春うらら 妙見山・白山縦走(2000.3.20)


前日,一日中降り続いた雨がやみ,春の3連休の最終日に,黒田庄町の妙見山・白山の縦走に行ってきました。妙見山・白山は,5年前の秋にクラブイベントで行ったことがあります。その時のコースは,黒田ルートから妙見・白山を回り,黒田ルートの終点から東の笛路に降りるというものでした。今回も同じルートを行くってのは,おもしろくありません。

  
P・A〜K
P・A〜K

妙見山ルート〜喜多秋谷ルートに決定!

道路脇の案内板で,ルートを早速チェック。見ると,妙見山・白山登山ルートは,5つあります。まず,前回の「黒田ルート」。そして,妙見山に直登する「妙見山ルート」。白山に直登する「門柳ルート」。西からは,「前坂ルート」と「喜多秋谷ルート」があります。今回は,門柳から妙見山ルートで妙見山に直登。山頂から展望処,妙見堂,十字路,白山を経て,喜多秋谷ルートを下るルートに決定。

(P)に車をとめ,早速準備です。今日は暖かいだろうと思って,半そでジャージの上はウインドブレーカーしかありません。空を見ると,雲がおおい,すっかり冬型の気候です。時雨っぽい感じで雨も降ってきました。アリャ,まぁ。コリャ,まぁ。でも,今日も山で遊べないと身体が腐ってしまうので,気にせず出発。

途中に「東はりま日時計の丘公園」があります。オートキャンプもでき,設備もいいので,人気のあるキャンプ場です。帰るときに,オジャマしましょう。門柳の集落に入り,住吉神社を目指します。

猪除けの柵が…

古びた神社(A)を見学のあと,林道を登り,シングルトラック(ST)に入る予定ですが,早くもピンチ!そのあたり一帯を,猪除けの電線の柵がグルッと囲っているのです。扉も見当たりません。電線の間から入れそうにもありません。しかも,近くにはお墓参りの人もいます。仕方がないので,石積みの上からMTBを落とし,ボクも飛び降ります。やれやれです。

ところが,左手には,別荘らしきものがあります。今は使ってはいないようですが,もし持ち主が久しぶりに来たらどうするのでしょう。わざわざ,毎回,毎回,猪除けの柵を飛び越えるのでしょうか。しかも,反対からだと,高さがあるので,飛び越えるのは至難の業です。どうするのでしょう。また,逆ルートで妙見山から下りてきた登山者だって,どうなるのでしょう。謎は深まるばかりです。

お約束?のロスト

林道を少し登ると,標識があります。妙見山・白山の案内です。しっかりした案内板ですが,果たしてここまでどうやって来るのでしょうか。道はSTに変わり,沢を渡ったり,ガレ場を通ったり。左手にも道はありますが,地図では東に直進なので,STを突き進みます。しだいに,STが踏み跡に変わり,道に水が流れています。昨日の雨の影響なのでしょう。「それにしても道が悪いなぁ。やっぱり,猪除けの柵ができたために,このルートは最近は使われていないんだろうなぁ。」そんなことを思いながら,MTBを担ぎに替え,さらに進みます。道にはシダがおおい,踏み跡すら見えない状態になってしまいました。これって,例の「ロスト」ってヤツかい。

ようやく,沢から尾根へ出ました。細い尾根なので,支尾根でしょう。尾根にはハッキリしたSTがありますが,なぜかそのSTはここまで。この先の登りのSTはありません。仕方がないで,MTBを置いて偵察です。尾根をどんどん登っていくこと5分。ようやく,境界杭のあるはっきりしたSTが現れました。やれやれです。

3つのなし

MTBに戻り,MTBを担いで先ほどの尾根道を目指しますが,道をシダがおおい,しかもところどころで道が崩壊しています。ピ〜ンチ!とりあえず,MTBを押し上げたり,引っ張りあげたりして,強引に登ります。尾根道のST(B)に復帰し,やれやれです。それにしても,この道はどう考えても正規ルートじゃないよね。やっぱり,さっきの分岐を左に行けばよかったのかなぁ。それより,あの分岐で止まって,確認しとけばよかったんだよね。う〜ん。やはり,「落ち着きなし,分別なし,学習能力もなし」の3ない人間ならではの技です。いつものこととはいえ,我ながら感心するやら,動じないやら。どんなノーミソなんやろなぁ。

しばらくすると表示があり,正規ルート(C)に復帰です。さすがに正規ルートは歩きやすい。シダや崩落はありません。ただ,前日の雨で,土が滑りやすくなっています。ということは,ボクのSPECIALIZEDの靴は,滑りまくりです。ズルズル,ズズズーッ。MTBを杖代わりにして登ります。重い杖です。

ついに山頂へ

担ぐこと,1時間あまり。目の前に標識が現れました。「つえたて」(D)に到着したのです。結局,車からここまでに,途中で道に迷ったこともあって2時間ほどかかってしまいました。暗いSTに見覚えがあります。ここから山頂へは,担ぎついでというわけで,直登することに。あいかわらず足元は滑りますが,180mと距離が短いので,少しの辛抱です。尾根道に出ると,山頂は目の前です。

ようやく,妙見山山頂(E)に到着。が,山頂というにはあまりにもわびしい。薄暗く展望がない上に,「妙見山622m」の表示も小さいのです。表示がなければ,小さなピークといった感じです。山頂を東に進み,小さなピークを越えると,展望処(F)があります。ここからの展望は,東,南に開けています。ここからは,明石海峡大橋の橋脚も,春霞の中に見ることができました。空気がすんでいれば,家島も見えるそうです。足元には,里の集落が見えています。展望処というだけのことはあります。

  
わびしい妙見山山頂 展望抜群の白山山頂
わびしい妙見山山頂
展望抜群の白山山頂

星祭の妙見堂

展望処からは,周遊道を通って,妙見堂に行きます。周遊道は片斜面なので,走りにくい。その上,左にコケると,ガケへ転落です。コリャ,こわい。道には,岩や木の根があり,スリル満点です。ようやく,妙見堂に到着。お堂を見ると,それほどきれいでも,厳かでもありませんが,案内板を見ると,妙見菩薩は北極星や北斗七星を神格化したものとか。なかなかロマンチックな菩薩です。

この妙見山でも7月に星祭が行われているそうです。これまたロマンあふれる祭りのようですが,この祭りでは,妙見菩薩は,牛馬の守護神ともされているので,昔は多くの人が牛を連れて参り,家内安全,牛馬安全や稲の虫除けのご祈祷などをしたとか。人間は好きでやるんでしょうが,こんな山の上まで連れてこられる牛は気の毒なものです。「モ〜,イヤ!」なんて,そんな古典的なギャグを言うわけはないけど。山登りの好きな牛なら喜びもするでしょうが…。

妙見堂を後にして,周遊道をさらに進むと,先ほどの「つえたて」に到着。これで山頂を目指して登りだすと,いつまでたってもこの周遊道から抜け出すことはできません。当たり前ですが。「つえたて」をさらに進むと,十字路(G)に。ここは,黒田ルートからと白山からのルートの合流地点です。北に進むと黒田コース。西に進むと白山。東に進むと妙見山頂です。ここで東に進むとまた同じルートの繰り返しですから,当然西に進みます。

白山はどこ?

白山までは,いくつもの大小のピークを越えます。植林帯あり,雑木林あり,岩石帯あり。でも,ほとんどは乗車可能ですから,ご機嫌です。途中で,男女の登山者に出会いました。「白山はまだですか?」という一言に,ビックリ。「もう過ぎたんじゃないの?」と聞き返しますと,「ほな,もうエエかぁ」と言う声。手ぶらで,地図も見ず,お気楽登山です。白山はまだと思って進んでいると,しだいに不安になってきました。前はこんな所を通ったかなぁと思うと,現在地も不明瞭になってきます。もう一度戻って,確認です。やっぱり白山を通り過ぎてはいないようです。でも,白山は道から少し入ったところにあるので,要注意です。

再び尾根道を進みます。それほど展望はよくありませんが,木々の間から,下界のようすがわかります。と,見たことのある岩石帯が。さらに進むと,立派な表示がありました。こんな立派な表示があったんかいなぁ。さっきの男女は,これを見んかったんやろか。こんな大きな表示,目に入ったら痛いで。当っても痛いで。ボク以上に,注意力のない人もいるもんだと,改めて人間の多様性に感心してしまいました。

360度の展望の白山山頂

白山山頂(H)に登ると,3人の先客がありました。話を聞くと,2人組は,門柳ルートで白山直登。ソロの方は,喜多秋谷ルートで登って来たとのこと。門柳ルートは傾斜がきつくて,大変だったそうです。喜多秋谷ルートは,途中で岩場があり,道も踏み跡程度だったとのこと。さて,下山はどのルートをとりましょうか。

昼食は,定番のお弁当とうどんです。この頃になると,明るい春の日差しをいっぱいに浴び,暖かです。でも,北風はあいかわらず冷たく吹き上げてきます。やっぱり,この時期は温かいうどんは欠かせません。お湯を沸かしている間に,周りの展望を楽しみます。南には三角点のある598の山が,正面にど〜んと構えています。その右には,加古川とその流域の町が見えます。北に目をやると,アンテナの篠ヶ峰。その左手に千ヶ峰。その手前に笠形山です。篠ヶ峰の奥には,白銀の山々も見えます。白山は標高510mながら,展望は素晴らしいものがあります。人気のある山のはずです。我々の他にも,あとから7〜8人の中年グループが上がってきました。静かだった山頂が,一気ににぎやかになりました。

展望抜群の尾根道

にぎやかな山頂から,再び尾根道へ。さっきの中年グループが言っていたように,山頂近くの道は,かなり急です。MTBは乗車不能です。不能どころか,押しても行けません。くだりですら,担がなければいけません。岩もあちこちにあります。

ようやく傾斜がゆるくなり,MTBで乗車可能です。門柳ルートの分岐を過ぎるころには,左右の展望がよくなり,明るい尾根道になりました。気分爽快です。暖かい春の日差しと明るい尾根道。山登りwithMTBはやめられまへ〜ん。

ところどころに,登山者を励ますのか,落胆させるのか,山頂までの距離表示板もあります。地名表示板もあります。珍しいことです。誰か,そんな地名で郵便物を書く人がいるのでしょうか。もちろん,人が住んでいないので,郵便物が配達されることはないでしょうが。

快適な尾根道ですが,ところどころはピークの巻き道になっているので,片斜面の道になっているところがあります。これがこわい。右手がガケ。MTBに乗って通過するには,勇気と分別のなさが必要です。分別のなさでは自信がありますが,勇気に欠けるので,ここは押しの一手です。振り返ると,妙見山や白山が見えます。尾根の向こうには,これから越えるであろうピークが,いくつも見えます。そのスケールの大きさがなんともいえず,イイ感じです。

  
三角点のある598 喜多秋谷ルートの尾根道
三角点のある598
喜多秋谷ルートの尾根道

岩場もある喜多秋谷ルート

白山からの尾根ルートは,ところどころは乗車不可能ですが,ほとんどが乗車可能です。しかも,展望はいいときているんだから,言うことなし。とかなんとかいっている間に,喜多秋谷ルートの分岐(I)に到着。このルートは,しっかりした表示があるので,助かります。やっぱり,当初の予定通り「喜多秋谷ルート」を行くことに。

ところが,この喜多秋谷ルートは,途中の細い尾根道は乗車可能ですが,それ以外は乗車不能。つまり,下りを押して下りるという最悪のルートです。でも,ルートは南向きで,日当たりがよく,しかも展望がいいので,まぁいいかぁです。途中の岩場もそれほどこわくもなく,SPECIALIZEDの靴の特性も出ませんでした。岩場を過ぎると,秋谷池が見え始めました。きれいなエメラルドグリーンの池です。でも,貧栄養池なんだそうです。貧栄養池だから,こんなにきれいな色になるのでしょうか。

道の傾斜はきつく,ここを登るなら担ぎ100%です。でも,今日は下りなので,押しですみます。やれやれです。こうやって,MTBを押していると,なにかMTBが犬のように思えてきます。「ポチ,ポチ,こっちゃ来い」なんてネ。エメラルドグリーンの秋谷池が目の前に広がると,下りの終点(J)です。

「緑と水の郷」って?

広場になっていて,トイレもあります。近づいてみると,案内板には「緑と水の郷」とあります。猿越を越えて,庵谷池に行く道もあります。せっかくですので,早速オジャマすることに。快適な地道です。右手のピークに登る道もありますが,丸太の階段なのでパス。峠?を越えると,庵谷池が見えます。ほとりには,バードウォッチング用の施設もあります。さらに進むと,炭焼きがま跡もあります。兵庫県はこんな施設をあちこちに作っていますが,あまり利用者はいないようです。加古川にもありますが,すでに荒れ始めています。やはり,人工の整った施設では,自然に親しめないということなのでしょう。こういうのを,お役所仕事っていうのでしょう。

  
エメラルドグリーンの秋谷池 白山と妙見山を望む
エメラルドグリーンの秋谷池
白山と妙見山を望む

春いっぱいの東はりま日時計の丘公園

庵谷池から道路に出ると,車まではすぐそこでした。ラッキー。着替えを済ませたあとは,東はりま日時計の丘公園(K)へオジャマすることに。顔を洗い,妙見山・白山の登山ルートの地図をもらいました。見ると,この公園からも「コブ岩」なんていう,ミョ〜ウな岩へのルートもあるそうです。振り返ってみると,北には,急な岩峰の白山,ピークの連なった妙見山が一望できます。公園の遊具では,子どもたちが春の日差しをいっぱい浴びながら,元気に遊んでいます。春やねぇ〜。


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