふさわしい展望です。

さて,下りです。山道は丸太の階段があちこちに設けられていますが,その階段を避けるようにショートカットコース?の踏み跡があります。こちらの踏み跡をMTBで下ることにします。結局,黍田富士からの下りは100%乗車可でした。思ってもいなかった乗車率にニコリ。

三角点へ

鞍部からは,201へ向かって登りです。MTBを担ぐほどの傾斜ではありません。登りの途中でふり返ると,黍田富士の斜面につけられた九十九折りの山道がちょっと無残です。201の手前の小さなピークで,ハイカーと少しオシャベリ。201のピーク付近には,大きな古墳がたくさんあります。先ほどの黍田富士にも古墳がいくつかあり,この山域は古墳の山です。古墳を見ながらピークを南に下ると,今度は隠し田の案内があります。すぐ前のピーク(B)には,案内板があります。

←河内っ子ワールド 河内小学校へ(出愛の道)1370m    亀岩展望台(見晴らしの道)260m→
←黍田富士山頂へ(見晴らしの道)930m

  
黍田富士 三角点 点名山津屋
黍田富士
三角点 点名山津屋

右に行くと亀岩展望台,左は三角点を経て,河内小学校へ行くようです。時間はまだあるので,とりあえず三角点に行ってみましょう。左に曲がると,山道が気分よく下っています。MTBで快適に下ります。先ほどのハイカーは,こちらには来ていないようです。左手に黍田富士が見えると,三角点ピークはすぐです。二等三角点(点名山津屋 193.5)付近にも古墳がいっぱい。それにしても,こんな所にお墓を作るなんて,古代の人は大変だったでしょうねぇ。

三角点ピークから鞍部に向かって下ります。この下りも快適です。古墳の脇を抜け,鞍部へ。鞍部にも案内板があります。

←黍田富士へ(出愛の道)1740m  山津屋集落 県道へ460m→
←河内っ子ワールド 河内小学校へ(出愛の道)560m

稜線を東へ…

地形図を見ると,この山塊の東端まではそれほどの距離はありません。今までのような尾根道が続いていると,こりゃ極楽です。行ってみましょう。鞍部から少し登り返した松林の中に40号古墳(C)があります。古墳はここで終了です。尾根を見ると,シダで覆われた踏み跡があります。シダってのがイヤなので,MTBを置き,稜線を少し外して,北の切り開きの境界を進んでみます。

しばらく進んだ所で,尾根に突入。ヤブっぽい林を抜けると,明瞭な踏み跡があります。しかも,赤や黄色のテープがあちこちにあります。MTBで走ることはできないのが残念ですが,とりあえず,踏み跡をたどって稜線を進んでみましょう。

全く展望のない雑木林の中の道ですが,色とりどりのテープのおかげで迷うことはありません。時期が時期だけにクモの巣が時々バリッ!と音をたててへばりついてきます。セミの鳴き声が聞こえ,里からの車の音が聞こえ,静かな山歩きとは行きませんが,あたりは静かです。結局,この稜線歩きは,東の端の揖保川が見える地点(D)で終了。あとは,急斜面を下るだけです。期待していたほどの展望がなく,ちょっとガッカリ。来た道を引き返すことにします。

  
尾根を走る 亀岩
尾根を走る
亀岩

展望バツグン!の亀岩

MTBに戻り,三角点,201への分岐点(B)に引き返します。帰りもMTBの乗車率は高く,ほとんどが展望のいい極楽尾根道です。分岐点からは,亀岩方面に進みます。気持ちよく下ったところで,分岐点です。右に進むと,ヤッホのこみちに戻ります。亀岩展望台という名前に惹かれて,正面のピーク(E)を登ります。亀岩というのも古墳だということです。でも,それ以上に惹かれるのは,そこからの展望です。展望は南に開けおり,鳩ヶ峰,嫦峨山などの御津山脈の向こうに家島が見えます。

亀岩

 この奇妙な組み合わせの岩も,古墳です。遠くから見ると亀の格好に見えるため「亀岩」と呼ばれています。
この巨石は横穴式石室の天井石で,7世紀前半に作られたものと考えられています。
いったい昔の人はこんな重い岩をどうやって,今のような形に組み上げたのでしょう。
 ここは,この里山の中でも瀬戸内海の方向を見渡せる絶好のポイントになっています。
目の前には河内地区が,その向こうには瀬戸の海と家島群島が見渡せ,空気が澄んだ日には明石大橋も見ることができます。なぜ亀岩古墳がここに作られたのかわかる気がします。

ここからもヤッホのこみちに戻ることができます。山道を進むと,きれいな案内板を発見。

  
亀岩から御津山脈と家島諸島 林道の峠へ
亀岩から御津山脈と家島諸島
林道の峠へ

馬場・黒眼池  原・大正池→

今度は,この山塊の西端に向かう尾根道のようです。尾根道を見ると,最後まで行ってみたくなる癖は,我ながら困ったものです。ヤッホのこみちから帰るよりも,尾根道を探検するほうがおもしろそうです。行ってみましょう。

今度は稜線を西へ

MTBで走り出すと,時々,クモの巣があるものの,幅の広いきれいな山道です。どうしてこんな道がついているのか,不思議です。先の213のピークがあり,その近くには高圧線鉄塔がありますが,その巡視路というわけではないでしょう。それにしても,クモの巣に困りものです。クモの巣対策として,ハンドルに木の枝を突き刺し,クモの巣払い装置を作ります。それでも,木の枝にクモの巣がくっ付き,さらにクモまでもがくっ付いているのを見ると,あまり気持ちのいいものではありません。

部分的にMTBに乗車できないところはあるものの,ほとんどは乗車可です。展望はあまりありませんが,気持ちよくMTBで下ります。この山塊の西端の三角点ピークにまで行くのだろう思っていると,突如,西に展望の開けた岩場に飛び出します。ここにも案内板があります。岩場から見ると,どうやら,西の谷にある林道に出そうです。しかも,その林道の峠に下りそうです。これは好都合です。早速,岩場を下ります。しばらく,MTBを押しながら下りますが,すぐに乗車可になり,気分よく下ります。木の階段が現れると,林道の峠(F)です。

この峠にも案内板があります。林道を極楽気分で,かっ飛ばします。クモの巣が気になりますが,この快感には代えられません。MTBを快適にかっ飛ばし,溜池へ。この池が大正池というのでしょか。再び,林道をかっ飛ばします。と,右手に延びるシングルトラックを発見。慌てて引き返します。崩れかけの小さな橋を渡ると,道の真中にツリガネニンジンがさいています。シングルトラックを進むと,目の前に廃田が広がっています。何のことはない,このシングルトラックは農道だったようです。あとは,田んぼ道を進み,車道へ。神部小学校前(P)に戻り,3時間ほどのMTB遊びはおしまいです。


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