初夏から春へ 藤無山 (2006.5.14)


  
P・@〜D
P・@〜D

2年周期の藤無山

週末に天気が崩れる最悪パターンの続く今春。ようやく,雨が上がり,久しぶりにお山へ。今回のお山は,藤無山です。同じ山に登ることは稀ですが,なぜか藤無山にはこれまで3度登っています。2004年夏,2002年夏,2000年夏。これまたなぜか,夏にばかり登っています。しかも,2年周期。今回も2年周期にあたる2006年ですが,季節は初めての春。どんな発見があるでしょう。

今回は,志倉林道から山頂経由で,南尾根を下るというルート設定です。まずは,志倉へ。ここには山荘があり,廃油から石けんを作って売っているとか。山荘なら,もっと自然に関係のある仕事をしているのかと思っていたのですが,ちょっと?です。山荘を左手に見て,すぐ上の空き地(P)へ。これ以上登ってしまうと,帰りが遠くなるかもしれないので,このあたりがちょうどいいかも。

車をとめ,歩きの準備です。準備をしながら,ルートの最終決定です。志倉林道から登るのもいいけど,目の前に見える南尾根から登るというのもよさそうです。登りなら,支尾根に迷い込むことがないでしょうし,現在地も確認しやすいはず。ということで,早速,渡渉です。昨日までの雨で,川の水は増水しているようで,流れも速い。川を見ながら渡りやすそうな地点をさがすものの,なかなか見つかりません。100mほど登ったあたりで,ようやく渡れそうな地点を発見。S田さんは,すぐ上の地点で渡渉を試みるようです。岩が濡れているので,滑りやすい。倒木の枝をつかみ,エイ!無事,渡渉成功。S田さんも無事クリア。

伐採地は大展望ポイント

尾根を少し登るものの,どうやら,このままだと林道に出てしまうようです。山頂への南尾根は,もう一つ,南の尾根です。あれまぁ。今度は,川というより沢といった感じの流れを横切ります。ここでも濡れた岩に要注意です。素早くクリアするものの,S田さんは失敗。ヤッパ,濡れた岩は危険だギャ!

  
まずはクリア ちょっと愛嬌?
まずはクリア
ちょっと愛嬌?

危険な沢をクリアすると,今度は植林の中の急登です。ヤブではないのですが,傾斜が急なので大変です。早くも汗ばみ,身体はヒートアップ。急な植林を抜けると,緑鮮やかな尾根(@)になります。踏み跡は明瞭です。新緑の中をお気楽ウォーキングです。途中で,志倉山荘裏からの尾根と合流します。踏み跡もあるようなので,志倉山荘から登ることだってできそうです。

  
植林の中の急登 行く手には伐採地
植林の中の急登
行く手には伐採地

お気楽に尾根を歩いていると,行く手に伐採地が見えてきます。あの伐採地からの展望は期待できそうです。行くドォ〜!尾根道は,緩急を繰り返しながら,高度を上げていきます。行く手の伐採地はどんどん近づいてきます。まわりの新緑は鮮やかですし,頭上には青空が広がっています。さわやかな空気につつまれながら,むさくるしい2人のオッサンは伐採地(A)へ。

ふもとから見ると,歩きやすそうな草地を想像していましたが,実際には最悪。枯れたススキの茎は滑りやすいうえに,野イバラでイテテッ!しかも,見た目以上の急斜面なので,登るのが大変です。幸い,植林との境界に害獣除けネットがあるので,それをつかみながら登りましょう。ネットはすでにその役目を終えているようで,単なるゴミですが,こんな時には役に立つものです。

急登を終え,一旦なだらか尾根になると,岩場があります。この岩場からの展望が爽快です。遠くは段ヶ峰や一山などが見え,やわらかな緑が,植林の濃い緑の中にパッチワークのようなパターンを描いています。岩場に立っていると,さわやかな春風に汗もひきます。志倉林道では,S田さんのお知り合いのY木さん夫妻が見えています。ご両人は,志倉林道から登り,この南尾根を下るとのこと。

岩場の展望を楽しみ,伐採地上りの後半です。後半は傾斜が緩やかになり,ちょっと楽チンです。振り返ると,登ってきた尾根が一望できます。これなら,下りだってそれほど難しくはなかったかもね。伐採地を登り終える(B)と,南西から尾根が合流しています。おそらく,『兵庫の山やま総集編』にある記述だと,多田繁次さんたちはこの尾根を下ったのでしょう。ブナ林の尾根が歩きやすそうです。

  
伐採地からの展望 尾根のブナ林
伐採地からの展望
尾根のブナ林

ブナ林が!

尾根は伐採地からブナ林に変わります。この時期のブナは若葉をまとい,日の光を通してくるとその緑がより鮮やかになります。まるで新緑の海です。ここまで登ってきた者にだけ与えられるご褒美なのかもしれません。想定外の事態に気をよくして登っていくと,またもや予想外の事態が。山頂直下のササ藪が,それほど密ではなく,歩きやすい!あたりの木々を見ると,まだ新芽がちらほら。山頂付近ではまだ春が始まったばかりなのでしょうか。だから,ササも葉を茂らせていないのかも。気分をよくして,山頂へ。

ところが,山頂が近づくと…,たくさんの人の声。やがて,姿が見え,ビックリ。20人近くのハイカーが藤無山山頂(C)にいるのです。多田繁次さんが登ったころは,奥播州の秘境とまでいわれた藤無山ですが,いまやすっかりメジャーな山になったようです。それに合わせたように,木々が切り払われ,北の展望もよくなっています。今日は,モヤで遠望がきかないのがちょっと残念。

  
大にぎわいの藤無山山頂 山名プレート収集中?
大にぎわいの藤無山山頂
山名プレートを収集中?

団体ハイカーが下山し,山頂に静けさが戻ったころ,志倉林道から登ってきたYさん夫妻の登場です。S田さんは,ランチを終えると,いきなり木登りを始めました。聞けば,木に付けられている山名プレートや登頂記念プレートを外しているのだとか。付ける人あれば,外す人あり。人生,いろいろですなぁ。それにしても,もう少し木登りを練習しなきゃあねェ。

ちょっぴり残念

山頂を後に,4年前に下ったのと同じルートを下ります。最初こそ,なだらかな尾根道ですが,すぐに激下りに。ここをMTBを担いで下ったなんて,かなりおバカさんです。我ながら,あきれちゃいます。しかも,傾斜が急というだけでなく,路面は黒い火山灰なので,滑ること,滑ること。とらロープにつかまりながら,慎重に下ります。

  
春まだ浅い山頂付近のササ原 激下り
春まだ浅い山頂付近のササ原
激下り

やがて,植林が終わり,あたりが草地っぽくなってくると,足元にたくさんの野草が見え始めます。残念ながら,お目当ての花はまだつぼみ。これまた残念。それでも,野草を写真におさめることができたので,ちょっと満足?このあとは,植林の中を抜け,沢を渡り,ガレ場を過ぎ,再び植林へ。テープがあるので迷うことはありませんが,テープがなければ,どこが道?という個所もあります。そして,トラバース気味に小さな沢を過ぎると,志倉林道終点(D)です。あとは,この林道をぶらぶら歩いて下るだけ。途中の分岐点には,新しい標識が立っています。「揖保川支流 志倉川源流」だってさ。それがどやさ!?

  
志倉林道分岐点
志倉林道分岐点

今回は,上りの南尾根だけがハイライトになってしまいました。お目当ての花を見ることができなかったのは残念でしたが,想定外のブナ林を楽しむことができました。ということで,本日のお山は,☆三つ!

 

出発9:35  尾根10:24  730地点10:50  1044地点11:30  藤無山山頂11:55〜13:10  スギ林13:45  林道14:15  林道出合14:30  下山終了14:55


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