雪はよいよい… 生駒山(2003.12.21)


  
P・@〜B
P・@〜B

今シーズン初の積雪

久しぶりの山歩きwithMTBです。とはいえ,前日からの猛烈な寒波で,珍しく播州地方もうっすらと銀世界。道路には積雪はありませんが,高御位山などは雪で白くなっています。こりゃあ,もう北の山へは行けません。しかも,高い山も積雪がありそうです。ということで,同行のS田さんと相談の結果,上郡町の生駒山へ行くことに決定。標高は300mたらずなので,さほど積雪は多くはないでしょう。しかも,山頂から西へ延びる尾根は,アップダウンの少ない尾根なので,MTBで走れるかもしれません。

雪のことを考えて,いつもより遅い目の9時に加古川を出発,一路西へ。北の山だけでなく,龍野の的場山ですら,雪で真っ白で。今日は,多少の雪は覚悟しなければならないようです。足が冷たいガヤ。相生から千種川に沿って上郡へ。あたりは,うっすらと雪化粧をしています。目的の駒山を見ると,あまり雪が目立ちません。こりゃあ,ラッキーざんす。

銀世界の上郡の街

地蔵堂のある羽山登山口(P)の近くに車をとめ,MTBの準備です。登山口には案内板と地図もあります。

上郡町指定文化財  駒山城跡  上郡町山野里・井上
標高263mの駒山山頂にあり,上郡の市街地を一望の下に見わたすことができます。市の尾根づたいと東の麓からの登山道が設けられています。
南北朝時代(14世紀)の築城とも伝えられていますが,現在残る縄張は,戦国時代(16世紀)の後半頃のものとおもわれます。二つの尾根を中心に,曲輪跡や石積・土塁・堀切・井戸跡などが残っており,瓦や備前焼等の戦国時代の遺物も採集されています。
瓦や石積など,後の近世城郭につながる特徴をもつ中世の山城として,町内でも数少ない貴重な城跡です。

             上郡町  上郡町教育委員会

登山道を見ると,いきなりの担ぎです。しかも,ところどころに雪が残っています。雪対策なんて,しとらんガヤ。MTBをしばらく担いぐと,尾根道はなだらかになり,MTBでも乗車可能です。今シーズン初の雪がうれしい。雪を踏みしめながらMTBで登ります。振り返ると,眼下には,銀世界の上郡の町が見えています。その中央を,清流千種川が大きくうねりながら流れています。町の向こうには,小野豆高原。千種川をはさんで,対岸には白旗山からの稜線が延びてきています。このあたりで標高100mほどですが,見事な展望です。

  
羽山登山口 駒の蹄爪
羽山登山口
駒の蹄跡

なだらかになった尾根道をしばらく進むと,小さな岩場が出現。こりゃあ,下りでもMTBに乗って下ることはできそうにないなぁ。小さな岩場を過ぎると,またもや,MTBで乗車可能です。変化のある楽しい尾根道です。これを下りに使うと楽しいでしょうねぇ。でも,そうすると,今回はピストンコースということになってしまいます。そりゃあ,ちょっとねぇ…。

雪の尾根道を楽しんでいると,「馬の蹄跡」とよばれる岩場に到着。

馬の蹄跡
この岩場には礫岩の礫が抜けた丸い穴があり,「馬の蹄跡」と呼ばれている。

播磨古城記
駒山城主安室五郎義長の臣で安室五郎が幼少の右り長船越中守が城主となる。
               天文15年丙午(西暦1546年)

礫が抜けた穴が馬の蹄の跡のようだということから名づけられたのでしょうが,見るとなるほど,それらしくも見えます。この鉄塔を過ぎた少し上には,「荷置岩」という岩もあります。これも,見るとなるほど,荷物置きにぴったりの岩です。昔,山頂にお城があったころ,荷物を持って上がる人たちがこの岩に荷物を置き,一休みしたのでしょう。でも,山頂はすぐなんだけどなぁ。

  
生駒山山頂を見ながら雪の尾根道を行く 荷置岩
生駒山山頂を見ながら雪の尾根道を行く
荷置岩

登山路
羽山口←  山頂本丸→  井上↓ 

プチ雪原の生駒山山頂

荷置岩から数分で,案内板のある本丸跡へ。

駒山城跡案内図
生駒山の山頂(標高263m)にある城跡で,東の峰には,石垣を築き造られた平坦地の「本丸」があり,西の峰には,三段になった方形の「二の丸」がある。
また,土塁,空堀などが残っており,北側の断崖絶壁を巧みに利用した山城である。
この城に関する説は多くあるが,赤松氏が白旗城の入口部をかためる出城として,築城されたと想定される。

          上郡町指定文化財

さわやかに歴史と未来の出逢うまち

山頂はすぐ上です。生駒山山頂(@)は雪が積もり,そこだけを見ると,かなりの山に登った感じがします。実際には1時間足らずの上りですが,それでこれだけの展望がえられるのなら,お得な山です。雪の積もった山頂で,しばしのMTB遊びです。

  
生駒山山頂のプチ雪原 生駒山山頂から見る千種川
生駒山山頂のプチ雪原
生駒山山頂から見る千種川

遊び終えて,本丸跡から鞍部へ。木立に囲まれた薄暗い鞍部には,空堀があり,冷気が思いっきり流れています。周りの木々には,雪が積もっています。こんなところに「数十年前まで建物があって人も住み,街まで犬が買い物に下りていた」とは信じられません。水は,北側のガケの下に井戸があったということですが,電気はもちろんなし。郵便物や新聞も届かなかったのではないでしょうか。そもそも,ここに住む必要性はあったのでしょうか。ナゾです。

鞍部から急な上りを登ると,二の丸跡です。こちらは,周りを木々に囲まれて,展望は全くありません。南に下ると,何段かの曲輪跡があります。一番下の曲輪跡に下ると,明るい冬の日がいっぱいに降り注いでいます。南の展望が開け,ランチに絶好のポイントです。もちろん,ランチタイムです。久しぶりのコンビニ弁当&こうどんを食し,定番のコーヒーまでいただき,満腹,満腹。さて,これからどうする〜?

  
二の丸から見る上郡の街 二の丸から西へ
二の丸から見る上郡の街
二の丸から西へ

西の尾根は…

このままピストンで引き返すか,西の尾根を行ってみるか。このまま引き返すのも物足りないので,西の尾根を周回してみましょう。二の丸跡から急な下りを迂回して,尾根へ。尾根には踏み跡があり,雪が積もっています。向こうのピークへの尾根を見ると,踏み跡らしいものが見えています。やっぱり,尾根道はあるんだなぁ,と気を良くして尾根を下ります。途中では,MTBに乗車できますが,それも数m。でも,雪道の下りはおもしろい。足元の岩や株に気をつけながら,下ります。

下り終えると,堀切りが出現。駒城の防御のための施設なのでしょう。MTBを肩に掘切りを越えます。さらに尾根道は下っています。雪の積もった尾根道をMTBで強引に下りますが,すぐに乗車不能に。ガッカリ。そして,鞍部(A)へ。鞍部からは,西へ尾根を登りますが,踏み跡は尾根から外れ,北側に延びています。尾根から外れると,とたんに雪の量が増えてきます。しばらくは踏み跡を進みますが,それでは尾根を外れるばかり。しかたなく,木立の間を強引に登り,尾根への復帰を目指します。ところが,尾根に行ってみると,踏み跡のように見えていたのは,シダのジャングルです。踏み跡すら見当たりません。こりゃあ,どうする〜。

やむを得ず,先ほどの北側の踏み跡に引き返します。が,その踏み跡もしばらくすると不明瞭になってしまいました。これまた,困ったなぁ。こうなれば,先ほどの鞍部に引き返すしかないでしょう。MTBを肩に,木立の間を抜け,鞍部(A)へ。さて,これからどうする〜。鞍部から谷に向かって下るか,引き返して山頂からピストンコースで下るか。山頂までの上りは,チョット急。しかも,雪。S田さんは,谷を下ろうと提案。植林だし,踏み跡ぐらいはあるかもね。山頂まで上り返すことを考えれば,谷を下るほうが楽かも。

ヤブへ突入!

ということで,鞍部から谷へ下ることに。早速,S田さんが滑り落ちています。見ると,落ち葉の下は,粘土状の土です。こりゃあ,危ない,危ない。こんな所で滑って,右足首をグネってしまうと,今度こそ,ギブスかも。ようやく,痛みが少しマシになったというのに。幼木の植林は,全く手入れがされていないようで,下草がびっしり生えています。しばらくの間は,植林沿いに進むものの,踏み跡らしきものはなし。このまま植生界を進んでも谷から離れるだけです。しかたがありません。植林へ突入です。

幼木の植林は,下草がびっしりと生え,しかもとげとげの草が多いので,痛いこと,痛いこと。ジャンバーもバリバリと音を立てています。とげとげをクリアーすると,今度は行く手にヒノキの幼木が立ちふさがります。幼木の下を潜り抜け,進みます。すでに,ジャンパーとリュックは枯葉だらけです。ようやく数m進み,一休み。分速10mもありません。振り返ると,鞍部からの谷は何でもないように見えます。あれだけのヤブとの格闘は,想像だにできません。

一休みすると,再び,ヤブとの格闘です。あいかわらず,とげとげ攻撃もあり,なかなか進めません。と,前を見ると,道らしいものがあります。行ってみると,道のようですが,木や草が生え,廃道です。でも,久しぶりの道っぽいルートに喜ぶものの,それもすぐにおしまい。再び,ヤブとの格闘です。

下るにしたがって,ササが茂ってきました。ササを押し倒し進むものの,ササがMTBにからみ,なかなか進めません。と,突然,足元がズボッ!見ると,穴状になった溝です。溝に沿って進むと,今度はガレ場です。ここは,遠巻きにササヤブを突き抜けます。頭上を見ると,高圧線が通っているはずなのに,線が見えません。???鉄塔は,東の尾根にも,西の尾根にもあります。???よ〜く見ると,線が見えないのじゃなくて,線がないのです。!!!こんなことって,あるの!?ということは,巡視路はどうなっているかわからないってこと?ありゃりゃ。

  
ヤブ,ヤブ,ヤブの中のS田さん 見た目は何でもない谷ですが…
ヤブ,ヤブ,ヤブの中のS田さん
見た目は何でもない谷ですが…

廃道の巡視路

ササヤブを強行突破し,ようやく巡視路へ。ところが,この巡視路は,半ば廃道状態で,ささが生い茂っています。おまけに,左右のササは雪の重みで道に覆いかぶさってきています。しかたなく,突進すると,ズボンもジャンパーも雪でビショビショ。廃道の巡視路って,初めてです。東の鉄塔と西の鉄塔への巡視路の分岐点(B)には,「火の用心」も立っています。見ると,西の鉄塔への巡視路も同じようにササが覆っています。あいかわらず,ササが覆う巡視路ですが,強引にMTBに乗って突破を図ります。ササは突破できるものの,服は雪でびしょぬれです。でも,MTBに乗れるだけでもマシというものです。

廃道寸前の巡視路を下ると,ようやく,右手に畑が見えてきました。畑への林道に出ると,今度は一面の水たまりです。やれやれ,最後の最後まで大変だ。水たまりを抜けると,次は,牧場の悪臭攻撃です。墓地を抜け,やっと車(P)へ。

今日は,「行きはよいよい,帰りは怖い」でした。里山の気楽さと難しさを実感した山行きでもありました。でも,今シーズン初の雪を楽しむことができ,メデタシ,メデタシ。展望のよさと暖かい冬の日をいっぱいの浴びながらのランチもdeliciousでした。やっぱり,里山は楽しい!

 

登山口10:34  馬の蹄跡10:59  鉄塔11:17  生駒山山頂11:30  二の丸11:50〜12:40  鞍部13:16  巡視路14:23


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