尾根を快走!居母山縦走(2003.6.22)


  
P・@〜C
P・@〜C

今週も北へ

スカッと晴れることのないことの梅雨時。雨が降らないだけでもマシというものです。今週も梅雨前線が南に下がっているということで,北部の山に行くことにしました。目的地は,京都府夜久野町の居母山です。この山については,同行のS田さんからMTB乗り乗りコースがあることを聞いていたので,楽しみ満タンです。ただ,曇り空なので,展望はあまり期待できそうにありません。MTBを車に積んで,出発です。西脇から丹波を抜け,遠坂峠を越え夜久野町へ。直見に向かって,北上します。車は,大岶公民館(P)にとめさせていただくことにします。この公民館のグラウンドには,巨大ヒツジの乗った貨車。その横には,大釜があります。この大釜は巨大五右衛門風呂のようです。なんともユニークな施設です。

熊出没注意!

MTBの準備を終え,いざ出発です。大岶の集落を登っていると,早くも汗がにじんできます。途中に,居母山クラブ製の案内板があります。この案内板は,これからも何箇所にもあり,初めて居母山に登る者にとってはありがたいでしょう。大岶の集落の外れで,第一村人発見!これからMTBで居母山に登ることを告げると,ご多分に洩れず,呆れたような,驚いたようなリアクションが返ってきます。我々も,笑顔とも苦笑ともいえない表情を返します。なんとも奇妙な光景です。

林道を少し登ると,ゲートがあります。ゲートには「熊出没注意  居母山クラブ」とあります。熊!あの沖ノ山での恐怖がよみがえってきます。が,今日は笹ヤブではありません。目の前には,薄暗い植林の中に林道が延びています。ゲートを抜け,林道をさらに登ります。すでにこのあたりでは,MTBには乗車不能。押しの一手で進みます。両側は,植林ですが,手入れがされています。谷の両側を見ると,石積みがあちこちにあります。棚田の跡なのでしょう。

飛所ルートへ

植林の中の林道は歩きやすいものの,見どころがなく,退屈な景色の連続です。S田さんとオシャベリをしながら登っていると,「月の小坂」ルートと「飛所」ルートとの分岐点に到着。月の小坂ルートは,尾根を直登。飛び所ルートは,林道の突き当たりから登るルート。S田さんが以前来た時には,飛所ルートで登り,月の小坂ルートを下ったとのこと。ゆるやかな林道を登る飛所ルートを進みます。

左手の谷には,棚田跡が続いています。植林の中の薄暗い林道を進みます。そして,林道の終点,飛所ヘ。ここからは山道になります。居母山クラブのHPによると,今は小川に丸木の橋がかかっていますが,昔は小川の台石を飛んで渡ったことから「飛所」という名前がついたそうです。な〜るほど!でも,ちょっとストレートすぎる命名ですよね。

  
林道の終点 飛所 高源寺跡
林道の終点 飛所
高源寺跡

山道をしばらく進む(@)と,道は右手の尾根に向かいます。尾根に登ると,ボブスレーコースのような道がくねくねと上っています。MTBで下ると楽しそう。でも,今は下るわけにはいきません。尾根を離れ,谷を横切るあたりで,雑木林の中の明るい道になります。曇り空なので,鮮やかな緑というわけにはいきませんが,先ほどまでの薄暗い植林の道とは大違い。右手に谷が近づいてくると,しだいに雑木が多くなり,高源寺跡といわれる広場の到着。落ち葉の敷き詰まった広場には,シダの群生が広がっています。

高源寺跡の広場を過ぎると,居母山山頂直下の尾根はすぐそこです。尾根に上がると,案内板があります。「←居母山山頂 飛所↓ 月の小坂道→  居母山クラブ」 山頂からハイカーが下ってきました。結局,彼が今日の居母山で出会った最初で最後のハイカーとなりました。

居母山山頂展望よし!

  
居母山山頂から大江山方面 居母山山頂
居母山山頂から大江山方面
居母山山頂

尾根を左手に上ると,植林の中の道となり,植林の向こうには簡易トイレが見えています。居母山山頂はすぐそこです。植林を抜けると,展望が一気に広がります。S田さんが以前登った時には,あたりはササ原だったそうですが,今はそのササはすっかり枯れ,尾根を下る道もはっきりと見えています。居母山山頂(A)には三角点(三等三角点 点名永岶 730.1)があり,そのまわりには登頂記念のプレートなどがたくさん付いています。なぜか,鐘まであります。記念に鳴らしてみましょう。カランカラ〜ン,とぉ〜ふぅ〜。三角点の向こうには,立木を利用した展望台まであります。上に登ってみると,北と南の展望が見事です。ガスが山の中腹にかかり,モノトーンの山々のアクセントになっています。晴れた日の展望もいいでしょうが,今日のような曇り空の展望もいいものです。

ランチタイムにはまだ時間があるので,山頂を下り,南西の尾根を進むことにします。地形図では、これからずっとMTB乗り乗りコースのハズ。とはいえ,今まで幾度となく,乗り乗りコースのハズが,押し&担ぎコースになってしまったことがあります。しかし,凝りもせず,あるいは学習能力が無いためか,今日も尾根の極楽ダウンヒルを期待して,居母山山頂直下の植林を下ります。この時,あたり一面にガスがかかり,深山の趣きが増し,イイ感じです。行くで,行くで。

ガスの尾根

ガスでおおわれた尾根道は,さほど斜度はなく,気持ちよくMTBに乗り乗りです。飛所への分岐点に戻り,これからは尾根をたどって月の小坂ルートの分岐点に向かいます。この分岐点までの尾根は,以前,S田さんが来た時にもMTB乗り乗り尾根だったそうですが,今日はそれに加えてササが枯れているので,尾根のどこでも通れます。

  
ガスの尾根 乗り乗り極楽尾根
ガスの尾根
乗り乗り極楽尾根

気持ちよく下っていると,平らな尾根に出ます。このあたりが月の小坂ルートとの分岐点のようです。が,あたりには案内板がありません。支尾根を少し下り,案内板を発見。こんな下だと,頂上から月の小坂ルートに下る人にはわかりにくそうです。是非,尾根の真ん中にも案内板がほしいところです。

この月の小坂ルートもMTBで乗り乗りダウンヒルが楽しめるそうですが,今日は南にある金谷峠に向かいます。地形図では,傾斜がゆるやかなので,倒木さえなければ乗り乗りでしょう。期待をこめて,ペダルを踏み出します。ところが,しばらく下っても,あいかわらず,極楽尾根道です。ほとんど倒木は無し。もちろん,ヤブも無し。植林と雑木林にはさまれた尾根は,踏み跡は薄いものの,どこでも走ることができます。これは期待大!

予想以上の極楽尾根

気持ちよく尾根を進みます。居母山クラブ?の付けた赤テープがところどころにあります。ということは,この尾根も何らかのルートになっているのでしょうか。ただ,尾根の両側は木々に囲まれているので,まったく展望はありません。こんな尾根は,歩くより,やっぱMTBです。途中で一箇所上りがあるものの,激下りもなく,楽チンです。それに何たって,路面がきれいなのがイイですねぇ。がいつものことながら,度々,止まっては写真を撮るので,歩きより遅いかもわかりません。

いつまで続くこの極楽尾根?と思いながら尾根を快走。ランチタイムになり,尾根が分岐する地点(B)でランチとします。我々は,ここから南に分岐している尾根を下りますが,先ほどの赤テープは,南西尾根に向かっています。おそらく,南西の尾根を進み,大岶の集落に下っているのでしょう。頭上を見ると,灰色空ながら,雨が降ってくる心配はなさそうです。展望はないものの,落ち葉の絨毯の上でのランチは贅沢の極みです。定番の食後のコーヒーも一層美味です。

金谷峠へ

期待以上の極楽尾根に気をよくして,縦走の再開です。しばらく気分よく下ると,いきなりの激下りです。これは乗れません。右手でMTBを持ち,左手で立木をつかみながら,慎重に下ります。幸い,距離は短いのですぐにMTB乗車可に。再び,気持ちよく尾根を走ります。しだいに尾根は東に向き,峠手前の小さなピークへ。小さなピークを下ると,足元にトタンの屋根が見えてきます。金谷峠(C)です。峠附近は広場になっています。トタン屋根の中には石仏があります。驚いたことには,その石仏に花が供えられています。しかも,その花は今朝供えたばかりのようです。お堂の近くには,数日前に供えられたと思われる花が捨ててあります。ということは,この峠までお参りに来る人がいるということです。しかも,数日ごとに!

  
金谷峠 大岶公民館の巨大ヒツジ
金谷峠
大岶公民館の巨大ヒツジ

峠からは地形図の破線ルートで金谷に下ります。道は明瞭であったり,なくなったり。しかし,基本的には谷を下るルートなので,迷うことはありません。が,先ほどまでの尾根道とは大違い。ほとんどMTBに乗ることはできません。小川を横切り,荒れが山道を下ります。ようやくMTBに乗れるようになると,石仏のある分岐点です。もうこの先は,軽自動車でも通ることが出来ほどの林道です。少し下ると砂防ダムがあります。砂防ダムの上に立つと,金谷の集落が小さく見え,その向こうには富岡山の南尾根が見えます。これにて,居母山縦走の終了です。あとは,大岶公民館に帰るだけです。

今日は,激しい上りはなく,山頂からの展望もよく,さらには極楽尾根をダウンヒルと,願ったり叶ったりのコースとなりました。同行のS田さんも,想像以上の快適コースに大満足のようです。こんなふうに,たまにはババ〜ンと,大当たりもなくっちゃあねぇ。でも,たまに大当たりするから,また凝りもせず未知のルートにMTBで乗り込んでしまい,果てはハードなヤブ漕ぎを強いられてしまうのでしょうねぇ。これって,わかっちゃいるけど,やめられない!?


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