冬の日に映える家島群島 御津山脈東部縦走(2003.1.25)


  
P・@〜H
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今冬も御津山脈

昨年は御津山脈の中央部と西部を縦走したのですが,「播州野歩記」「とんび岩通信」の記録によると,御津山脈の東部も縦走路ができたようです。これで,御津山脈が完全縦走できることになります。とはいえ,西部と中央部はwithMTBでは,乗車率が低いので,あまりうまみはありません。東部はどうでしょう,ということで,今回も懲りずにwithMTBで御津山脈縦走です。スタート地点は中央部のスタート地点となったスバル坂の上部,Y山登山口です。ここから岩見坂に下り,石見梅林を抜け,碇岩,権現山と縦走の予定です。つまり,基本的には,御津町の町界沿いに尾根を縦走する感じです。

「播州野歩記」には,権現山から碇岩のルートが紹介されていますし,「とんび岩通信」Y山から岩見坂へのルートが紹介されています。記録がないのは,岩見坂から岩見梅林,碇岩南の分岐点までのルートです。特に,途中の岩見梅林は,梅の時期には有料の梅林になるので,いつも通行可能なのでしょうか。

まずはY山へ

車を権現山のふもとの王子権現の駐車場(P)にとめ,MTBで出発です。雛山の南麓沿いに進みます。R250に出ると,岩見港に向かいます。道路脇からは,これから登るY山が岩見港の向こうに見えています。岩見港を過ぎると,名田忠山荘の看板があります。これからしばらくは,ヒルクライムです。道の脇には,御津山脈縦走路の標示があります。

御津山脈縦走路 家浜登山口  柏←大浦西←岩見港→梅林→碇岩→中島

舗装の上りをダラダラと登っていくと,眼下には播磨灘が広がってきます。その向こうには,冬の日に映える家島群島の島影が見えます。穏やかな海面は日の光を照り返し,ところどころに船影が見えます。こんなのどかな播磨灘を見ながら縦走ができるのが,御津山脈の魅力のひとつです。とはいえ,やはり,登りはシンドイ。名田忠山荘への分岐点を過ぎると,舗装路は荒れ,MTBで登るのも一苦労です。

そして,登り詰めた所が登山口です。北面には,ダイセル播磨工場のフェンスが広がり,観光農園の看板が朽ちています。右手に登山口の標示があります。

御津山脈縦走路 Z山⇔Y山登山口

標示から少し南に向かうと,犬か何かの白骨が散らばっています。チョット気持ち悪い。その向こうの急斜面にロープが下がっています。ここがY山登山口(@)です。withMTBなので,ロープを持ちながら登るのは大変。MTBを木に引っかけながら,なんとかクリアー。続いて岩場の急登です。ここにもロープが下がっています。MTBを担いでいるので慎重に登ります。振り返ると,播磨灘に浮かぶ家島群島が一望できます。岩見港から出て行く漁船が見えます。

岩場を過ぎると,道は緩やかになり,林の中を登ります。しばらくすると,ダイセルのフェンスが見えますが,このあたりでフェンスは切れています。道の脇には,色とりどりのテープがぶら下がり,縦走路であることを示しています。道は緩やかなので,MTBに乗ってみますが,すぐに乗車不能に。南斜面に出て,岩場を過ぎると,再び林の中へ。山頂間近です。林の中を強引にMTBに乗り,山頂へ。

  
Y山山頂の三角点 Y山を下る
Y山山頂の三角点
Y山を下る

山頂には三角点(四等三角点 点名岩見 251.9)があります。なぜか,三角点の上部には,赤いペンキが塗られています。ここからは,待望の下りです。しかし,地形図を見ると,MTBで下れそうな傾斜ではありません。しかも,路面には,切り株&岩がとび出しており,道の左右からは木立の枝が張り出しています。山頂から10mほど乗ったところで,MTBは押しに変わります。MTBを担いで登り,押して下るという最悪のパターンです。地形図からは予想できたことですが,やっぱりガッカリ。

極細シングルトラックを下ると,岩場に出ます。この岩場からは,左手には岩見港,正面にはX山,その左手には碇岩らしい山も見え,これから縦走するルートが一望できます。この岩場にもロープがありますが,さほど急な岩場ではありません。岩場を下ると,再び,林の中の道となります。あいかわらず,急な上に路面にいろいろなものがとび出しているので,MTBは押しの一手です。下りきる手前には,炭焼釜跡らしい石組みがあります。でも,もしかすると,石室跡かも。

  
Y山中腹の岩場からX山をのぞむ 家島群島と小豆島
Y山中腹の岩場からX山をのぞむ
家島群島と小豆島

最後は,強引にMTBに乗り,岩見坂(A)へ。登り始めてから50分です。ここにも登山口の標示があります。

御津山脈縦走路 Y山登山口

お次はX山

昨年の冬,このあたりを調べた時は,標示はなかったので,春ごろに設置されたのでしょうか。さて,本日二つ目のピークは,東にそびえるX山です。登山口はと見ると,少し下がった所にフェンスの切れ目があります。行ってみると,登山口の標示があります。

御津山脈縦走路 X山登山口

登り始めはコンクリートの舗装路ですが,すぐに山道に。林の中の道ですが,しばらく進むと,石室が出現。古墳なのでしょうか。とすれば,さっきの石組みも古墳?石室を過ぎると,しだいに山道は急になり,当然,MTBは担ぎです。展望のない林の中の道を抜けると,岩場です。この岩場からも播磨灘がきれいに見えます。家島群島の奥には,小豆島の大きな島影が見えています。この岩場も素晴らしい展望です。

岩場を過ぎ,あいかわらず,MTBを担ぎながらの登りが続きます。道が南に向かうと,緩やかな道になり,ようやく,MTBに乗ることができます。強引にMTBに乗りながら,175ピークへ。この山頂には,三角点はおろか,山名標示板もありません。縦走路の標示からすればX山ということになるのでしょうが。山頂からも,MTBに強引に乗りながら下ります。シダの中を下る時は,路面が見えないだけに,よりdangerousです。

稲富山へ

強引にMTBで下っていると,岩見梅林が見えてきます。そして,岩見梅林へ。ここにも,縦走路の標示があります。岩見坂のX山登山口から30分です。

岩見梅林 御津山脈縦走路 中島⇔X山

梅林は誰もいないようですが,なぜか,カラスはたくさんいます。地形図を見ると,町境は,東の小さなピークを越えています。ということは,岩見梅林の東端に向かわなければならないでしょう。梅林の中の道を行くと,「御津山脈縦走路」の表示があります。やはり,東端に向かうようです。さらに舗装路を登ると,またもや縦走路の標識があります。

御津山脈縦走路→中島へ

ここから梅林を離れ,山の中です。最初は,竹ヤブの中の道です。ここにも標示があり,テープもたくさんぶら下がっています。そのテープの中に,赤布テープがあります。サイボーグO柿さんの物に似ていますが,伸縮性がないので,おそらくO柿さんの物ではないでしょう。竹林を抜けると,なだらかな尾根道になります。疎林の中の道ということもあり,MTBで乗り乗りです。そして,177ピーク(B)へ。岩見梅林から15分ほどです。この山頂には,標示板があります。

稲富山 山脈縦走路

この稲富山のふもとにある圓融寺は,最近本尊前に安置した観音立像の眼から涙がにじみ「なみだ観音」として有名になったそうです。ここで,遅い昼食を摂ります。まわりを見ると,色とりどりのテープがあります。南に下るルートには黄テープが下がっています。これから下る北向きには,赤布,白テープ,赤テープなど。この縦走路は,標示板が多いですが,それ以上に色とりどりのテープがあちこちにぶら下がっています。これなら,縦走路を外すことはないでしょう。

  
稲富山山頂 碇岩南の峠
稲富山山頂
碇岩南に峠

待望の乗り乗りダウンヒル

昼食を終え,縦走の再開です。まずは,北向きに尾根を下り,小ピークにある鉄塔を目指します。稲富山からの下りは,ほとんどMTB乗車可です。疎林の落ち葉の尾根を気持ちよく下ります。ところどころにある,ギャップや木立ちスラロームも楽しい。そして,鞍部へ。この鞍部には,馬場への標示があります。この先の峠からは馬場への道がなくなっているそうですが,今はこの道を使って馬場へ抜けているのでしょう。巡視路としては,このルートの方が合理的なのでしょう。

鞍部から少し登ると,高圧線鉄塔があります。「碇岩南登山口へ←」や「岩見梅林」の標示もあります。ここからは,東にある姫路の町が見えます。巡視路は東に下っているようです。縦走路は,北へ上っています。小ピークを過ぎると,MTBで気分よくダウンヒルです。切り開きの山道ですので,路面には切り株が多く,要注意です。急斜面を下りきると,眼下には峠が見えてきます。稲富山から20分です。

ロープを伝って峠(C)に下り立ちます。この峠には,何枚もの標示板がかかっています。

「山脈縦走路→」 「御津山脈縦走路中島」 「碇岩奥池西登山口へ」    

急登の碇岩

縦走路は,峠を横切り,石垣を登ります。ロープがあるので,大助かり。MTBを肩に,石垣を登ります。石垣を登り終えると,碇岩への急登が始まります。MTBを肩にゆっくりと登ります。しだいにまわりの展望が開け,振り返ると,稲富山やX山,Y山,さらにその向こうには播磨灘が見えています。足元には,ふもとの3つのため池ときれいに耕地整理された田んぼが人工的な美しさを演出しています。

中腹には,一服岩と名付けられた展望岩があります。ここからは,東,南,西の展望が開け,碇岩への急登の途中で一服するのにピッタリです。南向きの日当たりのいいこの岩場は,一寝入り岩といってもいいかもしれません。一服のあとは,急登の再開です。右手には,碇岩から北山奥山への稜線と権現山が一望できます。見たところ,碇岩からの下りはMTB乗車可能です。もちろん,北山奥山への稜線も乗れそうです。地形図から予想した通りです。思わず,ニンマリ。

  
碇岩中腹から見る縦走尾根 碇岩山頂
碇岩中腹から見る縦走尾根
碇岩山頂

急登にあえぎながら,ようやく碇岩山頂(D)へ。峠から15分です。ここには三角点(四等三角点 点名東山 201.1)がありますが,その上には,測量用?の板が付けられています。山頂には,山名表示板があります。「北山(碇岩)山頂201M」山頂からは,360度の展望があります。南には,稲富山とその向こうに播磨灘。東には,姫路の町と海岸部の工場群。西は,天下台山。北は,的場山をはじめとする西播の山々が望めます。たった200mほどの山とは思えない展望です。

碇岩から強引ダウンヒル

展望を楽しんだあとは,待望のダウンヒルです。木立の中を抜けると,展望のいい草地の中の下りです。正面には,北山奥山のピークが見えます。MTBで下るものの,極楽ダウンヒルとはいいがたい下りです。極細STのうえに,路面には切り株や岩が多く,ホイールには木の枝がからみつきます。それでも,MTBに乗れるだけでもマシです。担いで登って,押して下ったY山のことを思うと,極楽です。

尾根道は,一旦,鞍部に下ると,しだいに北に向きを変え,ササの間を緩やかに登ります。そして,「北山奥山」の山名標示板が見えてきます。ところが,ピークはさらに登っています。ピーク(E)からは,東に下ります。シダの群生の中を下るので,路面が見えず,チョット危ない。恐る恐る下り,木立の中のダウンヒルスラロームです。スピードこそ出せませんが,木を避けながらダウンヒルはテクニカルでおもしろい。気分よく乗り乗りダウンヒルで,最後はロープを伝って車道へ。碇岩山頂から30分です。出口には,縦走路の標示板があります。

御津山脈縦走路 北山登山口

  
縦走尾根を見ながら碇岩からのダウンヒル 塚黒山の落ち葉の道
縦走尾根を見ながら碇岩からのダウンヒル
塚黒山の落ち葉の道

古墳群の権現山

登山口から反対側の斜面を見ると,金網フェンスの向こうに縦走路の標示があります。フェンスの切れ目から入ると,きれいな山道が続いています。

御津山脈縦走路  塚黒山登山口

林の中の山道ですが,さほど急ではありません。逆ルートの下りなら,MTBに乗って下ることができそうです。しばらくして小ピーク(F)へ。山名表示板はありませんが,このピークが塚黒山なのでしょう。塚黒山からしばしの下りを楽しみ,権現山に向かいます。権現山の中腹あたりからは,薄暗い林の中に古墳が見られるようになります。苔むした立派な石室もあり,昔の人がどうやってこんなものを作ったのかと不思議に思ってしまいます。権現山山頂(G)の三角点(三等三角点 点名中島 140.3)は,ササ原の中の山道にあります。まったく展望がないので,尾根の小ピークのひとつといった感じです。

  
権現山の古墳 権現山山頂の三角点
権現山の古墳
権現山山頂の三角点

このピークからは,縦走路が下っています。テープもあちこちにあります。この下りも薄暗い林の中の山道です。テープを頼りに,MTBで山道を下ります。???権現山から北への尾根に行ってみたい気もしていたのですが,尾根がわからず,結局,下りの誘惑に負けて下ってしまっています。ところが,縦走路の標示が見えなくなり,この下りが縦走路なのかがわかりません。でも,同じようなテープがあることだし,縦走路でしょうと,お気楽にダウンヒルを楽しみます。

と,いきなり,視界が広がり,階段が見えてきます。左手を見ると,コンクリートで覆われたガケです。階段を登ると,しめ縄がかかった大岩があり,足元にはふもとの神社が見えています。岩場を下り,山道に出ると,縦走のフィナーレです。ふもとの神社の裏手に出ると,縦走路の標示があります。

御津山脈縦走路 中島登山口

縦走路の東の終点の石見神社(H)に到着です。御津山脈東部縦走はこれにて終了。岩見梅林までは,MTBの乗車率は低かったものの,展望のよい岩場があり,GOOD!岩見梅林からは,MTBの乗車率が高く,展望もそこそこよかったので,これまたGOOD!でした。ランチライムを入れて3時間半。のんびり山歩きをするのにちょうどいい時間です。歩きだと,縦走したあとが大変でしょうが,コース自体は展望がいいのでwithMTBでなくっても楽しめるでしょう。こんな素晴らしいコースを整備して下さった御津町のみなさんに感謝,感謝です。

  
石見神社
石見神社

 

Z山⇔Y山登山口11:22  Y山山頂11:42  Y山登山口12:15  岩見梅林12:45  稲富山12:59  13号鉄塔13:25  鞍部13:34  北山山頂13:51  北山奥山14:16  北山登山口14:27  権現山山頂14:45  中島登山口15:06  


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