稜線に吹く風は爽やか 段ヶ峰・フトウガ峰・達磨ヶ峰(2003.8.10)


  
P・@〜C
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播州のMTB定番コース

先週の蒸し暑さに懲りて,今週は標高が少し高いお山に行くことにします。しかも,久しぶりにMTBにも乗りたい,さらには展望のいいところ。ということで,S田さんと協議の結果,播州のMTB定番コース「段ヶ峰縦走」に決定!

前日に通過した台風10号のおかげでしょうか,この時期にしては空気が澄み,気温も少 し低く感じます。これだと,山頂からの展望もすばらしいものがありそうです。ワクワク 。ところが,生野に近づくにつれ,空には黒い雲が広がり,少し高い山のてっぺんにはガスがかかっています。ありゃ,マァ〜。この分だと,段ヶ峰のてっぺんもガス?Tシャツしか持ってきてへんなどと,今さらどうしようもないことをあれこれやと心配をしながら, 国民宿舎生野荘跡地(P)へ。

播但線の沿線には,高原と名のつく場所がいくつか見られる。千町ヶ峰,砥ノ峰,峰山, 千ヶ峰,それにこの段ヶ峰からフトウガ峰の生野高原。その中で,昔から播州高原といわれてきたのが,この生野高原のことで,いわば番州高原の老舗といった所だ。 特に生野高原は,生野町の西側にあって,おそらく並びいる播州高原の中でも最も大きな面積を占め,最も高原らしい高原といえる所だ。(旧版『大阪周辺の山200』より)

舗装の林道

先客は1台。今日はハイカーは少ないのかな?久しぶりにMTBの準備し,先ずは林道上 りです。林道といっても,今では舗装率が7割近くもあるふつうの車道です。斜度も少な く,自転車で走るには快適です。生野高原ゴルフ場を過ぎ,プチホテルが見えるようにな ると,林道からの展望もよくなります。左手には高星山,平石山などの連山が一望できます。林道はさらに続きます。

途中で,右手に案内板あり。ちょうどこのあたりが林道の中間点といった感じです。ところどころに木陰があり,日の光を通して来る葉の緑がきれいです。真夏とは思えないさわやかさです。所々に小さな滝もあり,涼味満点です。やっぱり,300mほどの低山では味わえない爽快感があります。

前方に段ガ峰からフトウガ峰への笹原の稜線が見えるようになると,千町峠までもう一息です。左手にヒシロガ峰も見え始め,千町峠から延びる林道が見えます。足元には深く切 れ込んだ谷が,高度感を増してくれます。車の中で心配したガスは見当たらず,すっかり汗びっしょりです。ウインドブレーカーなんて,必要ありません。やれやれ。

段ヶ峰頂上へ

千町峠(@)からは,別荘の脇を通って植林の中を登ります。急な登りですが,さほど距離はありません。登山道の脇には小さな花がたくさん咲いています。山頂で出会ったハイ カーさんに聞いたところによると「ミヤマママコナ」とか。ママコって,妙な名前です。

植林の中を登りきると,笹原の中のなだらかな尾根道になります。ここからはMTBに乗れます。左手には,S田さん命名の西段ヶ峰(大杉山)とその奥の奥段ヶ峰へと続くなだ らかな稜線が延びています。その向こうには,山頂に雲をまとった氷ノ山が見えます。空には雲が多く,台風一過の青空を期待したのですが,ちょっとガッカリ。でも,真夏の太陽光線の直撃を受けないという恩恵もあり,マァいいかぁです。

  
段ヶ峰山頂を目指して 西段ヶ峰(大杉山)と奥段ヶ峰 遠くに氷ノ山が
段ヶ峰山頂を目指して
西段ヶ峰(大杉山)と奥段が峰 遠くに氷ノ山が

役に立たなくなった鹿除けネットをぬけ,段ヶ峰頂上へ。なぜか,三角点ピークは少し先です。段ヶ峰の頂上で,先ずは展望を楽しみます。360度見渡すと,播州の主な山々が一望できます。これから縦走するフトウガ峰から達磨ヶ峰へのなだらかな山並みも望むことができます。千町峠からのアプローチの短さと山頂からの展望のよさが段ヶ峰の魅力のひとつなのでしょう。

なだらか広々の尾根

しばしの休憩のあと,三角点ピーク(A)へ。三角点ピークからは,西段ヶ峰へ向かうルートができています。以前はなかった道です。数年前,MTBを担いでヤブを漕いで西段ヶ峰から登ってきたことを思い出します。こんなところにも,最近の登山ブームの影響が出ているのでしょうか。

  
フトウガ峰を目の前に 縦走尾根道
フトウガ峰を目の前に
縦走尾根道

尾根道に戻り,フトウガ峰を目指します。なだらかな尾根道は,MTB乗り乗りルートで す。段ヶ峰山頂から見るとアップダウンのほとんどないなだらかな稜線のように見えますが,実際に行ってみると,鞍部っぽいところがあったり,林の中の薄暗い道になっていたりで変化に富んでいます。こんな山上に小川が流れていたりもします。倉谷川の源頭になっている のでしょうか。再び,広々とした稜線に出ると,フトウガ峰は目の前です。

大パノラマのフトウガ峰

段ヶ峰を背に最後の上りを登りきると,杉谷コースとの分岐点です。フトウガ峰はすぐそこです。そして,大パノラマの広がるフトウガ峰(B)へ。あたりは一面の笹原。360度の大展望です。東は,千ヶ峰や笠形山,その向こうには電波塔の建つ篠ヶ峰。南に目をやると,平石山の連山,その向こうには峰山,砥ノ峰,その右手には黒尾山も見えています。西には,一山や三久安山,藤無山,その向こうには氷ノ山が。北は,須留ヶ峰,大倉部山も。手前のさのう高原の上空にはパラグライダーが浮かんでいます。そのずっと奥には,床尾三山の山かげまで見ることができます。広々とした笹原の山頂を吹き抜ける爽やかな涼風に,至福のひとときです。

  
フトウガ峰山頂 インディアン岩にて
フトウガ峰山頂
インディアン岩にて

時間も時間ということで,ランチタイムにします。このあとは,下るだけという気楽さもあり,定番の食後のコーヒーまでいただき,のんびりとランチタイムを楽しみます。1時間ほ どのランチタイムのあと,西にある大岩までのちょこっとダウンヒルです。大岩は,S田 さんによると「インディアン岩」とか。ホンマかいなぁ。インディアンが頭にかぶる装飾品に似ているからでしょうが,「インディアン」という言葉自体,現在ではあまり聞くことのない言葉です。それはともかく,いつものように大岩のてっぺんでMTBにまたがり,記念撮影です。ついでに,ジャンピングポーズも。最近,このポーズに凝ってる?

MTBでダウンヒル

縦走の再開です。しばらくはMTBでダウンヒルを楽しめますが,林の手前のガレ場で押 しに。広々高原の尾根走りはおしまいです。これからは,林の中やプチ展望の尾根道です。それでも,MTBの乗車率は高いので楽しい。伐採地を左手に見ながら下ると,この縦走路中最低鞍部です。S田さんによると,千町峠から延びていた林道はこのあたりを抜けるとのこと。林道ができることで,手軽に山歩きができるようになるでしょうが,林道工事による山の破壊ということも気になります。ましてや,それが観光林道ということであれば,なにをかいわんやである。こんなところで,観光林道はないでしょうがねぇ。

木立にかこまれた尾根道を小刻みにアップダウン。上りはMTBで登ることはできませんが,下りも木の根や岩がとび出しているので気が抜けません。でも,それが楽しかったりするんだなぁ,これが。やっぱり,MTBはやめられまひぇ〜ん!

  
インディアン岩からのダウンヒル 達磨ヶ峰の展望岩にて
インディアン岩からのダウンヒル
達磨ヶ峰の展望岩にて

達磨ヶ峰で展望大岩!

しだいに尾根はせまくなり,段ヶ峰からフトウガ峰のなだらかな高原は,遥か彼方になりにけり。右手に栃原の集落とゴルフ場が見えるようになると,達磨ヶ峰はもうすぐです。 そして,最後のひと登りで達磨ヶ峰(C)へ。なだらかですが,狭い山頂です。三角点あり。展望は,南に少しある程度です。これから車をとめたふもとまで,一気の下りです。

と,下り始めてすぐに右手斜面に大岩発見。早速,我々はオジャマすることにします。笹原の斜面にすっくと屹立している大岩は,スリル満点です。あたりを見ると,笹原のあちこ ちに同じような大岩があります。大岩のてっぺんに立つと,眼下には栃原の集落とゴルフ 場が一望できます。これりゃあ,絶好のビューポイントだぎゃあ。まさか,今回もスリルと展望の岩場があるとは!うれしい誤算です。最後の最後までお楽しみ満載の縦走路です。

展望岩場をあとに,縦走の再開です。地形図の等高線を見ると,急な下りになっていますが,なんとかMTBに乗って下ることができます。が,油断をすると,岩につまずいたり ,木の根で滑ったり。スリル満点のテクニカルダウンヒルコースです。そして,林を抜けるとfinish(P)です。

楽しかった縦走コース。しかも,爽やかな風に吹かれながら大パノラマを楽しむことができ,大満足です。下界に下りると夏は真っ盛り。今シーズンの最高気温を記録したとか。やっぱり,1000m級の山は違うんだねぇ。先週の伊勢山とは対照的な山行きとなり,メデタシ,メデタシ。

 

登り始め9:15  千町峠10:35  段ヶ峰11:30  フトウガ峰12:10   縦走再開13:00  最低コル13:35  達磨ヶ峰14:05  下山14: 40


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