昔は牛 今はMTBで走る上山高原 (2006.10.15)
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花の海上
今日は,S田さんが夏から言っていた上山高原に行きます。いつもは,上山高原まで来ると,ついつい扇ノ山山頂まで行ってしまいますが,今日のコースは,ふもとの海上からMTBで上山高原まで登り,破線ルートを下るという「極楽ダウンヒルコース」です。距離は短いので,のんびりと上山高原までのヒルクライムを楽しみ,上山高原でものんびり。そして,お楽しみのダウンヒルという楽チンMTBです。
今日のコースで楽しみなのは,ダウンヒルともう一つ。海上付近の野草を写真に撮ることです。春はいろいろな花が咲きますが,秋はどうでしょう。これまで秋に来たことはあまりないので,どんな花が咲いているか楽しみです。それと,秋の海上の風景も見物です。
車を石橋(P)にとめ,MTBで出発です。幹線道路から海上への道に入ると,道端にはいろいろな花が見えます。やっぱり,秋もこのあたりは花が多いんだなぁ。あれこれ写真を撮るので,ちっとも進みます。それでも,今日は上山高原に行くだけですが,時間はたっぷりあります。
牛道だって?!
歩くよりも遅いスピードで,牛並みのペースでようやく海上(@)へ。神社の入口には,上山高原&扇ノ山の詳しい地図があります。そこで,今日,我々が予定している破線ルートは,「牛道」と呼ばれていることが判明。また,以前通った上山高原から畑ヶ平林道に抜ける道は「左馬殿道」というそうです。殿様が通ったということですが,あんな道を通ってどこへ行ったのでしょう。もの好きな殿様がいたものです。
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海上には,牛道からの下山地点にあたる所にも,案内板があります。これらは,上山高原エコミュージアムの活動の一環として設置されたものでしょう。税金のムダ使いという気もしますが,いろいろな情報をゲットできるのでありがたい。この案内板は,設置されている付近の見どころが紹介されているうえに,詳細な地形図もあります。これだけ詳しければ,地形図を持ってくる必要がないほどです。
海上の集落を抜け,芝桜公園へ。もちろん,芝桜は咲いていません。車道に戻り,稲刈りのすんだ田んぼをぬうようにして上ります。上りきった所から振り返ると,稲刈りのすんだ田んぼと海上の集落,その向こうには牛ヶ峰。春とは違った雰囲気が,これまたGOODです。
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車道から林道に。とはいっても,どこから林道かはわかりませんが,集落や田畑がなくなり,山の中の道になります。シワガラの滝の入口にも新しい案内板があります。こりゃあ,便利だギャア。林道を走り,上山高原を目指します。道端には,赤いツリフネソウの花があちこちに咲いています。まるで雑草状態です。それを証明するかのように,やがて前方に草刈り作業の人たちが。見ると,道端のツリフネソウは,無残に刈り払われています。地元の人にとっては,珍しくもなんともない花なのでしょうねぇ。
林道は,斜面の東を横切るように延びている,左手の景色がよく見えます。ということは,下山ルートである牛道のある尾根が見えているということです。なるほど,なだらかな尾根です。これは,期待がもてます。乗車率100%かもね。
秋色に染まり始めたあたりの山々を眺めながら,のんびりとペダルを回します。すでに林道から牛歩です。林道は,傾斜もゆるやかなので,楽チンです。年によっては,春の残雪期でも上山高原までも除雪していなくて,この林道を歩いたこともあったっけなぁ。それに比べると,MTBのなんと楽チンなことか。
開放感あふれる上山高原
やがて,林道は高原へ。上山高原は,以前は放牧場だったそうで,今でも大木は少なく,解放感にあふれています。しかも,最近は,この高原をススキの原っぱにしようというプロジェクトがあるようで,木を切りまくっています。高原の整備ということなのでしょうが,これはこれでどやさ?
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九十九折りの高原の中の道を上ると,上山のふもとです。トイレや石碑があり,案内板もあります。その案内板によると,牛道はその名の通りふもとの集落から上山高原まで牛を上げるための道だったとか。その牛道はといえば,上山高原を放牧場にするために切った木を運び下ろすトロッコ道だったとか。ただ,トロッコといっても,線路のあるものではなく,丸太をコロにして木を運んでいたそうです。今でも,近くに河合谷牧場があるのですから,この上山高原にだって放牧場があってもおかしくはありません。放牧場として使われなくなった上山高原を高原として維持管理しようというのが, エコミュージアムの活動ということでしょう。なんだかなぁ…。
とりあえず,ランチタイムということで,上山山頂に向かいます。丸太階段の上りは,チョットしんどい。しかも,道の脇には,イノシシが掘り返したあとが。いったい,こんなところを掘り起こして何を探したのでしょう。まもなく,なだらかな山頂(A)に到着。扇ノ山,青ヶ丸,仏ノ尾などの山々が一望でき,まさに360度の展望です。しかも,爽やかな風がそよそよ。これぞ「高原」といった感じです。展望を楽しみながら,おいしいランチをいただきます。もちろん,食後のコーヒーも美味しい。
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牛道をダウンヒルだぁ〜!
食後は,避難小屋を目指して,プチダウンヒルです。山道の脇には,リンドウの花がチラホラ。その鮮やかな紫色が,爽やかな秋を感じさせてくれます。そして,新しい避難小屋へ。水洗トイレ完備の避難小屋は,キャンプ場の管理棟もかねているようです。せっかく来たのですから,利用させていただきましょう。ウォッシュレットじゃないのが残念ですが,山の上で水洗トイレというだけでもマシってものですね。
避難小屋をあとに,牛道への入口に向かいます。案内板の脇からシングルトラックをたどります。上山を背に,少し下ると,樹林帯へ進入です。樹林帯に入ると,道はダブルトラックになり,車で通れそうです。トロッコで木を運ぶには,これぐらいの広さが必要だったのでしょう。路面は,しっかり踏み固められていますが,これがトロッコで踏み固められたあとなのでしょうか。トロッコが走っていた頃から60年ぐらいは経っているのに。でも,おかげでMTBにとっては,快適そのものです。ただ,時おり,クモの巣がベリッと顔に張り付くのが困りものです。
それにしても,路面はよく整備されており,極楽ダウンヒルです。木の橋も,ちょっとしたアクセントです。ただ,この道を歩くとなると,まったく展望がなく,退屈な山道でしょう。でも,MTBなら極楽,極楽。これで,紅葉が見れればなぁ。ちょっと時期が早いかもねぇ。この道にも,案内板があります。その案内板にも,地図がついています。ホント,この山域は,地図が要らないよねぇ。
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青下への分起点を過ぎると,岸田への万場道の分岐点です。石橋への分岐点まで下りっぱなしと思いきや,上りも少々。その手前には,水路管理路がありますが,こちらは立ち入り禁止になっています。久しぶりの上りですが,距離が少ないので問題なし。丸太階段を登ると,ダウンヒルの再開です。部分的に道幅は1mもないぐらいなっているのに,ここもトロッコ道なのでしょうか。
右か?左か?
そして,下り終えると,石橋との分岐点(B)です。ここで一思案。石橋に下るか,海上に下るか。地形図を見ると,海上の方が少しはMTBに乗れそうです。では,行きましょう。少し急な下りを終えると,やはりというか,九十九折の激下りが待っています。丸太階段の下りは,歩くだけでも歩きにくい。とてもMTBに乗れたものじゃありません。標高差がもったいないガヤ。
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遊歩道は,時おり,倒木などでわかりにくくなっていますが,どうにか田んぼの脇へ。下るにつれて,道は不明瞭になっているので,いっそのこと,田んぼのあぜ道を下ったほうがいいでしょう。害獣避けネットを越え,田んぼのあぜ道へ。あぜから車道に出ると,集落はすぐです。途中で,第一村人から情報を収集。そして,ようやく,集落(@)へ。
今回のwithMTBは,乗車率98%の乗り乗りコースでした。最後の激下りからあぜ道までが乗れなかっただけ。しかも,尾根道は極楽。上山も気持ちのいい山頂だったしね。アプローチが3時間ほどかかってしまうのが,ちょっと難点。でも,こればかりはどうしようもないよね。
出発9:35 海上10:15 上山12:00〜13:00 海上14:45