城跡からため池へ そして…苔縄城址(2005.3.12)


  
P・@〜F
P・@〜F

ガイドブックのあるのに…

ここ何週間かは,週末になると決まって冬型の気圧配置になります。ということは,県北部の山々では雪が降り,低山では雨が降ります。今年は冬が長引き,3月になっても雪が降ったりしています。寒さに弱い我々は,当然のことながら北中部の山を避け,南部の山を目指します。

今日は,播磨歴史の山にも紹介されている上郡町の苔縄城址に登ります。もちろん,ルートはそれだけにとどまらず,苔縄城址から峰尾池にむかいます。そのあとのことは,その時の気分と体力,天候しだいです。

苔縄城址は,ガイドブックにも紹介されているので,道はハッキリしているのかと思いきや,小学校の裏から登るんだそうです。標識はありません。目印は,小学校の裏です。それにしても,ここの他に登山道はあったのでしょうか。

植林を抜け,苔むしたブロックの敷かれた登山道になります。山頂にある神社への参道ともなっているのでしょう。それにしても,最近,人が歩いた形跡がありません。やっぱり登山道は他にあるのかな?

道は九十九折りになり,両側から夜露でぬれたシダがおおっているので,ズボンがぬれてしまいます。歩きにくいだけでなく,ズボンまでぬらすなんて!ホント,シダって厄介やねぇ。

  
小学校の裏手から 傾いた石の鳥居
小学校の裏手から
傾いた石の鳥居

シダでおおわれた道を登り,尾根(@)に出ると,今度は柴におおわれた崩れかけの石鳥居の出現です。左手の尾根には,石像もあります。ということは,この尾根道が正規の参道だったのかも。見ると,尾根道がずっと続いています。

鳥居からははっきりとした登山道になっていますが,勾配が急になってきます。狭い尾根を小刻みにジグザグに登ります。途中にロープが設置されている個所があり,登山道として整備されているようです。

山頂手前の岩場で,S田さんは何やら捜索を開始。岩に彫られた石像を期待していたようですが,残念ながらただの大岩でした。大岩をあとに,急な上りを登り終えると,道は二手に分かれています。左は369ピークを通らずに愛宕山に行く道。右は369ピークに登る道です。もちろん,右手に進み,369ピーク(A)へ。

吹雪!?

このピークは,苔縄城址といわれていますが,現在では愛宕神社が建っています。その脇にはゴミがたくさん捨てられており,展望もないので長居する気のしないピークです。ちょっとガッカリしながら,苔縄城址をあとに,愛宕山を目指します。木立の中を抜け,愛宕山への鞍部へ。このあたりは,傾斜がゆるやかで,路面も荒れていないので,MTBに乗れそうです。が,ここまで持って上がるのが…。

  
苔縄城址 愛宕山
苔縄城址
愛宕山

小さなピークを越え,愛宕山(B)に到着。三角点(三等三角点 点名轟山 411.2)ピークですが,展望はありません。雪はやんだものの,ランチタイムには少し時間があります。この先の峰尾池のほとりでランチタイムにしましょう。

水たまりの峰尾池

愛宕山からはゆるやかな広い尾根が続くので,要注意です。ゆるやかな上りを登っていると,いきなりの吹雪です。一時的なものですが,それでも寒いことは確かです。ここで吹雪だなんて,それでは北部はどうなっているのでしょう。ああ,行かなくってよかった,よかった。

  
吹雪やぁ〜! マツタケ採取禁止!
吹雪やぁ〜!
マツタケ採取禁止!

ポイントのピークからは北に向かいます。このあたりからマツタケ山の領域を示すテープが張られており,所々にマツタケ採取禁止のプレートがかかっています。マツタケといえば丹波ですが,ここ上郡でもマツタケは採れるんですねぇ。そういえば,千種川をはさんだ対面の山もマツタケ山だったなぁ。

マツタケテープに沿って歩いていくと,峰尾池のすぐ上に出てます。ところが,池に向かう道はありません。しかたがないので,林の中を強行突破。幸い,木立の間は十分に開いており,下草も少ないので問題なし。すぐに池のほとりへ。ところがここでビックリ!池の水がほとんどありません。地形図では長細い形の池になっていますが,実際には堰堤のまわりに少し水がたまっているだけ。地形図でいえば,峰尾池の「峰」の字ぐらいまでしか水はありません。満々と水を湛えた山上池のほとりでランチタイムという我々の目論見は外れ,堰堤の上(C)からわずかに残った水面を眺めながらのランチとなってしまいました。

  
峰尾池
峰尾池

春とはいえ,吹く風はまだ冷たいですが,日差しは暖かです。野鳥のさえずりを聞きながら食するランチは,最高のごちそうです。これがあるから,山歩きはやめられまへんなぁ。ところでこの堰堤はかなりの年代物で,堰堤工事に使われたはずの林道すら見当たりません。実際,この池って,今でも利用されているのでしょうか。かなり疑問です。

ランチを終え,おなかが一杯になったところで,さてどうする?峰尾池の北西にある424.3の三角点ピークを目指すのもいいでしょう。とすると,尾根を登らなきゃあなりません。尾根に登ると,いきなり堀割状の広い水路が出現。???何じゃ,こりゃあ〜!?堀割の先を見ると,水路になっています。どうやら,山腹を巻き,雨水を峰尾池に流しているようです。水路の脇はきれいな道になっているので,とりあえずは,この道を歩いてみましょう。MTBでも走れそうな道が続いています。どこまで続くのでしょう。

鉱山跡!

と,異様な地点(D)に到着。あたりの谷は,ズリで埋められているようです。???ズリに近寄ってみると,ズリではなく鉱滓です。ということは…あったドォ〜!見ると,右手の斜面に大きな穴がぽっかり開いています。鉱山の抗口です。しかも手掘りの坑道です。入ってすぐに真下に降りる坑道があり,正面にも奥に延びる坑道があります。S田さんは,しきりに入りたがっていますが,内部にはどんな気体が充満しているかわかりません。入口から様子をうかがうことにします。と,いきなりリュックの中の携帯電話が鳴り,ビックリクリクリクリックリ!とんで外にとび出してしまいました。

  
鉱滓 鉱滓置き場
鉱滓
鉱滓置き場

あたりを見ると,抗口らしいものはいくつかありますが,崩れています。先ほどの山道から下にも抗口があり,こちらは水浸しですが,奥の方まで続いているようです。でも,いずれにしても鉱石が見つかるわけではないので,興味なし。谷を埋めつくす鉱滓から推測すると掘っていたのは銅かも。金銀なら坑道に石英脈があるはずですが,それらのものは見当たりませんしね。

  
抗口 その1 抗口 その2
抗口 その1
抗口 その2

谷間を埋めつくす鉱滓をあとに,水路をたどります。そしてついに終点へ。終点から,尾根を登れば三角点ピークですが,先ほどの鉱山跡にすっかり満足したS田さんは,もう三角点ピークへ行く気なし。とっとと帰ろうだって。まぁ,三角点ピークに行ったからといって何か特別なものがあるわけではないので,帰りましょうか。

展望尾根は激斜面

尾根を下っていると,鞍部に谷に下るルート(E)がありますが,尾根の先端から下る方が楽しそう。地形図には岩場マークもあり,展望も良さそうです。ただ,かなりの急斜面なので道があるかどうか。でも,行ってみましょう。

鞍部からはアセビの花が咲き,なかなかいい雰囲気です。急登を過ぎると,展望のいい尾根になります。小さな岩場もあり,急斜面だけにスリル満点です。やっぱり,尾根道はいいねぇ。でも,下るとなると,これがもう大変。立ち木につかまり,ズルズル滑りながら下っていきます。よく見ると,所々に赤テープが巻かれ,先人がこのルートを利用したようです。ということは,確実に下山できる。か,同じように遭難するか。

尾根には踏み跡があり,ヤブ漕ぎの必要は全くなし。ちょっと拍子抜けするほどですが,急斜面であることに変わりはありません。立ち木につかまりながら,歩くというよりは滑り降りるという感じで下ります。それでも踏み跡ははっきりとしていて,消えることはありません。

  
展望尾根を下る
展望尾根を下る

人家の屋根が見えると,下山間近です。が,ここで問題が。害獣除けのフェンスです。しかも,人家の近くにもかかわらず,出入り用のゲートが見当たりません。???S田さんは強引にフェンスを乗り越えています。こんなところを近くの住人に見つかると,ヤバイよなぁ。でも,ゲートがなきゃあねぇ。やむをえず,乗り越えて下山終了(F)

今回は,城跡と山上池,そして鉱山跡の見物ができて,見どころの多い山歩きとなりました。下調べをして行く山行きも楽しいですが,予想外の展開もまた楽し。気楽に気ままに楽しめるのが,低山の魅力です。

 

登山口9:35  石鳥居9:50  苔縄城址10:25  愛宕山10:50  峰尾池11:20  ランチ11:30〜12:00  峰尾鉱山跡12:15  320ピーク13:00  下山13:30


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