秘境でのんびりスノーハイキング 仏ノ尾(2005.4.17)


  
P・@〜A
P・@〜A

秘境へリベンジ

残雪の多い今年の春。扇ノ山なら5月の大型連休でも雪遊びができそうです。ならば,扇ノ山は大型連休にでも行くことにして,今回は仏ノ尾だぁ〜!昨秋,雨で撤退を余儀なくされ,心残りの山です。今回は,残雪期ということもあり,ヤブが少なく,歩きやすいでしょう。同行のS田さんは,あまり乗り気ではなさそうで,生野で見た「へいくろう祭り」に行こうだって。軟弱な!と思う反面,鉱山で有名な生野の祭りということで光り物があるかもと,チョッピリその気になったりして。

3時間ほどのドライブで佐坊の林道仏ノ尾線へ。入口で工事中のおっちゃんに一旦は追い返されるものの,遠いところから来たということで,道をあけてもらう。ヨッシャー!林道を喜んで登っていると,前方に石っころが。避けるのも面倒なのでまたいじゃえ。ところが,これが…。車の下から,ガン!ゴリゴリ…,ガリガリ…というイヤな音。???えっ,あんな石っころをまたげないって。どうなってるネン!Gエスクードは!車高低過ぎやろ!普通車やないっちゅうねん!

ちょっと不安になりながら,林道を進みます。作業小屋への分岐点からは,畑へ上る道は雪に埋もれています。これでは,歩くのが大変。もう少し上って,畑へ直に登れるところまで行きましょう。道の両側には1mのほどの雪の壁ができているところを見ると,除雪しているようです。

作業小屋への分岐点から小さな尾根を越えて,少し広くなった地点(P)で車をとめます。ここで車を降りると,車体の下からヘンな音がしています。マフラーが破れたような音です。あとでわかったのですが,この音は,マフラーが車体に接触して,マフラーの振動音が響いている音でした。先ほどの石っころがマフラーを押し上げて,パイプをゆがめてしまっているそうです。ところが,被害はマフラーだけじゃなく,燃料タンクもへこんでいます。しかも,燃料ポンプ?のあるところを直撃しているので,燃料計が誤作動するかもだって。ホンマに,腹の立つ石っころや!というより,車を降りて,どければよかっただけかな。

今日はスノーはキング

林道から見る仏ノ尾は,すぐ近くに見えます。しかし,スノボーで滑れそうな斜面は見当たりません。今日は,スノボーはあきらめ,スノーハイキングとしましょう。スノシューとアイゼンを用意し,出発。林道の先からS田さんが林道の法面を登っています。雪の急斜面なので足元に気をつけながら登ると,林道のすぐ先で除雪は終わっています。その先は雪の平地。さっきの所で車をとめて正解です。

斜面を登り,作業道を少し歩くと,開拓地です。正面には,三角形の仏ノ尾が見えます。足元にはフキノトウがあちこちに。畑には,束ねたカヤがあちこちに。昨秋といい,今日といい,畑作をしていない時期に来ているので,この畑で何が作られているか不明です。そもそも,この畑は今でも使われているのでしょうか。

畑を登り,最上部へ。さてここからルートをどう取るか?無難なのは,稜線をたどることです。この稜線が仏ノ尾に続いていることは確かですから。でも,左手に見える谷もなだらかなうえに,歩きやすそうな雪の斜面です。でも…ということで,稜線をたどることに。ところがこの稜線,かん木が茂り,歩きにくい。いきなりのプチヤブ漕ぎにビックリ。たしか,途中までは登山道あるとか…。ウ〜ン,さすが秘境だけのことはあるなぁ。

  
開拓地から望む青ヶ丸と仏ノ尾 鞍部のブナ林
開拓地から望む青ヶ丸と仏ノ尾
鞍部のブナ林

兵庫の屋根が一望

歩きにくいものの,左手には鉢伏山や氷ノ山といった兵庫の屋根ともいえる山々をすぐ近くに眺めることができるのは,気持ちのいいものです。こうやって,鉢伏山と氷ノ山を並んで見たのは,あまり記憶にありません。同じ山でも違うアングルで見ると,違う感動があります。鉢伏山では,北斜面には広い雪面が残り,まだ北壁では滑れそうです。氷ノ山に目をやると,山頂にある三角屋根の避難小屋が肉眼でもはっきりと見ることができます。

かん木にわずらわされながら小ピークから鞍部(@)へ。この鞍部は,ブナの林になっています。積雪は1mほど。これから仏ノ尾への一気登りの始まりです。アイゼンを忘れたS田さんは,やむなく,スノーシューで登ることに。幅の広いスノーシューは,雪原を歩くにあいいのかもしれませんが,こんな樹林帯を歩くには,木や草にスノーシューが引っかかって歩きにくいでしょう。しかも,傾斜は急だし。でも,ないよりはマシかな。

  
鞍部の古木 鉢伏山を背に
鞍部の古木
鉢伏山を背に

尾根の傾斜はきついものの,雪が積もっているのでどこでも歩けて楽チンです。雪も適度にしまっているので,アイゼンでグリップがしっかりききます。こりゃあ,楽チン。天気もいいし。でも,気温が高いためか,半袖ポロシャツでも汗びっしょり。まぁ,ふぶいて寒いよりは断然マシ。のんびりとスノーハイキングです。

杉の植林の中を登っていると,左手に道が見えています。おや?山頂付近では登山道がなくなったってことですが,しっかりした道があるやん。スノーシューのS田さんは,スノーシューを脱ぎ,ストックを置いて登ること。ボクはというと,アイゼンを外すのがジャマくさいので,そのまま土の上を。グリップがきいていいかも。

一旦,なだらかな雪原に出ると,山頂へはもうひと頑張り。ところがここがデンジャラス!腐った雪がズボズボになり,雪面の下は空洞になっています。気をつけないと,落とし穴状態に。そろりそろりと歩くものの,やはり雪面を踏み抜いてズボッ!深くないのが救いです。

  
デンジャラス! 青ヶ丸
デンジャラス!
青ヶ丸

落とし穴ゾーンを過ぎると,左手の植林の間から真っ白な青ケ丸が見えてきます。なだらかな長い山頂の青ケ丸は,雪庇ができています。山頂の西を見ると,少し急な雪の斜面が広がっています。歩いて登るには大変でしょうが,スノボーで降りるとなると極楽そう。う〜ん,そそられるなぁ。

雪原の仏ノ尾山頂

尾根の勾配がゆるくなると,仏ノ尾山頂はもうすぐです。そして,視界が急に広がり,なだらかな雪原が現れると待望の仏ノ尾山頂(A)。雪のない時期にはあまり展望のない山頂だそうですが,積雪のあるこの時期は,360度の展望です。しかも,広々雪原。山頂には,山名プレートもなく,三角点もありません。テープ類もまったくなく,昨今の登山ブームに忘れられたようなピークです。さすが,秘境仏ノ尾ですねぇ。でも,夏道があったことを考えれば,無雪期でも登ることは容易そうですが,登ったところで展望がなきゃあねぇ。

雪原のピークからもう少し南へ。このあたりはブナの大木が点在し,雰囲気は最高。頭上を見上げると,青空に一条の飛行機雲。小鳥のさえずりも聞こえてきます。鉢伏山や氷ノ山,扇ノ山あたりの山域には,雪が目立ちますが,それ以外の山々では雪もなく,すっかり春模様。標高の差というのは,大きいなぁ。

  
南のピークから見る扇ノ山 山頂のブナ林
南のピークから見る扇ノ山
山頂のブナ林

大パノラマを楽しみながらランチです。食後には定番のホットコーヒーも。このあと,時間があれば青ケ丸方面に行ってみたいものですが…残念!せめて,この大パノラマを楽しみながら,のんびり下山することにしましょう。

下りは楽チン

下山は,杉の植林帯の中の道を通らず,雪の斜面を下ることにします。アイゼンを着けているのでグリップがよく,展望も楽しめます。雪のない時期だと,こんなところを歩くことはできないでしょう。とすれば,仏ノ尾は積雪期に登る山ってことかな。雪のない時期だと,展望の開けない植林の中を登り,木立に囲まれた山頂に着くってわけ?これはすこぶる悲し過ぎ。

落とし穴ゾーンでは,S田さんが大陥没。胸まで落ち込み,はい上がるのが大変。やはり,日頃の行いの為せる技でしょうか。その後も快調に下降。鞍部(@)には30分ほどで到着。さてこれから,登りと同じように正面の小ピークを越すか,それとも左手の谷から小ピークを巻くか。同じルートをとるのはおもしろくないので,谷を下ってみましょう。

谷は,雪のない時期なら歩くことができないのかもしれませんが,雪におおわれたこの時期は楽チン,楽チン。まったく問題なく,小ピークを巻き,ブナ林の広い谷へ。左手には登る時に苦戦した稜線が見えています。おそらく,登山道はこの谷から小ピークに向かって延びているのでしょう。

  
谷のブナ林 仏ノ尾
谷のブナ林
仏ノ尾

谷から林道に下り,そして開拓地へ。道の脇には白いタムシバが満開になっています。ふり返ると,三角ピークの仏ノ尾,その左手には白い台形状の青ケ丸が見えています。初夏を思わせる春の陽はあいかわらず降り注ぎ,我々の秘境登頂を祝ってくれています。残雪期のスノーハイキングはいいねぇ。

 

出発9:20  稜線取り付き9:50  鞍部10:15  仏ノ尾山頂11:20〜12:15  鞍部12:50  開拓地13:15


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