年の初めの運試しとて… 龍野笹山見晴らしの森(2006.1.3)


  
P・@〜J
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年の初めは…歩くべきか,担ぐべきか

12月30日の御津山脈&御坊尾根縦走で気持ちよく一年の山行きの締めくくりを終え,年の初めの山行きも気持ちよく始めたいものです。ということで,今回は,お手軽に「龍野笹山見晴らしの森」です。この森は,兵庫県が行っている里山林整備事業地の一つで,遊歩道や東屋が完備された公園のようなお山です。ここには,女明神と男明神といわれる岩場があり,ふもとを走るバイパスからもよく見えます。

前日,S田さんに連絡すると,withMTBで行こうだって。MTBもいいけど,乗れるんかなぁ。遊歩道って,丸太階段ばっかりやったら,どやさ?!しかも,S田さんは162ピークから市境沿いに尾根を進み,北にある巡視路で帰ろうとな。162ピークからの市境尾根はMTBでも乗れるだろうと,例によって何の根拠もない予想。まだ,赤十字山での学習が足りないみたいです。なんだか,正月草々,無理のあるルート設定やなぁ。でも,距離が短いので,ヤブ漕ぎになってもたいしたことはないでしょう。ここは,年の初めの運試しということで。

凶!凶!

ところが,朝になって,1通のメールが到着。「寒いから歩きにしよかー」だって。寒いから歩き?その根拠はわかりませんが,今日はのんびり山歩きをしたいだけなので,歩きでOK。外に出ると,なるほど,風が強い。しかも,曇り空。しぐれ模様で,西に見える高御位山は白くなっています。こりゃあ,ヤバイかも。ところが,昼の弁当を買ったりしているうちに,空は見る見る晴れ渡り,日差しも出てきました。とりあえず,天気は吉!

バイパスを通り,すぐにたつの市へ。ふもとで車をとめるところを探すものの,適地は見つからず。最終的には,老人ホーム(西はりまリハビリテーションセンター)内?の池(谷口池)の脇(P)に駐車。準備をして,出発!といきたいところですが,ここでS田さんのチョンボ発覚!命の次に大切なデジカメを忘れたとか。ただし,予備の電池は持っているとか。なんのこっちゃ,ウーロン茶。正月草々,凶!

デジカメを忘れたことですっかり気力をなくしたS田さんは,力なく遊歩道(←女明神 0.5km)へ。ただでさえ,体力がないうえに,気力までなくしてしまっては,この遊歩道さえ登れるかどうか。前から手ぶらの子どもたちが遊歩道を降りてきます。リュックを背負い,ハイキングシューズの我々は,ちょっと恥ずかしい。きっと子どもたちは,「あのオッサンら,リュックまで背負って…。なんのつもりなんやろ!?」と不思議がっていることでしょう。でもいいのです。世の中には,子どもに分からない不思議なことがいっぱいあるのです,ハイ。

MTBやったなぁ

遊歩道は,はじめこそ丸太階段ですが,すぐになだらかな落ち葉サクサクの道になります。ああ,これやったらMTBやでぇと,朝の判断ミスを悔やむ。これも,凶!S田さん,早くも凶を連続Get!だぜぇ。ガイドブックにある道を探すものの,これまた見つからず。それにしても,この山域を「笹山」というだけあって,ササが多い。それほど密生していないので,歩くには問題なし。もしかすると,この山域は道でなくても,通行可能度は80%ぐらいかも。

高圧線鉄塔(姫路鵤線36)を過ぎ,遊歩道を登りきると,分岐点です。「展望舎0.4km 県道へ0.5km 女明神0.2km」と標識があります。まずは,展望舎へ行きましょう。遊歩道はなだらかで階段もなく,MTBなら乗り乗りです。返す返すも,withMTBでないのが悔やまれますが,それは終わったこと。過去は振り返らない,後悔はしない,反省もしない,∴学習もしない!?嗚呼,無情。

快適な尾根道を下ると,そこには「開拓記念」の碑が建っておりました。

笹山開拓ノ事タル地元民多年,宿願タリ松本孝二氏笹山開拓農業協同組合長トシテ終始一貫献身努力専念遂ニ全山拂下開拓ニ成功ス郷黨茲ニ記念ノ碑ヲ建テ欣ヒト共ニ績ヲ不朽ニ傳フ   農林大臣森孝太郎?

だから,段々畑のような平地があるのかぁ。それにしても,全山開拓とは,すごいパワーです。ただ,標高がないので,高地野菜などはできなかったでしょう。それが今では,ただの荒地になっています。ちなみに,農林大臣森孝太郎は,1949年頃の大臣だそうです。

  
開拓記念碑 沖縄慰霊塔
開拓記念碑
沖縄慰霊塔

ガイドブックにも載っていない記念碑に感激しながら進むと,今度は「沖縄慰霊塔」です。

太平洋戦争の天王山といわれる沖縄が本土防衛の防波堤となり三ヶ月に亘る凄絶な死斗によって遂に終戦に導く動機となり現在日本の平和と自由と繁栄をもたらした偉大な功績を永遠にたたえんがため遺族代表が「ひめゆりの塔」を初め十二ヶ所の霊地を巡拝し幾多の血を吸った遺品遺石を蒐集しこれを「みたま」として沖縄戦没二十二万の霊を弔い感謝の意を表わすシンボルとしてこの塔を建立する
               昭和39年10月建之   龍野郷友会長 吉田孝二

ということですが,沖縄の慰霊碑がどうしてこの地に?龍野は沖縄と何らかの関係があったのでしょうか。それとも,沖縄戦で戦死した人のなかで龍野出身者が多かったとか?さてもさても,いかなこと。

碑のまわりには,参道や石灯籠,歌碑や東屋までありますが,あまり手入れはなされていない様子で,ちょっとした「パラダイス」状態です。これでは,22万の戦死者はうかばれないでしょう。嗚呼,無情。

低山ながらも侮れん

沖縄慰霊碑をあとに,尾根をさらに進んでみましょう。尾根の先端(@)には東屋があり,展望台になっているとか。行ってみると,サプライズが。なんと!木の上に展望台?があり,それへの縄ばしごもあります。別の木には,ブランコのようなものもあり,このあたりいったいが何者かによってフィールドアスレチックに開拓されています。縄は新しそうですし,しっかり造っているようなので登ってみましょう。

  
アスレチック?
アスレチック?

ところが,この縄ばしごというものは,どやさ!?当たり前のことながら,固定されていないので縄がフラフラして,登りにくいことこの上ない。おまけにリュックも背負っているので大変です。それでもどうにか登り,展望台へ。木の枝の間に木を敷き詰めただけの展望台は,ちょっと怖い。見ると,この展望台に登るには,もう一つのルートがあります。丸太渡りです。でも,これって,そんなにバランスよく丸太を渡れるのかなぁ。ほとんど綱渡り状態だもんなぁ。こりゃあ,ムリでしょ。

木登りを楽しんだあとは,東屋に戻り,展望を楽しみます。西に,的場山,鶏籠山,亀山などが見え,その手前には播磨の小京都龍野の街並みが一望できます。100m程の標高ですが,いい眺めです。ひと遊びしたので,尾根を登り返して,女明神に行きましょう。といっても,同じ道を歩くのはイヤなので,尾根から少し下がった道を選択。途中で,沖縄慰霊塔への参道と合流し,慰霊塔前へ。さらに尾根に平行に進む(右 奇妙岩  左 慰霊塔  参道)(←沖縄慰霊塔0.1km 女明神0.4km→ 県道へ0.1km→)と,やがて尾根へ出ます。ここから女明神まではひと登りです。

女明神へ

女明神は,遊歩道からも見えますが,上に行くといくつかの岩が集まった岩場(A)です。そのてっぺんに立つと,180度の大パノラマが広がります。東は,書写山?広峰山,京見山。南は,銀色に輝く播磨灘とその向こうには太島,男鹿島。西には,年末に縦走した御津山脈と野瀬奥山,天下台山も見えています。もちろん,龍野の町も一望。その向こうには的場山や大倉山も見えています。いつまでも展望を楽しみたいところですが,吹きさらしなので風が強い!寒い!

  
女明神にて 女明神から見る播磨灘
女明神にて
女明神から見る播磨灘

女明神で展望を楽しみ,次は鬼の足跡に向かいます。さほど距離はなく,すぐに到着。道の脇にある岩場の一角に足跡のような形のへこみがあります。これが鬼の足跡なのでしょう。で,鬼がこの岩に足跡をつけたところを誰か見たのかな?でも,よくあるんですよねぇ。岩にへこみがあると,馬の蹄の跡だとか。岩に足跡をつけるような馬がいたら見たいものだわ。しかも,山ではよく「鬼の…」なんてのが登場しますが,鬼なんておるかや?「鬼嫁」ならいるんだけどねぇ。ホント,昔の人の発想はワンパターンだよなぁ。

  
女明神から麓の龍野バイパスを見る 鬼の足跡
女明神から麓の龍野バイパスを見る
鬼の足跡

この鬼の足跡のある岩場からは,男明神がよく見えます。斜面に突き出した見事な岩場です。男明神も展望が期待できそうです。この笹山は小さな山なので上りも楽チンですが,見所も多い山です。この山をチョイスして大吉!

男明神へ

遊歩道に戻り,すぐ上のピークへ。ここから西に行くと大岩があるハズですが,尾根道がはっきりしないので却下。遊歩道に戻ります。ここで,2人目のハイカーに遭遇。彼もまた手ぶらでお散歩モードです。仰々しくリュックを背負い,熊除けの鈴まで鳴らしている我々は何なのでしょう。かなり恥ずかしい状態です。

ピークから少し下ると鉄塔があります。その鉄塔をから少し上り返すと,円勝寺跡の標識「←女明神0.3km 男明神0.6km→ 円勝寺跡30m→」があります。円勝寺跡は,南の谷を少し下った平地です。なるほど,寺があったとしてもおかしくないほどの広さの平地ですし,南向きで見晴らしもよかったでしょう。が,ここが寺跡だったことを示すものは,倒れた標識以外何もありません。朽ちかけた木の階段が下に続いているので,ここからも下山できるのでしょうか。

寺跡をあとに,男明神に向かいます。まずは,目の前の小ピークへ。このピークは,姫路市とたつの市との市境のピークで,S田さんの計画では,このピークから市境の尾根を下って北の峠に出るとか。道から見ると,完全にヤブです。凶の予感。

男明神への尾根に出ると,南側の展望がチラリ。しだいに急な下り道になると,右手には先ほどまでいた女明神も見えています。目の前には男明神が見え,すぐに到着(B)。この男明神からの展望もよく,東〜南〜西と180度の展望が広がっています。足元には竜野バイパスも見え,バイパスを通る車からもよく見えるはずです。時間も時間なので,この大パノラマを楽しみながらランチタイムにしましょう。強風を避け,日当たりのいい岩場でランチです。S田さんの今日のランチは,おでんです。もちもおいしかったようで,大満足です。食後のコーヒーもいただき,ランチタイム終了。

  
男明神にて
男明神にて

市境尾根はやはり…

S田さんの予定通り,市境ピークに戻ります。途中で,三角点をチェック。遊歩道のすぐ脇のピークにあります。木立に囲まれ,まったく展望はありません。この三角点ピークよりも市境ピークの方が高いので,ちょっとヘンな感じ。鞍部に下ると,「火の用心」のプレートもあります。???巡視路のプレートですが,こちらの遠回りする必要があるのでしょうか。いったい,どんな巡視路のつけ方をしているのでしょう。

鞍部からは,木立の隙間を適当に登り,市境ピークへ。ピーク(C)には石柱(142)があるだけで,道はなし。あるといえば,木立の間にうっすらと残る踏み跡のみ。やっぱりなぁ。MTBに乗れるなんて,とんでもない。歩くのだって大変です。正月早々,これだからねぇ。

踏み跡があるだけでもマシということで,予定通り,市境を下ることにします。ヤブは行く手をさえぎるというほどのものではありませんが,正月早々,ヤブ漕ぎをするなんて,またもや凶やね。ビシバシ当たる柴を避けながら,尾根を進みます。うすい踏み跡ですが,所々にゴミがあったりするところを見ると,前人未到の地というわけではないようです。S田さんの言うには,ハンターだとか。こんな低山でもハンターがいるなんて,ちょっとヤバくない?

ヤブ漕ぎで尾根を進みます。途中で南斜面に岩場があるはずですが,それも見えません。そして,鞍部へ。鞍部からピークを巻きながら峠に向かいます。ところが,こんな場所にもゴミが。新聞です。見ると,2005年12月2日(金)の新聞です。いったい,こんなヤブに来てまで新聞を読むなんて,どんな人なのでしょう。顔を見たいものです。サインも欲しいものです。

  
市境尾根のヤブ漕ぎ! 古墳にて
市境尾根のヤブ漕ぎ!
古墳にて

古墳にコーフン?

(D)に到着。峠には「火の用心」プレートがあり,巡視路が東西に延びています。それとは別に,地形図にある破線の道も谷を下っています。これから西に延びる巡視路をたどって下山することにします。当たり前のことながら,巡視路になると道は一気によくなり,MTBでも走れそうです。そして,鉄塔(姫路鵤線27)へ。

巡視路は,鉄塔間をつなぐようについているのかと思いきや,そのまま谷に下っています。急で曲がりくねったな下りをどんどん下り,やがて竹林へ。地形図の破線ルートは定かではありませんが,この谷を下れば,ふもとの集落に出られそう。竹林が植林に変わるあたり(E)で,こんもりとした土の小山を発見。古墳好きのS田さんがこれを見逃すはずはなく,「あれ,古墳ちゃうかぁ」近寄ってみると,石の入り口があり,その奥にはきれいな石室が残っています。これは古墳です。しかも,古墳は一つや二つではなく,道の両側に点在しています。しかも,多くの古墳はきれいな石室を残しているのです。さらに驚きなのは,これだけの古墳がありながら,案内板や説明板の類は一切なく,保存用のフェンスもしていません。入り放題の古墳です。これに大喜びのS田さんは,早速,石室へ進入。とはいえ,写真撮影以外にすることはないのですが。

古墳にすっかりコーフンしたS田さんは,気分良く谷道を下ります。さて,帰りですが,山のふもとを回って帰るのもいいでしょうが,小さな山なので,もう一度登って,円勝寺跡から木の階段を下って,下山しましょう。そのためには,もう一度,巡視路に入らなければなりません。左手に見える高圧線(G)を目標に,再び,山へ。

円勝寺跡を経て下山

フェンスを過ぎ,林道を進むと,右手に道があります。高圧線の方に向かっています。巡視路はこの上かな?というので,山道へ。急な上りです。高圧線の下を通っても,まだ,上っています。左手の尾根には鉄塔が見えていますが,巡視路らしものはありません。???S田さんは,先ほどの林道に戻って鉄塔を目指そうと言いますが,せっかく登ってきたのですから,また下るのもシャクです。しかも,尾根へは,あと50mほど。道はなくなっていますが,ヤブというほどのヤブでもありません。先ほどの市境尾根に比べると舗装路のようです。このまま登って,尾根へ出るドォ〜!

「何でこんなところを登らなアカンねん?!」「巡視路に戻ろう」などとぶつぶつぼやきながらS田さんもあとから登ります。下から見た通り,ヤブというほどのこともなく,尾根(H)へ。この尾根を東に進めば,女明神の上のピークに出るはず。尾根もそれほどのヤブではなく,歩きには問題なし。地形図では,この尾根の南斜面にも岩がけマークがありますが,尾根から少し距離がありそうなので残念ながら今回はパスということで。

女明神の上のピークに出て,遊歩道に復帰。再び,鉄塔を目指していると,前からハイカーがやってきます。もちろん,このハイカーも手ぶら。リュックに落ち葉や枯れ枝をつけた我々は,どう見ても異様です。鉄塔で,巡視路を確認し,再び,円勝寺跡(I)へ。木の階段を下ります。木の階段は途中で消えることなく,「るりびたきの径」へ。

ここには木のテーブル?やベンチなどがあり,遊歩道もあります。谷に向かう遊歩道がありますが,我々は山の斜面に延びる遊歩道に向かいます。落ち葉の敷き詰められた遊歩道(J)は,今日の山行きのフィナーレを飾るのにふさわしいシチュエーションです。今年初めての山行きでしたが,プラ階段での押しと担ぎが連続した去年とは違って,楽チンでした。せめて年の初めだけでも,今日のようなお手軽楽チン山行きをしたいものです。

このあたりの山は,笹が多く生えていることから「笹山」と呼ばれています。山すそには竹林,山腹にはコナラやアベマキの落葉広葉樹林,尾根には以前アカマツが多く生えていた雑木林がみられます。尾根の中腹には,女明神や男明神といわれ露出した大きな岩があり,そこから龍野市や太子町,そして遠く播磨灘まで一望できます。また,西側の小高い丘には,20万人余りの生命を失った沖縄戦を忍ぶ沖縄慰霊塔があります。

 

出発10:15   尾根分岐点10:30   開拓碑10:35   沖縄慰霊塔10:35   アスレチック10:45   女明神11:10    円勝寺跡11:30   男明神11:50〜12:30   市境ピーク12:43   峠13:05   古墳群13:20   遊歩道復帰13:55   るりびたきの森14:05   下山14:16


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