巡視路と県境の天引峠北稜(2004.7.11)


  
P・@〜I
P・@〜I

天引峠再訪

前回に引き続き,天引峠周辺の巡視路探険です。今回は,前回の続き,天引峠から巡視路を北上します。巡視路があると思われる尾根は,県境尾根にもなっているので,極楽でしょう。ただ,気をつけなきゃあならないのは,カメラを落とさないこと!

今回は,ささやまの森公園では遠いので,天引トンネルの手前の空き地(P)に車をとめます。近くの池では,ヘラブナ?釣りをしています。今どき,ヘラブナとは珍しい。多くの池では,ルアー釣りの若者が見られるのですが,ここでは浮き釣りの年配の人たちが釣りを楽しんでいます。

いきなりの汗だく

MTBの準備をすませ,出発です。まずは,トンネル上部の旧道を上ります。さほど距離もなく,勾配もないので,すぐに峠(@)着。「火の用心」を見て,北の斜面をよじ登ります。植林の中の薄暗い巡視路です。道はすぐに急勾配になり,九十九折りの山道になっていきます。ところどころで,クモの巣が張り,ハイカーの気配がほとんどありません。そりゃあ,そうでしょう。この巡視路を歩いたところで,ちょっとした山があるわけじゃなく,展望尾根というわけでもなさそうだし。歩く楽しみがないよね。

九十九折りの山道を,MTBを肩に登ります。すでに汗はふき出し,身体はオーバーヒート状態。勾配がゆるやかになると,稜線間近です。そして,林から草地の斜面に出ると,鉄塔が目の前に見えてきます。振り返ると,2週間前に登った深山のレーダー測候所がはっきりと見えています。その深山からの稜線を左にたどると,舩谷山。そこからこちらに向かっての尾根がMTB乗り乗りの極楽尾根です。こうやってみると,けっこう急な尾根のように見えます。不思議なものです。

  
天引峠から登る 鉄塔手前の展望ポイント
天引峠から登る
鉄塔手前の展望ポイント

クモの巣が…

鉄塔着。ここからはMTBに乗れそうです。が,クモの巣が問題です。そこで,ストラップを取り出し,木の枝をMTBのハンドルにしばり付け,「クモの巣除去マシーン」の完成です。これで準備万端。いざ,GO!GO!GO!

  
クモの巣除去マシーン
クモの巣除去マシーン

期待通りの極楽尾根道。早速,写真撮影です。ああでもない,こうでもないとS田さんと言いながら写真を撮り合うので,いつものことながら,行程は遅々として進まず。しかも,力作のクモの巣除去マシーンは何の効果もなし。ただのジャマ物です。何のこっちゃ。

尾根を外れて巡視路へ

極楽走りを少し楽しんだあとは,上り返しです。それほど急ではなく,路面はきれいです。さすが,巡視路!整備が行き届いています。2つ目のピークからも,極楽ダウンヒルです。ああ,このままずっと下ればなぁと,あり得ないことを願ってしまいます。ところが,3つ目のピークである446ピーク(A)への上り返しはなく,巡視路はピークを巻くように延びています。ラッキー!乗り乗りのままピークを巻き,巡視路は尾根の左手を下っています。???これでは,尾根から外れてしまうがや。でも,尾根には明瞭な道はないし…。まぁいいかぁ。このまま巡視路を下っちゃえ。

巡視路は急な九十九折りの道になるものの,すぐに乗り乗り。気持ちよくMTBで進んで,鉄塔(B)へ。どうやら,県境尾根から支尾根に下ってしまったようです。ウ〜ン,でも引き返しても県境尾根に道はなかったしなぁ。かといって,このままだと,いったん谷に下ってしまうでしょう。上り返しが大変だがや。どうする〜?S田さんと協議の結果,とりあえずは,巡視路を行くことに。しばらくは片斜面のスリル満点コースですが,やがてプラ階段の下りに。急な下りを終えると,そこは薄暗い植林の中。巡視路は少し下ったあたりから右手の尾根に上がっているのでしょう。

薄暗い植林の中の谷を少し下ると,ありました,ありました。「火の用心」プレートが右手の急斜面を差しています。ゲッ,ゲッ,ゲゲゲのゲェ!あの急斜面を登るかや?でも,登るしかおへん。あきらめモードでMTBを肩に乗せ,九十九折りの山道を登ります。前を行くS田さんは,最悪や!とぼやいています。同意!巡視路だと,この上のピークからまた下っているのでしょう。こんなにきついアップダウンが何回もあったんじゃあ,たまりましぇ〜ん!登り切ったピークから県境尾根に復帰しましょう。

  
鞍部の巡視路
鞍部の巡視路

やっぱり尾根道へ行こう

汗だくになり,ようやく鉄塔へ。鉄塔から少し登ったあたりが尾根のピークです。そのピークから尾根を見ると,ちょっとヤブっぽいですが,踏み跡がずっと続いています。これなら県境尾根まで続いているでしょう。期待を込めて踏み跡へ突入。枝がMTBのハンドルにからんだり,下草で歩きにくくなったりしますが,何とか進むことができます。どうやら,マツタケ採りの道のようです。

MTBを押したり担いだりしながら,ようやく県境尾根(C)へ。尾根を見ると,どちらにもきれいな山道が延びています。おやっ?県境尾根に道があったんかなぁ。さっきの446ピークを巻いたあたりにはこんなきれいな道はなかったがなぁ。まぁ,道が消えたり,現れたりすることは,よくあること。今見えている道だって,いつ消えるかわかったもんじゃない。

巡視路じゃないのでもう大変

しばらくは,強引にMTBのまたがるものの,すぐにダウン。左右から枝が張り出し,路面には倒木&折れた枝,そして切り株。MTBを持って歩くだけでも,もう大変。やっぱり,巡視路でないと,いくら県境尾根といっても,極楽尾根道とは限らないんだよねぇ。こんな当たり前のことを再確認しながら,ブツブツブツ。それでも,ときどき,谷を吹き上げてくる涼風がいい気持ち。天然のクーラーです。

小さなアップダウンを繰り返し,404.6の西のピーク(D)へ。ここからは,きれいな巡視路があるハズ…ですが,見当たりません。ガッカリ!でも,「火の用心」もあるので巡視路に出たことは確かです。とりあえずは,東に進んで,440.6ピークの三角点を見てみましょう。

ピストンコースになるので,MTBを置いて三角点を目指しますが,皮肉なことに,このあたりの巡視路はMTB乗り乗りです。ああ〜,くやしい!植林の尾根を進んだ左手に三角点を発見。その先には,大きな鉄塔(E)も発見!なぜか,その根元にはバラバラになった板が何枚も積み重なっています。これって,小屋の跡?でも,小屋にしたら,板が小さ過ぎる。かといって,祠の残骸でもなさそうだし。はて?ナゾです。

待望の巡視路へ

MTBにもどり,県境尾根に引き返します。その手前には,巡視路が左の谷に向かって延びています。これが巡視路や!…でも,向かっている先があまりにも下り過ぎています。もしかすると,巡視路は県境尾根を通らずに,直接次の鉄塔に向かっているのでしょうか。それでは,アカンがや。ちょっとヤブっぽいピーク(D)にもどり,県境尾根を忠実にたどります。と,少し下ったあたりで,先ほどの巡視路と合流。なんやぁ,ずいぶん下まで巻いてるんやなぁ。

  
火の用心プレート 高圧線の交差点
火の用心プレート
高圧線の交差点

これで巡視路に復帰したことは確実です。ちょうどランチタイムなので,涼風が心地いい尾根の一部(F)でランチタイムとします。展望はまったくありませんが,谷から吹き上げてくる風のおかげで汗が引きます。食後のコーヒーもいただき,縦走の再開です。

巡視路ということもありますが,MTB乗り乗りコースです。激下りもなく,プラ階段もなく,倒木もほとんどなく,MTBにとっては極楽のコースです。これだからMTBはやめられましぇ〜ん。ああ,カ・イ・カ・ン!

結局,MTB乗り乗りコースは,小さなピークは巻きながら,376ピークまで続きました。期待通りとはいうものの,やはりこれだけ乗れると思わず歓声が上がってしまいます。キャッホォ〜!ウィッキィ〜!もちろん,あちこちで写真を撮り合うので,結局,時間的には歩きと変わらなかったりしますが…。何のこっちゃ!?

  
巡視路は極楽やね 立入禁止 罠が仕掛けて…
巡視路は極楽やね
立入禁止 罠が仕掛けて…

テープと有刺鉄線にはさまれて

376ピークの鉄塔(G)からは,巡視路は県境尾根を離れています。県境尾根を見ると,右手はテープ,左では有刺鉄線の柵が,尾根道をはさんでいます。ただ,道ははっきりしています。さて,どうする?このまま素直に巡視路で下るか,あくまでも県境尾根を進んで原山峠を目指すか。またもや,S田さんと慎重な?協議の結果,県境尾根を選択。ところが…。

県境尾根を進むものの,ずっとテープと有刺鉄線のサンドイッチでこりゃたまらん!そのうえ,倒木地獄でもうアカン!結局,道はあっても倒木のために無いに等しい。最後の最後になって,いつものように?ヤブ漕ぎだぎゃ〜!何でこうなるの!?やはり,日頃の行いが…?

そそくさと下山

分速5mのヤブ漕ぎの末,かろうじて鞍部(H)へ。鞍部は峠のようで,東西に山道があります。これを幸いに西に谷を下ることにします。薄暗い植林の中を強引にMTBで下り,谷川沿いに下って,車道へ。やれやれ。どうにか下山完了。でも,この車道の上りきったところが原山峠(I)なので,ちょっと寄り道。行ってみると,京都府側は未舗装の林道です。先ほどの県境尾根を強引に突破してくると,この峠に下るにはかなりの激下りです。谷川沿いに下って正解でした。原山峠の京都府側には,投棄物があります。そのなかには篠山マラソンのプレートもあります。こんなきたない峠を目指していたなんて,かなり悲しい!

  
峠からの下り 原山峠
峠からの下り
原山峠

今回は,「苦あれば楽あり,楽あれば苦あり」の連続の縦走となりました。でも,やっぱり,MTBはおもろいぞぉ〜!楽しいぞぉ〜!


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