古の峠道を…なんでこうなるの? 頭巾山(2004.7.19)


  
P・@〜F
P・@〜F

すっきりお目覚め

爆睡モードからお目覚め。早朝の峠には,朝もやがたちこめ,木々の間を抜けてくる朝日がさわやかです。朝食をすませ,テントを片付け,目指すは道の駅。道の駅(P)に車を置き,そこからMTBで頭巾山登山口まで行こうという計画です。途中には,野鹿の滝があるので,ついでに見物しましょう。

MTBを走らせ,納田終の集落を過ぎると,あたりは山ばかりです。車道から林道への分岐点(@)には,「野鹿の滝 2.5km」とか,頭巾山登山口へのイラストをかいた案内があります。車1台が十分に通れるほどの幅があり,舗装されているうえに,勾配がそれほどきつくないので,MTBで登るのも楽チンです。日影の涼しげな林道ですが,登るにつれて,汗がふき出します。野鹿の滝の遊歩道入口を過ぎ,さらに登っていると,右手下に遊歩道が見えます。分岐点の案内には,遊歩歩道の途中が通行止めとなっていましたが,そんなことはなさそうです。そして,野鹿の滝入口(A)へ。

野鹿谷林道

野鹿の滝は,右手下の谷にあります。滑りやすい丸木階段を下り,小川へ。左手を見ると,落差30mはあろうかという滝が見えます。しかも,上から下まで一直線に落ちる水の流れは見事です。MTBで熱くなった身体を滝壺で冷やしたい気もしますが,あとのことを考えるとそれはできません。

  
野鹿の滝
野鹿の滝

滝見物を終え,さらに林道を上ります。右手の谷には,小さな滝がいくつもあり,水の流れの脇には苔むした岩が点在しています。頭巾山ってメジャーな山かと思っていたのですが,ここまでに通った車なし。滝見物の時にも,我々のほかに人はなし。こんな真夏に登る人はいないのかな?

  
九十九折の頭巾山登山道 大岩の下も通ます
九十九折の頭巾山登山道
大岩の下も通ります

九十九折の頭巾山登山道

林道が小川を渡り,「野鹿谷シャクナゲ群生保護林入口」の標識を過ぎると,頭巾山登山口(B)です。左手下の谷には,登山道の標識もあります。一旦,谷に下り,水のない小川を渡って登山道へ。植林の中の薄暗い山道ですが,日が当たらないので,かえって快適です。

登山道は,九十九折りになっており,適当な勾配で高度を上げています。路面はよく踏み固められており,歩きには申し分のない道です。ただ,幅が狭いので,MTBを押して登ることができず,ずっと担ぎなのでちょっとツライ。

しばらく登ると,道の脇には,シャクナゲの木が目立つようになり,足下にはイワカガミ?の艶やかな葉が見えます。きっと,この頭巾山は春が絶好のシーズンなのでしょう。だから,こんな暑い真夏に登る人はいないのでしょう。ちょっと時期を間違えたかな?でも,その時期だと,登山者が多くて,MTBでは大変かも。

植林の中の九十九折りを終え,支尾根の先端部からは,MTBで乗車可。ただし,その距離は5mほどです。そして,再び,MTBを肩に登りが続きます。このあたりになると,道には岩が目立ち,それまでの歩きやすい道ではなくなっています。ところどころに,はプチ岩場があったりで,MTBを担ぐ身には,少しツライ道となってきます。しかも,木々が途切れた間からは,真夏の強烈な太陽が照りつけてきます。うう〜っ,これはかなりのダメージです。

登り始めて1時間足らず,大岩の下を通り,ロープのかかった急斜面を登ると,頭巾山山頂が望める岩場に着きます。この岩場からは,頭巾山山頂の祠だけでなく,そこから東に延びる稜線が一望できます。予定では,あの稜線をMTBで快走するハズですが…。ここで,汗だくになったTシャツを絞ると,昨日以上に汗が絞れます。なんともはや,暑いはずだわ。

  
頭巾山山頂手前の岩場から見る縦走予定の尾根 頭巾山山頂と祠
頭巾山山頂手前の岩場から見る縦走予定の尾根
頭巾山山頂と祠

展望抜群!頭巾山山頂

再び,MTBを肩にしばらく登ると,稜線です。左手に少し行くと頭巾山の山頂 (C)です。山頂は,ほぼ360度の展望です。青葉山や若狭湾,尖った山頂は弥仙山だとか。南にも山々が連なっていますが,何が何だか。山頂にはきれいな祠があり,その前には石灯籠や手水鉢まであります。江戸時代に設置されたもののようですが,これらのものを人力で運ぶには大変だったでしょう。当時の人々は,どれだけの力持ちだったんかなぁ。その祠のすぐ下にはおこもり堂といわれる避難小屋があります。トタン屋根の粗末な小屋です。この小屋で泊まるのは,ちょっとなぁ…。

  
頭巾山山頂から見る青葉山 頭巾山山頂から見る若狭湾
頭巾山山頂から見る青葉山
頭巾山山頂から見る若狭湾

展望を楽しみ,少し早目のランチをすませ,これから待望の尾根縦走です。直下の激下りは,MTBを担いで下るものの,すぐにMTB乗車可となります。これはうれしい誤算です。あちこちに岩が顔を出していたり,木の根があったり,ドロップオフがあったりと危険な香りいっぱいの変化に富んだ?ダウンヒルが楽しめます。

極楽や〜!

ダウンヒルを終えると,なだらかな尾根道になります。短く急な登り返しを終えると,地形図では,巡視路合流地点まで,ほとんどアップダウンはなし。登り返しのピークからはなだらかな下り基調の道で,雑木林の中を通っているので,真夏の灼熱の太陽光線は鮮やかな緑の葉で遮られ,極楽気分です。まるで,MTBのためにあるような尾根道です。地形図にはなくても,こんな道があるんだなぁ。地形図にあっても,昨日の峠道のような道もあるというのに。

  
頭巾山山頂から下るどォ〜 極楽尾根を快走
頭巾山山頂から下るどォ〜
極楽尾根を快走

少し尾根が広くなったあたりは,疎林になっており,どこでも走れます。木立スラロームです。これまた楽しいじゃあ,あ〜りませんか。途中,2ケ所で草むらの中をかき分けるような所もありますが,それも楽しい尾根走りのアクセントのひとつです。頭上の木々の葉さえも,真夏の太陽の直撃から我々を守ってくれているようで,実に快適な尾根走りです。ただ,小ピークを巻くために,片斜面の走りにくい道になっている所があるのが残念です。

小さなアップダウンを繰り返し,巡視路と合流。新旧の道標があります。新道標「頭巾山 山頂まで2.1km」 旧道標「頭巾山 あと3km」はてはて。昔の峠は少し登ったところ(D)です。今も,二体の石像が祀られています。まずは,無事,巡視路に合流してメデタシ,メデタシ。あとは,この巡視路をたどれば下山できるハズ。

  
頭巾山山頂への新旧の道標 峠の石像
頭巾山山頂への新旧の道標
峠の石像

気持ちも軽く,巡視路を行きます。すぐに切り開きの展望のいい尾根へ。下には,鉄塔がいくつも見えています。ところが,道はあまり明確ではありません。踏み跡をたどると,すぐにはっきりとした道が現れましたが,巡視路はどうつながっていたのでしょう。「火の用心」が現れ,巡視路であることを確認。小ピークの手前には,堀越峠へ行くであろう踏み跡とマーキングのテープがあります。先ほどの峠にあったプレートによると,これまでの極楽尾根はこのあたりまでのようで,堀越峠に向かう尾根道はかなり大変そうです。もちろん,福井にまで来て,ヤブ漕ぎはしたくないので巡視路を行きます。

昔の峠道を行くどォ〜!

小ピークの北に回り込むと,巡視路は九十九折りの急な下りです。残念ながら,このあたりはMTBには乗車不能。でも,道を見ると,巡視路というよりは,昔の峠道のようです。おそらく,昔の峠道を巡視路として利用しているのでしょう。ということは,このまま行くと昔の峠道をたどって無事下山!?イイねぇ。

  
峠道を下る その1 峠道を下る その2
峠道を下る その1
峠道を下る その2

急な下りを終えると,MTBで快走です。左手には,先ほどの鉄塔のある深い谷が見えています。気持ちよくMTBを走らせていると,いきなり倒木が前をふさいでいます。左手には,鉄塔(E)があり,「火の用心」プレートもその倒木の下敷きになっています。倒木というよりも,木を切り出すために切っているところのようです。鉄塔の下の方には林道も見えています。あの林道を使って,これらの木を運び出すのでしょう。

さて,ここでひと思案。鉄塔から巡視路をたどって下山するか,昔の峠道で下山するか。尾根を見ると,踏み跡ぐらいはあります。峠道があれだけきれいに残っているのですから,その当時に思いをはせながら,峠道を下りましょう。ところが,この選択が…。

が…,おや?

植林の中の踏み跡をたどりながら,下ります。といっても,このあたりは,MTBに乗ることはほとんど不可能。MTBは,車輪の付いた大きな杖となっています。植林を抜けると,さらに踏み跡は薄くなり,木々の間を抜けるのみ。でも,もう,この時点で巡視路に戻るという選択肢はありません。ただただ,尾根を下るのみ。それにしても,峠道って,どこへいったの?

地形図で現在地を確かめ,これからのルートを考えます。はっきりとした尾根は北東に延びているので,その先端部分から人家はすぐ近くです。ということは,このまま尾根を下ればいいだけです。ヤブっぽいですが,しかたがありません。尾根を外さないように方向を確認しながら下っていると,何やら峠道っぽい道が現れてきました。しばらく,下ると,明らかに先ほどまで下っていた昔の峠道の続きです。おや,まぁ!?偶然とはいえ,見事に峠道に出ました。おそらく,植林で峠道がなくなっいたのでしょう。

やはり…

峠道に再会し,気をよくしてMTBに強引に乗ります。でも,この峠道は巡視路にもなっておらず,利用するひとはほとんどいないようで,倒木や枯れ枝があちこちにあります。それでも,ヤブ漕ぎをする必要がないだけでもマシです。

MTBに乗ったり,押したりしながら,順調に下山。もうかなり下ったと思われるあたりからは,尾根を左に下るようになっています。いよいよ下山近しかと期待して下ってみると,なんと!峠道は谷に向かって消えています。その先にあるのは,植林と勢いよく育った下草です。なんちゅうこっちゃ?最後になって,またヤブ漕ぎ?どうやら,我々は,ヤブ漕ぎから縁を切れないようです。しかも,遥々福井にまでやって来ても。嗚呼,無情。

のちほど,S田さんがふもとの住民に聞いたところによると,峠道はさっきの谷を下って行くんだそうな。その昔は,この峠道を歩いて頭巾山まで遠足に行っていたとか。距離といい,かなり大変だったでしょうねぇ。まさに,「遠足!」

  
峠道を下る その3 砂防ダムで無事?下山
峠道を下る その3
砂防ダムで無事?下山

さて,これからどうする?谷がダメなら尾根しかおまへん。しかも,その尾根は歩きやそうです。では,尾根の先端まで行ってみましょう。尾根はしだいに広くなり,右へ左へ分かれています。はて?ここも歩きやすそうな尾根を下りましょう。そして,ついに谷へ。谷の向こうには砂防ダムのようなものが見えています。よ〜し,目指すはあの砂防ダムだぁ〜!

しかし,最後の最後になってまたもやヤブ漕ぎ。しかも,急斜面なので,歩くのも大変。MTBを片手に,木につかまりながら,ズリズリと半分滑り落ちながら下ります。砂防ダムが間近に見えると,一安心。最後の一滑り?で,砂防ダム(F)へ。運のいいことに,砂防ダムの上には水が流れていません。ここで水が流れていたら,大変だったことでしょう。天は,我々を見捨ててはいなかったのです。我々を見捨てているのは,家族だけ?

砂防ダムを渡り,無事?下山。やれやれ,遥々福井にまで来てヤブ漕ぎとはなぁ。それにしても,頭巾山からの尾根は極楽やったなぁ。福井に来た甲斐があったというものです。最後のヤブ漕ぎだって,いつものことと思えば,OKかもね。

へしこ!

道の駅(P)に帰り,着替えをすませ,遅いランチです。もちろん,食するのは「名田庄じねんじょそば」です。おみやげを物色していると,ありました,ありました。「へしこ」買い求めたのは,イワシのへしこです。焼いてもいいが,このまま生でも食べられるとか。ホンマかいなぁ。ちなみに,家に帰ってイワシのへしこを焼いたのですが,子どもたちはその臭いだけで「パス!」せっかくの土産を…と喜んで食べてはみたものの「塩辛い!」何で,あんなに塩辛いの?あのへしこって,塩抜きをしなきゃあならなかったのかなぁ。でも,生で食べれるともあったし…。「くさやの干物」もあのような臭いと塩辛さなのでしょうか。所変われば,好みも変わるものなんですねぇ。

 

林道入口8:52  野鹿の滝9:20  登山口9:45  大岩10:38  頭巾山山頂11:00〜11:40  巡視路合流点12:38  尾根から巡視路へ13:00  堰堤14:30


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