道を捜して数時間 苦あれば楽ありの金毘羅山 (2007.2.3)


  
P・@〜F
P・@〜F

ナナマツの森から

今週もまたもや三田の山です。ターゲットは,ナナマツの森を発着点としたその周辺の山です。今回は,特に金毘羅山からのダウンヒルが楽しいとか。コース設定がはっきり決まらないままに,一路三田へ。今は廃止された三田スケートリンクの脇を通ってつくしの里へ。ここには駐車場がありますが,つくしの里を利用する人以外は駐車できないようです。ならば,ナナマツの森へ行きましょう。

ナナマツの森(P)は,つくしの里からそれほど離れていません。入口に数台車をとめることができる広場があります。その広場の奥では,おっちゃんおばちゃんがなにかの準備中です。おそらく,里山整備活動なのでしょう。最近,このテの活動が盛んですからねぇ。特に,兵庫県が推進している「○○の森」といった里山整備事業は,完成後もそこを拠点とした活動が盛んなようです。ただ,これが自然保護活動とどう結びついているか,我々平民には理解し得ない永遠のナゾです。

  
ナナマツの森の案内図
ナナマツの森の案内図

さて,コースはどうしましょう。地形図を見ると,山田川沿いの林道に出るには車道を走る方が早そうです。でも,時間がありそうなので,ナナマツの森の奥から延びる破線ルートで市之瀬に行ってみましょう。さて,この破線は存在するのでしょうか。

ナナマツの森を進むと,左手に木の橋(@)が見えます。地形図の破線ルートは,その奥の谷のようです。木の橋を渡り,谷に向かいます。谷の入口には,立入禁止のプレートがあります。でも,立入禁止はまつたけシーズンのことのようです。この時期にまつたけはないでしょうから,まぁいいかぁです。

  
ナナマツの森の木の橋 倒木だらけの破線ルート
ナナマツの森の木の橋
倒木だらけの破線ルート

破線ルートや如何に

谷を少し入ったところで,倒木があちこちにあり,MTBに乗るどころか,押すことさえままならぬ状態に。しかも,路面は雨水で掘り返され,ガレガレ状態。歩くのすら気をつかいます。おそらく,昔はこの道は峠道として利用されたいたのでしょうが,今では利用する人はほとんどいないので,荒れ放題です。きちんと整備さえすれば,MTBに乗って下ることができるハズ。もったいないなぁ。MOTTAINAI

やがて,道の脇に雪がちらほら見えはじめ,徐々に高度を稼ぎます。部分的にですが,きれいな山道が現れたりするので,ここが昔は峠道だったことがわかります。ってことは,市之瀬への下りもこんなに荒れてるのかなぁ。このルートを選択したのは,チョットまずかったかなぁ。でも,こぼれたミルクはもう戻りません。前進あるのみ。それにしても,これだけの勾配と道の跡。きちんと整備されていないのが,返す返すも残念です。

倒木をまたぎ,ガレ場でよろつき,小ヤブをかき分け,ようやく峠(A)へ。下りをみると,見事な山道が延びています。こりゃあ,ラッキーだゼィ。MTBに乗り,山道へ。脇には水路がついています。おそらく,すぐ下にある池へ水を入れるためのものでしょう。木もれ日の中を快走です。これがふもとまで延びていれば,最高です。

  
峠からはMTBに乗れましたが… ため池にたたずみ
峠からはMTBに乗れましたが…
ため池にたたずみ

少し下ったあたりでMTBをデポ。左手にあるため池を見物しましょう。ため池の堰堤に登ると,緑色の湖面が見渡せます。その湖面に張った薄氷が,朝日を照り返して虹色に光を放っています。青い空と静かな池。その静寂をものともせず,S田さんは所用をすべく,急いでヤブへ。臭いが漂ってこなかったのは救いです。

再び,MTBにまたがり山道を下ります。しだいに道は荒れはじめ,倒木も目立つようになり,ついにはMTBは乗車不能に。先ほどのため池を作るためにつけられた林道なのでしょうが,今では利用することがないので,荒れ放題です。整備さえすれば,極楽ダウンヒルコースになるでしょうが。やがて,荒れているだけでなく,道自体が崩落している箇所がいくつか。こんな道でも,地形図では,破線ルートとしてちゃんと載っているんだから何をかいわんやです。

荒れているだけならまだしも,いつの間にか,黒いパイプまで出てきました。そして,このパイプの手強いこと。踏みつけようものなら,ツルリン!と滑ります。MTBで走っていても,パイプにハンドルをとられることしばしば。わずかな距離でもMTBに乗ろうという魂胆を見透かすかのように,パイプがジャマをしてきます。ところで,このパイプって,今でも使われているのでしょうか。

  
廃林道に延びる黒いパイプ
廃林道に延びる黒いパイプ

ようやく,MTBで快適に乗れるようになると,破線ルートは終点(B)へ。ゲートを越え,あぜ道へ。結局,破線ルートのMTB乗車率は,上り1%,下り5%といったところでしょうか。どおりで,S川さんがこのルートのことを話さなかったはずです。やれやれ。

林道はチンタラ

市之瀬から山田川沿いに林道に入ります。その手前に神社があるので見物です。境内には,樹齢200年の大カヤがあり,社殿の奥には御神体の大岩も見えます。大きな木や大きな岩,時には山全体さえも御神体として奉るこの国の先人たちは,いったいどのような思考,どのような信仰心,どのようなノーミソをもっていたのでしょう。でも,このような先人たちのanimismを自然に対する畏怖の念とし,それが自然を守ることにつながっているともっともらしく主張する現代人が未だにいることも確かです。イワシの頭を信じているぐらいならまだ平和ですが,信心もチョット間違えばとんでもないことになっちゃいますよ。

  
磐神社の大カヤ 磐神社の御神体で…
磐神社の大カヤ
磐神社の御神体で…

ゲートを抜け,林道を進みます。右手には,「不法投棄禁止」の立て看がありますが,その奥には不法投棄された車があります。「もう不法投棄してるやん!」とツッコミを入れておきましょう。ついでに「それがわかってるんやったら,その車を撤去せいよ!」とね。なんともチグハグな行政の対応です。しかも,このあと,もう一箇所,同じような所があるのです。どうやサ?!

風は冷たいものの,時おり出る日差しは暖かく,MTBでのんびりと林道走りです。やがて,林道の脇に残雪が見えはじめ,崩落地点へ。ここまでは車で来ることはできても,この崩落地点をクリアすることはできないでしょう。ということは,これからは,車の心配はなし。ゆるやかに上る林道をのんびりと走ります。そして,右手に池が見えると,そこが破線の分岐点手前のため池(C)です。ということは,分岐点は,このため池の少し北のハズ。

  
林道は100%乗車可能
林道は100%乗車可能

破線ルートは何処へ

池を見下ろしながら進んでいると,突然,S田さんがササヤブの中へ突入。この先に分岐点があるハズやけど…。しかし,あったのは,分岐点ではなく,石に書かれた昔の人の落書きです。S田さんは,しきりに解読を試みるものの,所詮は「落書き」なので解読のしようがありません。しかたなく,「落書き」を写真に写してこの場を去ることに。それにしても,ただの落書きをこんな岩に彫るのって大変でしょうねぇ。それだけ,昔の人はヒマだったということ?とはいえ,その落書きを見て,あれこれ言っている我々はさらにヒマであることは確かでしょう。

落書き見物を終え,再び,分岐点の捜索を再開です。池のふちをのぞき込んで見たり,木立ちの間から眺めてみたり。でも,道らしいものは見えません。と,左手に「兵庫県土地開発公社所有地」の立て看を発見。こんなところを買い取っていったい何に使うつもりでしょう。しかも,この兵庫県土地開発公社所有地は,ここだけではありません。北摂一帯に点在しています。おそらく,バブル期に投機か住宅開発あるいは工場用地として購入したものでしょうが,今となっては利用価値がなさそうです。こういう土地のことを「塩漬けの土地」と言うのでしょうか。山に入ると,ふだん目にすることのできなものを見ることができ,学ぶことが多い!

ところが,ところがである,肝心の分岐点がいつまでたっても見つからないのであります。地形図の分岐点らしい地点をうろうろ。結局,わけワカメということで,ランチタイムになったので畦倉池でランチをとることにします。右手の山すそを気にしながら畦倉池へ。湖面に映った山並みを眺めながらランチをとるつもりでしたが,寒風吹き渡る湖面に近づいてのんびりなんてできません。そそくさと,湖岸を走り,酒井への峠道へ。雪の残る峠から少し下がった地点(D)で,風をよけながらのランチとなってしまいました。濡れた落ち葉でのランチは,先ほどの分岐点がわからなかったこともあって,あまり気持ちのいいものではありません。しかも,この寒さのためにガスのパワーも落ちちゃってるし。ロクなことがないなぁ。でも,考えれば,こんなことはかつてには幾度もあったこと。年末年始の山行きが順調すぎただけのことかもしれません。むしろ,こんなことがたまにはなくっちゃあ,山行きもおもしろみに欠けるかも。

  
畦倉池をまわり 畦倉池に向かって…
畦倉池をまわり
畦倉池に向かって…

ランチを終え,さてどうする。3択です。@このまま酒井に下る。A金毘羅山への尾根道を上る。Bあくまでも分岐点を探す。S田さんはBを主張。どうでもいいオイラは,S田さんの提案に従うことに。先ほどのため池に戻り,地形図にある分岐点を捜します。地形図通りに行けば,ヤブっぽいものの,なんとか歩けなくもない。まわりは草地の記号ですが,林です。しかも,何本も沢があるので,地面はジュクジュク。ここを強行突破して谷を上りつめれば,金毘羅山の鞍部でしょう。S田さんもあちこち捜しているようですが,見つかったようではありません。しかたなく,強行突破を提案しようとしたとき,S田さんが急に所用に行ってしまいました。ボーッと待っていても時間のムダなので,ため池の堰堤にまで戻ってみることにしました。林道を上ってきたときにも立ち寄っているのですが,道までは確認していなかったので,もう一度確認です。ところがなんと!堰堤(C)の向こうに湖岸に沿って踏み跡があるではあ〜りませんか!見れども見えずというわけです。何事も,意識をもって見なきゃあ,見えるものも見えないということです。う〜ん,山から学ぶことは多いなぁ。

ようやく金毘羅山の鞍部へ

所用を済ませ,スッキリしたS田さんはMTBで堰堤へ。遅れてオイラも堰堤へ。その堰堤の奥(C)から延びる踏み跡は,雪でおおわれていますが,マーキングのテープもあるので,何らかのルートであることは確かでしょう。しかも,このまま湖岸を進めば,谷に向かいます。やがて,踏み跡は,林道ほどの広さになり,そしておしまい。左手に黄赤のテープがあります。S川さんが付けたものだとか。黄赤のマーキングに導かれて谷をあっちこっち。S川さんによると,それでも木を切ったから歩きやすくなっているんだとか。その開拓者精神に敬意を表します。おかげでこうやって歩きでも,何とか金毘羅山の鞍部に行けるんですから。

S川さんに感謝しながら,鞍部手前の倒木地帯を抜け,金毘羅山の鞍部(E)へ。やれやれ,ここに来るまでの長かったこと。でも,ここからは,ナナマツの森へは,極楽ダウンヒルだとか。楽しみだギャ。まだ時間があるので,金毘羅山に行ってみましょう。S田さんによると,金毘羅山からの下りも乗り乗りだとか。ということは,金毘羅山から下れば,駐車地点まで乗り乗りスーパーダウンヒルが楽しめるってこと?イイねぇ。

  
金毘羅山の峠 金毘羅宮
金毘羅山の峠
金毘羅宮

S川さん情報によるとこの山頂にある金毘羅山では,お正月に餅まきをするとか。そのための道がちゃんとあるという事です。峠から登りはじめると,なるほど,傾斜も緩やかだし,路面もきれい,そのうえ道幅も1m以上はあります。ここをダウンヒルなんて,極楽だギャ。早くも下りに期待大です。右手に烏ヶ岳が見えるポイントもあります。山道は,金毘羅山を東に巻くように徐々に高度を上げています。最後は,尾根を直登して,金毘羅山へ。

スーパーダウンヒル!!!

金毘羅山の山頂直下(F)に,祠はありますが,それほどきれいな建物ではありません。山頂は祠の奥にありますが,まったく展望のない植林の中です。山名プレートもありません。ここでO田さんの言う「ハイウェー」を見物しましょう。山頂からは直接ハイウェーは見えず,山頂を東に巻いた尾根から始まっています。見ると,「ハイウェー」というだけあって,MTBでダウンヒルが楽しめそうです。ただし,倒木がなければですがね。このハイウェーは,次回の楽しみにとっておくことになり,金毘羅山からのスーパーダウンヒルの開始です。

祠前からスタート!まずは,尾根の急斜面を駆け下り,山腹を西に巻きながら下ります。予想通りの極楽ダウンヒルです。一箇所,ドロップオフがありますが,そこは止むを得ません。足を着いてクリア。再び,ペダルに乗り,ダウンヒルです。峠近くになると,九十九折りの下りになります。落ち葉サクサクの路面なので,タイヤが滑ります。それを利用して,後輪ドリフトでターン。こうなると,スキーのターンです。ペダルの上に立ち,膝で重心移動をすると,後輪はスーッと流れて1ターン終了。これを気持ちよく繰り返し,峠(E)へ。ああ,もっとターンをして遊びたかったなぁ。

  
金毘羅山直下の尾根を下る
金毘羅山直下の尾根を下る

と思うのもつかの間。峠からも楽しい下りが待っています。こちらは,先ほどまでとは違って,路面はそこそこ荒れています。チョット危険な香りがしますが,それはそれでまた楽しい。ラインを選び,ガレた下りを慎重に下ります。植林の中の谷道なので,まったく展望はありませんが,それだけにMTBに集中できます。思いっきりMTBを楽しみ,とうとうナナマツの森へ。スーパーダウンヒルの終点です。すっかり日陰になったナナマツの森を駆け抜け,駐車地点(P)へ。

  
峠からも極楽だゼィ〜! スーパーダウンヒル!
峠からも極楽だゼィ〜!
スーパーダウンヒル!

今日の山行きは,出だしの破線ルートで大誤算。おまけに地形図にだまされ何時間も道を捜してうろつきましたが,最後のスーパーダウンヒルでご機嫌です。終わりよければ全てよしということで,今回の山行きもメデタシ,メデタシ。

 

出発9:40  峠10:20  下山11:00  畦倉池12:25〜13:00  峠14:00  金毘羅山14:15  下山15:00


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