林道さえも春まだ遠し 扇ノ山(2004.4.10)


  
P・@〜D
P・@〜D

真っ晴れ!…が!

昨春の扇ノ山に味をしめ,今年も扇ノ山に行ってきました。今年は,雪融けが早く,残雪が少ないだろうということで,昨春の4月27日より早めの4月10日です。当日は,近畿一円晴れの天気予報で,天気の大きな崩れはないでしょう。雪遊びに絶好のタイミングです。

6時に家を出発し,3時間のドライブのあと,海上林道へ。海上の集落を抜け,シワガラの滝への入口を過ぎると,なんと!除雪車がとまっています。道を見ると,雪はありません。でも,???イヤな予感です。さらに進むと,除雪車がもう一台。軽自動車もとまっています。おや?カーブを曲がると,路面に雪が残っています。とりあえず,行ける所まで…。が,すぐに前進不能。ザクザクの雪には,スタッドレスの威力は半減。先ほどの軽自動車の主は,賢明です。無理をせず,先ほどのカーブ地点に戻り,草地(P)に駐車。上山高原までは,かなり遠いようです。

スノボーの靴を履き,リュックを背負い,スノボーを持ち,準備OK。林道を歩き始めます。雪があったり,無かったり。雪はザクザクの水っぽい雪です。標高が低いので雪が融けかけているのでしょう。それにしても,上山高原までも除雪されていないなんて,大誤算です。結局,上山高原まで30分近くかかってしまいました。見るべきものもない林道歩きは退屈だ〜!

雪,多し

上山高原にも,雪がたくさんあり,雪溜まりでもそこそこ遊べそうです。これからの行程を考えると,ここで遊んでいる方がいいかなぁ?という気もおこってしまいます。それでも,せっかく来たんだから山頂を極めなきゃあとミョ〜なこだわり?があり,先に進んでしまいます。そして,昨春,車をとめた地点へ。ここまでだけで,40分以上よけいにかかっています。しかも,早くもシンドイ!これから山頂まで行けるんかいなぁ。

  
残雪の上山高原 小ズッコのコブシの花
残雪の上山高原
小ズッコのコブシの花

さらに雪の林道を進みます。昨春,来た時ほどの冷え込みはなかったようで,雪はやわらかく,スノボーの靴でも雪面にしっかりと蹴りこめます。雪の片斜面も,昨春ほどの恐怖は感じません。やれやれです。そして,林道を歩くこと1時間あまり,ようやく小ズッコ登山口(@)です。

このあたりも,昨年とは違って,雪がたんまり残っています。標示板も,半分ぐらいまで雪に埋もれています。やっぱり,今日は雪が多いんだ。登山口から小ズッコ小屋を目指した登りますが,もうすでにこの時点でバテバテ状態。ボードを持つ手にも,力は入りません。フラフラになりながら,小ズッコ小屋へ。

コブシの花もちらほら

小ズッコ小屋のまわりも雪だらけ。このあたりで積雪1mといったところでしょうか。でも,雪は多いものの,雪質はよくありません。すでにザクザクの腐った雪になっています。ですから,ところどころで雪面を踏み抜いてしまい,それがまた足と腰に堪えること。しかも,手をつくと,水分たっぷりの雪だけに,ベチョベチョ。ウ〜ン,今日は雪遊びには最悪の条件かも。

小ズッコ小屋から尾根をたどって登ります。それは植林とブナ林の境界を進むことになるのですが,所々にあるコブシの花も,ほとんどがまだつぼみです。やっぱり,2週間違うだけで,ずいぶん様子が違うんですねぇ。

2か所の急な上りを過ぎると,河合谷高原からの登山道と合流します。ここからは,なだらかなブナの疎林です。どこを歩いてもOK。足の向くまま,気の向くまま。あっちにふらり,こっちにふらり。雪のない時期だとヤブっぽいところもへっちゃらです。尾根の左端を歩くと,北の展望が開けています。これも,雪のない時期だと,木々にさえぎられて見えない景色です。

  
根性ブナ健在なり 根性ブナJr
根性ブナ健在なり
根性ブナJr

暑い!暑い!

小ズッコ(A)に登り,大ズッコを目指します。この縦走尾根は,平地のあとに急な上りがあり,急な上りを登ると,平地になっていたりと,何段もの上りで扇ノ山山頂にせまります。ですから,雪のない時期だと,山頂からMTBで下ると,20分ほどです。そんなにお手軽な縦走路ですが,雪が積もると大変。雪面に足が潜り込む。足が滑る。踏ん張りが効かない。春の日差しに照りつけられて,汗ビッショリです。ウインドブレーカーどころか,半袖のポロシャツでも暑いぐらいです。春を一気に通り過ぎ,初夏の陽気です。

小ズッコからさらに登り,大ズッコへ。この大ズッコピーク手前の急な登りですが,北に延びる小さな尾根(B)があり,そこからの展望はすばらしいものがあります。ただ,雪のない時期にはササやぶで行きにくいでしょうが,雪のあるこの時期は No Problem です。帰りに,展望と滑りを楽しむことにして,先を急ぎましょう。

大ズッコ(C)からは急な下りで広い鞍部へ。鞍部からは,扇ノ山山頂に向かって最後の登りです。ブナの疎林を登り,しだいに細くなってくる尾根を進むと,展望台に到着。残念ながら,春霞のために下界は真っ白けです。やっぱり,冬の空気が澄んでいる時が見頃なのでしょうねぇ。でも,そんな真冬に扇ノ山に登るなんて,オイラには無理です。

ようやく扇ノ山山頂へ

展望台には雪がなく,ここでランチもいいかな?という気がしたのですが,とりあえず山頂小屋に行ってみましょう。細い尾根を登り,山頂(D)へ。小屋のまわりには,2m近くの残雪があり,昨年とはまったく違った光景です。結局,登り始めて3時間近くかかり,ようやく山頂です。もう疲れた〜!汗ダクや!足が痛い!なんて思ってもしかたがないので,早速,ランチの用意です。お湯を沸かし,こうどんを作り,おにぎりをパクつく。食後には,定番のコーヒーをいただき,おなかいっぱい。

山頂小屋の2階から数人のハイカーが降りてきました。聞くところによると,河合谷牧場から登ってきたとか。1時間ほどで登山口に来れたそうです。ウ〜ン,河合谷牧場からのコースの方が少しは楽だったかな?でも,いずれにしても,雪道なので楽でないことは確かです。

  
扇ノ山山頂小屋 山頂直下のブナ林を快適に滑るハズが…
扇ノ山山頂小屋
山頂直下のブナ林を快適に滑るハズが…

滑らんぎゃ〜!

さて,ランチタイムを終え,まずは山頂から北のブナ林を下ることにします。昨春は,よく締まった雪で滑りやすかったのですが,今回は水分たっぷりのベタ雪なので,思うようにボードが滑りません。ワックスを塗るとか,テクニックがあるとかすれば,問題無しなのでしょうが,そのどちらでもないので,1回の滑降でやる気喪失。しかも,滑り終えたあとに再び登り返すのが,これまた大変。バックカントリーでいつも思うのは,登りですっかりバテバテになり,いざ滑るという時になるとよれよれ。何本か滑ると,もう登り返すのがいやになってしまいます。せっかく,バックカントリーの解放感の中で滑れるというのに,もったいない話です。これって,どうにかならんのかなぁ。やっぱり,体力の強化しかないのでしょうか。

予想外の雪の悪さに,かなりガッカリ。この様子だと,大ズッコへの下りや大ズッコからの北の尾根も滑れないかもしれません。でも,これも自然の中での雪遊び。そうそう,こちらの都合のいいことばかりじゃないよね。天気がいいだけでもマシってものです。気を取り直して,下山にとりかかります。

  
大ズッコへの鞍部に向かってGO! 大ズッコの北の尾根で…
大ズッコへの鞍部に向かってGO!
大ズッコの北の尾根で…

狭い尾根から大ズッコとの広い鞍部に向かいます。ブナの疎林をボードで滑るものの,やっぱり,ボードが滑らないので,思い通りには曲がれません。よたつきながら,鞍部へ。鞍部からは急な上りを登り,大ズッコピーク(C)です。ピークを過ぎ,北の尾根に向かいます。この尾根(B)からは青ヶ丸や仏ノ尾,そのずっと左手手前には上山高原まで一望できます。展望のよさだけなら,山頂にも負けないものがあります。この尾根を滑るのですが,これまたボードがままならず。登り返すのもしんどいので,早々と終了。ボードを背負って,小ズッコに向かいます。

  
大ズッコの北の尾根から見る青ヶ丸と仏ノ尾 小ズッコからスノーボートで下る
大ズッコの北の尾根から見る青ヶ丸と仏ノ尾
小ズッコからスノーボートで下る

スノーボート!?

小ズッコへのなだらかな下りでは,ボードに座り「スノーボート」です。でも,これが一番滑りやすかったりして。ブナの疎林の中を滑り抜け,小ズッコへ。なだらかなピークで,何人かのハイカーや山スキーヤーに遭遇。今から扇ノ山山頂に行くのでしょうか。時間的に,遅くはないのでしょうか。それとも,山頂小屋で泊まるのでしょうか。ナゾです。

小ズッコの先から河合谷登山道と別れ,小ズッコ小屋に向かう尾根に進みます。ところが,ハイカーの足跡は河合谷登山道に向かう方が多いので,ついそちらにつられてしまいそうで,要注意です。小ズッコからなだらかな下りも,ボードをボートにして滑ります。まさに雪遊びです。植林の中を抜け,正面に小ズッコ小屋が見えると,もう滑るところはありません。あとは,ボードを肩にトボトボ。小ズッコ小屋を過ぎ,林道に下ります。

林道滑りも疲れるぜィ

ところがこの林道,雪は多いものの,ボードで滑るとなると,斜滑降の連続なのでけっこう足が疲れます。しかも,微妙に傾斜がなくなり,失速。となると,ビンディングを外さなきゃあなりません。これを何度か繰り返すと,もう滑るのがイヤになり,歩きに。山スキーの跡を見ると,雪のある所を選んで,執拗に滑っています。それができるのも,スキーだからです。ちょっと,スキーが羨ましくなったりもします。

上山高原が見えるあたりで,親子連れのハイカーを発見。小学校低学年ぐらいの子で,扇ノ山山頂までは行かなかったそうですが,それでもこの雪の中を歩くなんて,大変です。ビックリです。上山高原からは,まったく滑ることができず,林道をトボトボ。いつもは車で一気に走り抜ける林道ですが,こんなにも長かったんだ。車という文明の利器のありがたみをしみじみ感じつつ,ようやく駐車地点(P)へ。

駐車地点には,先客の軽自動車はなく,新たに2台の車がとまっていました。下山中に出会った山スキーヤーやハイカー,親子ハイカーの車でしょうか。着替えをすませ,車に乗ると,1台の車が上っていきます。さて,この先の雪道を突き進むのでしょうか。

海上林道を下り,海上の集落を過ぎると,あたりはすっかり春。雪があったなんて,どこの世界の話って感じです。道の脇には,紫,黄,白,赤などの花が咲き,ツクシも見えています。今回の雪遊びは,スノーボードは全然できませんでしたが,スノーハイキングとしてはまずまずかな?でも,やっぱり,滑れなきゃあ,雪山に行った意味がありません。天候の安定しているこの時期,締まった雪に出会いたいものです。

 

スタート9:10  上山高原9:36  昨年スタート地点9:53 登山口10:25  扇ノ山山頂11:53〜12:35  登山口14:10  車15:30  


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