岩尾根ワールド善防山西尾根(2000.11.4)


先達はありがたい

昨日の小雨模様とうって変わって,秋晴れのさわやかな日です。今日は,午後からoffということで,家にこもってサッカーのTV観戦をしている場合じゃない。早速,行き先の検討です。あまり遠いと行くだけで時間がかかってしまいます。近場となると,withMTBでいけそうなところはだいたい行ったので,選択肢は歩きしかありません。となると,それなりに展望のいい尾根歩きをしたいところです。そこで思い出したのが,今月の『岳人』の「気分爽快 岩塔の山」に載っていた「善防山西尾根」です。以前,笠松山に登った時に,対面の尾根に道があるのを知っていたので,本日はこのルートに決定です。やはり,何事にも先達はありがたいものです。

  
P・@〜D
P・@〜D

ルートは決定したものの,『岳人』の記事はチョット見ただけだったので,あまり記憶にありません。地形図を見ると,釣り橋からただただ尾根をたどるだけのルートのようです。これなら,記事がなくても迷うことはないようです。早速,古法華自然公園に向かいます。入口の手前で,東にそびえる山を見ると,下山道のようなものが見当たりません。チョット不安。

縦走路の標識

駐車場(P)に車を置き,車道を通って,古法華寺に向かいます。右手には,これから通る尾根がずっと続いています。一ヶ所,岩が飛び出しているところを発見。ここは,寄り道ポイントです。古法華寺の前を通り,善防中学へ抜ける道の最上部(@)に到着。ここからは,善防山,笠松山,それぞれへ向かう登山道がついています。西尾根への道は,善防山へ向かう登山道を進み,尾根の分岐から縦走路に入ります。分岐には「縦走路 藍那会登山部」の標識があります。道はハッキリしているので,迷うことはないようです。

  
古法華寺の石仏 善防山
古法華寺の石仏
善防山

縦走路を登り始めると,期待通り,右手にはとがった山頂の笠松山,左手には岩壁の善防山の見事な展望が開けています。はるか遠くには,観光登山の人気スポット笠形山がなだらかな山容を見せています。東西になだらかな尾根を広げるその様は,氷ノ山を連想させます。

2つ目のピーク(A)を過ぎると,岩場のやせ尾根に出ます。距離は短いですが,両横が切れ落ちているので,スリル満点,展望抜群です。このあとは,一気に谷に向かって下りますが,斜度はかなり急です。ズリズリと滑りながら下ります。途中から,岩に赤ペンキで印が見えますが,あいかわらず急です。情けないことに手袋を忘れたので,木をつかみにくい。特に,この付近は松の木が多いので,むやみにつかむと松葉が突き刺さって痛い!

  
笠松山とかすかに笠形山 岩場のやせ尾根
笠松山とかすかに笠形山
岩場のやせ尾根

踏み跡の縦走路

なんとか,林道に下り,縦走路を探します。尾根に道がついていることが多いので,林道の最上部まで行ってみることにしました。この付近は,兵庫県の保健保安林とか。一体,どんな林?車が通れるぐらいの広さから,シングルトラックに変わると道には丸太の階段があります。おそらく,この道は遊歩道として作られたのでしょう。が,いまや利用者がなく,廃道寸前です。

登りつめた所(B)で道はおしまい。右手を見ると,154へ向かっていると思われる踏み跡があります。縦走路はこの道のようです。先ほどまでの縦走路が夢のようです。木立を抜けると,シダの中に踏み跡らしきものがあります。腰までのシダの中をかき進みます。もちろん,足元はシダで見えません。まるで,新雪のラッセルです。

なんとか154に到着。振り返ると,先ほどの岩場のやせ尾根が見えます。あんな所を人が歩いていたら,見ているだけでもこわいでしょう。それほど展望がなく,目の前には次のピークが迫っています。道はあいかわらず,シダの生い茂った踏み跡程度の道です。膝までのシダをかき分け,急坂を登ります。

展望抜群の尾根道

ようやくピーク着。ここからはシダはなくなり,雑木林の中の道となります。踏み跡がハッキリしている上に,基本的にはピークとピークを結ぶ尾根道ですから,迷うことはありません。ただ,枝が張り出していたり,クモの巣があったりで,あまり快適な道とはいえませんが,それでも左右,つまりこの場合は南北の展望がいいので,すくわれます。

200mのピークの手前は,岩場です。それまでは木の枝やシダで歩きにくかったのですが,岩場になるとジャマな物がないので歩きやすく感じます。振り返ると,今まで歩いてきた尾根が見えます。ピークに立つと,北に尾根が派生しています。道から見た岩場は,おそらくこの尾根の先だろうと思い,行ってみることにしました。やはり,あの突き出した岩場(C)がありました。岩の上に立って,下を見ると,急な斜面が続いているだけにかなりの高度感です。西を見ると,これから進む尾根とピークが望めます。

縦走路に復帰し,さらに先を進みます。なぜか,道の脇には有刺鉄線を使った柵の残骸が落ちています。どうして,こんなところに柵をする必要があるのか,ナゾです。しかも,その柵は,それほど長くは続いていません。柵の意味があるのかなぁ。このあたりには松が多いので,マツタケ泥棒除けの柵なのでしょうか。まさかねぇ。

尾根道は,いくつかのピークをクリアーしながら三角点のあるピークに近づいていきます。眼下には,車をとめた駐車場が見えます。愛車の欠陥パジェロも見えるほどです。よく見ると,隣の車は光っているのに,我愛車は光っていません。まるでつや消し塗装のようです。塗装まで欠陥なのでしょうか。

  
突き出した岩の上で 三角点ピークで測量中?
突き出した岩の上で
三角点ピークで測量中?

とがった三角点ピーク

三角点のピークに近づくと,わずかに残った踏み跡さえもわからなくなることがあります。なぜでしょう。シダも生い茂っています。三角点のピークは,きれいな三角形です。まるで,桶居山のようです。シダの中をかき分け,ヤブっぽい道を漕ぎ,ようやく三角点227.6m(D)に到着。三角点は健在。木の標柱もあります。赤白の測量用のポールまであります。360°の展望といいたいところですが,東方面が木立で見えにくくなっています。でも,北,西,南の展望はききます。眼下には,車がオモチャのように小さくなって,動いています。

さて,問題はこれからの下りです。車から見たように,どこでも歩ける感じですが,とにかく急斜面です。踏み跡をたどりながら,尾根をたどります。が,途中からはどこでも歩けるような斜面になってしまい,わずかに残っていた踏み跡さえわからなくなってしまいました。地形図を見て,できるだけ傾斜のゆるそうな斜面を目指します。結局,民家の畑の裏に到着。もう道というものではありませんでした。

ここからは,10分ほどで駐車場(P)です。結局,3時間足らずの周回コースとなりました。『岳人』のルートでは,もっと東の下里から,善防山を越え,この西尾根ルートをたどるようになっています。そうなると,昼から,あるいは朝の間のお手軽ルートとはなりそうにありません。紅葉のこの時期,西尾根ルートのほとんどは松ですから,紅葉を楽しむというわけにはいきません。が,とにかく,展望がいい!岩場を楽しむこともできます。ただし,手袋は必携です。また,エスケープルートは,前半の林道以外にはありません。西に沈む秋の夕日がきれいです。


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