花いっぱいの雄岡山・雌岡山(2000.4.8)


雄岡山,雌岡山というのは,神戸市から三木市にかけてなだらかな丘陵が続くなかで,秀麗でこんもりとした姿をしているためか,かなり遠くからでもその特徴ある山容を探しだすことができる。
これらは古くから性崇拝の対象とされてきた山で,雄岡山は男性,雌岡山は女性とされ,雌岡山には男女の性を形づくった石を祭った神社がある。自然信仰の対象とされた山を登るのも,また違った意味で興味あることだろう。
                                   『大阪周辺の山200』

  
P・A〜I
P・A〜I

平地の中の雄岡山・雌岡山

雄岡山と雌岡山は稲美町から広がる台地にぽつんとあり,西脇や滝野の山からもその2つの山ははっきりとわかるほどです。身近な山であり,いつかは行ってみたい山でもありましたが,今回は昼からのサッカー観戦のため,朝だけの山歩きwithMTBに最適の山ということで,行ってみました。

稲美台地を走っていると,東の方にこんもりとした山が見えます。それが雌岡山。わずか249.5mの山とはいえ,遠くからでも判別できます。「秀麗」という言葉がピッタリです。まわりの田畑には,菜の花が咲き,桜も咲いています。こじんまりとした雌岡山にはそれらの花が似合います。

雄岡山へ

車をとめ(P),まずは雄岡山へ。等高線を見ると,西側から登り,東側に下る方が乗車率は高そうです。麓の小道(A)を入るとすぐに左手にシングルトラック(ST)を発見。でも,小道を行ってみます。突き当たりは民家です。侵入者に犬もしきりに吠えています。山の方を見ると,シングルトラック(ST)を発見!ハイカーへの注意書きもあります。ということは,これは登山道でしょう。

登山道は真ん中がえぐれている上,粘土質の土なので,雨が降るとずいぶん滑るだろうと,余計な心配をしてしまいます。もちろん,乗車不能です。でも,担ぐほどでもありません。所々に「土橋松井共有地」の看板があります。ということは,この道は私有地なのでしょうか。でも,神戸市のタバコに注意という看板もあります。なんのこっちゃ!?

押すこと5分。あっけなく雄岡山山頂(B)へ。山頂は241.3mながら,一等三角点があります。山頂は木立に囲まれ,展望は南側が開けているだけですが,その南側からは学園都市や西神中央駅周辺の高層ビルが望めます。春霞の中にいくつかの高層ビルが突き出している様子は,自分が山頂にいるだけに,なんだか不思議です。

  
雄岡山山頂 快適極楽ST
雄岡山山頂
快適極楽ST

快適極楽ST

山頂の祠で記念撮影をした後,南に下るSTと東に下るSTの選択です。南に下るSTを偵察すると,しばらく下った後に崩落地がありました。これは,東ルートを選択するしかありません。走り始めると,これが快適極楽STです。後半部には,倒木で乗車できない箇所がありますが,それでも楽しい。

住宅地に出ると,今度は雌岡山を目指します。途中には,サイクリングロードの案内板があり,その標示もあります。花いっぱいの畑の中を進んでいると,左手には先ほどまでいた雄岡山が見えます。その山容は,こんもりという言葉がピッタリです。進行方向には,雌岡山も見えています。これまた,こんもりです。

古神の集落から愛宕山に登ります。途中に「森林浴コース」の標示があります。ということは,このあたりの集落の人たちは,毎日,森林浴をしているということになるのでしょうか。ちなみにこのコースは雌岡山にも続いています。

  
雄岡山をバックに 愛宕山山頂
雄岡山をバックに
愛宕山山頂

愛宕山

数分で愛宕山(C)へ。標高163.3mです。この山頂にも祠があります。雷神を司り,防火の守護神だということですが,こんなに低くていいのかなぁ。それにしてもなんだか,このあたり一帯は祠だらけという感じです。それだけこのあたりの人たちは信仰心があるのでしょうか。そんなところへ,信仰心のかけらもないボクがMTBで荒らしまわっているなんて,やはりバチ当たりでしょうか。

山頂では,今シーズン初めてのうぐいすの鳴き声を聞きました。雪山の小鳥のさえずりもいいものですが,こんな里山でのうぐいすの鳴き声ものどかでいいものです。バスや自販機がある山頂から車が通れるほどの広くなだらかな道を下ると(D),そのまま雌岡山へ登る道になります。道の右には高圧鉄塔があります。

雌岡山へ

登り始めるとすぐに右にSTを発見。この道も以前は,車の通る道だったのかもしれませんが,今はガレガレの道になっています。斜度もけっこうあるので,押しているとそれなりに疲れます。でも,この道も5分足らずで上部へ。上部は,雌岡山山頂にある神出神社の駐車場(E)です。車道は雌岡山を巻くように登っています。地図上の東からの道は,コンクリート舗装の道になっています。

山頂(F)は神出神社の境内になっています。ここも南側に展望が開けていますが,木立の間から先ほど登った雄岡山も見えます。神出神社の境内は自転車も乗り入れ禁止です。山頂からは,南に下る参道を進みます。途中,石段が数ヶ所あります。道も荒れ気味なので,要注意です。途中に分岐がありますが,一旦下り切って,車道に合流しました。

  
スミレ? 神出神社
スミレ?
神出神社

ユキワリソウ群生地

このまま(P)へ帰ってもいいのですが,少し時間があるのでもう一度車道を登って,登り返すことにしました。登っていると,先ほどの参道で追い抜いた家族連れが尾根の方から出てきました。途中にあった分岐を右に進んできたのでしょう。少し車道を登ると,「姫石神社」の標示(G)あり。道がSTなので,早速チェック!しばらく進むと「ユキワリソウ(ミスミソウ)」の群生があるそうです。瀬戸内地方では,この雌岡山にしか見られず,貴重な群生地なんだそうです。ユキワリソウだけでなく,この雌岡山にはギフチョウの生息地もあるということです。このあたりは,貴重な生物の宝庫なのでしょうか。そこをMTBで荒らしては…,イカンなぁ。

STの先には「姫石神社」(H)があります。ただの岩があるだけです。これを見て,性崇拝の対象にしていたなんて,そりゃあ欲求不満がたまりすぎやでぇという感じです。不可解です。それならその当時の人が,今のAVなんか見たら鼻血ものなんじゃないの?だからといって,AVテープを祀ることはないでしょうが。

姫石神社の下には,清瀬の井があります。昔はきれいな水だったのかもしれませんが,今はただの水たまりです。残念です。この清瀬の井から下に下りるSTもありますが,荒れているので再び登り,結局は元の神社駐車場(E)へ。車道を下りるのもイヤなので,登ってきたガレガレ道を下ることに。真ん中に溝が掘れているので,要注意。

STの定番 巡視路をチェック!

下り終わったところで,もう一度愛宕山(C)へ。愛宕山からは,ブル道を通って下ることにしました。下り終わったところで,雌岡山の高圧鉄塔が気になったので,これまたチェックへ。

高圧鉄塔へは,池の横の車道を上り返します。車道からは「火の用心」が見えますが,とりあえずは高圧鉄塔へ。ガレガレ道入り口(D)にある鉄塔から先ほどの「火の用心」への道がありません。しかたがないので,ガレガレ道から分岐しているSTを進むことにしました。

下ると,すぐに3人組のハイカーに遭遇。相手も驚いていましたが,ボクもビックリ。こんな道を何のために通ってるのって感じです。ところが,このSTがこれまた快適です。落ち葉を踏みしめ,去りゆく冬を惜しんでいるようです。ほぼ水平移動のSTを快適に進むと,右への分岐が出現。こちらの方が道がいいので,右へ。ほどなく「火の用心」(I)へ。巡視路に合流したようです。さらに下ると,左手に高圧鉄塔が。高圧鉄塔を通ると,巡視路が西に続いています。倒木が増えてきますが,道はハッキリしています。さらに進むと,竹林を抜け人家へ。これでSTはおしまいです。あとは,車道を通って車の帰るだけです。

里山には花が似合う

今回の雄岡山・雌岡山は,お手軽です。歩きだと,2つの山を結ぶ距離を歩かなければならないので,もう少し時間がかかるかもしれません。でも,MTBなら楽チンです。しかも,それぞれの山だって,登るのに5分ぐらいしかかかりません。もちろん,その分,下るのは数分ですが,巡視路などのSTを組み合わせるとそれなりに楽しめます。しかも,神社や祠があり,信心深い人にもピッタリでしょう。


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