名残の秋をMTBで 淡河の里山 (2006.11.25)


  
P・@〜I
P・@〜I

秋色の山道

晩秋の里山で,紅葉を楽しみたい。ついでに,MTBでも遊びたいねぇ。ということで,やって来たのが神戸青少年公園(P)です。ここをスタートに,志久ノ峠や天保池などをMTBでうろつきましょう。大まかなルートは考えているものの,その時の気分と状況に応じて変更ありということにします。予定は未定にして決定にあらずです。

神戸青少年公園は,青少年の健全育成のための施設のようで,グランドやデイキャンプ場,アスレチック施設などがあります。ところが,日曜日だというのに,利用者は見当たりません。まだ朝だからだろうと思っていましたが,結局,昼過ぎでも,利用者は数グループ。それもデイキャンプ場のみ。肌寒い時期ということもあるのでしょうが,週末でもこの程度の利用者とはどうやさ?!

デイキャン場の近くに車をとめ,MTBで出発です。誰もいない公園内を走っていると,ところどころで真っ赤に紅葉しています。秋の名残を感じます。今年は暖かい秋ですが,それでも確実に季節は進んでいるようです。

公園を抜け,太陽と緑の道に出ます。ここから南下し,志久ノ峠を目指します。それほど高低差はないので,MTBにも乗れそうです。早速,MTBにまたがりGO!路面もあまり荒れていないので,助かります。MTBに乗り,徐々に高度を上げていきます。左手や右手には,踏み跡があります。ちょっと気にはなりますが,今はとりあえず志久ノ峠に行きましょう。

春なら緑のトンネルになる太陽の緑の道は,今は秋色の山道です。鞍部からは徐々に高度を上げながら,志久ノ峠に向かいます。進むにつれて,薄暗い林の中の道になってきます。ところどころに,石畳の面影が残り,昔の峠道の趣が感じられます。とはいえ,今では,その荒れた石畳のおかげで歩きにくいことも事実です。もちろん,MTBに乗ることだってできません。

  
秋色の太陽と緑の道 志久ノ峠
秋色の太陽と緑の道
志久ノ峠

昔日の峠道の雰囲気を楽しみながら,志久ノ峠(@)へ。ここには,多田繁次さんの著書の一文が案内板に書かれています。いつ読んでも,多田繁次さんの文章は表現が豊かというか,オーバーデコレーションというか。山を歩くだけでなく,文才にもあふれた先人です。

この志久ノ峠から東の谷に下る道があるということなので,それを確かめに行きましょう。峠のすぐ横のピークに登り,東を見ると踏み跡があります。MTBでもなんとか下ることができそうなほどです。志久ノ峠に戻り,さらに進みます。峠といっても,このあたりは,梨木峠などがあり,一気の下りにはなっていません。

鳴川谷へ

志久ノ峠を過ぎてもなお高低差のあまりない峠道です。ただ,ところどころに残る石畳の残骸に足をとられるのは困りものです。左手の谷に気をつけながら進みます。鳴川の源頭部を探険しようという魂胆です。ひょっとして,MTBにも乗れたりすると,ラッキーだギャ。

それらしいところを捜していると,太陽と緑の道の案内のすぐ横(A)に明瞭な踏み跡があります。これ,これ。この踏み跡から鳴川源頭部に下りましょう。踏み跡は,しっかりついているので,期待がもてます。踏み跡を進んでいると,いつの間にやら行き過ぎ。適当に斜面を下り,谷へ。大きなモミノキがそびえたっています。これが多田繁次さんのいう「鳴川谷の“主”」なのでしょうか。でも,この谷は,鳴川谷というよりその支流ですから,「鳴川谷の“主”」に当てはまるかどうか。

踏み跡は明瞭なうえに,マーキングのテープもあるので,大丈夫でしょう。岩っぽい道ですが,落ち葉が積もり,晩秋の雰囲気が感じられます。そのうえ,ところどころで,MTBにも乗れたりもするので楽しい。ただ,渡渉ポイントが多いので,雨のあとなどのように沢の水量が増す時は,要注意かもしれません。

            
鳴川谷をMTBで下る 目の覚めるような紅葉もありますミニ滝もあります
鳴川谷をMTBで下る
目の覚めるような紅葉もあります
ミニ滝もあります

渡渉をいくどとなく繰り返しながら谷を下ります。ハイキングマップに載っていないのが不思議なほどはっきりとしたルートです。でもそのおかげで,静かな山歩きができるのですが。この山域には,このような知られざるルートがたくさんあるのでしょうか。と,左手の斜面に鮮やかな紅葉が!ますます,このルートが広く知れ渡っていないのが不思議になります。

MTBに乗ったり,押したり,担いだり。徐々に谷が広くなり,天保池への林道が近くなったように思えたその時(B),左手の谷からエンジン音を轟かせてモトクロスバイクが出現。しかも,3〜4台。おそらく神戸青少年公園から山道をたどって下ってきたのでしょうが,これからどうするつもりのなのでしょう。沢は広くなっているので,渡渉個所をよく調べないと水没してしまうかもしれません。ライダーたちも思案しているのでしょうか,その場を動く気配がありません。思案するライダーたちを尻目に,軽々とMTBを肩に谷を下ります。やっぱり,MTBでよかったなぁ。

静かな天保池

再び,快適な谷道になり,MTBに乗ったり,押したり。ところどころに現れる紅葉を愛でながら,やがて行く手にガードレールのある林道が見えてきます。谷道は,左手に上り,林道(C)に出ています。この林道は,青少年公園から天保池に向かう林道です。今や,廃道同然の林道ですが,歩きには問題なし。バイクもOKです。廃林道とはいえ,ミニ滝あり,紅葉スポットありと楽しめます。

やがて,天保池に近づいてきます。林道からは,天保池は見えません。案内板を目印に,林道から離れると,そこは満々と水をたたえた天保池(D)です。正面には,東鹿見山の巨大な電波塔が見えます。鏡のような湖面には,まわりの山々を映しています。

  
秋色の天保池 東鹿見山を映す天保池
秋色の天保池
東鹿見山を映す天保池

池を中心に円を描く山やまは丘のように低い。ふりそそぐ陽光は日がな一日池の面にたわむれる。それでいてなんとなく深いふかい静寂,深山の沼の幽すい境の面影をも漂わせる。
     (『なつかしの山やま』多田繁次著)

ちょうどランチタイムです。この池でランチタイムをする時の指定席に向かいます。池のほとりに腰をかけ,静かなランチタイムを過ごします。食後のコーヒーも飲み,出発です。さて,どこを回って帰ろうか。このまま林道を戻ると,30分もかからず青少年公園に帰ってしまいます。これじゃあ,物足りない。とりあえず,東鹿見山の電波塔から黒甲越えに向かいましょう。その前に…。

これまで何度かこの天保池に来たことはあるのですが,池の南側に行ったことがありません。今日は,ちょっと探険です。MTBを押しながら池のふちをたどるものの,やはり湿地ぽくて歩きにくい。残念ながら,見るべきものもなく,林道へ。

さて,これからです。数年前に来た時は,林道から外れて,別ルートで東鹿見山に行ったのですが,今日はこのまま林道を進んでみましょうか。辛うじてMTB乗車可能。荒れた路面にハンドルをとられながらも進みます。ところどころにガードレールがあるので,ここが林道だったことがわかります。それにしても,天保池まで林道があるのはわかりますが,天保池からも林道が延びているのは不思議です。この林道はいったいどこまで延びているのでしょう。

廃道ですが,まだヤブにかえっていないので,楽チンです。やがて,谷から離れ,尾根を上ります。と,右手に自動車が。この林道ができた当時に上ってきたのかもしれませんが,こんな所に自動車があるとはビックリです。林道の終点らしき広場を過ぎると,道はいきなり山道になっています。その路面を見ると,MTBのタイヤ痕があります。しかも,新しい。志久ノ峠への太陽と緑の道にもMTBのタイヤ痕があったのですが,同じものでしょうか。それとも,この山域をMTBで走る人が多くなったのでしょうか。モトクロスバイクのようなことにはならなければいいんだけどねぇ。

  
廃林道に放置された車 大日地蔵
廃林道に放置された車
大日地蔵

モトクロスバイク恐るべし

最後の急登に汗をにじませ,車道(E)へ。少し上ると,電波塔です。フェンスを巻き,山道に出ます。 東鹿見山の南を巻きながら進みます。東鹿見山の東に出ると,山道は急変。モトクロスバイクに掘り返された深い溝があちこちに。歩くのだって大変です。なんとかMTBに乗って下ろうと苦闘。部分的には乗れますが,とても快適ダウンヒルとはいきません。それにしても,よくもまぁ,これだけ掘り返したものです。モトクロスバイク,恐るべし。

何箇所もある溝だらけポイントを過ぎ,大日地蔵のある分岐点(F)へ。これから黒甲越えに行く道も,モトクロスバイクで荒れているだろうから,止め。このまま北に下りましょう。金毘羅山の東を通り,八多町に出る林道です。

ところが,ここにもモトクロスバイクで荒らされた跡がありますが,東鹿見山ほどひどくはありません。ゆるやかな下り基調の林道を快走。古倉山への道や「火の用心」がありますが,それから先があまり期待できそうにないのでパス。今度は,左手に下っている山道があります。これは要チェックだギャ。早速,突入。…?!すぐに荒地へ。どうやら,モトクロスバイクの練習ポイントのようです。がっかり。

この林道は何処へ?

再び,林道を走ります。と,今度は,左手後ろに延びる林道!(G)このまま金毘羅山のふちを通って帰るだけじゃあつまらないので,チョット寄り道。林道に突入。すぐに終わるかもという予想とは逆に,高低差のない林道がしばらく続いています。右手にも下る道はあるのですが,これを下ると金毘羅山手前の谷に下りそう。林道は先に続いているんだから,行ける所まで行ってみるべぇ。

まもなくい林道は終点。でも,その先には山道が延びています。もうこうなりゃあ,山道にも突入だぁ〜!気分よく,山道を進みます。道は,尾根に出て,さらに下っています。どれどれ,もっと先まで行ってみるべぇ。狭くなった尾根を下ると,展望ポイントに出ます。正面に金毘羅山が見えています。このまま行くと,この狭い尾根を下ることになりそう。まぁ,それもいいっか。

  
林道から山道へ
林道から山道へ

尾根の先端に出ると,今度は激下りです。しかも,木の間をすり抜けて下らなきゃあいけません。それでも,歩きなら問題はないでしょうが,厄介なのがMTB。こんな時のMTBは最悪です。重いうえにハンドルやら車輪やらが木にひっかかり,思うように運べません。でも,川の流れが近くに聞こえるので,それほど距離はなさそうです。足元に気をつけながら下っていると,なんと!赤テープのマーキングがあるではあ〜りませんか。まさか,下からこの尾根を目指して登ってきたわけではないでしょう。オイラと同じく,先ほどの林道から来たのでしょう。こんなところに来るなんて,どんな人なんでしょう。

終わりよければすべてよし

激下りを下りきり,河原へ。川の対岸には,道もあります。これはラッキーではあ〜りませんか。ところが,家に帰ってからわかったのですが,この道は,4年前に通った道です。その時は,逆に登ったので,イメージは違いますが。ともかく,MTBに乗れるのでご機嫌。川を渡ったり,MTBを押したりと極楽とまではいきませんが,それはそれでおもしろい。そして,崩れた橋の出現です。4年前も崩れていたのですが,全く記憶にございません。

  
林道の壊れた橋 落ち葉の林道を快走
林道の壊れた橋
落ち葉の林道を快走

橋からは,100%乗車の楽チン林道です。気分よくMTBで走ります。と,またもや川を渡る地点に到着。ところが,正面に山道(H)が見えます。どうしようかなぁと躊躇する脳とは別に,身体とMTBは勝手に山道へ。上り基調の山道ですが,それほど急というわけではありません。谷を見下ろすと,いつのまにやらかなり高度を上げています。いったい,この道はどこへ行くのでしょう。でも,山自体はこの先までなので,それほど長くはないでしょう。最後になって,シングルトラックで遊べるなんて,これってHappyEndというのでしょうか。気持ちよく山道を走り抜けると,そこは人家の軒先(I)。これで里山遊びwithMTBはおしまいです。

今回は,ほとんど地図を見ずに,その時の気分のままに里山を徘徊しました。名残の秋も楽しめたし,MTBの乗車率もそこそこだったし,ということでメデタシ,メデタシ。

 

出発9:45  志久ノ峠10:10  鳴川谷源頭10:35  林道11:30  天保池11:50〜12:20  東鹿見山電波塔12:50  大日地蔵13:10  廃林道13:30  下山14:15


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