ヤッパ巡視路はMTBやね 綾部の鉢伏山(2004.7.18)


  
P・@〜E
P・@〜E

お泊り山行き

今日と明日は,珍しく泊付きの山行きです。ただし,泊といったって,テントか車で寝るだけです。つまりは野宿。その一日目。朝から曇りがちの天気で,昼ごろには雨が降るかもという予報。しかし,その雨は北部が中心だというので,今日はあまり北上せず,綾部付近の山に行きましょう。S田さんによると,綾部市の東にある送電線巡視路が尾根道でアップダウンも少ないとか。これならMTBも乗り乗りでしょう。では行きましょう。

荷物を車に積み込み,出発です。2時間あまりのドライブののち,ようやく目的地の綾部市武吉の集落へ。公民館の駐車場(P)に車をとめ,MTBで出発です。まずは,目の前に見えるアンテナピークの鉢伏山を目指します。集落の奥から延びる舗装林道を進みます。なだらかに続く林道ですが,それでも汗がふき出します。左手にあるはずの高圧線が頭上を通るあたりから林道は未舗装になり,MTBで走りにくくなってきます。そして,ついにダウン。あとは押しの一手です。MTBを押しながらとんぼりとんぼりと林道を上ります。再び,高圧線が頭上を通ると,林道終点は間もなくです。

暑い!暑い!暑い!

木に下げられたオイル缶が見え,林道は終点(@)。「火の用心」のプレートにしたがって,山道に入ります。植林の中の九十九折りの巡視路は,路面がきれいなので,下りならMTBは乗車可です。上りなのが残念!左手の谷も右手の谷も,倒木がなく,MTBでダウンヒルができそうなぐらいきれいです。ただし,この巡視路は,地形図にある破線ルートではなさそうです。

  
峠の石柱 峠の石像三体
峠の石柱
峠の石像三体

汗だくになってようやく峠(A)着。峠には,石柱と3体の地蔵があります。その向こうにはS田さんが持ってきた地形図にはない林道が通っています。(後日,国土地理院の地形図を見るとちゃ〜んと載っていましたガナ。あの地形図は,いつのものだったのかな?)せっかくですので,地形図にある破線ルートの確認に行きますが,鉄塔あたりで道は消えています。おそらく,巡視路ができて,昔の峠道は消えてしまったのでしょう。峠に戻り,林道に出ます。林道の向こうには,この林道開設記念の石碑が建ち,付近の地図もあります。ただし,最近は訪れる人はないようで,地図ははがれ,広場は草だらけ。この林道も補助金目当てのものだったのでしょうか。

林道はNTTの管理道とつながっています。あまり利用していないようですが,それほど荒れていないのでMTBで登るのも楽チンです。そしてゲートへ。ゲートといっても,なぜか鍵はなく,かんぬきを抜けば車も通れそうです。

  
林道明石線 鉢伏山(奥山)山頂のパラボラアンテナ塔
林道明石線
鉢伏山(奥山)山頂のパラボラアンテナ塔

NTT管理道から山頂は数分です。NTTのプレートを見ると,「奥山」とあります。ふもとの人たちは「鉢伏山」と呼んでいるとか。はてはて,どうしたものか。MTBで登ること数分で,山頂のアンテナ基地(B)へ。二重の金網,その間には有刺鉄線のバリケードと,厳重なガードがかけられています。そのガードの前でランチタイムです。

今回は,食後のコーヒーはいただかず。Tシャツから汗が絞れるほどの暑さなので,熱いものは食べる気も飲む気もしません。この猛烈な暑さにダウン寸前です。それでも,おなかがいっぱいになると,元気回復。これから,待望の尾根道ダウンヒルです。

尾根は極楽,爽快,快感!

パラボラアンテナ塔から少し下がったガードレールの横に「火の用心」プレートがあります。ガードレールを越え,MTBの準備OK!行くどぉ〜!初めこそ,疎林の木々を抜ける木立スラロームですが,すぐに極楽尾根道に。緑のトンネルを抜け,なだらかな下り基調の尾根道を気持ちよく走ります。真夏の暑さをすっかり忘れて,気分爽快。

一旦,鞍部に下りるものの,上り返しはそれほどでもなく,すぐに爽快ダンヒルの再開です。小さなピークには,小さな尾根が派生していますが,道のはっきりしている方へ行けばOKです。やっぱり,巡視路はいいねぇ。

  
鉢伏山からの極楽尾根 新綾部線27鉄塔から鉢伏山を振り返る
鉢伏山からの極楽尾根
新綾部線27鉄塔から鉢伏山を振り返る

気分よく走ること10分,左手に鉄塔があります。せっかくですので,行ってみましょう。新綾部線27の鉄塔(C)です。鉄塔の下からは,アンテナ塔のある鉢伏山とそこから延びる極楽尾根が一望できます。展望を楽しんだあとは,縦走の再開です。なだらかな,しかも高低差の少ない尾根道は,MTBのためにあると言ってもいいようなものです。巡視路なので,よく整備され,倒木もありません。

巡視路を離れるともう…

順調に尾根道を走り,472ピーク手前の鞍部へ。ここからは,巡視路は尾根を離れています。しかし,このまま巡視路を行くと,尾根から離れるだけでなく,峠からもずいぶん下った地点に行ってしまいます。これでは,峠への上り返しが大変です。峠へ直接下りましょう。正面を見ると,右手に尾根を巻くように山道が延びています。巡視路ではないので,倒木や折れた枝が多く,MTBで走るにはなかなか難しい。MTBに乗ったり,押したりしながら幾度となく尾根を巻きます。

と,山道がかなり右手に下っています。これでは,下り過ぎ?峠ではなく,直接ふもとに下ってしまいそうです。これはいけません。尾根に上り返してみましょう。MTBを肩にピークを目指すもの,途中で現在地が判明。峠への尾根の分岐点にいるようです。ということは,先ほどの山道を下ればいいだけ。では,Let’s Go!

あっけなく峠(D)着。峠には石像があり,その台座の石が道標になっています。地形図では,この峠から破線ルートが尾根にあるはずですが,道らしいものはありません。過去,何十回も地形図の破線にだまされて?ヤブ漕ぎの目にあった我々です。こんな遠くの山に来てまで,好き好んでヤブ漕ぎをしたくはありません。明日の山行きもあることですし,今日のところは,ここで終わりましょう。

  
峠手前の谷をトラバース 峠の石像
峠手前の谷をトラバース
峠の石像

しかし,峠からははっきりとした山道が下ってはいるものの,倒木が多く,とてもMTBに乗ることはできません。そもそも,地形図にある破線とは,微妙にちがっています。でも,峠からはこの山道以外に踏み跡らしいものすらありませんでした。やむを得ません。それにしても,峠からの下りでさえこんなに道が悪いんだから,尾根に強行突入しなくてよかったかも。

結局,峠からの下りは,MTBにまったく乗れず。かなりガッカリ。時間があるので,ふもとの集落(E)に出て,川祭りの見物でもしましょう。鉢伏山からの極楽尾根を振り返り,のんびりMTBで走ります。ところが,川祭り会場に近づくと,雨がポツポツ。これはいけません。川祭り見物はパスして,車に戻りましょう。

舞鶴観光へGO!

MTBを片付け,着替えをすませ,さてこれからどうする。夜まではたっぷりと時間はあります。川で泳ぎたい気もしますが,水があまりきれいじゃないので,舞鶴観光に行きましょう。

山越えで舞鶴入り。まずは,ショッピングセンターで翌日の食料の買い出しです。お次は舞鶴観光。舞鶴といえば,港でしょう。海の方に行きましょう。海の近くには公園があり,舞鶴湾を巡る観光船の発着場ともなっています。海をはさんだ向こう側には,北海道行きの新日本海フェリーの乗り場があります。その奥の岸壁では,たくさんの人が魚釣りを楽しんでいます。行ってみると,釣りよりも気になったのが,すぐ近くにまで上がってきている海面です。こんなに近いと,高潮になると,このあたりは水没してしまうんじゃないでしょうか。そんなよけいなことを気にしながら,海を見ると,海上自衛隊の灰色の船が泊まっています。そういえば,舞鶴は軍港として栄えた町だったんだ。今も,海上自衛隊の基地になっているようです。だから,さっきの買い出しの時にも,訓練生がたくさんいたんだなぁ。

  
五老岳をバックに自衛艦 赤煉瓦倉庫
五老岳をバックに自衛艦
赤煉瓦倉庫

ついでに,その自衛隊の船をもっとアップで見てみましょう。車に戻り,場所を変えます。赤煉瓦の建物を見ながら,自衛隊の基地に近づきます。近くの空き地からは,自衛隊の船がよく見えます。そのバックには,山頂に塔のある五老岳が見えます。現在の舞鶴を代表する景色のひとつかもしれません。

見物を終え,少し早いですが,お風呂に入ることにします。ところが,温泉が近くに見当たらず。結局は,買い出しをしたショッピングセンターの近くの銭湯に行くことに。ところがこの銭湯,我々が小さいころに行っていた銭湯とほぼ同じ。木枠の窓に汲み取り式便所,体重計だってアナログです。入口には,常連さんの入浴グッズが並べられています。ロッカーだって,コインロッカーではなく,昔ながらの鍵をかけるものです。浴室の上部には,湯気抜きの大きな窓があり,天井も木でできています。ただ,昔とちがうのは,洗い場の水道の上にシャワーがあること。なんとも懐かしい銭湯で汗と汚れを落とし,サッパリサッパリ。ちなみにこの銭湯,風呂代は350円でした。

  
レトロ調の銭湯 テントを張って…
レトロ調の銭湯
テントを張って…

お風呂でさっぱりしたあとは,いよいよ食事です。まずは,街の中をうろうろ。日本海の幸をたっぷり食したいと思うものの,ほとんどの魚屋さんは店じまい。結局,街の中では食べるところを見つけられず,ドライブへ。海岸線をドライブしながら,店を物色。しかし,これまた格好な店が見つけられず,挙げ句の果ては地元のスーパーで弁当を買うはめに。ここで,見つけたのがサバの丸焼き。このあたりの名物らしいのですが,ふつうは切り身を焼くでしょう。それが,丸焼き!さっそく買い求めましょう。今日の夕食は,握りずしとサバの丸焼きです。海らしくていいねぇと思っていると,S田さんはトンカツ弁当です。なんで,せっかく海に来たのにトンカツやねん?海でトンカツが採れるんかぁと思わずツッコミを入れてしまいます。

せめて食べる時だけは涼しいところでということで,名田庄村に行きます。途中で,キャンプ地を物色するもののいいところはなし。結局,道の駅に行き,そこで夕食に。暗い駐車場に座って,弁当を食べるおっさん二人。なんともわびしいものがあります。こんなところを警官に見つかれば,職務質問はまぬがれないでしょう。

食後は,今夜の宿泊地探しです。暑いとイヤなので,五波峠に行きましょう。そこなら,標高があるし,通る車は少ないでしょうから,安眠を妨げられることはないでしょう。それにしても,名田庄村は山ばかりです。時おり,小さな集落の灯が見えますが,すぐに闇の中。幹線道路から離れ,家族旅行村へ。一時大流行したアウトドアブームは一段落したものの,安定した人気があるようで,利用者がたくさんいます。その旅行村を過ぎ,ヴィレッジラインを上ります。五波峠は,京都府との境で,峠には大きな石碑が建っています。駐車場に着き,車を止めると,あたりは漆黒の闇。ライトをつけ,テントの用意です。S田さんのテントを使うことにしましたが,これがもう…。アウターは大きいのですが,中の寝室は2人用です。どうやら,アウターは日除けにも使えるというのがこのテントのうりだったようです。しかし,張ってしまったテントを撤収するのも面倒なので,これで寝ることに。それでも,小さな寝室に横になると,一日の疲れのためか,すぐに爆睡モードに突入。二人のいびきだけが漆黒の闇に響いているのでありした。メデタシ,メデタシ。

 

武吉公民館9:20  林道武吉深山線終点10:00  新綾部園部線鉄塔14110:24  峠10:32  林道明石線ゲート10:57  鉢伏山アンテナ塔11:05  「火の用心」11:40  新綾部線27鉄塔12:04  峠13:00  下山13:30


「山と自転車」にもどる

ホームページにもどる


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理