年の初めのプラ階段! 押しと担ぎの虚空蔵山南尾根(2005.1.3)


  
P・@〜D
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なぜか虚空蔵山

新しい年の最初の山行きは,withMTBで行きましょう。でも,何処へ?篠山市の南にある里山を徘徊するのも楽しそうです。地形図を見ると,小さな里山に破線があちこちに。お正月らしくのんびりとMTBを楽しめそうです。ところが,S田さんは虚空蔵山から南に縦走しようと言い出しました。地形図を見ると,送電線が尾根近くを走っており,稜線をたどって巡視路もありそうです。でも,等高線が混んでいるので,斜面はかなりの急勾配でしょう。巡視路をたどればヤブはないでしょうが,MTBには乗れるんかいなぁ。かといって,あの里山にある破線ルートがすべて存在するとは限りません。存在しても,倒木などでMTBには乗れないかもしれません。ここは,虚空蔵山に登ったついでに巡視路をちょっと探険ということにしましょう。

虚空蔵山は,国鉄福知山線の藍本駅の西側にあって,容姿端麗で山頂からの眺望もよい。東に千丈寺山,西に西光寺山,北に白髪岳と,北摂の山と丹波の山が入り混じる複雑な境界に位置し,国鉄線に沿って西北に連なる500m前後の峰の最高峰である。 (『大阪周辺の山200』山と渓谷社)

虚空蔵山の登山口に着くと,その手前に元旦登山のために設けられた臨時駐車場があります。道路脇には仮設トイレもあり,元旦にはたくさんの人が虚空蔵山に登るようです。臨時駐車場(P)に車をとめ,リュックを背負い,MTBにまたがり出発!といっても,舞鶴自動車道をくぐればすぐに登山口です。

登山口には,たくさんの野球少年たちがたむろしています。どうやら,虚空蔵山に登るようです。あとで聞くと,今日は練習初めとかで,幼稚園児もいるとか。野球のユニフォームで登山とは!?でも,彼らにしてみれば,虚空蔵山なんて山じゃなくて,たくさんあるトレーニングコースの一つにしかすぎないんでしょうねぇ。

虚空!

野球少年たちをあとに,登山道へ。この道は近畿自然歩道にもなっています。MTBで少しは進みますが,すぐに押しと担ぎに。石の敷き詰められら参道は,滑りやすく歩きにくい。雑木林の中の薄暗い道を進むと,やがて「石舟」へ。川底の岩が舟の形になっているところから名付けられたようです。ここで手を洗って虚空蔵堂に参詣するということのようです。野球少年たちは,元気よくあいさつをしながら,さっさと通り過ぎてしまいました。

  
石舟
石舟

石舟を過ぎると,道は急になり,尾根を登ります。MTBを肩に九十九折りの参道を登っていると,しっかり汗がにじみます。お正月になまった身体が,これでシャキ〜ン!かな?そして,メガネが曇るころ,目の前に古びた石段が見え始めます。上に虚空蔵堂があるのでしょう。

MTBを肩に石段を登りつめると,虚空蔵堂(@)があります。あまり展望はありませんが,広場になっているので,ベンチもあり,いい休憩所になっています。先ほどの野球少年たちの保護者らしい団体もここで休憩をとっています。ここには,虚空蔵堂の解説板や子ども向けの昔話の書かれた標示もあります。ところで,この「虚空」ってどんな意味があるの?

1.一切の事物を包容してその存在をさまたげない無為法。空間。
2.そら。大空。
3.うっかりしていること。前後の思慮のないふるまい。向う見ず。むてっぽう。

な〜んや。ここでは何をやってええんかぁ。それやったら,我々にピッタリやん!正月早々いい山に登ってきたなぁ。さすがは,S田さんや!己を知ってるやん!虚空蔵者が虚空蔵堂参りってか?でも,そんなことを言ってると「いや,おのれは物を言はすれば,虚空なことをぬかす」なんて言われちゃうかもね〜。

  
虚空蔵堂 鯱
虚空蔵堂

聖徳太子の創建と伝えられており,かつては本堂の外に毘沙門堂,薬師寺,仁王堂などの伽藍があったとされています。鯱瓦は,慶長年間の復興時に用いられたとされており,最古といわれている書写山圓教寺金剛堂(姫路市)と国宝彦根城天守閣(彦根市)にも同形の鯱があります。

うばが谷の水<三田の民話>
昔,藍本村では凶作が続き,農民の生活はとても苦しいものでした。年貢米を納めると,5人家族に2俵の米しか残らないくらいの貧しさで,自分1人でも減れば家族が助かるだろうと考えたばあさんは「うばが谷」へと向かいました。そこは,年寄りがよく身を捨てる場所でした。ばあさんの心を察した息子は後を追いかけて,必死に連れ戻そうとしたが,聞き入れようとはしませんでした。「親の最後のただ1つの頼みが危険のか。」そう言われると息子はばあさんを背負って登るしかありませんでした。背負われたばあさんは,息子が帰り道に迷わないように,目印に木の枝を折っていきました。
“奥山に手折りし折るのは誰のため,我が身を捨てて帰る子のため”途中「うばが谷の清水」で別れの水さかずきをかわしました。そこで堪らなくなり息子は,「どうしてこの母を置いて帰れようか」と母を抱きかかえて,わが家へ向かって山を降りていきましたとさ。
※虚空蔵山の登山道は私有地です。マナーを守りゴミなどを必ずお持ち帰りください。
※11月15日〜2月15日の間は狩猟解禁期間となりますので,入山されると危険です。
             
近畿自然歩道・環境省・兵庫県

虚空蔵寺(堂)
寺仏によれば聖徳太子が生野の鏑射寺を建てられたあと,霊夢によって西北の聖峰岩辻山の山腹にもう一宇建立され,そこへ虚空蔵菩薩尊像を安置された,ことに始まる。
菩薩は坐像で右手に智恵の宝剣,左手に福徳の宝珠を持っておられ,深く厚く信仰する善男善女の願いに答えようとなさるみ仏で,本堂須弥壇上のお厨子の中にまつられているお厨子の木組み,彫刻の技法共にすぐれ,残存している色彩の黒漆金箔のあとから推して,製作された当初は見事なものであったと想像される。
堂内床は板張り,須弥壇上に多数の脇侍が立ち並び,裏にも解体した天像があるところから,かつては本堂の外に毘沙門堂,薬師堂,仁王門,その外鐘楼などの伽藍があったという説を裏付ける。
天正3年(1573)摂丹播三国の城主らは寺側の再建勧進に応じ荒廃した諸堂を旧態に復したのも束の間,同7年丹波の波多野氏攻略に兵を進めた明智軍勢の為に罹災炎上した。ついで慶長8年(1603),村人の協力により本堂,鐘楼,仁王門などが再び建立されたが,近世になってから寺領の没収や廃仏毀釈などで次第に衰微していた。しかし近年,多額の浄財を得て本堂の大改築が行われ現況となった。例祭は年2回4月と9月の13日で,十三詣りと呼ばれて娘と親のお参りが多い。智恵と福徳を授かる為の十三歳になった成女式の習俗である。

虚空蔵堂をあとに,右手の山道を登ります。あのお堂の左手にも山道がありましたが,あれは何処へ?山道は,いきなりの急登です。先ほどの休憩で冷えたからだが,再び,ヒートアップ!メガネが曇る!足が滑る!MTBがジャマや!ちなみに,ここまでのMTB乗車率2%!

急登を終えると,道の脇に役行者像が祀られています。ちなみに役行者って何者?

奈良時代の山岳呪術者。修験道の祖。本名,役小角(えんのおずの)。大和国葛城山に住んで仏教を修行,吉野の金峰山・大峰などを開いた。讒によって,699〜701年伊豆に流された。諡号は神変大菩薩。役の優婆塞(うばそく)役小角(えんのしょうかく)。

なるほど,山岳修業をしたから山によくあるんだ。でも,島流しにあったって,どんな讒りをしたのでしょう。人身を惑わす怪しげな呪術を使ったから?それにしても,あんな細い足で山岳修業ができたものだなぁ。

役行者像からは,しばらくはMTBに乗れます。年末に降った雪を見ながら気持ちよく林の中を走ります。が,それもほんのわずかの距離。すぐに急登となり,支尾根へ。このあたりから虚空像山に登った野球少年たちが次々に下ってきます。早くも下山です。運動靴なので滑りやすいはずですが,そんなことはおかまいなしで,さっさと駆け降りていきます。怖るベし,野球少年たち。もしかして,彼らは役小角の生まれ変わりだったりして。

支尾根から急な上りを登ると,虚空像山への稜線です。陶の郷への分岐点(A)でもあり,標識もあります。ここでも野球少年たちがどんどん下ってきます。保護者たちもまじって,にぎやかです。幼稚園児も元気一杯です。そんな姿を見ると,我が家の子どもたちも小さい頃やよく山に行ったことを思い出します。それが大きくなった今では…。

展望のいい丹波岩と北の岩場

野球少年たちをやり過ごし,MTBを置いて,虚空蔵山に向かいます。急な上りですが,すぐに丹波岩に。この岩の上からはいい眺めです。南には六甲の山なみ。その向こうには低いながらも大小2つの三角形の山,雄岡山と雌岡山が仲良くならんでいます。東は千丈寺山が見えています。西は,清水山など。手前の町は立杭焼きの郷です。

展望を楽しんだ丹波岩をあとに山頂に向かいます。山頂(B)には,かんたんな展望図があり,古びた木のベンチもあります。数年前はまわりに木が多かったのでそれほど展望はよくなかったのですが,今は木が少なくなったので展望もよくなっています。山名プレートもありますが,このピークには三角点はありません。ちょっと,意外。

山頂から少し北に行くと,今度は北に展望の開けた岩場があります。松尾山,白髪岳をはじめとして,遠く千ケ峰が雪をかぶって白くなったピークを見せています。あとからおばさんハイカーがやって来ました。聞けば,これから北に縦走して草野に下るとか。このあとにやって来た2人組のおばさんハイカーも同じコースを行くとか。数年前は,虚空蔵山まから北は踏み跡程度しかなく,withMTBでずいぶん苦労した記憶があるのですが,今では北ルートを周回するのが虚空蔵山の定番コースになっているのでしょうか。

展望を楽しんだあとは,さっさとMTBを置いた所に戻りましょう。北はともかく,南はどんなルートなのかわかりませんからねぇ。山頂から下っている時にも,何組かのハイカーに遭遇。やはり,虚空蔵山は人気スポットなんだ。

  
虚空蔵山山頂にて 鞍部はMTBに乗れることがあります
虚空蔵山山頂にて
鞍部はMTBに乗れることがあります

延々とプラ階段

MTBを手に,陶の郷方面に下ります。ガレているうえにプラ階段の連続なので,MTBに乗ることはできません。担いで登ったのに,押して下るとは!…残念!プラ階段を下りきったあたりの鞍部で10mほど乗車可。すぐに,陶の郷との分岐になります。陶の郷への下りもプラ階段が延々と続いていたような記憶があるのですが,正面の急斜面にも延々と続くプラ階段!どうやら,今日の山行きは,今年一年の山行きを暗示しているようです。ということは,あいかわらず,MTB担ぎとヤブ漕ぎっちゅうこと?不吉な今年最初の山行きになってしまいました。

しかたなく,MTBを肩にプラ階段を上ります。北斜面なので,年末の雪が残っており,あたりはしんしんと冷え込んでいます。身体の表面は寒いのに,内部はヒートアップ。メガネも曇るプラ階段です。そしてようやくピークへ。「火の用心」プレートがあちこちに向いています。行ってこいの鉄塔がありますが,パス。先を急ぎましょう。

ピークからの下りも,これまたプラ階段の連続です。とても乗れそうにありません。しかたなくMTBを押しながら下ります。担いで登って押して下る,これって最悪だギャア〜!新年早々の山行きがこれかいっ!今年もロクでもない年になりそうだでよ〜!

ぼやきながらプラ階段を下り,鞍部でちょこっとMTB。これまでの乗車率1%!下りきると,再び,プラ階段地獄。でも,今度は左に向かっているようです。もしかすると,ピークを巻いているのかも…という期待空しく,巡視路は大きく右に戻り,その後は小刻みな九十九折りの道になり,結局はピークに登ってしまいます。それにしても,先ほどから気になっているのが,雪に残った足跡です。もちろん,人間の足跡です。一人分の足跡ですが,このルートを歩いたことは確かです。しかも,雪に残っているのですから,お正月に歩いたのでしょう。こんなルートを歩くなんて,どんな物好きな人なんでしょう。でも,MTBを持っていないことは確かです。

このピークにも,「火の用心」があります。ここからは,東に走る高圧線の東播線と西を走る丹南線のどちらにも行けます。さて,どちらに行きましょう。地形図を見ると,丹南線への尾根が乗れそうです。東播線は近いのですが,勾配が急そうです。また,プラ階段地獄にはまりそう。

ということで,丹南線に向かってGO!という前に,もうランチタイムです。風を避けて,日当たりのいい所でランチにしましょう。結局,南向きの巡視路の真ん中(C)でランチです。今年もこうどんにお弁当,食後に熱々コーヒーが定番です。S田さんは,あいかわらず,モチ入り鍋焼きうどんに御執心。

乗車率…少々

おなかがいっぱいになったところで,いきなりの登りで縦走再開。登りきったピークからは,なだらかな尾根道が下っています。ヤッター!本日初めてのまともな下りだ!気持ちよく下ること数秒,目の前に鉄塔が見えると,つかの間の快楽はおしまい。鉄塔から見ると,虚空蔵山の山頂がきれいに見えます。山頂手前の丹波岩が小ピークになっています。南を見ると,これから行くであろう稜線と丹南線の鉄塔が点々と続いています。

鉄塔からさらに下ると,いったんは林の中に入りますが,すぐに鉄塔へ。その鉄塔から今度は登り返すようにして東播線の鉄塔へ。ここからは東播線の巡視路を利用します。まずは,乗り乗りの下りです。久しぶりのMTBに心は躍る。小さなドロップオフを下り,シダの中を強引に抜け,キレット状の鞍部へ。ここには,「火の用心」プレートがいくつもあり,谷を下る方に向いているものもあります。エスケープルートを示しているようです。

  
キレットへ 東播線bT0鉄塔から虚空蔵山を見る
キレットへ
東播線bT0鉄塔から虚空蔵山を見る

キレットを登り返すと,東播線のbT0鉄塔です。ここからは地形図通りになだらかなアップダウンとなるので,プラ階段はなし。下りはもちろん,登りだって少しは乗れます。巡視路って,こうでなきゃあいけません。少し登り返し,もう一段登ると,鉄塔のあるピークです。このピークからは,ふもとを走る舞鶴自動車道が見え,その向こうには三田の丘陵地。さらにその奥は,六甲の山なみが望めます。

  
舞鶴自動車道を見ながらMTBでGO! 最後の土尾根を下る
舞鶴自動車道を見ながらMTBでGO!
最後の土尾根を下る

鉄塔をあとに,しばらく下ると,今度は木の生えていない荒涼とした尾根に出ます。障害物がないので,そのまま,自動車道を見下ろしながらMTBで下ります。チョット爽快。土尾根を下りきると,足元には自動車が走っているのが見えます。三本峠は下りきった所でしょう。右手の小ヤブを下りきると,篠山市の水道施設です。もう数m下って,車道へ。3本の道路が交わる三本峠(D)です。これにて,下山終了。

今日は,お正月でもあるし,お手軽にいこうということでした。たしかに距離はお手軽でしたが,プラ階段の連続のために担ぎで登って押して下るという最悪のルートとなってしまいました。これが今年一年を象徴していなければいいのですが…。でも,こういうのが我々らしいのかもしれません。とりあえずは,今年も元気に遊びたいものです。

 

出発10:00   虚空蔵堂10:24   陶の郷コース分岐点10:54  虚空蔵山山頂11:10  丹南線bT鉄塔13:15   東播線bT0鉄塔13:52   下山14:20


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