岩場の三尾山 瓶割峠はナゾ多し(2004.9.19)


  
P・@〜E
P・@〜E

三尾山(約590m)は佐仲峠の東に,西三尾を中心にとしてやや東に東三尾,すぐ北に本丸と,その名のように三つの尖峰を聳立させ,そのおのおのの頂上直下を鋭い岩壁で突き上げて四方を睥睨しているかのよう。さらに国領方面から眺めると,東の峰の頂稜の鋭角が肩のあたりから鈍角に,やがて火山の裾のように滑らかに緩やかな流線を描いて,中山の集落へすそをひく山容は心にくいばかりの美しさである。
                (『兵庫の山やま 総集編』多田繁次 より)

三尾山 再び

秋雨前線による局地的な雨があちこちで降り,不安定な天気が続く今日この頃。昨日までの雨模様の天気予報が,今朝になって急変。兵庫県は曇りのち晴れとか。これに気をよくしたS田さんから山歩きのお誘いです。三尾山に行こうとのこと。三尾山は以前,withMTBで行ったことがあるのです,上り下りともほとんど乗れず。でも,山頂付近の岩場と展望のよさが印象に残っています。今日は登山口までMTBで移動し,それからは歩きで登ることにします。

車を下山予定地の国領(P)にとめ,MTBで登山口までサイクリングです。途中の舞鶴自動車道の側道から見る三尾山は,岩壁がそそり立ち,三つのピークが目立っています。前回は,東尾根からの登頂だったので,このアングルから見るのは初めてです。なかなか魅惑的な山容です。側道から林道へ,そして林道終点の登山口(@)へ。ここにMTBを置いて,歩きです。S田さんが何重にも鍵をかけています。あまりかけすぎると,開けられんようになるがや。

  
舞鶴道の側道から見る三尾山 三尾山登山口
舞鶴道の側道から見る三尾山
三尾山登山口

小川に沿ってガレ気味の山道を登ります。植林の中の道ですが,まだそれほど急ではありません。ただ,路面の岩が雨で濡れているので滑りやすい。所々に道標が設置されているので,迷うことはありません。小川を右に左に横切り,やがて丸太の休憩所が見えてきます。着いてみると,内部は薄暗くクモの巣が張っています。この様子だと,横にあるトイレはとても…ウォッシュレットじゃないよねぇ。

さらに登ると,今度は左手の草むらの向うに休憩所があります。登山道から少し外れているのが?です。行ってみると,これまた荒れた状態です。さっきの休憩所といい,この休憩所といい,登り始めてすぐにあるだけに役に立ったのかなぁ。休憩所から斜面を登ると,岩壁をくりぬいた穴の中に石像があります。岩壁に石像,これまでに何度も見たことのある陳腐な取り合わせです。日本人のやることって,どうしてこうもワンパターンなのでしょう。たまには壁画を描くとか,ヨルダンのペトラ遺跡のように劇場にするとかねぇ。

大パノラマの前三尾

岩壁を過ぎ,登山道に復帰すると,石柱が立っています。「明治百年三尾山観光開発記念」とあります。先ほどの休憩所もその時に建てられたものなのでしょうか。山道は勾配を増しながら,さらに続きます。小川の水音が聞こえなくなると,尾根への九十九折の道です。少し展望が開け,気分も明るくなります。そして,道標( ←三尾山頂 三尾山頂まで350m  前三尾展望地→ )のある尾根の鞍部へ。道標の脇には,崩壊したトタン小屋があります。ここも休憩所だったのでしょうか。

前三尾展望地というのが気になります。途中で,「やれやれ地蔵」なるものもあります。ここまで急な山道を登ってきて「やれやれ」ということから命名されたのでしょうか。「おれおれ」なら,大変だギャア。記念撮影を済ませて,前三尾展望地へ。

  
やれやれ地蔵 前三尾から妙高山方面を展望
やれやれ地蔵
前三尾から妙高山方面を展望

ここ(A)は,以前は東三尾と呼ばれていたピークのようです。まわりの木はきれいに伐採され,360度の大パノラマが広がっています。麓の田んぼが正確な幾何学模様を描いています。その向うには,妙高山とその連山が見えていますが,今日はガスっぽく,白くかすんでいます。振り返ると,三尾山とその前峰の中三尾が見えています。この東三尾からの展望は,本峰よりもいいかもしれません。この展望をおかずにランチもいいものですが,少し時間があるので本峰でいただくことにしましょう。

傘を差して三尾山山頂へ

鞍部に戻り,中三尾のピークに寄り道。急な上りを登りきると,先ほどまでいた前三尾のピークが鋭く天を突いています。ピークは,もう少し奥です。ピークに立つと,足元には曲輪がらしい平坦地が取り巻き,このピークにお城があったことがわかります。と,にわかに空が曇り,いきなりの雨です。念のために持ってきた折り畳み傘を広げて,雨のやむのを待ちます。降りしきる雨の中,折りたたみ傘をさしてたたずむおっさん二人。ふつうのハイカーならカッパを着るのでしょうが,そんな気のきいたものは持っていません。それにしても,登りではあんなに暑かったのに,今は寒い!しばらくして,雨が小降りになったので,とりあえず三尾山山頂に行くことにします。

  
三尾山山頂と中三尾 三尾山山頂にて
三尾山山頂と中三尾
三尾山山頂にて

登山道に復帰し,山頂直下の上りを登ります。道の両側は,曲輪のように段々になっています。それにしても,折りたたみ傘をさしながら山に登ってるって,なんだか異様な光景です。すべる足元に気をつけながら,見たことのある山頂(B)へ。

三尾山
三つの峰をもつ嶮峻な岩山で,丹波では珍しい山容で見つけやすい。山体はチャート(珪岩)からなり侵食に強いチャートが大岩壁や巨岩奇岩となって露出している。
西多紀アルプス西端のピークでもあり,芝生の中央に三尾城址の石碑が建ち,桜の植樹が本丸を取り囲んでいる。戦国のころ,ここに黒井城主荻野直正の弟赤井刑部幸家の城があり,明智の軍にあたったという。
春日町の指定史跡となっており,標柱が立っている。

                   (『丹波森の径 ガイドマップ』より)

山頂には石柱があり,そのまわりは芝生の広場です。まわりを見回すと,360度の大パノラマが広がっています。西は向山連山,南には先週登った白髪岳が見えています。雨上がりの山々にガスがかかり,幽山の趣があります。雨の日の山登りもいいものです。と,負け惜しみを言ってみたり。

ランチタイムなので,この大パノラマを楽しみながらランチを食します。今日は,いつものローソンではなく,ちがうコンビニでお弁当を買ったので,いつもとちがうメニューです。たまには,コンビニを変えるというのも新たな発見があっていいものです。

  
三尾山山頂から見る譲葉山方面 秋の味覚? その1
三尾山山頂から見る譲葉山方面
秋の味覚? その1

台風の猛威

おなかがいっぱいになったところで,佐中峠に向かいます。ランチの時から聞こえていた声の主が先のピークを登っています。登山道の脇を見ると,岩場が目立ちます。その岩場に立つとスリル満点。なかなかいい気分です。やはり,○鹿と○○虫は高いところに登るってか?!

小ピークを越え,道標「三尾山0.6km 佐仲峠0.3km」のある鞍部から佐中峠に向かって下ります。距離は短いものの,下り初めの100mほどはけっこう急です。特に,今日は雨で濡れているのでズルズルです。先を行くS田さんは,悲鳴とともに滑りまくっています。何年か前は,この下りをMTBを持って下ったはず。乗れもしないのに,よくもまぁ,MTBを持って登ったものです。

急坂を下りきりると,先行するハイカーたちがいます。聞けば,佐中峠からのピストンだとか。それにしても,こんな雨の中を登るなんて物好きやねぇ,人のことは言えんけどぉ。少しゆるやかになった下りを下ると,台風の影響か,倒木が道をふさいでいます。人間にとっては迷惑な台風ですが,こうやって古くなった木が倒れ,森が活性化されるのでしょうか。いわば,森のリストラ?

佐仲峠
かつて篠山七十連隊の将兵らが福知山の長田野演習場に行くために通った道で頂上付近には茶屋跡もあって「古道」の面影が至るところに残っている。
                   (『丹波森の径 ガイドマップ』より)

下りきると佐中峠です。案内板があったり,道標があったりと,にぎやかな峠です。峠脇の平地が茶屋跡なのでしょうか。ここから黒頭峰は,尾根を行くことになります。取りつきははっきりとした道ではありませんが,尾根に登るときれいな山道が延びています。とはいえ,ここも台風の影響で倒木と折れた枝で道がふさがれていたりします。しかも,時々,クモの巣もあります。以前,MTBで来た時はこの尾根道を気分よく走ったはずですが,今じゃあ,とても走れません。MTBを持って登らなくてよかった,よかった。

  
佐仲峠 秋の味覚? その2
佐仲峠
秋の味覚? その2

雨上がりの森

ただ,今日のように雨模様だと,あたりがガスっぽくて深山幽谷の趣があり,いい雰囲気です。しかも,我々のほかには誰もいません。静かな山中にこだまするのは,…我々のしゃべり声と笑い声だけ。えっ?!それが一番うるさいんじゃぁ〜ってか?

小ピークを巻きながら黒頭峰手前の鞍部(C)へ。ここから夏栗山への道があるはずですが,道標はありません。付近をうろうろしていると,道から外れた森の中にプレートがあります。そんなところには道もないし,夏栗山にも行けません。プレートを元に戻して,一日一膳!じゃなくてぇ〜,一日一善!

ガスっぽい尾根を登ります。しだいに道は急になり,黒頭峰への最後の急登が始まります。滑る足元に気を配りながら,立ち木をつかみ登ります。こんな状態でMTBを持って登ることはできません。軟弱にも,登山口にMTBを置いて,正解でした。

  
ガスの尾根道 黒頭峰
ガスの尾根道
黒頭峰

悪戦苦闘の末登ったピークからは,左に夏栗山への道がありますが,黒頭峰は右手のもう少し先です。ほとんど展望のない黒頭峰のピークには,大きな三角点が設置されています。山名プレートもいくつか付けられていますが,麓から見る三角錐の山容からは,想像するほどの展望がないのが残念です。

下りは要注意

さて,これからが要注意です。これまでのように明瞭な山道があるとは限りません。しかも,下り基調なので,尾根の分岐点では要チェックです。心して下りましょう。まずは,黒頭峰からの急な下りを下って…と。踏み跡が明瞭なうえに黄色,赤色のビニールテープ,それに「大山振興会」の白プラ杭があり,それらもおそらく瓶割峠までの稜線をたどっているのでしょう。信用しすぎてもいけませんが,目安にはなるでしょう。

  
秋の味覚? その3 要注意の境界尾根道
秋の味覚? その3
要注意の境界尾根道

そして554ピークとの鞍部着。ここには,これまでとはちがったコンクリート杭があります。だからといって,峠というわけでもなさそうです。再び急な上りを登ります。これまた,ズルズル滑る足元に気をつけながら,木立につかまり,よっこらしょ。登りきったピークも木立の中。ここから方向を南向きに変えなければいけません。これからが要注意尾根です。

まずは,急な下りが問題です。下りが急だと,尾根なのか,斜面なのかがわかりにくい。下りきってはじめて尾根だということがわかることもしばしば。コンパスで方向を確認しても,2万5000分の1では,細かいところまではわかりづらいもの。方向を定めながら下るものの,いつの間にか南向きの支尾根に入ってしまうことも。おやまぁこりゃ。心して歩いているつもりだったのに,心して間違っちゃうなんて。なんのこっちゃ!でも,支尾根の方に行く方が自然で,境界尾根の方が支尾根に見えたりするのですから困ったものです。コンパスで方向を確認して,境界尾根に引き返し歩きます。

瓶割峠 ナゾ多し

迷いやすい境界尾根を慎重に進み,瓶割峠手前のピーク(D)へ。ここからは踏み跡が薄く,ヤブっぽくみえ,北への尾根道の方がわかりやすい。赤プラ杭があるので,それを目印に境界尾根を下ると突然道路標識が現れます。春日町と丹南町の境界を示す標識です。S田さんによると,この鞍部を通る山道は県道とか。第二瓶割峠という呼び名もあるようですが,北の春日町に下る峠道は消滅しているようです。丹南町に下る峠道ははっきりとしていますが,とても県道といえるものではありません。足元の地面には,名前を刻んだ石盤が割れて散らかっています。この峠を作るのに,尽力した人たちの名前のようです。

すぐ西のピークを越えると,地形図にある瓶割峠峠です。こんなに近いところに二つも峠があるなんて,どういうことなのでしょう。先ほどの道路標識といい,隣接する二つの峠といい,瓶割峠はナゾの多い峠です。

  
県道の瓶割峠 地形図の瓶割峠
県道の瓶割峠
地形図の瓶割峠

地形図にある瓶割峠は,先ほどの県道の瓶割峠ほど広くはなく,小さな峠です。しかし,南北に峠道がはっきりとついています。峠の脇には,地元の人たちが作った看板「瓶割峠 国領区活性実行委員会 進修火の鳥会」もかかっています。

瓶割峠
立杭焼きの瓶を背中に負って運んでいて,やっと辿り着いたこの峠で一息と腰を降ろしたところ瓶が岩に当たって割れてしまったということから瓶割峠と名づけられたという。
                     (『丹波森の径 ガイドマップ』より)

この瓶割峠の由来から教訓を学ぶとすると,「油断大敵」「覆水盆に返らず」「後悔先に立たず」つまり「詰めが甘い!」ってところでしょうか。

貴重な教訓を胸に,瓶割峠からはりっぱな峠道で下りますが,ここも先日の台風の影響で倒木や折れた枝,落ち葉で歩くのさえ大変です。数か月前にこの峠道を登ったというS田さんは,あまりの変わり様にビックリ。その時は,MTBで極楽ダウンヒルができる道だったとか。恐るべし!自然の驚異,台風の猛威。

少し下ると,竹林のある平地に出ます。S田さんによると,ここに太子堂があったとか。少し奥には石の土台だけが残っています。ここには祠があり,石像があったのでしょう。谷の方にも平らな所があるので,そこも祠があったのかもしれません。それにしても,それらのものが跡形もなく,まったく消え失せているのにはビックリです。

  
太子堂跡? ナゾの洞穴
太子堂跡?
ナゾの洞穴

この峠道の二つ目の見どころは,穴んこです。道の左側にあり,大きな岩壁にほられた穴は,ほとんど埋まっています。この穴は鉱口なのかもしれませんが,それにしては奥行きがない。石像を祀るための穴かも。そんなことは今となっては,永遠のナゾです。瓶割峠,ナゾ多し!

歩きにくい峠道から砂防ダムが見えると,もう下山終了です。ほぼ工事の終わった砂防ダム(E)ですが,平日の工事中の時はこの峠道には行けないでしょうか。今日が日曜日でよかった,よかった。

振り返ると,砂防ダムの向こうに境界尾根が見えています。その手前には,大きな岩場もあります。境界尾根から少し外れているのでわからなかったのかもしれませんが,あの岩場もスリル満点でしょう。今日は,途中で雨に降られたりしましたが,かえってそれで涼しい中を尾根歩きを楽しめました。黒頭峰からの迷いやすい境界尾根も,おもしろかったです。ただ,境界尾根からほとんど展望がなかったのが,残念です。ちなみに,S田さんによると,佐中峠からの境界尾根は分水嶺だとか。ブンスイレイよりキクカワレイの方がマシだっちゅうにっ!もう〜!

(付記)

多紀連山(篠山市)
 篠山盆地の北の多紀連山(最高:三岳793.4m)は,南側の篠山町と北側の西紀町界をなす山岳地帯を中心に東西に約20km続く,急峻な岩場の目立つ山々で,高度的には低いが多紀アルプスと呼ばれている。それはこの山地の頂上部がのこぎりの歯状の尖峰の連続からなるためである。山地全体は丹波層群(中/古生界)の堆積岩からできているが,尖峰の連なる部分はすべてチャートからできていて,他の頁岩や砂岩,そして緑色岩類の部分に比べて風化や浸食作用に対して非常に強いため,この部分が削り残されて尖峰群を作り上げている。このような岩質の違いが地形に表われたものを組織地形と呼ぶ。多紀連山はその典型例として重要である。
 この山地の北側は辻村太郎教授によって西が岳断層群と呼ばれた急斜面が東西に続いている。断層は各所に大小のものが見られ,麓の野村断層などには硬いチャートの表面に横ズレ,横方向の動きを示す条痕も見られる。
 北側の急斜面の下,山麓には典型的な麓屑面が発達している。これらも県下の他の麓屑面同様,氷期・間氷期の気候変化と強く結び付いて形成されている。また,この山を構成している岩石のチャートが大きな役割を持っている。チャートは断層などにより細かく破砕されているが,この岩石自身は硬く,風化しにくいため,岩屑となって山麓に堆積し,麓屑面を形成している。その堆積物中の要所,要所には南九州から飛来したATやアカホヤの両火山灰,大山火山からの弥山軽石などの火山灰を挟み,これらの堆積物の堆積時を教えてくれる。

                 (『ひょうごの地形・地質・自然景観 失われつつある貴重な自然』より)

 

国領温泉
古くから諸病効験あらたかとして近在の人々の湯治場であったが,後にラジウム・エマナチオンを含んでいる炭酸泉であることがわかり,訪れる人も増えた。静かな山間のひなびた温泉で裏山一帯のサツキや冬のボタン鍋を愛する人たちが増えている。泉温約15℃,神経痛・リュウマチ・婦人病に効能があるといわれる。
                   
(『丹波森の径 ガイドマップ』より)        

 

三尾山登山口10:50  前三尾中三尾鞍部11:30  前三尾11:35  三尾山山頂12:15〜40  佐仲峠13:00  黒頭峰13:36  第二瓶割峠14:45 瓶割峠15:00  下山15:38


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