陽だまり岩尾根ハイク その2 七種薬師峯(2004.12.30)


  
P・@〜G
P・@〜G

年末恒例の山歩き

幸いにもこの山塊は,まったく無名の低山の集合である。そのくせ誰でもが簡単に登れる山ではない。乱立する尖峯群,尖峯をつなぐ山稜は鎌尾根の急峻。スカイラインなどはつけようもない。従って,大手観光,宅造業者に狙われる心配もなく,姫路,神戸からの至近距離にありながら,その自然は安泰の時を刻み続けているのである。
                      
 ( 『兵庫の山やま 総集編』 多田繁次 )

年末恒例の大晦日登山は雨が予想されるので,日にちを一日早めて今日を登り納めとします。そして,これまた年末恒例のゲスト=ダメちゃんの登場です。昨年は,雨のために和気アルプスを断念。その前年には,加古川の最高峰高山で猛烈なヤブ漕ぎ。過去2回ともろくでもない山歩きになってしまっています。今年こそは,一年を締めくくるにふさわしい山歩きをしたいものです。

今回もS田さんお薦めの岩尾根コースです。七種薬師峯を頂点にしてグルッと周回です。途中には岩場が何ケ所もあり,当然展望もいいとか。しかも,先日の数曽寺山塊同様,南向きの斜面なので日当たりも良さそう。日向ぼっこをしながらハイキングです。…という予定ですが,さてどうなることやら。

強烈な臭いが…

ダメちゃんと夢前町役場で合流。ふもとの三枝草の宝積院(P)に車をとめます。外に出ると,何やら香ってきます。S田さんによると,この先には大規模な養鶏場と牛舎があるとか。なるほど,鶏と牛のWの効果かぁ。鶏は来年の干支でもあるので,縁起物っちゅうことでガマン,ガマン。

北に入る谷をどんどん進みます。やがて,養鶏場が近づき,フンの処理をする施設からは湯気が立ち上っています。発酵したフンが高温になり水蒸気を出しているのでしょう。左手の建物からは,何万羽もの鶏の鳴き声が聞こえてきます。道路は,昨夜の冷え込みのために凍っています。もし,ここでこけると,今日一日中養鶏場状態です。危険!

右に左に養鶏場やその関連施設を眺めながら北に進みます。ダメちゃんは,現れてくる鳥の名前を片っ端から判定しています。その数が多いので,ダメちゃん曰く「ここは野鳥観察の穴場かも…」だって。でも,いくら穴場でもねぇ…。

養鶏場から牛舎に変わると,様子は少しちがってきます。囲いで覆われた養鶏場とは違い,柵だけの牛舎は牛たちがよく見えます。ただ,この牛たちは狭いところに入れられっぱなしのようです。しかも,足元はひざまでめり込むような泥土。ここの牛たちは,牧場のような広いところで草を食むってことはないでしょうか。

地獄鎌尾根へ急登

道は牛舎を離れ,林の中へ。ようやく,山道らしくなってきますが,すぐに明王池の堰堤へ。標示によると,薬師峯へは,この堰堤の向こうの尾根を登るようになっているようです。このコースが地獄鎌尾根コースとか。すごい名前です。

堰堤を過ぎ,尾根(@)に取り付くと,いきなりの急登です。しかも,倒木があちこちにあり,登山道をふさいだり,崩壊したりしています。さらには,運の悪いことに,昨日の冷え込みであたりには雪がうっすらと残っています。しんどいわ,滑るわ,ぬれるわ。やはり,我々の年末登山は鬼門なのでしょうか。

  
明王池に映る十字峯 地獄鎌尾根への急登
明王池に映る十字峯
地獄鎌尾根への急登

しかし!ここでさらなる不運が!倒木を飛び越えようとした瞬間,ガ〜ン!頭上にあった枝に思いっきり頭突きをかましてしまいました。ふつうなら頭が痛いはずですが,頭上の枝にはまったく気づかなかったので不意打ちのようになり,首が痛い!これって,首の捻挫?いわゆる「むちうち症」ってのかな?ホンマに年末登山はろくなことがないガヤ。鬼門だギャ。1週間たってもまんだ痛いガヤ。ホンマ,どうしてくれようまぁ。

痛い首をさすりながら,急登を続けます。やがて,傾斜は緩くなり,尾根らしい地点へ。ロープが張られ,案内のプレート(村田牧場へ(明王池) 300mあと10分→)もかかっています。どうやらこの山域にも愛好会があるようです。そのおかげで快適にハイキングができるのですから,感謝しなきゃあねぇ。

地獄鎌尾根はまだ先のようです。しばらくは,疎林のシダ道を進みます。ところが,このシダがまたもや厄介です。雪で濡れているので,シダ道を進むと,ズボンのすそが濡れてしまいます。しかも,葉っぱなどが靴の中に入るし。ホントに何でこんな植物が生息しているのねぇ。太古の昔から生き延びずに,恐竜とともに滅亡してくれてたらこんなことにはならんのになぁと,世界の中心で我がままを叫ぶ。

木立の間から西を見ると,明神山,その手前にはこれから行く予定の西尾根が見えています。その途中に,何やら岩場が。しかも,よく見るとゴリラの横顔のようです。S田さん曰く「ゴリラ岩」だって。地元出身のDr.O加茂は子どものころ,そう呼んでいたそうで す。ゴリラのようにも見え,竜のようにも見え,はたまた伝説の男ガッツのようにも見え。帰りが楽しみです。

  
明神山をバックにゴリラ岩 地獄鎌尾根その1
明神山をバックにゴリラ岩
地獄鎌尾根その1

待望の地獄鎌尾根へ

やがて,ゴリラ岩が後ろ姿に変わると,行く手が開けてきます。お待ちかねの地獄鎌尾根(A)です。板状の摂理になった岩があちこちに露出し,好展望を提供してくれます。狭い尾根なので,あまりはしゃぎ過ぎると転落するので要注意です。これからは,慎重にはしゃがなければいけません。

ふり返ると,村田牧場やその手前の明王池も見え,東には薬師峯から南に続く稜線が一望できます。あの稜線の最低鞍部が板坂峠のようです。あの峠に至る山道が県道とはビックリです。でも,瓶割峠のような道路標示まではないんでしょうねぇ。県道って,県が管理する道路ってことなんでしょうが,指定の基準は何なのでしょう。まだまだ,日本にはナゾが多い。

岩場で写真を撮りながら進むと,今度はキレット状に切れ落ちた地点へ。もちろん,歩くにはまったく問題はありません。キレットからの登り返しは,岩壁です。ルートはその岩壁を巻くように付けられていますが,ここはその岩壁を登るのが正規ルートでしょう。傾斜もそれほどではなく,乾いた岩場はグリップが良いので,滑りやすい土の山道を歩くよりも安全といえます。

岩壁を越えると,またもや岩壁。その右手にはスパッと切れ落ちた岩壁。覗くと,岩壁は途中でえぐれているのでスリルは倍増。こりゃあ,パフォーマンスをかますと転落必至だなぁ。慎重に,慎重に,とはいえふつうに歩くにはまったく問題はないんだけどネ。

  
鉄平石 地獄鎌尾根その2
鉄平石
地獄鎌尾根その2

目の前の岩壁を登り出すと,その岩のもろいこと。板状の摂理になった岩盤からは,手のひらほどの大きさの岩がボロボロ取れます。Dr.O加茂は,幼少の頃にここでこの岩をフ リスビー代わりに飛ばして遊んでいたとか。そして,このあたりの岩場は「赤岩」と呼んでいたそうな。それが今は「地獄鎌尾根」 時代が変われば呼び名も変わる?ちなみに,この板状に摂理した石は,鉄平石と呼ばれ,タイル代わりに敷石や壁の装飾に使われていたそうです。

ある地点では水成岩のような青白色の,まるでカキモチを束ねて積み上げたような奇妙な摂理の岩崖が現われた。堅くてもろそうで不安定な逆層で,いまにも崩れそうで,いや一部はすでに崩れかかって谷川の急斜面にへばりついているのである。その風変わりな岩崖を前景として,背後に望む頂稜から本谷めがけて落ちこむ中央稜との間の急斜面。それを薬師のカールと見たてて私は胸をふくらませる。   (『前掲書』)

岩壁を登りきり,ふり返ると,これまで歩いてきたなだらかな稜線が一望でき,その向こうには三枝草の集落,さらにその向こうには姫路の臨海工業地帯。そのずっと向こうには家島の浮かぶ播磨灘が冬の日を受けて銀色に輝いています。東を見ると,淡路島,その手前には明石海峡大橋も見えています。やっぱり,岩場は展望が良いねぇ。

岩場を離れると,まったく木立の中の道となります。薄暗い山道を登ると,兵庫登山会のプレートがあります。そこには,すぐ上の十字峰,東の薬師峯,西の西尾根ルートなどの略図が書かれています。プレートに従って東へ。植林の中を下りルートですが,S田さんは以前,このルートでMTBで走ったとか。なんとまぁ…,あの時君は〜若かった〜?

  
十字峰手前のプレート 播磨灘に浮かぶ西島
十字峰手前のプレート
播磨灘に浮かぶ西島

植林の中は,ご多分にもれず,倒木が目立ちます。根こそぎ倒れた木もあり,斜面が崩落しています。これらの倒木が朽ちて,再び元の状態に戻るにはどれほどの年月を要するものなのでしょう。でもそんなことは杞憂に終わるかもしれません。倒木が朽ちる前に,我々が朽ちてしまったりして。有り得ることだけに…嗚呼,無情。

薬師峯山頂

何度も現われる小ピークにだまされながらも,ようやく薬師峯山頂(C)へ。ここには三角点(二等三角点 点名薬師峯 616.2)もあり,一段下がった平地には山名の由来となった薬師如来像が祀られています。展望は,北側に少しありますが,他の方向は梢越しの見にくい眺めです。ちょっと残念!

  
薬師峯山頂 薬師峰山頂の薬師如来像
薬師峯山頂
薬師峰山頂の薬師如来像

一度,二度,三度登ってはじめてこの山の真髄にふれることができた。標高わずか616m。七種山塊の一角で峨々として孤高を連ねる山頂の,薬師の祠にシキミの供花が絶えない厳粛さと,その登り下りの峻険さに比例する展望のよさが,この無名の低山をして,また登りたい山,忘れ得ぬ山としての印象を私の胸深く刻みつけたのである。  ( 『前掲書』 )

展望はあきらめ,日だまりを探して,ランチタイムです。30年前,多田繁次さんも昼食を摂った祠前のテラスで,こうどんとお弁当,もちろん食後には熱々のコーヒーもいただきます。アルピニストのダメちゃんもうどんを食しています。「やっぱり,うどんは関西やねぇ」だって。関東に転勤して何年もたつというのに,濃い口醤油でできたうどんにはなじめないとか。「濃い口醤油はそばには合うんだけどね」そんなもんかなぁ。関西しか知らないボクには意味とろろ,訳ワカメ。でも,名古屋は味噌煮込みうどんだデヨ。

西尾根へ

おなかがいっぱいになったところで,縦走の再開です。まずは,十字峰まで引き返しましょう。急な斜面を下ると,北風が一吹き。S田さんと異口同音に「さっぶぅ〜!」どれだけ寒さに弱いネン!って感じです。でも,ゲストのダメちゃんは,逆に暑がりなので,さっきの北風は「きっもちイイィ〜!」でしょう。

木立の間からは,南の展望が開けています。キラキラと銀色に光る播磨灘に浮かぶ家島群島。手前の臨海工業地帯の煙突群もよく見えます。山から海が見えるというのがいい感じです。西を見ると,地獄鎌尾根の切り立った岩壁が見え,実際に歩いたよりもスリルが感じられます。倒木を越え,枝を払い,十字峰手前へ。少し登って十字峰(B)。薬師峯山頂と同じように,ここにも愛好会のきれいな地図がかかっています。

さて,これからはサブルートである西尾根へ向かいましょう。メインルートほどの道ではありませんが,踏み跡ははっきりしているので大丈夫。急な下りを下ると,あとはなだらかな尾根道です。木々の間からは,村田牧場の牧舎と明王池が見えます。これから行く予定の西尾根は意外なほどに低く感じられます。

一つ目のピーク(D)を過ぎると,南に向きを変えて急な下りを下ります。途中の岩場からは,東に地獄鎌尾根が見えますが,こちらからは岩壁がほとんど見えず,雑木におおわれた平凡な尾根にしか見えません。ふり返ると,先ほどまで歩いた尾根道から岩だらけの小さな尾根が派生しています。短いながらもその勾配といい,スリル満点です。あの尾根も歩けるのでしょうか。

  
西尾根の岩場 アンテナのある三角点ピーク
西尾根の岩場
アンテナのある三角点ピーク

西尾根ルートは,ほとんど雑木に囲まれた尾根道ですが,所々に岩場があり,それが単調な尾根道のアクセントになり,ビューポイントにもなっています。地獄鎌尾根のようなスリルに富んだルートではありませんが,これはこれで楽しめます。そして,登り返すと,アンテナの立っている三角点ピーク(四等三角点 点名岩ケ谷 335.0)です。西には,冬の日の光をいっぱいに浴びた明神山が,独特のピークを鋭く天に突き上げています。行く手には,ゴリラ岩の後頭部にあたる雑木におおわれたピークも見えています。

今日のルートは,ほとんどの所で展望が開けているうえに,標識やマーキングのテープもたくさんあったので,まったく地図を見ていません。地図を見る必要もありません。地図読みという点では,まったくおもしろくないルートといえるでしょう。でも,愛好会のおかげでこうやって地図も見ずに気楽に山歩きができるのです。たまにはこんな山行きも有りかな?

ゴリラ岩も楽しい

三角点ピークからゴリラ岩はすぐです。なだらかな尾根を数分歩くと,いきなり切れ落ちた岩崖(E)へ出ます。高さは5mほどかな?とても飛び降りることはできません。以前,S田さんは初めてここに来た時は,巻き道がなく,引き返して西の「塩売り戻し」とやらに下ったそうです。その尾根を見ると,これまた見事な岩尾根です。ですが,時代の進歩はすさまじく,今では左手に巻き道が設けられています。これも愛好会の手によるものなのでしょう。感謝,感謝です。

倒木で一部崩落している巻き道を降りると,ゴリラ岩の目の下あたりに出ます。鼻にあたるところに,イボのような岩がポコンととび出しています。ふり返ると,ゴリラの目にあたる上,つまり眉毛あたりの岩崖の上部にS田さんとダメちゃんが立っています。崖の途中にぶら下がると,目玉になっていいのになぁ。

  
ゴリラ岩の目のあたり ゴリラ岩の鼻
ゴリラ岩の目のあたり
ゴリラ岩の鼻

岩崖の下の方には,新しい石像が祀られています。いったい,誰が何のためにこんなものを置くのでしょうかねぇ。ゴリラを祀っているとか?そういえば,ゴリラって絶滅危惧種で,アフリカにもあまり棲息していないそうです。ゴリラはいないけど,ゴリラに似た人間は時々見るよなぁ。

やっぱり宝積院へ

ゴリラ岩でしばしの休憩のあと,目指すは鉄塔?S田さんは「宝積院まで行くドォ〜!」といつになく口は元気です。ダメちゃんは,黙して語らず。もうゴリラ岩を見たから,あとはどうでもええガヤ。すぐ先の下山路から下ってもええけど。ところが,このあと,ある出来事で考えが急変。

ゴリラ岩をあとに,順調に尾根道を進みます。小さなアップダウンはあるものの,問題なし。雑木の中の尾根道は,あまり展望がいいとはいえませんが,ときおり木立の間から明神山などを見ることができます。左手に村田牧場が見え,下山ルートが近づいてきた時,緊急事態が発生!それまでと風向きが変わったのか,いきなり牧場の強烈な匂い!そうや!このまま下山すると,またあの牧場の中を通らなアカンのや!ここで考えを急変。S田さんの計画通り南の宝積院にまで行きましょう。

下山ルートを示すプレート(←村田牧場へ(明王池) あと10分少し,ガンバレ)があり,ロープがありますが,かまわず直進。尾根には踏み跡があるので,大丈夫でしょう。雑木林を抜け,小さな岩場を過ぎ,倒木を越え,小さなアップダウンを繰り返しながら,しだいに高度を下げていきます。そして,鉄塔に近づくと「火の用心」があり,よく整備された巡視路に出ます。少し登り返して鉄塔(F)です。見ると播磨線bW6とあります。先日登った数曽寺にあった鉄塔とつながっているということです。

鉄塔から登ると最終のピーク(G)です。山頂付近を見ると,段になっているので,曲輪跡かも。ということは,このピークに山城があったのかも。地理的にも,尾根の南端に位置し,見晴らしがいいはずです。今は雑木に囲まれているので,さほど展望はよくありませんが,雑木がなければ山城を建てるのには好都合の地形です。

  
下山地点にある石像
下山地点にある石像

このあたりで,ふもとから見えていた大岩への寄り道を目論みますが,位置をはっきりと特定していなかったので,結局はわからず。やむなく,宝積院を目指します。ピークを少し下ったあたりで,はっきりとした分岐がありますが,そこは左手へ。植林に入ると,倒木のために山道がわからなくなっています。以前,S田さんが来た時にはきれいな山道あったそうですが,今は不明瞭です。ヤブを少し漕いで,植林へ。結局,植林の中を下ればよかっただけかも。そして,祠へ。すぐ下には西国三十三カ所の石像があったりして,もう宝積院の敷地です。とは,西国三十三カ所の参道を下りきり,宝積院の境内へ。鐘撞堂もあり,境内はお正月を迎える準備が整えられています。そういえば,明日は大晦日だったんだぁ。

 

明王池 9:53    地獄鎌尾根 10:35   十字峰分岐点 11:31   七種薬師峰 11:50〜12:40   三角点ピーク 13:56    ゴリラ岩 14:08    高圧線鉄塔 14:57    宝積院15:42


「山と自転車」にもどる

ホームページにもどる


女の子お絵かき掲示板ナスカウィルダイレクトiPhone修理池袋 ブラジリアンワックス無料の同人誌アップローダ