温故知山 加古川の里山徘徊 その2 (2005.1.16)


  
P・@〜F
P・@〜F

今日は歩きで

年明けの2度のMTBで痛い目にあい,今回は歩きで山行きです。しかも,県北中部は雪模様ということで,今回も近場の低山です。山域は,平荘湖周辺の里山です。最高地点の飯盛山でも標高は216mほどの超低山ですが,加古川の街が一望できたり,平荘湖を見ながらの周回は楽しいものです。

今回のルートは,別々には歩いたことやMTBで走ったことはありますが,今回のような周回ルートというのは初めてです。特に飯盛山から洞貝山にかけては,行ったことがないので楽しみです。ただ,平荘湖の南にある升田山は,何年か前に行った時はヤブっぽかったのでどうなることやら。

低山ながらも大パノラマ

S田さんとともに,ウエルネスパークの駐車場(P)へ。車をとめて,周辺案内地図を見ると,ナント!升田山にも遊歩道があるようです。おやまぁ?!そんなことならMTBを持ってくるんやったなぁと,懲りないことを考えてしまいます。今年も学習能力がありません。

準備を終え,平荘湖の周回道路へ。すぐに右手に山道があります。ピークの鉄塔に向かいようです。小さなピークですが,周回ということであれば,登らなきゃあいけません。早速山道へ。ところがすぐにお墓になってしまいます。それでも見ると,山道は先に進んでいるので,行ってみましょう。歩きには何の支障もない山道を登りきると,鉄塔(@)です。ここからは,西に高御位山,南に加古川の街などが見えています。ただ,風をさえぎるものがないので,寒いこと寒いこと。寒さに弱い二人は,急いで下山にとりかかります。

道らしい道はありませんが,岩場なのでどこでも歩けます。南の堰堤に向かって適当に下ると,右手の別荘風の建物。よく見ると,窓が少なく,ふつうの家とはちがった造りになっています。しかもさほど広くないので,生活するにはちょっと不便かな。この建物はいったい…。

  
平荘湖と升田山
平荘湖と升田山

遊歩道完備の升田山

堰堤を過ぎると,升田山への標識があります。こんな標識があるぐらいなら,道もきっとはっきりしているのでしょう。なら,やっぱMTBを持ってきとけばなぁと懲りないことを。上りは急ですが,道がはっきりしているので楽チンです。しかも,標高の低い山なので上る距離は短いハズ。

お気楽に登っていると,もうピークです。このピークからはアップダウンの少ない尾根道になります。道ははっきりしているうえに,両側からの枝の張り出しも少ないので,この道を利用する人は少なくないのでしょう。道のあちこちに古墳の案内板があります。残念なことには,はっきりとした石室はなく,もちろん石棺もありません。古墳だったといわれても…。

升田山古墳
この古墳は,古墳時代後期(6・7世紀,今から約1470〜1270年以前)の古墳(円墳)です。
いつのころか盗掘を受けているので,墳丘石室の規模は確認できません。
この古墳に埋葬された人は,益気里近辺(升田山の南と北の周辺一帯)を支配していた豪族の一部と考えられます。

         昭和52年11月       加古川市教育委員会

次々に現れる古墳の標識を見ながら,尾根をどんどん進みます。途中,木々の間から少しは展望はあるのですが,展望を楽しむというほどポイントはありません。尾根道が東に向きを変え,なだらかなピークをひとつ越すと,目の前には升田山の岩場が見えてきます。この升田山は,岩に囲まれたような山で,どこから見ても岩場が目立ちます。この急な岩場から見る加古川の街は銀色の逆光のなかにシルエットを浮かび上がらせています。やっぱり,岩場は展望もいいし,楽しいねぇ。

升田山の山頂(A)は岩場なので,360度の大パノラマが楽しめます。足元には,三角点(三等三角点 点名上ノ山 105.1)もあります。その脇には,木のベンチも。おそらく,初日の出の人気スポットなのでしょう。この升田山から北に向かうと,平荘湖周回道路に出ます。でも,それでは岩場が少ないので,南の尾根から下山することにします。

  
升田山山頂から飯盛山を望む ふもとの神社
升田山山頂から飯盛山を望む
ふもとの神社

岩尾根を南に下ります。目の前には,加古川の街。岩尾根をどんどん下ると,ふもとを走る自動車まで見えてきます。この岩尾根は,下るに従って傾斜がきつくなっています。最後は,神社の屋根に下りてしまうのではと思えるほどです。スリルと展望を楽しみながら,神社へ。小さな祠ですが,よく整備のされた神社です。

神社から下山し,升田山の南を巻くように東へ。ここに,八十の岩橋の案内板があります。どれどれ?ななな〜んと!80人の神様が升田山の岩尾根に下りたって?誰が数えたんやろ。80人の神様って,名はなんと?

八十の岩橋
麓から峰まで石段があり,大昔の頃この橋は天までのびていて伊弉諾尊(いざなぎのみこと),伊弉冉尊(いざなみのみこと)の神様と一諸に80人の神様が降臨されたといわれている。
播磨風土記には「石を以て斗と乎気を作った故に斗形山といった。石橋がある。伝えいう上古の時この橋天に到り,80人衆が上下往来した。故に八十橋といった」とある。
頂上から見渡すと,北に平荘湖,南には加古川を経てはるか高砂沖まで遠望できる。

        加古川市・加古川市観光協会

巡視路はMTBやねぇ

次は池尻の東にそびえる鉄塔ピークです。集落を抜け,鉄塔に向かいます。タンクの南にある小ピークはパスして,墓地へ。ここには,「火の用心」があるハズですが,かなり痛んでいます。墓地の上から巡視路が始まっています。九十九折りの山道ですが,やわらかな冬の日差しが背中いっぱいに当たり,汗がにじみます。

  
平荘湖と高御位山
平荘湖と高御位山

登るにつれて開けてくる展望を楽しみながら,鉄塔ピーク(B)へ。この鉄塔の先には岩壁に付けられた鉄のはしごがあります。MTBを担いでいると,少しスリルがありますが,今日は空身の気楽さ。写真のポーズをとりながら下ります。下りたところは,採石場跡の上部です。今では稼働していない採石場ですが,切り立った岩壁の上に立つとこれまたスリル満点。ゆったりとした加古川の流れが気持ちいい。

採石場跡を過ぎると,2本目の鉄塔です。この鉄塔からはMTB乗り乗りの巡視路になります。う〜ん,ヤッパMTBを持ってくればよかったかなぁ。と,性懲りもなく思ってしまう山あほと山チャリの2人でありました。極楽シングルトラックを下ると,階段へ 飛び出します。すぐ上にある神社への参道です。社殿の周りは少し広くなっていますが,展望はそこそこ。

参道のコンクリート階段を下りきると,広場です。入口はチェーンがかかっていますが,歩くには問題なし。車道には車の進入を止めるコンクリートのブロックがあります。巡視路は左手すぐにあります。小さなピーク(C)に向かうなだらかな山道です。逆ルートなら,MTBで極楽ダウンヒルです。が,今日は歩き。楽チンなような,残念なような。

鉄塔ピークを過ぎ,飯盛山に向かいます。このあたりは,山びこの径とよばれる散策コースになっているようです。その散策コースを2人のおっさんが歩いています。わびし〜い!

銀色に光る湖面

次は,飯盛山への巡視路です。平荘湖に向かう車道の脇に登山口はあります。標識もあるので,迷うことはありません。ただ,ここは巡視路ではありません。巡視路はもう少し下の鉄塔脇から送電線に沿ってあるのです。登山道には,トライアルバイクがつけた轍があります。道もあちこちに分かれており,どこを登ってもいいようです。

尾根に出ると,巡視路と合流。巡視路といっても,プラ階段があるわけではなく,それと意識しなければ登山道にしか思えません。途中に出会う鉄塔が巡視路の証です。急な上りはありませんが,200mの高度を稼ぐのでそれなりにしんどいもの。左手を見ると,冬の日を照り返した平荘湖の湖面が白く光っています。その向うには,加古川の街。数時間前に歩いた升田山や地蔵寺山も見えています。この高度感がいいですねぇ。

  
平荘湖と加古川の街並み
平荘湖と加古川の街並み

展望を楽しみながら飯盛山の分岐点へ。ここを直進すると相ノ山,右の尾根を進むと飯盛山です。展望のない尾根道をしばらく進むと,正面にとんがりピークの飯盛山が現れます。山頂に近づくと,山頂あたりでランチタイム中のハイカー集団を発見。山に来てまで,混雑はゴメン。山頂手前の岩場でランチタイムにします。

本日唯一の未知のルート

食後のコーヒーを済ませ,出発の準備をしていると,ハイカー集団が通り過ぎていきました。そのほとんどが中高年。あいかわらず,中高年の登山ブームは続いているようです。にぎやかな団体が去ったあとの山頂(D)は静かです。さほど広くない山頂ですが,山名プレートや登山記念のプレートがいくつかあります。こんな裏山のような山でも,登山記念の対象になるようです。

  
飯盛山山頂 その1 飯盛山山頂 その2
飯盛山山頂 その1
飯盛山山頂 その2

さて,これから未知のルートです。飯盛山山頂から北に下って,北西にある三角点ピークに向かいましょう。山頂の奥に進むと,明瞭な山道が北に下っています。こんなルートがあったなんて,ビックリです。これ幸いと,早速下ります。急な下りなので,MTBで下るには無理っぽいものの,歩くには問題はありません。しだいにルートは西に向かい,やがて三角点へ向かう尾根からそれていきます。とはいうものの,それらしい道はなし。しかたなく,道なりに下ることにします。

やがて,道の脇には岩壁が見え始め,眼下の谷には白いプレートが見えます。やはりこの道もハイキングルートのひとつのようです。結局,三角点ピークには行かず,少年自然の家に向かいます。小さな谷をいくつか越え,細い尾根を越えると,地形図の破線ルートに合流します。破線ルートとはいえ,それまでの道と同じような広さのシングルトラックです。小さな谷を越え,沢沿いに登ると,少年自然の家との境界です。立札があり,施設利用者以外は立入禁止。その立札を見たS田さんは,俄然興奮しています。「オレだって,加古川市民や!市の施設を通るだけでどこが悪いんや!」 でも,アンタ,払っている市民税が安すぎますから〜!残念!

  
加古川市立少年自然の家 播磨灘と臨海工業地帯
加古川市立少年自然の家
播磨灘と臨海工業地帯

ゴマメの歯ぎしりをよそに,洞貝山を目指します。さほど急ではない上りを登ると,山頂(E)には展望台があり,その脇には木のアスレチック?があります。ふり返ると,飯盛山の中腹にある岩壁がはっきりと見えています。ふだんは見ることのないアングルからの飯盛山です。なかなかいいねぇ。

さて,これからどうする〜?少年自然の家を通って神吉山に向かうか,洞貝山から西に下って車道から神吉山を目指すか。S田さんは,立札の注意に従って,少年自然の家に入らず,洞貝山から西に下ろうといいます。でも,少年自然の家のトイレを借りれば,施設利用者になるんじゃないの?

東西に細長い山頂の西から踏み跡をたどって下ります。踏み跡は右に左に,ノバラや柴の小枝がジャマになりますが,高度はどんどん下がってきます。下がるにしたがって踏み跡は不明瞭になり,それらしい方向に下るしかありません。木立ちのすき間をぬって下ると,竹林の向うに人家の屋根が見えてきます。下界まであと一息。

最後は,竹林の中を抜け,用水路の脇に。木の小橋を渡るとそこは…人ん家の敷地内。これはあきまへん。竹林に戻り,自転車置場の脇から車道へ出ます。そこから神吉山の麓まで,長い舗装路の歩きです。うだうだと四方山話をしながら歩きます。そして,神吉山の麓へ。

最後も岩場で

神吉山へは,広い林道を登ると,すぐに山頂です。さすがは標高61m!山ともよべないピークですが,山頂には日露戦争の記念碑があります。あまり展望がないのは残念ですが,山道の脇には石像が点在しています。あとは,黒岩山までの尾根を歩いて,下山するだけです。低山のうえにアップダウンが少ないので楽チン尾根歩きです。逆ルートで黒岩山から下るならMTBでも十分に楽しめそうです。

  
黒岩山への岩場 宮山の向うに大藤山
黒岩山への岩場
宮山の向うに大藤山

神吉山の次のピークは,石像のある行者山です。行者山からの下りには,古墳があります。少しへこんでいるだけで,案内板がなければ古墳とはわからないかも。そして,最後の岩場の急登を登りきると,黒岩山です。山頂(F)には,三角点(四等三角点 点名天下原 132.5)があります。黒岩山から最後の展望を楽しみます。あとは,岩場を下るだけです。眼下には,平荘湖が一望でき,西日に照らされた加古川の街並みがかすかに見えています。超近場ながら,展望のいい岩場が多く,充実した山歩きができました。メデタシ,メデタシ。

  
黒岩山山頂の三角点 黒岩から見る平荘湖
黒岩山山頂の三角点
黒岩山からの平荘湖

 

駐車場9:27   升田山10:20   地蔵寺山11:14    山びこの道11:45   飯盛山(ランチタイム)12:27〜13:09   洞貝山13:50   下山14:15   神吉山14:38   黒岩山14:58   駐車場15:05


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