展望よし!MTBよし!こいつは春から… 三国ヶ嶽 (2006.1.13)


  
P・@〜E
P・@〜E

三田市最高峰!

2〜3日前のこと,なんとなく『北摂の山(下)』をながめていて,ふと目にとまったのが,三国ヶ嶽の記事。記事では,三国ヶ嶽の南尾根を峠から登っているものですが,地形図を見ると,なだらかな尾根です。もしかすると,MTBで下れるのでは。ということで,ネットで記録を検索。すると,なんとなんと,『山駆け』のO田さんがこの尾根を縦走しています。もちろん,withMTBです。記録によれば,乗車率が高いうえに,山頂付近には大パノラマが楽しめる岩場もあるとか。これは,行かねばなりますまい。

S田さんにO田さんの記録の話をするものの,あまり記憶にないようです。自分がHPに転載している記録だというのになぁ。もっとも,自分で書いても忘れることがあるのですから,人のことは言えません。ただ,北摂ラリーでは,以前このあたりをコースにしたことがあるとか。ということは,withMTBでも十分に楽しめそうです。岩場で展望を楽しんだあとは,MTBで快走!こりゃ,願ったり叶ったりだギャ。こいつは春から縁起がいいわい。

車道の急登

地図上の空論に気をよくして,三田に向かいます。篠山から南下し,永沢寺の集落へ。問題は,どこに車をとめるかです。峠にとめれば,すぐに登山口です。でも,それだと帰りが大変です。疲れた身体に長い上りは厳しいものがあります。でもでも,三国ヶ嶽縦走から扶養ヶ岳縦走で引き返してくるなら,この峠で車をとめるのが好都合です。でもでもでも,扶養ヶ岳を縦走する時間と体力があるかなぁ。扶養ヶ嶽の縦走路は,踏み跡程度の尾根道のようだし。まぁ,これまでにこんな状況になった時に,+αの予定が実行されたことはありません。今回も,三国ヶ嶽縦走だけで終わっちゃいそう。それなら,下山予定地付近に車をとめましょう。

永沢寺から乙原に下る黒川沿いの道を下ります。巡視路を探しながら下っていると,「わらびの里」という藁葺き屋根の茶屋があります。「支度中」とか。その茶屋のすぐ下に「火の用心」がありますが,その脇の空き地には関電の車が何台もとまっています。???巡視路の点検でしょうか。しかたなく,少し下の空き地(P)に駐車。MTBの用意をして,出発です。峠の登山口まで延々と上りが続いています。しかも,勾配がけっこう大きい。力を入れてペダルを踏み込むと,前輪が浮きそうになります。車で下る時にも少し急かなぁと思ったのですが,実際は想像以上の勾配です。しかも,カーブを曲がっても,曲がって,峠はまだまだ見えてきません。この道を通る車が少ないのが,せめてもの救いです。

  
峠の登山口
峠の登山口

三国ヶ嶽へ

身体がすっかりヒートアップするころ,ようやく峠が見えてきます。峠(@)には,古い永沢寺YHへの案内板があります。登山口は,そのすぐ横です。入口から道路沿いに尾根に向かうのが三国ヶ嶽への登山道です。入口から鞍部に向かって直進する道もありますが,それはどこへ行くのでしょう。登山道は,ササに覆われているので路面が見づらいですが,ハッキリしています。そのササも,しばらくするとなくなり,きれいな登山道となります。下りなら,MTB乗り乗りの極楽DHコースです。

上りで再び身体が温まるころ,尾根道はなだらかな傾斜になり,MTBでも乗車可能です。所々,倒木や枯れ枝があるものの,上りでもMTBに乗れるのがうれしい。地形図では破線ルートになっていますが,ホントにこんなにきれいな山道があるなんてビックリです。たまには,地形図といえども正確な記述をするんだねぇ。「たまたま」でしょうが。

上りでもMTBに乗れるのに気分をよくして,三国ヶ嶽を目指します。途中に植林がありますが,それもすぐに途切れ,再びマツと雑木の林の中の道になります。落ち葉が積もり,MTBで走ると,カサコソと気持ちのいい音が聞こえてきます。葉を落とした木々の間からは,暖かい冬の日差しが差し込んできます。冬の低山はこうでなきゃあねぇ。鬱陶しい植林の中の道と大違い。

やがて,山頂直下の尾根に到着。それまでとは違って,この付近で道が少しわかりづらくなっています。我々は,この尾根を直登しましょう。地形図の破線ルートは,尾根を越えて行くようになっていますが,それでは遠回りだからです。ただ,尾根を直登する道は,それまでほど明瞭ではありません。でも,木々の間を抜けることは容易いので,道をそれほど気にすることはなさそうです。そして,数分後に山頂(A)到着。呆気ないほどのピークハントです。

  
三国ヶ嶽(比僧山)山頂
三国ヶ嶽(比僧山)山頂

三田市最高峰であるこの三国ヶ嶽は,別名「比僧山」というそうな。ちなみに,国土地理院では「点名 天上畑 三等三角点」とあります。「頂上の三等三角点は北西向きで,欠けた三角点のかけらが横に落ちていたのを,一級建築士のYさんが針金でしっかりと結わえてくれた(『北摂の山(下)』」とあるように,それから6年が経とうとしている今も針金で補修されたままです。この三角点で記念撮影をし,次なる見所へ。

展望と山彦の天狗岩へ

次は,天狗岩です。地形図にもその存在が記されるほどの岩場のようなので,期待大です。山頂から木立の間を強引に下ると,もうそれ以上はMTBで進めません。と,S田さんが尾根の右手に岩場を発見。ちょいヤブを抜けると,そこは南に180度の大パノラマの広がる岩場です。東には,大野山とそのふもとのゴルフ場が見えます。風もなく,冬の暖かい日差しがいっぱいに降り注ぐこの岩場を,S田さんは「小天狗岩」と命名。ちょいヤブを整備すれば,ここも絶好の展望ポイントになるでしょう。

小天狗岩から尾根に戻り,さらに進みます。尾根の先端付近では,岩壁を巻くように登り,天狗岩(B)へ。岩といっても,大きな岩があるのではなく,岩場といった感じです。ここからは,北の180度の展望が広がっています。足元に深く切れ込んだ谷に向かって声を発すると,見事な山彦が返ってきます。これはなかなか気持ちイイ。調子に乗って何度も「キャッホッホッホー」この谷の出口にある農家にも聞こえているのでしょうか。聞こえていたら,きっと迷惑でしょうねぇ。それにしても,北向きの岩場なので寒い!さっきの小天狗岩と大違い。さっさと戻りましょう。

  
天狗岩にて
天狗岩にて

天狗岩から戻り,MTBを押しながら,山頂直下の鞍部に向かいます。道らしいものはありませんが,木立の間ならどこでも歩くことが出来ます。それらしい方向を目指して歩きます。やがて,尾根に出ると,右手に大岩が。早速,登ってみましょう。山頂直下の急斜面を登り,岩場へ。数mの高さはあるものの,展望はまったくなし。チョットがっかり。と,どこからともなく人の声。しかも複数です。ハイカーかもね。岩場を降り,MTBにまたがり鞍部に向かって下っていると,前から大勢のハイカーが登ってきました。南の峠から登ってきたそうです。これだけのハイカーがやって来るとは,さすがは三田市の最高峰です。

  
展望のない岩場にて 水の涸れた竜神の池
展望のない岩場にて
水の涸れた竜神の池

ハイカーをやり過ごし,鞍部(C)に下ると,そこには「竜神の池」という標識があります。池とはいえ,この時期だからでしょうか,水はまったくありません。北側には,祠があったであろう石組みがあり,その脇には水が湧き出すような所があります。この鞍部から三国ヶ嶽山頂までは150mほどとか。南の667ピークもそれぐらいでしょう。

尾根縦走開始!

南に向かってMTBを押しながら登ると667ピークです。さあ,ここから待望の尾根道ライディングです。落ち葉の上を気持ちよくMTBで走りましょう。歩きにはないこの快感。登山口までの急な車道の苦労を忘れ,「やっぱりMTBは最高だギャ〜!」と思ってしまうお気楽なオイラであります。

と,左手に「火の用心」プレートが出現。bP9の鉄塔へは,左手の急な斜面を下るようになっています。こりゃあ,MTBで下るには,チョット,チョット,チョットです。でもここから巡視路ということですから,道はさらに良くなるハズ。気分をよくして,尾根道ライディングを続けます。と,正面にプラ階段が出現。なるほど,これも巡視路ならではです。道の両側には,少し雪が残っています。それもそのはず,尾根を吹き抜ける風の冷たいこと。

  
尾根を快適縦走 碍子の取替え工事中
尾根を快適縦走
碍子の取替え工事中

鉄塔ピーク(D)に近づくと,何やらブルーシートらしいものが見えます。さらに近づくと,機械らしいものも。???そして,登りきって判明。bQ0の鉄塔では,碍子の交換作業をしているのです。10人ほどの人が,作業をしています。鉄塔を見上げると,鉄塔の上で作業をしている人の姿も見えます。チョット怖い気がしますが,あの鉄塔の上に上がれるなんて,気持ちいいでしょうねぇ。でも,さすがに登らせてとは言いにくい。しかたなく,写真に撮らせてもらうことに。

展望岩場で極楽,極楽

予定では,この鉄塔でランチタイムを考えていたのですが,まさか工事現場でランチはできないでしょう。とすれば,この尾根の南にあるという展望岩場まで行ってみましょう。bQ0鉄塔をあとに尾根を南下します。巡視路を離れたからでしょう,しだいに木立ちの間をぬう狭い山道となり,倒木も目立ちはじめ,やがてMTBに乗って進むのが難しくなってきます。それでも,強引にMTBで進み,ようやく待望の展望岩場(E)へ。

  
ランチタイム岩場からの展望 ただ今siesta中
ランチタイム岩場からの展望
ただ今siesta中

ランチをするためにできたような岩場のテラスです。先ほどまで尾根を吹き抜けていた北風は見事にさえぎられ,暖かい冬の日差しがいっぱいに降り注いでいます。ランチタイムには少し遅くなりましたが,ここまで来ただけの甲斐はあります。やっぱり,ランチは展望のいいところで食すのがベストです。羽束川の向こうには,大船山などがそびえ,はるかかなたには六甲の山並みがかすかに見えます。あまりの気持ちよさに,食後にしばしのsiestaを楽しんでしまいました。

やっぱり巡視路やね

長いランチタイムのあとは,bQ0鉄塔(D)に戻り,西の巡視路を下るだけです。なだらかな尾根道を戻り,工事中の鉄塔へ。工事現場を迂回し,直接,巡視路へ。地形図通りのなだらかな下りの続く尾根に巡視路が延びています。しかも,先ほどの工事に使われると思われる小型キャタピラー車の跡で路面がきれいにならされています。MTBで走りやすことこの上なし。改めて,関電に感謝,感謝です。

  
ちょいと試乗? 巡視路も快適だゼィ!
ちょいと試乗?
巡視路も快適だゼィ!

少し登り返すと,bQ1鉄塔です。さらに気持ちよく下ると,bQ2鉄塔。ここからは,雄岡山と雌岡山も見え,丹生山系の山並みも見えます。MTBで気持ちよく下ってきた巡視路も,しばらくするとMTBは乗車不能に。急な下りのうえに,岩が目立ちはじめます。さらに下り,谷道になると,九十九折りのガレ道になります。今日のコースで,乗車不能が一番長い区間です。それでも,距離にすると300m足らず。今日のコースが,どれだけ乗車率の高いコースかということがわかります。

  
最後は渡渉で
最後は渡渉で

最後に渡渉を終え,車道へ。巡視路の入口には,関電の工事関係者のものと思われる車が何台もとまっていました。もちろん,扶養ヶ岳へ行く余裕はありませんでした。

 

出発9:40  登山口10:10  三国ヶ嶽山頂10:50  天狗岩11:15  竜神池11:55  「火の用心 bP9」12:15  鉄塔12:20  展望岩場12:45〜13:30  鉄塔13:50  下山14:25


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