太平三山〜中尾の峰〜(1999.12.30)


  
P・A〜K
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太平三山U中尾の峰

暮れも押し詰まった12月30日。ここ数日は,穏やかな天気が続き,先週の虚空蔵山がウソのようです。こんな日に大掃除なんて,やってらんないです。今回も「山であそぼっ」のS田さんに悪魔のささやきをし,山歩きwithMTBに行くことにしました。行き先は,12月19日の太平三山の続編です。今日は,愛宕山からの続きということで,龍蔵寺から谷を上がり,中尾の峰を目指すことにしました。中尾の峰への登りは,等高線を見ただけでもかなり急激な登りであることは,容易に想像できますが,それからの尾根は快適に乗車できそうです。展望のある尾根道に期待大です。

龍蔵寺の駐車場(P)に車を停め,砂防ダムを目指して林道を上ります。母子大池への標識もあります。もしかして,この道ってけっこう乗れるかも…。が,早くもこの林道でシンドイ!砂防ダムからもガードレール付きの林道は続いていますが,急坂過ぎて乗車不能。林道が終わると,シングルトラック(ST)です。谷道で,倒木がある上に岩がゴロゴロ。MTBを担いでいるのでバランスが崩れやすくて,歩きにくいったらありゃしない!

早くも試練が

川を渡り返して,さらに道は進みます。が,さらに道は歩きにくくなってきました。谷は深く暗くなり,ついには左手に滝が,右手には急な岩だらけの沢が出現(A)。滝を行くか,沢をいくか。究極の選択です。どちらを偵察をしても,決めかねます。意を決して,真ん中の尾根を登ることに。ところが,これが正解。すぐ上にSTがありました。右手の岩だらけの沢を登ると,この道に出てくるようです。九十九折の道ですが,今までのように歩きにくくはありません。だって,MTBを押せるんだもの。

快適に押して行くと,しだいに道が緩やかになり,平らな植林帯(B)に出ました。ここが,母子大池へに道の峠です。ここからは,愛宕山への登山道もあります。もちろん,我々が目指す中尾の峰への登山道もあります。テープもあちこちにありますが,こんなにあると,逆に迷ってしまいます。この明るい広い峠で小休止。

  
急斜面を登るS田さん 中尾の峰山頂
急斜面を登るS田さん
中尾の峰山頂

斜度30度のMTB担ぎ

さて,いよいよこれから中尾の峰へ挑戦です。植林帯の中は乗車可能ですが,ほどなく押しに。赤テープを目印に進みます。道はしだいに谷に向かっています。しばらくすると,道とは呼べない道,単なる木立の間を登ることになりました。ところが,この谷の急なこと。石を転がすと,はるかかなたまで転げ落ちます。MTBを担いでいる我々は,片手しか使えません。しかも,そのMTBのハンドルやタイヤ,フレームなど様々な部分が木に絡み付いて進みにくいこと,この上なし。谷は上部に行けば行くほど斜度を増しています。おそらく30度はあるでしょう。踏ん張る足元が滑り,片手で木をつかみながらどうにか前進。1m進むのに1分かかるほどでした。やはり,地形図の等高線は正確です。先週の虚空蔵山でも痛い目にあっているというのに,いつまでたっても学習能力が身に付かない困った我々です。

やはり,尾根は快適

30分ほどの悪戦苦闘の末,ようやく尾根へ。尾根には道があり,中尾の峰山頂はすぐです。狭い山頂(C)に,今までの苦労が?です。ついでに尾根道をさらに進むと,中尾の峰への別ルートが見つかりました。こちらは尾根を登るルートのようです。でも,急斜面であることには変わりはないでしょう。地形図では,ここからの尾根道は乗車できそうです。期待を込めてペダルを踏むと,落ち葉のSTが心地良い音を立てています。やはり,極楽STです。地形図というのは正確なんですねぇ。今までの苦しみを忘れ,奇声?歓声?を発しかっとびます。しだいに道は広くなり,ダブルトラックの林道になってきました。こんな山の中に,廃道になっているとはいえ,こんな林道があるなんて!?それにしても,楽しい〜!これがあるから,山歩きwithMTBはやめられん!

快適な尾根道を楽しんでいると,(D)へ。ここからは西の支尾根へテープがあります。でも,支尾根へ行くと山を下りてしまいます。ここは主尾根の道を進むことに。道はしだいに倒木が多くなり,コルへ。ここから先はいくつかのピークを越え,633mを目指します。でも,今までの尾根道のように乗車はできません。633m(E)に着くと,道はますます迷路状態になっています。テープがあちこちに,でも道は不明。時間が時間だけに,ここで昼食しながら考えることにしました。いつものように,ローソン弁当にラーメン,食後はコーヒーです。S田さんのお仕事,無線は林の中のために通話不能です。「こんな年の暮れに無線なんかしている人はおらんやろ」と思い,ふと我に返ってしまいました。山に行っとるやつはおるなぁ。

  
極楽尾根道 うれし,たのし,雪の上
極楽尾根道
うれし,たのし,雪の上

残雪が!

昼食後,赤テープをたどって,尾根を南下することにしました。ところがここも乗車不可能。なんで,MTBを持ってきたんかいなぁ〜?と自問自答するも,やはり先週の虚空蔵山を思い出してしまいます。なんて学習能力がないのでしょう。子どものことは言えません。反省,反省。633から一旦コル(F)に下りると,大コブヶ岳(G)を目指しての登りですが,地形図ほどの傾斜はありません。やれやれです。その上,日陰には先週の雪が残っています。もちろん,この残雪を見逃すはずはございません。残雪の上をMTBで走ることにしました。お〜お,いいねぇ〜。

上り詰めると林道に飛び出しました。ゴルフ場の周回道のようです。柵がずっと続いています。残念なことに,大コブヶ岳はその柵の向こうのようです。仕方がありません。周回道を下りることにしました。左手にはゴルファーの姿が見えます。こんな山の中にゴルフ場なんてと思いますが,やっぱりプレーする人がいるんですねぇ。周回道はゲートでさえぎられて,おしまい。時刻も2時を過ぎています。ウロウロしていると,下山する頃には日が傾いてしまいます。ここからは,柵の横(H)を下りて,谷に下ることにしました。

予想外の極楽尾根道 発見!

谷に下りると,これまた快適なSTの出現です。快適に走っていると,妙なものを発見。石積みの直径4mほどの丸い穴です。これって,炭焼き場の跡?さらに下ると,尾根を越える登りになります。地形図では,この尾根を越えて向こうの谷に下りる道があります。でも,左手を見ると,快適そうな尾根道(I)があります。早速,偵察です。結果,GO!尾根道を行くことにしました。やはり,この快適な尾根道を見逃す手はありません。それに,道はずっと続いているようですし。

尾根道は明瞭です。赤いテープもあります。ところで,この赤いテープは誰が付けたのでしょう。別のルートでもありましたし,このルートにもあります。我々が迷ったルートにはありませんでした。ということは,この赤いテープは安全なルートだけに付けているということです。しかも,こんなルートにまで,ちゃんと付いているんですから,ありがたい。感謝,感謝です。赤いテープに気をよくして,快適な尾根を楽しみます。尾根の先端の手前を左に曲がると,いよいよ谷に下りるルートになるようです。九十九折の道を下りると,予想通り谷に下りました。

谷道は岩がゴロゴロ。ハンドルを取られますが,それがまたおもしろい。しばらくすると,本谷に合流(J)。ダム(K)が見えると,車道です。ついに下山です。それにしても,今回もよく迷いました。S田さんは,慎重に地図で確認しながら,ルートを考えています。それに対して,ボクは,見た目と野生のカンで判断。「こっちやで!」と,確信に満ちた口調で言うものですから,ついついS田さんも信用し,ドツボにはまる。このパターンが,今までに何回繰り返されたことか。「もう,だまされへんでえ」と,いつになく慎重に地図を見るS田さんのおかげ?で,無事下山。

  
大コブヶ岳の横を 夕日
大コブヶ岳の横を走る
夕日

懲りない我々

それにしても,今回の乗車率も低かったです。乗車率を,距離で表すと30%ぐらいですが,時間にすると5%ほどしかありません。先週の虚空蔵山といい,今日の中尾の峰といい,等高線を見れば乗車率がかなり低いことがわかるはずなのに,懲りない我々です。


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