なんでこうなるのっ?! 点名上牧谷(2004.11.28)


  
P・@〜F
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乗れるかな?

昨年,南にある雨ヶ岳からの縦走の際に,S田さんと狙いをつけていた北の山塊を縦走することにします。地形図では,西端の峠から尾根を東に進むと,下り基調でMTBの乗車率が高くなりそう。昨年の雨ヶ岳の再現を目論んでwithMTBで行きましょう。

今回は,いつものS田さんの他に,K山さんとY永さんが久しぶりに同行してくださるとか。ただ,せっかく来ていただいても,いつもMTBの乗車率が高いとは限らないので,外れだったら笑って許してチョンマゲ。道の駅山崎で合流し,MTBで出発です。

温泉を過ぎ,右手に長水山からのなだらかな稜線が下っています。あの稜線は,MTB乗り乗りだったなぁ。雨ヶ岳からも乗り乗りだったなぁ。とすれば,今日行く予定の最上山への稜線も乗り乗りのハズ!?気分よく,車道を進みます。車も少なく,のんびりサイクリングです。

ここもクマ出没!

送電線鉄塔の建っている鞍部が見えると,集落を抜け,谷を目指します。ここで,S田さんが第一村人にインタビューです。この先の峠の名前は「九鬼峠」というそうです。ただ,このあたりもクマが頻繁に出没し,庭の柿も食べ尽くされてしまったとか。ギョエ〜!クマが出る!と口ではビビっていますが,まさかクマなんて出ないわなぁと相変わらずのお気楽モード。それに,4人もいるんだから,4対1で何とかなるんじゃあないの?最悪,誰かが犠牲になればその間に他の3人が逃げれるとか?そんな不埒なことを考えながら,谷に向かいます。ところで,先ほどの第一村人がくれたミカンですが,あれって餞別?

林道には倒木はなく,MTB乗り乗りです。ただ,左手の谷を見ると,倒木で埋め尽くされています。あんなに倒木があったんじゃあ,歩くことすらできません。まさか,尾根もあんなふうにはなっていないでしょう。あくまでもお気楽モードです。

林道を登りきると,汗がにじんできます。林道の終点からは,山道が谷に沿って延びています。ところが,その山道を倒木が…!早速の倒木地獄?ふと,脇を見ると,クマかイノシシかを捕獲する鉄のオリがあります。扉は閉まっているので,使われてはいないようです。しばし,オリの見学。扉が落ちるのはこういう仕掛けかぁ。エサはここにぶら下げるんや。チョット入ってみよかぁ。当然のように?記念撮影です。

クマより手強い倒木

では,倒木を越えて山道を進みましょう。何ヶ所かは倒木がありますが,思ったほどのことはなく,谷道を進みます。右手に曲がる地点で左手から谷が見えています。九鬼峠に行くには,左手の谷を行かなければなりません。この谷にも踏み跡があり,新しい靴跡?もあります。おやまぁ,こんなところを歩く人がいるんかいなぁと,自分たちのことを棚に挙げて,感心してしまいます。

谷の入口は狭かったものの,登るにしたがって谷は広がり,道は峠道らしくなってきます。あたりは植林で薄暗いものの,昔の峠道の雰囲気が感じられます。そして,峠(@)。峠の手前には,お地蔵さんを祀った祠があります。お地蔵さんは,時期柄,顔にタオルのほおかぶりをしてもらっています。ついでなので,ヘルメットとサングラスでMTB風味も加えましょう。

さて,ここからです。峠には,送電線の「火の用心」がありますが,巡視路は,西のピークへと尾根を巻いて南へと延びています。どちらも東の尾根に出るわけではなさそうなので,ここは目の前の急斜面を直登することにします。幸い,ヤブはなく,倒木がところどころにあるだけです。上の方は,植林が切り開かれています。急ですが,歩くのには何ら支障なし。では,GO!

  
九鬼峠のお地蔵さん MTBで快走?!
九鬼峠のお地蔵さん
MTBで快走?!

後悔先に立たず?

当たり前のことですが,MTBを肩に急斜面を登るとシンドイ!ウインドブレーカーはすでに脱ぎ,半そでポロシャツの夏バージョンです。それでも,汗は出る,息はハァハァ,体の芯からポッカポカ。こんな状況に不慣れなK山さんとY永さんは,悪戦苦闘。♪振りかえらずただ一人一歩ずつ 振りかえらず泣かないで歩くんだ♪「こんなことなら,来るんじゃなかった!」と思ってたりして。でも,後悔先に立たず。覆水盆に返らず。It's no use crying over spilt milk.嗚呼,無情。

時期外れの大汗をかきながら,ようやく尾根へ。この尾根からはなだらかな尾根道があるハズですが…。踏み跡程度の尾根道はありますが,雑木にさえぎられ,とてもMTBに乗ることはできません。乗るどころか,担ぐのにも一苦労。枝が引っかかる,ノイバラがイテテテテェ,時には踏み跡がなくなってしまう。こりゃあ,いつものパターンダギャ。初っ端からこれじゃあ,後が思いやられますなぁ。しかも,本日のゲストのK山さんとY永さんは,先ほどの急登に続いてのプチヤブ漕ぎ。♪振りかえらずただ一人一歩ずつ 振りかえらず泣かないで歩くんだ♪これじゃあ,後悔どころか,怒髪天を衝くかも?

それでも雑木の間が空いていれば,高低差はほとんどないので,MTBで乗り乗りです。といっても,実は数十mだったりしますが。それでも不思議なもので,わずかでもMTBに乗れると気分爽快です。落ちた枝を踏みつけ,下草をかき分け,強引にMTBで下ると,そこは鞍部。その鞍部には,石碑が立っています。「播磨国一宮 伊和神社御用林」その石碑の脇から北を見ると,長水山が望めます。本日初めての展望ポイントです。

  
長水山を見る 石碑
長水山を見る
石碑

一息ついたところで,縦走の再開です。目の前には何本もの倒木が立ちはだかっています。もちろん,こんなことでひるんではいけません。倒木なら,乗り越えるだけ。♪振りかえらずただ一人一歩ずつ 振りかえらず泣かないで歩くんだ♪とは言ったものの,MTBを担いでの倒木越えはなかなかつらいものがあります。しかも,倒木のあとは,またもや登り。ところが,このあたりは,植林も切れ,雑木林の開放的な尾根です。木々の間からは,南に雨ヶ岳から稜線が。北には長水山からの稜線が。どちらもMTBで乗り乗りだったよなぁ。

展望のいい雑木林に気を取り直し,小ピーク(B)へ。少し早目ですが,日当たりのいいこのピークで,ランチタイムとしましょう。足元を見ると,まだ新しいミカンの皮。はし袋も落ちています。我々同様,このピークにハイキングに来た人がいるのでしょうか?それとも山仕事?それともクマの仕業?そういえば,クマのことをすっかり忘れてた!

初冬の日をいっぱいに浴びながら,四者四様のランチです。でも,最後は皆さん,温かいコーヒーで〆。やっぱり,山で飲むコーヒーはおいしい!お腹はいっぱい,身体はクールダウン。気分もリフレッシュしたところで,縦走の再開です。

  
ランチタイムの後の快走!
ランチタイムの後の快走

倒木の海!

まずは,MTBで雑木林スラローム!これはおもろい!だけど,短い!アッという間に乗車不能に。だって,目の前が倒木だらけですから〜!残念!なんて言ってる場合ではありません。これまでの人生で初めて見るスケールの倒木です。根っこからなぎ倒された大木。途中から折れている巨木。それらのまわりの雑木だって,まさに将棋倒し!撮った写真を横にしてみると,密生した植林のようにしか見えません。ふもとから見えていた倒木って,これだったのかぁ。

はるか彼方まで続く倒木群に唖然とする4人。でも,これを越えなきゃあ,三角点ピークにはたどり着けません。意を決して,進むどォ〜!MTBを肩に,大木をよじ登ったり,くぐったり。倒れた大木とはいえ,大木の上に登るとけっこうな高さで,ちとヤバイ。バランスに気をつけながら,大木渡り。

  
倒木地帯 その1 倒木地帯 その2
倒木地帯 その1
倒木地帯 その2

倒木のち急斜面

どうにか鞍部(C)に着くと,今度はピークに向かっても倒木があります。こうなったら,尾根の下から倒木の少ない個所を越え,ピークを巻きましょう。ところが,遠くから見ているのと,近くで見るのとでは大違い。倒木はさらに密度を増し,まるで貯木場状態。その倒木を一つ,一つとクリアし,ようやく倒木地帯を脱出。急斜面をトラバースし,ピークを巻こうという目論見ですが,鞍部を見るとこれまた倒木の山。こうなれば,ピークを巻くなんてことじゃなく,倒木を巻くのが先決です。急斜面であろうが,倒木よりはマシです。ズルズル滑る足元に気をつけながら,急斜面を登ります。

急斜面をどうにか登りきると,正面には倒木で覆い尽くされた尾根が見えています。その向こうには三角点ピークがあるハズですが,それは見えません。さて,これからです。まず,倒木地帯を避けて尾根の右手にある植林帯の中を進みましょう。ところが,ここも大変。急斜面のうえに,足元がズルズルと滑る。しかも,MTBを担いでいるので,バランスがとりづらい。そして,ところどころ,倒木もあり。思いっきり汗をかきながら,ようやく尾根へ。案の定,尾根は倒木だらけ。しかたがないので,倒木を避けて尾根から少し下がりましょう。ところが,ここも急斜面の植林帯。下草はありませんが,足元の斜面が崩れて滑りやすい。蹴飛ばした石が斜面のはるか下まで転がっていった。

このまま,三角点ピークの南を巻こうということになり,植林の中のトラバースが続きます。崩れやすい足元に気をつけながら進みます。先ほどから,右下がりの急斜面を歩いているので,右足の外側と左足の内側が痛い。薄暗い植林の中は,行けども行けども,同じような光景が続きます。しかも,ピークを巻くと現在地がわかりにくくなります。慎重に歩を進め,尾根を確認します。正面の雑木林の向うの尾根が要チェックです。先行のS田さんから「道や〜!」の叫び声。やはり尾根道があるんだ。

お約束の三角点へ

大喜びで尾根(D)へ。なるほど,MTBで乗って下れるほどの山道が続いています。このまま尾根を下ってしまってもいいのですが,三角点も気になります。歩きで行ってみましょう。急な尾根を少し登ると,植林に囲まれた山頂があります。この山頂もやはり倒木だらけ。三角点なんて,どこへやら。しばらく探すものの,見つからず。S田さんたちは先に下ってしまいましたが,三角点を見逃すなんてシャクなので,もう少し探すことにします。地形図を見直すと,山頂の北東に三角点がありそうです。ということは,山頂から少し先。倒木を越え,それらしいポイントへ。倒木の間を探していると,発見!倒木に挟まれて,三角点(三等三角点 点名上牧谷 512.2)(E)がはっきりと見えています。でも,上部は何かで削れたようになっています。倒木で削れたのでしょうか。

  
倒木の三角点ピーク 三角点 点名上牧谷
倒木の三角点ピーク
三角点 点名上牧谷

極楽尾根道!?

三角点をゲットし,MTBのデポ地点へ。さて,これからはMTBの出番です。雑木林の中の尾根道を奇声を上げて下ります。もう,一本松までの縦走なんて頭にこれっぽっちもありません。あるのは,目の前の極楽尾根道だけです。ところがこの尾根道,ただの尾根道とは違って,しっかりと掘られ,まるで峠道です。ただ,ここも台風の影響でしょうか,倒木や枝,落ち葉があり,なかなかMTBの乗車率が上がりません。それでも,乗れるだけマシ,倒木越えをしないだけマシ,急斜面のトラバースをしないだけマシ,というので4人とも大喜び。これだから,MTBはやめられまシェ〜ン!

  
MTBで下るどォ〜! その1 MTBで下るどォ〜! その2
MTBで下るどォ〜! その1
MTBで下るどォ〜! その2
  
MTBで下るどォ〜! その3 MTBで下るどォ〜! その4
MTBで下るどォ〜! その3
MTBで下るどォ〜! その4

時おり消える尾根道をたどりながら,MTBで乗ったり押したり。左の谷に下るようになると,植林の下からは,小学校で遊ぶ子どもたちの声が聞こえてきます。最後は,MTBで下りきり,菅野小学校の横(F)へ。正面には雨ヶ岳からの稜線が見えています。あ〜あ,山って,見ると登るとでは大違いやなぁ。予定ルートの1/3ぐらいしか行ってません。残念!

あとは,車道を走って道の駅に帰るだけです。でも,その時でも「あのピークからはなだらかやなぁ」「あの三角点さえ越えれば,あとは極楽ちゃうかぁ」「一本松から西に逆走すればええんちゃう?」と,まだまだ懲りない会話です。

 

九鬼峠10:28  石柱11:15  ランチタイム11:45〜12:15  倒木帯12:25〜12:50  三角点14:22  下山15:05


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