高原をMTBで散策 ハチ高原〜東ハチ高原 (2006.6.11)


  
P・@〜C
P・@〜C

新緑の東ハチへ

今冬,東ハチでスノボーを楽しんだ時,山頂からのパノラマが忘れられず,今回は新緑のパノラマを楽しみに東ハチを訪れることにしました。S田さんは,スキー場なんてどこがおもろいの?という感じでしたが,東ハチのパノラマと高度感,それに広々とした草原はそう捨てたものじゃないよ。ところが,この日は春霞?がひどく,近くの山だって稜線がかろうじてわかる程度。新緑の大パノラマはムリっぽい。かなり残念!

意外にも早く東ハチ高原に着くと,スノーシーズンが終わっているので,集落全体が閑散としています。シーズン中は有料の駐車場(P)も今はただの空き地。ハチ高原のように,小中学生の野外活動を受け入れていないようです。でも,それがかえって落ち着いた爽やかな高原となり,いい感じです。

車をとめ,早速,第一村人から情報収集。東ハチの「オキナグサ」の群落地をたずねると,すぐそこのロッジの庭にあるとのこと。見ると,花は終わり,綿毛になっています。オキナグサは絶滅危惧種だそうですが,それがロッジの庭にあるなんて,ちょっと拍子抜けです。例年は,オキナグサの開花期は4月末から5月初めということで,6月ではもう遅いようです。

いきなりの肩透かしを食らいながらもMTBで出発です。すぐに見所ポイント出現です。

県指定文化財  別宮家野遺跡
指定年月日  昭和47年3月24日   所有者・管理者 関宮町
関野宮町には,これまで多くの遺跡,遺物が発見されている。この遺跡は昭和44年(1969)農免道路の切り通し断面から石器と土器を発見し,開墾直前の山林を町が買上げて調査を行い,昭和48年に遺跡公園として保存事業を完了したものである。
遺構は,配石遺構を中心に,河原石を組んだもの,貯蔵穴等の外,押型文土器,刺突文類似の土器,石斧,タタキ石,カシ・クルミの実の炭化物などが発見されている。
兵庫県下最古の縄文遺跡で,当時の狩猟・採集生活を解明する上で貴重な遺跡である。
           
平成7年2月     兵庫県教育委員会

と記された案内板があるものの,実際には少し高くなった芝生地があるだけです。これまた,拍子抜け。拍子抜けの連発です。

別宮の大カツラ&棚田

車道をMTBでのんびりサイクリングです。時々,ハチ高原に向かう車が通るだけの車道です。右手を見上げると,東ハチスキー場の最上部が見えます。道の脇にはウツギやアジサイの花が咲き,あたりは初夏の様子です。次なる見所は,棚田と大カツラです。

まずは,棚田です。車道からすぐ下(@)に広がる棚田は,昨今の棚田ブームのためか,遊歩道まで設けられています。東屋もあり,田んぼというより「公園」です。棚田の向こうには,なだらかな東尾根をもつ氷ノ山が見えていますが,モヤのために稜線がかろうじて見えるだけです。棚田に映る「逆さ氷ノ山」を見たかったのですが,それも叶わず。それにしても,「棚田」がブームになるなんて,なんだかなぁ…。

  
氷ノ山と棚田 別宮の大カツラ
氷ノ山と棚田
別宮の大カツラ

「棚田公園」のすぐ上に,大カツラがあります。車道からは,木立に囲まれているので,それとはわかりませんが,近くに行くとデカイ!写真に入りきらんガヤ。S田さんは,その脇にあるSTに興味津々。案の定,いざ出発となると,そのSTを行ってみようと主張。本日初めてのSTです。ところが,そのお楽しみも数分であっけなく終了。再び,車道サイクリングです。

このころになると気温は上がり,初夏の日差しが照りつけてきます。すぐに汗びっしょり。ひたすらハチ高原を目指します。ただ,道の勾配はそれほどではないのと,空気が爽やかなのが救いです。

にぎやかなハチ高原

やがて,ハチ高原へ。ロッジ街を通ると,どこのロッジも小中学生の団体が宿泊しています。高原では多くの子どもたちが活動中です。空を見上げると,パラグライダーが気持ちよさそうに飛んでいます。雪のないハチ高原でもいろいろな活動ができるようです。もしかすると,雪のシーズンよりも雪のないシーズンの方がロッジの儲けはいいのかもね。

このハチ高原で見所その3です。この高原のどこかにミツカシワ(A)という花があるそうな。ロッジの裏などを捜すものの見つからず。あるのは,紫のカキドオシばかり。しかたがない,帰りに車でまわって捜してみるか。

ハチ高原を後に,アルペンロードをハチ北に向かって進みます。この林道は,氷ノ山瀞川広域林道の一部で,このあたりは舗装されています。道の脇には,カキドオシやキケマンやウツギの花が咲き,春の名残が見えます。その向こうには,氷ノ山のなだらかなシルエットが広がっています。谷筋には,何ヶ所かで残雪も見えています。6月になっても雪が残っているなんて,ビックリです。

徐々に高度を上げ,やがて峠へ。峠には石碑があり,車が何台かとまっています。鉢伏山へは,西に見える山道を登ればいいのですが,階段もあり,傾斜もきつそうなので,今回はパス。東ハチを目指しましょう。

  
ハチ高原 東ハチへの縦走路
ハチ高原
東ハチへの縦走路

東ハチへ縦走

尾根道を上り始めるとすぐにハイカーに遭遇。ハチ高原の喧騒から逃れ,静かな高原と雄大な氷ノ山を楽しみながらランチの最中です。初めて訪れる東ハチへの縦走路ですが,利用する人は多いんだ。ところが,さらに進むともっとビックリが。パラグライダーのランチャー台(B)があったのです。そこでは今まさにライズアップをせんと風を待っている女性が一人。まわりでは,それを補佐する仲間の人たちが多数。ランディング地点からの情報も入っているようです。どうやら,パラグライダーは一人ではできない遊びのようです。そういえば,この峠まで車で送ってもらっていたしね。飛んでる時は気持ちいいんだけどなぁ。

ランチャー台をあとに,縦走路を進みます。道はまもなく新緑のトンネルに覆われ,足元はふかふか。気持ちのいい道です。上りの距離はさほどなく,すぐにピークへ。ここからは,高坪山まではMTBで進めます。さほど時間はかからず,すぐに避難小屋へ。きれいな避難小屋で,2Fテラスもあります。小屋の横には,足型のベンチもあります。この施設は野外活動をする子どもたちへの配慮から作られたものなのでしょうか。東ハチスキー場はすぐそこのピークです。

  
高坪山避難小屋 東ハチスキー場最高点
高坪山避難小屋
東ハチスキー場最高点

ちょうどランチタイムとなったので,テラスでランチにします。涼しい高原の風に吹かれながらのランチは,ドエリャア〜うみゃ〜!ヤッパ,山の上はええガヤ。食後は定番のコーヒーですが,ここよりも展望のよさそうなスキー場の上部にある東屋でいただくことにしましょう。

避難小屋をあとにスキー場を目指します。といっても,距離にして100mほど。一旦,下って,上り返すと,そこは広々とした草原です。見上げると,パラグライダーが気持ちよさそうに飛んでいます。ラインが風を切る音だけがかすかに聞こえてきます。まさに鳥になった気分でしょうねぇ。

  
東ハチスキー場に向かってGO!
東ハチスキー場に向かってGO!

スキー場ダウンヒル

東屋(C)に着き,コーヒーをいただきます。ふもとを見ると,車をとめた広場が小さく見え,正面には氷ノ山の東尾根が見えています。なだらかな稜線はMTBで下るとおもしろそうですが,実際には,尾根から登山口の間は丸太階段だらけ。それでも距離は短いので,MTBで東尾根を下るというのもおもしろそうです。

食後のコーヒーをいただき,あとはスキー場を下るだけです。できるだけ長いコースを下りたいので,Aコースではなく,東尾根コースから下ることにしましょう。尾根からの展望を楽しみながら,なだらかな草地を快適に下ります。立ち木のない草原は,気分爽快。振り返ると,鉢伏山が見えています。左手の林の間からは瀞川山なども見えます。少し下ると,スカイバレイスキー場のディアコースと合流。すぐに分かれて東尾根コースへ。右手の急斜面を見ると,とてもMTBで下れそうにありませんが,スノボーだったら下れるんですよね。(本当は,立ち入り禁止だけど…)

  
振り返ると鉢伏山 左手に瀞川山
振り返ると鉢伏山
左手に瀞川山

東尾根コースからセンターコースへ。ここにはラベンダー畑があり,あたりの草原では山菜取りの人が30人ほどいます。ちょっと寄り道をして,再び,スキー場ダウンヒルです。できるだけ長いコースをというので,今度はセンターコースからチャンピオンコースへ。ふつう,チャンピオンコースというのは,そのスキー場でももっとも急な斜面に命名されるのですが,この東ハチではチャンピオンコースといってもほとんど初心者コースです。摩訶不思議。

  
東ハチ東尾根コースを下る 絶滅危惧種「オキナグサ」に迫る怪しい人影!
東ハチ東尾根コースを下る
絶滅危惧種「オキナグサ」に迫る怪しい人影!

初心者コース程度の傾斜ですが,気をつけなければならないのは,草に隠れた凸凹と溝です。そろりそろりとよたよたダウンヒルです。チャンピオンコースを下り,最後はチビッコゲレンデからセンターコースへ復帰。豪快ダウンヒルとはいきませんでしたが,上部は展望がよく,楽しいコースでした。モヤで遠望がきかなかったのは残念ですが,広々とした草原と高度感を楽しむことができ,メデタシ,メデタシ。今日も見所満載,走って楽しい山行きとなりました。

なお,このあと,車でハチ高原に戻ってミツガシワを見ましたが,すでに花は終わっていました。嗚呼,無情。

 

出発10:20  棚田10:30  ハチ高原11:00  峠11:50  高坪山避難小屋12:20〜12:40  東屋12:45〜13:15  下山14:00


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