滝と岩場と大パノラマ お楽しみポイント満載の高畑山・白岩山(2004.11.21)


  
P・@〜D
P・@〜D

未知のルートへ

例年なら紅葉のきれいなこの時期ですが,今年は,先日の連続台風のために紅葉はあまりきれいではありません。それどころか,山道は倒木がふさがれたり,崩落したり。自然の脅威を実感します。

今日は,MTBではなく歩きの山行きです。山域は,生野町の高畑山と白岩山,およびその周辺の滝巡りです。この山域は,S田さんが何度も足を運んでいるエリアなので,S田さんにとってはまさに庭です。その庭でまだ踏みもみないルートを探そうというのです。さて,どうなることやら。

白綾の滝

市川町から白口峠を越え,白口の集落へ。この集落は,鉱山が盛んなころは,千軒もの家があったそうですが,今では数軒を残すのみ。墓地の墓石の方がにぎやかです。その集落を抜けるとすぐに左手に林道があります。白綾の滝への林道です。この林道もすぐにおしまい。川を渡ったところ(P)で車をとめることにします。まずは,白綾の滝の見物です。

標識に従って川を上ると,正面に落差30mほどの白綾の滝(@)が現れてきます。S田さんによると,以前来た時はもっと水量があったそうですが,今日は水が少なく,迫力に欠けます。それでも,左手の岩壁に祀られた石像などが,日本らしい滝の雰囲気を演出しています。丸太でできた滝見台もありますが,それよりも少し川を下ったあたりから滝を見上げる方が,滝全体がひと目で見えます。さて,これから高畑山に行きましょう。

  
白綾の滝 晩秋の味覚 その1
白綾の滝
晩秋の味覚 その1

高畑山へ

地形図の尾根の破線ルートを登り,827ピークから高畑山に向かいます。滝に沿って破線ルートもあるようですが,そのルートは不明瞭だとか。白綾の滝から少し引き返したあたりから尾根に向かって延びる山道を発見。登りましょう。ところが,この山道が九十九折りの急坂です。いきなりの急登に,汗が噴き出します。でも,MTBを担いでいないだけマシです。急坂を登り終えると,尾根道になります。植林の中の道ですが,まわりのヒノキを見ると,立ち枯れていたり,成長が悪かったりと,手入れが行き届いていないようです。作業道をたどり,尾根を登ると,正面に雑木のヤブが出現。やっぱり…お約束の?ヤブ漕ぎかと思ったものの,ヤブ漕ぎは数mで終了。ちょっと,ガッカリ?

再び植林の中の道を進みますが,このあたりになると,赤いビニールテープや布テープのマーキングがあるので,迷うことはなさそうです。それにしても,こんなルートを歩いた人がいるんですねぇ。地形図にもあるルートとはいえ,高畑山や白岩山に行くのには,もっと他に楽なルートがあるんでしょうにねぇ。人生同様,裏道を歩きたい人はS田さん以外にもいるようです。世間では山登りを人生にたとえたりすることがあるようですが,こういう意味でも人生にたとえることができるんですねぇ。ウ〜ン,山登りはおくが深い!

荒れた植林を見ながら,明瞭な尾根をただただ高みに向かって登ります。展望はほとんどありませんが,高畑山に近づくと唯一の展望ポイントがあります。右手の植林の切れ目からは,段ヶ峰から達磨ヶ峰の高原,その手前の宮の谷ダムも一望できます。さらに尾根を少し登ると,今度は左手に岩場があります。早速,早速寄り道。その岩場の上に立つと,加美アルプスが見えます。こちらもなかなかの大パノラマです。こうなると,高畑山の山頂からの展望に大いに期待がもてます。しかも山頂は間近。GO!GO!GO!

大パノラマの高畑山

最後の急登を登りきると,反射板(高畑山反射板  1984年12月 GL+6m  兵庫県姫路土木事務所  施工 日本無線株式会社)のある高畑山山頂(A)です。反射板は,山頂から少し下にあり,山頂には三角点(三等三角点 点名本谷 983.8)があります。山名プレートもいくつかあり,その中にはMTB登山のO柿さんのものもあります。

’04.7.4(日)くもり 13:00  イザサ〜白岩山登山口〜桧和田山〜引き返し〜現地
風強く,さわやかデス。鹿を沢山見ました。この後,生のと神崎の境を下りマス。

早速,展望台?に登り,大パノラマを楽しみましょう。よじ登って眺めると,まさに360度の大パノラマです。これだけの展望はめったにないでしょう。

  
展望台?から生野高原 高畑山山頂と展望台?
展望台?から生野高原
高畑山山頂と展望台?

岩場の楽しい白岩山

大パノラマを心ゆくまで楽しんだあとは,少し早目のランチタイムです。いつものようにMaxValue弁当にこうどん,食後には定番のコーヒーをいただき,満腹,満腹。ただ,気になるのは,谷から聞こえてくる犬の鳴き声です。おそらく猟犬でしょう。銃声は聞こえてきませんが,猟犬に出会うだけでも怖いがや。

歩き始めると,道はさらに明瞭になっています。S田さんが数年前に登った時は,踏み跡程度のかすかな道しかなくて,ルートハンティングに苦労をしたということですが,今ではガイドブックにも紹介されているためか,遊歩道状態です。テープのマーキングもあちこちにあり,ミスコースをする方が難しいほどです。S田さんにとっては隔世の感ってところかな?それとも,ガイドブックの影響の大きさを実感ってところかな?

981ピークを下りあたりから南斜面には白いプラスチックの筒に保護された苗木が一面に広がっています。まるで,草原に立てた墓標です。プラスチックの中の苗木を見ると,なんとこれが,ほとんど枯れています。これじゃあ,まさに苗木の墓標です。お決まりの?植えっぱなしの植林作業なのでしょう。下を見ると,その植林作業に使ったであろう廃道の林道が斜面を横断しています。見え見えの補助金めあての植林作業の結末。何をかいわんやです。

  
白岩山の岩場にて その1 白岩山の岩場にて その2
白岩山の岩場にて その1
白岩山の岩場にて その2

白岩山手前の小ピークをプチ巻き道でセコく楽をして,巨岩の点在する白岩山(B)へ。ここは巨岩の上からの展望がすばらしい!高畑山の展望台からの大パノラマほどではありませんが,播磨灘が見えたり,市川が見えたりで,高畑山とは違った展望が楽しめます。さほど離れていない二つのピークから,それぞれ違った展望が楽しめるなんて,WonderfulWorldです。すっかり気分をよくして,二人して写真を撮りまくり。でも,この展望って,とても写真では表せないですよね。

  
白岩山の岩場から見る播磨灘 白岩山山頂
白岩山の岩場から見る播磨灘
白岩山山頂

白い墓標

さて,これからが少し問題です。まずは,白岩山から少し下り,先ほどの植林作業用の林道をたどって,981ピーク南東の鞍部に向かいます。林道は,ススキにおおわれ,とても車が通れる道ではありません。しかも,ところどころ,崩落していたり,落石があったり。歩きには問題なしですが,MTBは乗れないだろうなぁ。途中で,白岩山への登山道の標識があります。以前は,この林道を使って白岩山に登っていたのでしょう。今では,別の林道ができたので,そちらがメインルートになっているようです。

林道のヘアピンカーブ地点からは,林道を離れ,プラスチックの墓標帯を横切ります。このあたりの苗木もプラスチックの筒の中で枯れてしまっています。これって,いったい…なんだかなぁ。墓標を横切り,植林に入ると,尾根に沿って,鹿除けネットが張り巡らされています。強行突破してもいいのですが,鞍部まで行くとゲートがあるかもしれないので,鞍部まで行ってみましょう。ところが,これがもう大変。鞍部付近(C)では,ネットに絡まった鹿の残骸が。ほとんど朽ちていますが,頭だけは角が残り,毛も少し残っています。あたりには強烈な異臭が漂っています。オェ〜!でも,その鹿のおかげでネットは破られ,通れるようになっています。鹿は死して,ルートを残す。合掌!

  
白い墓標地帯 晩秋の味覚 その2
白い墓標地帯
晩秋の味覚 その2

無名の滝へ

この鞍部からは,S田さんが何年か前に通ったルートを逆に進むことになります。地形図では,破線ルートがこの鞍部で終わっているようですが,我々が進むのは破線ルートのない方。つまり,北に向かって671地点に下るルートです。S田さんは,植林の中を見ると,「この道!」だって。それが道なら,このあたり一帯,道だらけですから〜!

獣道のような,作業道のような,はたまた踏み跡のような道をたどり,徐々に高度を下げていきます。右手の谷からは沢の水音が聞こえますが,まだまだ谷は下の方です。小さな谷を越え,尾根を過ぎ,それらしい尾根を探しますが,なんたってS田さんがここに来たのは数年前。その時の記憶は,もうすっかり忘却の彼方です。しかも,下りなので,尾根がわかりにくい。さらには,先日の連続台風で倒木も多く,山道がふさがれてしまっています。もう,こうなれば,2万5千分の1の地形図でなにがなんだか。頼れるのは,我々の野生のカンのみ。でも,実はこれが一番正確だったりして。

それらしい尾根をなんかすることに。しばらく下ると,尾根に道が現れてきます。この尾根を登ったのかなぁとS田さん。まぁいいんじゃない,谷に下れれば。急な尾根ですが,九十九折りになった山道は楽チンです。そして,運良く谷に降下。谷には,看板(愛林防火 大昭和製紙)が立っています。S田さんお薦めのポイントは,この上流です。少し登った地点(D)に滝があります。しかも,左右に2本。正面の滝は三段になっています。左手の斜面から流れ落ちる滝は細いものの落差10mほど?の直瀑です。地形図に表示されておらず,滝の名前を表す標示もありません。つまり,滝として認識されていないのでしょうが,どちらも立派な滝です。とりあえずは,正面の滝は「三段滝」。左手の滝は「布引の滝」ということにしておきましょう。

  
布引の滝 三段滝
布引の滝
三段滝

滝見物を終え,あとは谷に沿って下るだけです。谷道から林道へ。いったい何のための林道かわかりませんが,かなり道幅は広く,できた当時は,たくさんの車が走っていたのでしょう。それが,今では荒れ放題。路面は雨水でえぐられ,上の斜面からは土砂が崩れ落ち,谷には倒木が何本も落ちています。荒涼とした風景です。何をかいわんやです。

ついでにもう一つ

林道の荒れた路面に足を取られながら,歩くこと40分で駐車ポイント(P)へ。やれやれです。今日は,滝も見たし,大パノラマも見たし,岩にも登ったし,楽しかったなぁ。でも,S田さんによると,まだ滝はありまっせ。白口の集落から少し下ったあたりに乙女滝があります。車道からも見えますが,それではあまり迫力がありません。あたりをうろうろしていると,S田さんが滝の落ち口へ下る道を発見。早速,行ってみましょう。川に下りると,滝の落ち口が見えます。車道から見たほどの落差はなく,迫力はイマイチです。滝つぼに近づくと,少しは迫力があるかな?本日,3本目の滝見物ということになりました。メデタシ,メデタシ。

  
乙女滝
乙女滝

 

駐車ポイント9:27  白綾の滝9:34  高畑山11:14〜12:05  白岩山12:4013:05  鞍部13:47  滝14:18  駐車ポイント15:05


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