沖ノ山 泉わきでる 大井谷(2003.6.8)


  
P・@〜B
P・@〜B

山頂まで林道?

先日の若杉天然林からの帰り,林道ダルガ峰線から見えた沖ノ山にアタックです。あまり有名な山ではないのか,登山ルートがないのか,無雪期に沖ノ山に登ったという記録はあまり目にすることはありません。地形図では,南の破線ルートが頂上近くまで延びています。沖ノ山山頂の三角点の点の記では,北の林道から登っています。沖ノ山の西には,山頂近くにまで延びた林道もあります。また,林道ダルガ峰線から見ると南山腹を大きく横切る林道が山頂直下にまで延びています。さて,本日のルートは,どうする〜?

とりあえず,南山腹の林道から登れば,山頂直下まで楽チンでしょう。R373で志戸坂トンネルを抜け林道へ。あたりは植林で,伐採作業をしている所がいくつもあります。幸い,日曜日ということで,作業はしていないようです。ラッキーと思っていると,前方から木材を満載した大型トラックが出現。日曜日だというのに,作業をしているようです。林道に勝手に進入しているのですから,こりゃあ,マズイかも。といっても,他にルートはわからないので行ける所まで行ってみましょう。

伐採地附近に出ると,軽トラックで下ってくる人がいます。第一村人発見です。早速,お話を聞いてみましょう。ところが,沖ノ山の名前すら知らないようです。ただ,あの山の上の方まで林道ができていることは確かなようです。やはり,林道ダルガ峰線から見た林道はこの先のようです。しかも,山の上の方まで車で上がれるとは,こりゃあラッキーざます。喜び勇んで林道を進みます。

と,前方に作業中の車が数台。ここでも,早速,オジャマすることに。ところが,初めの人は岡山から作業をしに来たとかで,このあたりのことはまったくわからないそうです。お二人目のおじさんに,沖ノ山のことを聞くと,「このあたりはワシの山や。沖ノ山に行くには,西の林道から行け。西の林道に行くには,一旦,国道に出て…」なんだか,沖ノ山に登らせたくない様子です。もしかすると,沖ノ山に登った記録が少ないのは,このおっちゃんが原因なのかもしれません。

やはり林道が…

ここまで来て,国道に戻る気もなく,林道の支線を進むことにします。道は山腹を巻くように徐々に高度を上げ,沖ノ山に向かっています。途中に,草が両側からおおってきている所もありますが,路面は崩れた所はありません。しばらく進むと,「通行止め」のサビた標示(P)があります。沖ノ山山頂直下の暗部は頭上に見えています。さほど遠くなさそうなので,標示に従って,車を置くことにします。ここからは,MTBで登りましょう。

きれいな水が流れる谷を越え,今までよりは新しくできたと思われる林道を進みます。ガレた急な路面なので,MTBで登ることをあきらめ,MTBを押しながらのんびり進みます。たとえ,山頂までMTBに乗れなくても,下りは乗車率100%です。それだけでも,MTBで登る価値はあります。林道は,あいかわらず,車が通ることができるほどの幅があります。登るにつれて,眼下に麓の森林が見えてきます。さらに登ると,今度は,鳥取県と岡山県の県境尾根,その向こうには後山からダルガ峰,長義山の連山が一望できます。なかなかの展望です。中腹でもこれだけの展望があるのですから,沖ノ山山頂付近からの展望に大いに期待がもてます。

  
新緑の林道 林道の途中から後山連山
新緑の林道
林道の途中から後山連山

車の通らない林道をのんびり歩きます。このあたりは,まだまだ新緑が鮮やかです。谷からは小鳥の鳴き声も聞こえてきます。やはり,沖ノ山はマイナーな山のようです。標高を上げ,鞍部が見えてきます。ところが,地形図では鞍部から近いと思われた沖ノ山山頂は,まだまだ見えません。鞍部手前には展望を楽しめるポイントがあります。モヤのために遠望が利かないのが残念です。

鞍部の銅像

鞍部(@)には,岡山県側を見下ろすように銅像が建っています。その脇には,ロバ?に乗った中国風の賢人?の像もあります。林道完成記念の石碑も建っています。あたりは,ベンチ代わりの木の切り株が10個ほどあります。この銅像の除幕式で使ったものなのでしょうか。それにしても,どうして,こんな山の中に銅像が…。

  
鞍部の銅像と石碑 銅像
鞍部の銅像と石碑
銅像

はるばるとたどりついたところが 大井谷682,18番地   標高1318,8米
沖の山 泉わきでる 大井谷
智頭の町 みまもる 千代川
管理道新設 完成記念碑 西暦2001年11月1日
設計測量 久米町オーエスエー 社長 杉本正博
工事施行者 旭町 社長 山崎友義
施主 岡山県上房郡有漢町 千崎善一 平成13年11月1日建之
施行延長 3000米   事業費 3000萬円

その疑問を解くべく,後日,S田さんが施主の千崎さんに電話でおたずねしたところ,沖ノ山は千崎さんの持ち山だとか。その持ち山に林道をつけた記念に銅像を設置したんだそうです。その脇の像は???とか。林道の完成記念に石碑を設置している所はありますが,銅像とはビックリです。

見ると,山頂に向かって林道は延びています。この鞍部からはヤブ漕ぎを覚悟していたのですが,林道で山頂直下まで行けそうです。これまたラッキーです。気をよくして,展望のよくなった林道を登ります。が,どれが沖ノ山山頂なのでしょう。それらしいピークを目指して,林道から突入。ササ藪をかき分け,ピークに着いたものの,石柱があるだけで,三角点はなし。西を見ると,まだ高いピークがあります。なんのこっちゃ!再び,ササ藪をかき分け,林道へ。

林道の最高部(A)へ行ってみると,大パノラマが広がっています。東には三室山や天児屋山,南に目を向けると,植松山,後山からダルガ峰,長義山の連山。西には,那岐山が遠くにかすんで見えています。1時間足らずの林道歩きで,これだけの大パノラマが楽しめるなんて,予想外です。

三角点はササ藪の中

パノラマを楽しんだあとは,沖ノ山山頂を目指します。林道からの登り口を探してみますが,どうもハッキリした道はなさそうです。とすれば,最高点の少し手前の小さな谷から登ることにしましょう。取り付きは道らしいものの,すぐにササ藪に。ササをかき分けて登り始めると,折れたササが目立ちます。よく見ると,ササは折れているのではなく,何者かがかじった跡です。その何者とは,…クマだ〜!しかも,かじった跡はまだ新しい!一瞬緊張が走りますが,それらしい臭いはしないので,近くにはいないのかもしれません。それでも,念のために奇声と大声を発しながら進みます。笑い声は,いつものことです。

  
クマがかじったササ 沖ノ山三角点
クマがかじったササ
沖ノ山三角点

ササ藪の中にブナの大木が点在しています。積雪期には,このササ藪が雪原になり,絶好のゲレンデとなるのでしょう。すぐにあるだろうと思っていた三角点は,なかなか見つかりません。でも,高い所を目指せばあるはず。少しヤブを漕ぐと,ササ藪の切れ目に三角点(二等三角点 点名中原)をGet’s!その横にはさびた鉄のアングルが刺さっています。意外なほど,ふつうの三角点です。あたりは少しササが刈られていますが,それほど広い空間ではありません。見渡す限り360度のササ藪です。青ヶ丸を思い出してしまいました。

山頂アタックに成功し,林道へ下ります。山頂から少し下ったところにあるブナの大木に「沖ノ山 姫路徒歩会」の木のプレートがかかっています。足元を見ると,播磨町の長谷川さんのネームプレートが落ちています。積雪期に来たので,三角点ピークがわからず,このブナの大木をピークに見立てたのでしょう。それにしても,積雪期にブナの大木が点在する雪原を想像すると…,雪の時期に来たくなっちゃいますねぇ。

極楽のランチタイム

クマに気をつけながら,林道向かってササ藪をかき分け,下ります。ササは,積雪のために下に向いているので,下りは楽です。さほど時間はかからず,林道へ。ちょうどランチタイムとなりました。林道最高点から,大パノラマを楽しみながら,ランチです。初夏の日差しは強いものの,吹く風はさわやかです。極楽のひとときを楽しみます。いつものように,食後のコーヒーを楽しみ,ランチタイムは終了。これからは,林道をダウンヒルです。

  
林道最高地点から見る三室山と天児屋山 沖ノ山山頂を仰ぎながらダウンヒル
林道最高地点から見る三室山と天児屋山
沖ノ山山頂を仰ぎながらダウンヒル

沖ノ山山頂をあとに,林道を下ります。銅像のある鞍部からは東の尾根に向かって林道が延びていますが,それもすぐに終点(B)。その先は,切り開きが続いています。林道はさらに東に向かって延びるのでしょうか。再び,銅像のある鞍部に戻り,車まで一気のダウンヒルです。上りは30分余りかかった林道ですが,下りになると10分もかかりません。あっけないほどのダウンヒルを楽しみ,車着(P)

今回は,秘境?沖ノ山と思っていたのですが,林道が山頂直下まで延びていたので,いつもより楽チン山歩きwithMTBになりました。もし,林道を最後まで車で登っていれば,歩きは三角点へのササ藪漕ぎの15分だけという超楽チン山歩きになっていたところです。でも,いくらなんでも,それでは…ねぇ。楽チンとはいえ,大パノラマを楽しむことができたし,銅像も見ることができました。メデタシ,メデタシ。

 

P10:10  鞍部10:45  ランチポイント11:30  沖ノ山三角点11:50  出発12:50  


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