極楽尾根道のち激下り時々チョイ乗り 鎌倉山 (2006.2.11)


                
P・@〜J記念スタンプ
P・@〜J
記念スタンプ

鎌倉山再訪

今日は久しぶりに冬型の気圧配置が崩れ,兵庫県中部でも太陽が顔を出すとか。天気予報を信じ,かねてから行ってみたかった鎌倉山に行くことにします。前回同様に,鎌倉山から行者道をたどって南の尾根に下るつもりです。特に,南の尾根は,昨年,ハイキングコースとして整備されたということですから,下りは全乗りでしょう。もちろん,尾根道もハイキングコースとして整備されているようなので,さらに乗車率のupが見込まれます。ところが,S田さんは,途中の尾根から上がり,鎌倉山へ逆走。鎌倉山から河内城址に行こうと提案します。そして,時間があれば,再び,尾根の途中に登って,そこから南の尾根を下ろうとか。河内城址というのにそそられますが,「時間があれば」というのは,我々の場合は,「無理」というのと同じです。今まで,「時間があれば」で,時間があったためしがありません。

鎌倉山は高くて美しく大きな岩座(いわくら)をもち近郷一円の水源でもあるため 古くから神体山として賀茂郡(加西市と加東郡)の神々のふるさとと崇敬され神話や伝説に登場します 北条の住吉神社や社の佐保神社の神社記によればいずれも鎌倉山から降臨された神であると記されています
鎌倉山に連なる峰々は明治35年(1902年)に大峰山を模して行者道が開かれ東南麓の行者道登り口を起点として宝来山鎌倉寺(蓬莱山普光寺の奥の院)を終点とします したがって現在地は途中の登り口です 行者道に合流し右折すれば起点に戻り左折すれば次のように終点に達します
まず鉢尾峰(大天井)を経て「東ののぞき」に着けば岩座に役行者(えんのぎょうじゃ)像が安置されています
柳峠を横切り鎌倉山頂に着けば法起菩薩(ほうきぼさつ)像が安置され 周辺の広場はその昔護摩を焚いて雨乞いをした跡です 天候が良ければ南に広大な播磨平野が一望でき遠く明石海峡大橋や瀬戸大橋も望めます
東に下り「西ののぞき」抹香(まっこう)岩に着けば岩壁に役行者像が刻みこまれています
やや引き返して下れば終点の宝来山鎌倉寺に着きます 寺伝によれば神亀6年(729年)中衛大将藤原房前公の御願により徳道上人の開山と伝えられています
                         
(登山口にある石碑より)

前回同様,ふもとの普光寺(P)に車をとめます。と,ここでサプライズ!ハイカー用の駐車場ができているうえに,案内所まであります。さらには,その案内所の中には,地図やパンフレットなども完備。道の反対側には,石でできたコース案内もあります。さすがはライオンズクラブが整備しただけのことはあります。金のかけ方がちがう!

  
駐車場にある案内所
駐車場にある案内所

いきなりの急登

MTBの準備を終え,出発。登山道入口には標示板があります。植林の中の林道をしばらくが,やがて登山口に。ここからは,山道になり,急勾配の上りが始まります。植林の中の薄暗い道ですが,道はしっかりと整備されています。所々に,標示プレートもあり,迷うことはなさそうです。それにしても,シンドイ!身体はすっかりヒートアップ。汗でメガネが曇ります。

一旦,ゆるやかな水平道になりますが,倒木帯を過ぎると再び九十九折りの急登へ。そして,一つ目の鉄塔(播磨線135)に到着。もうこの時点で,「時間があれば」上り返して下る南尾根コースは断念。時間よりも,体力が…。

鉄塔からほんのチョッピリ乗り,再び,MTBは肩に。九十九折りの急登が続きます。近くに見えていた鉄塔にはなかなか着きません。そして,やっとのことで,尾根道と合流。ここ(@)には,案内プレートがたくさん設置されています。距離もきちんと書かれています。

Aコース第@ポイント(合流点)  
←鎌倉山頂3km 柳峠2.1km 東ののぞき1.8km 鉢尾峰(大天井)420m    護摩堂(行者堂)2km 行者道起点2.2km →

せっかく来たので,すぐ上にある釈迦如来像を見てみましょう。

整備されたハイキングコース

鉄塔の脇をぬけ,小ピークに登ると,釈迦如来像があります。そのピークから,西に縦走尾根道。正面に巡視路が延びています。巡視路は倒木があり,ハイカーが迷い込まないようにしているでしょうか。縦走尾根道は,きれいな尾根道です。きっと,MTBは乗り乗りなんでしょうねぇ。しかし,残念なことにというか,悲しいことにというか,今日は,の地に戻ってくることはないでしょう。

  
尾根道にある標示いろいろ 大天井山頂
尾根道にある標示いろいろ
大天上山頂

釈迦如来像と鉄塔をあとに,尾根道を北上します。少しは乗れますが,すぐに大天井への上りにさしかかり,MTBは担ぎになります。この大天井を迂回するルートもあるようですが,今回は大天井からの下りを楽しみたいので,わざわざ大天井に登ることにします。
このあたりは,前回も通ったはずですが,まったく記憶にありません。6年も前のことでもあるし,逆ルートだったこともありますが,何より何回も同じような所をMTBで走っているので,どこがどこだったか…。

急登を終え,大天井(A)へ。大天井にもプレートがあります。その脇の石柱は見覚えがあります。たしか,この脇に座ってランチを食したはず。あの時は,木立に囲まれていたので展望がありませんでしたが,今回はまわりの木は切り倒され,大パノラマが広がっています。残念なことに,この日は,強烈なモヤのために遠望はきかず。ふもとの田園風景が見えるだけです。

極楽ダンウンヒルだギャ!

さて,これからお楽しみのダウンヒルです。GO!GO!GO!と行きかけ…。アカン。曲輪状の段差が下れません。残念!少し押したあと,今度こそダウンヒル!イイ感じや!極楽や!MTBで来た甲斐があるっちゅうもんや!滑りやすい急な下りも,テールスライドで下れば,スキー状態です。これりゃあ,おもろいギャ!…が,思いのほかダウンヒルは短く,再び,上りに。

この上りは,小天井への上りです。ここにも迂回ルートはありますが,せっかくなので,ピークへ行きましょう。途中には,三角点ピークへの尾根道の分岐点もあります。行ってみたい気がしますが,MTBの乗車率は低いとか。それじゃあ,意味ないジャン。さっさと小天井へ行きましょう。

小天井(B)は木立ちに囲まれたピークで,展望はほとんどなし。S田さん曰く,「ここから全乗りやで!」あまり信用せずに下りましょう。が,なるほど,S田さんの言うように,極楽尾根道が続いています。しかも,道の脇には残雪がチラホラ。なかなかイイ感じです。上り返しもそれほど急ではなく,少しがんばれば乗って登れます。

大日如来像のある所からは,南に展望が開けていますが,あいかわらずのモヤで遠くは真っ白。空気さえ澄んでいれば,明石海峡大橋が見えるというのに…。今日は,展望はダメだギャ。残念だギャ。悔しいズラ。

  
雪の残る尾根道を快走 東ののぞき
雪の残る尾根道を快走
東ののぞき

再び,快調に下り,東ののぞき(C)へ。ここは,岩壁になっており,その途中の岩面に磨崖仏が彫られているとか。石仏好きのS田さんは,崖によじ登って写真を撮っています。あれで落っこちれば,自分が石仏になっちゃうのになぁ。まぁ,それも本望というものでしょうかねぇ。脇にある錆びたクサリに捕まってみるものの,古いだけに頼りない。でも,このクサリを伝ってこの岩壁を登っていたのでしょう。修業って,大変だったんですねぇ。
東ののぞきをあとに,さらに下ると,ついに柳峠(D)です。

ここは柳峠
←鎌倉山頂1km    ←八千代町下三原(柳)へ    鉢尾峰(大天井)1.6km 東ののぞき450km→    鎌倉登山口へ下山→

鎌倉山への激上り

長かったダウンヒルが終わり,これから鎌倉山まで長い上りです。柳峠は南北への道があり,それぞれ加西市と八千代町へ下ることができます。もちろん,今回はこのまま尾根道を進みます。

  
柳峠 孔雀明王
柳峠
孔雀明王

少し登ると,鉄塔(播磨線132)です。ここから鎌倉山が見えます。振り返れば,大天井も見えます。空気が澄んでればなぁ。次の鉄塔へは,全乗りです。この鉄塔を最後に,尾根道は巡視路と離れます。鉄塔からは笠形山がかすかに見えています。白っぽいので,もしかすると雪が降ってるのかも。そういえば,中部は晴れる予報でしたが,未だに太陽が顔を出しません。それどころか,もしかすると雪が降るかもといった空模様です。どやさ!?この天気は!

MTBは少し乗り,予想通り担ぎになります。巡視路を右手に見て,急登へ。この上りには,ロープが設置されていますが,MTBを肩に登る身にはツライものがあります。しかも,路面は滑りやすい。

汗だくになりながら,急登をクリアすると,孔雀明王像がお出迎えです。近寄ってみると,孔雀の両わきが欠けています。S田さんによると,その破片は縁起担ぎにお持ち帰りしたとか。それならばと,「そばにあった石」で叩いてみるものの,傷がついただけで,破片なんぞはできません。今日は御利益なしということでしょうか。ちなみに,「そばにあった石」を見ると,これまたどこかの石像の破片のようです。なんのこっちゃ?!ウーロンちゃ?

鎌倉山山頂手前の上りにさしかかると人の声が聞こえてきます。そういえば,これまでハイカーに会いませんでした。でも,やはりガイドブックで紹介された山だけに,山頂にはハイカーがいるのでしょう。ところが,最後の上りを終え,山頂(E)に出ても誰もいません。今度は,下の方から声がしてきます。運よく,入れ違いになったようです。よかった,よかった。

  
鎌倉山山頂 鎌倉山山頂の法起菩薩
鎌倉山山頂
鎌倉山山頂の法起菩薩

山頂も,木が切り払われ,展望がよくなっています。法起菩薩像は健在で,なぜか,人形が供えられています。三角点も健在です。ランチタイムですので,この展望のいい山頂でランチにしましょう。それにしても,それにしても,いつまでもたちこめるこのモヤはどやさ!?

西ののぞきはスリル満点

食後のコーヒーをいただき,まずは,西ののぞきへ行ってみましょう。もちろん,MTBは山頂に放置です。急な下りを少し下ると,テラス状になった岩場が見えます。西ののぞき(F)です。そういえば,前回は,ここからの展望にジャマになるからと,S田さんが木をけり落としたよなぁ。あの時はそんなにパワーがあったんだなぁと,時の経過をしみじみ感じます。

  
西ののぞき その1 西ののぞき その2 西ののぞきにある磨崖仏
西ののぞき その1
西ののぞき その2
西ののぞきにある磨崖仏

岩壁には磨崖仏が彫られています。役行者像のようですが,あんな所によく彫れたものだと感心します。他にすることがなかったのかねぇとも。でも,岩壁に彫る方がマシというもの。道の脇に彫った石像を置くなんて,通行のジャマでしかありません。今でいえば,道端に勝手にモニュメントを設置するのと同じなんだから。こんなん,通行のジャマやろ!って蹴りとばされるのがオチです。でも,そのおかげでこんなハイキングコースができたんだから,感謝かな?

西ののぞきで心ゆくまでスリルを味わい,再び,鎌倉山頂へ。ここから,未知のルートです。とはいえ,標識もあり,地図にも明記されているので,ヤブってことはないでしょう。では,MTBでGO!GO!GO!

城址コースは激下り時々チョイ乗り

少しは乗れますが,すぐに乗車不能に。せっかく稼いだ高度を乗れずに下るなんて,もったいない!しかも,道の脇にロープが設置されるほどの激下りなので,MTBを担ぐ身には危険極まりない。滑る足元に気をつけながら,そろり,そろりと下ります。そして,ようやく,傾斜がゆるくなったところからはMTBでGO!GO!GO!

結局,この城址ルートは,下りは激下りで乗れず。もちろん,上りも乗れず。乗れるのは,下りの下部と鞍部だけです。乗車率は30%といったところでしょうか。歩きには問題なしですが,MTBでわざわざ行くほどのことはなさそうです。

町境界のピークから高畑展望(G)へ。地図では「展望」とありますが,期待するほどの展望はありません。木立の間から西ののぞきの岩壁がかろうじて見えます。少し引き返して,またもや激下り。ロープを片手にそろり,そろり。三角点ピークまでは,少しは乗れます。ただ,案内所にあった地図は,地形図の三角点とちがう位置に三角点があります。地形図では,河内城址の位置が三角点になっているのです。はて?

乗ったり,押したりで進み,三角点(H)を確認し,あとは河内城址へ行くだけです。河内城址手前の急登は,滑りやすいので要注意。MTBを持って上がっても,乗って下れるのかなぁとも思いますが,やってみなきゃあわかりません。乗って下ればおもしろそう。

  
三角点 河内城址
三角点
河内城址

河内城址(I)は,最近になって整備されたようで,展望もよくなっています。木のベンチもあるので,ここでおやつタイムです。香り豊かなコーヒーを楽しみながら,ふもとの景色を眺めます。このころになってようやく,日が差し始め,ちょっと恨めしい気が。

『播州太平記』を歩く  別所氏の発祥の地  加西市別府町
加西市の市街地から北東に行くと,中国自動車道の北に小高い山がある。加西市別府町の阿弥陀寺裏山(宮山)の背後にあたる城山である。別所,河内,佐谷の入会山で,標高281mの山頂付近に城跡が残っており,別所城,別名も河内城,佐谷城と呼ばれ,ここが別所氏の発祥の地といわれるところである。
中世の東播磨に覇をとなえた別所氏ゆかりのところだけに,期待して歩いてみたが,痕跡は何もなかった。『加西郡誌』(昭和9年)には,城跡の南の「下屋敷」というところに土塁が残っており,城主の屋敷があったと記しているが,それも分からなかった。麓には,法道仙人が庵を結んだという古い伝承を持つ阿弥陀寺があるが,寺院として開かれたのは江戸時代中期で,隣接する若王子神社とともに別所氏とのつながりはない。ただ,阿弥陀寺の辺りから城跡への登山道があったらしく,一部には八十八ヵ所の石仏が並ぶ巡礼道になっていた。
別所城跡の調査は,ほとんど進んでいない。昭和58年(1983年)の兵庫県教育委員会による「中世城館緊急調査報告」では,主要な部分はほぼ完全な形で残っており,土塁を設けずに,帯曲輪と堀切によって防御したという特徴を持っている,とある。頂上部分に主曲輪があり,さらに小規模の堀切があって三の曲輪,四の曲輪,五の曲輪と並列している。全体に帯曲輪がめぐらされており,この付近では最大級の規模を誇る中世城郭である。
西脇市郷土資料館の岸本一郎さんの調査によると,中央郭の両側に堀切があり,東曲輪と西曲輪が設けられており,東には階段状の四つの曲輪,西にも二つの曲輪がある。通路兼曲輪がめぐらされているという。自然地形を利用した城郭で,頂上に登ると,遠く加西一円や,すぐ東の丹波街道を見下ろす立地にある。だが,近年は整備されないままに放置されており,自然林に返っているといわれる。
                      
(普光寺の案内所にある資料より)

さて,これからふもとまで下りです。全乗りになるか,激下りになるか。まずは,直下の下りです。ここも後輪ドリフトのスキー状態で下るとおもしろい!見た目ほどの危険は感じず,あっけなく終了。

←細谷経由公民館へ下山  ←河内城跡へすぐ  宇津木谷・鎌倉山へ→

次は,斜面のトラバースですが,これが極細道なので超危険!そろり,そろりと参ろう。ところが,危険なのはこのトラバースだけではありません。トラバースを終えた下りが超危険。ロープが張ってありますが,そのロープを持っても,足元が滑るので大変!しかも,MTBを担がなきゃあならないし。どうやら,このルートはハイキングのために強引に作ったもののようです。でなきゃあ,あんな激坂を上り下りしていたんじゃあ,お城に行くだけでも大変です。

激下りを終えると,道は突然,ゆるやかな林道になります。もう下山地点はすぐでしょう。もちろん,MTBで快調に下ります。目の前が大きく開けると,下山地点の集落が見えてきます。(J)その向こうには,このあと行くはずだった南尾根が見えています。すでに時刻は,2時半を過ぎています。空模様も再び,怪しくなってきました。残念ながら,今日はこのへんにしといたろかぁ。

 

出発9:15  尾根9:48  大天井10:10  小天井10:30  東ののぞき10:55  柳峠11:10  鎌倉山山頂(西ののぞき)11:40〜12:50  三角点13:45  河内城址13:55〜14:20  下山14:35


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