コブシ満開の篠ヶ峰・岩屋山・カザシ・延命寺山縦走(2000.4.16)


  
P・A〜M
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氷ノ山から篠ヶ峰へ

先週の篠ヶ峰ヒルクライムに引き続いて,今週も篠ヶ峰です。氷ノ山スノーハイキングの2回目ということも考えたのですが,氷ノ山若桜スキー場が営業を終了してしまっているので,短縮バージョンで登れないことがわかり,篠ヶ峰に変更となりました。

とはいっても,今回は篠ヶ峰に登るのが目的ではありません。それは単なるプロローグです。メインは篠ヶ峰から南に流れる 稜線をたどり,岩屋山・カザシ・延命寺山とピークハンティングをしようというわけです。この情報はS田さんがO柿さんから得たものです。なかなか展望がいいということですので,期待大です。

2週連続の篠ヶ峰林道

朝までの予定では,五ヶ野林道から篠ヶ峰に登り,それから縦走するつもりでしたが,アレコレ話しているうちに,いっそうのこと篠ヶ峰林道を登った方が速くて確実ということになり,2週続けての篠ヶ峰になったというわけです。とはいえ,先週はスタッフとして車で篠ヶ峰に登ったわけですから,MTBで篠ヶ峰を登るのは久しぶりです。

丹治さくら公園は,花見客が多いだろうということで,さくら公園手前の(P)エリアに駐車。さっそく地道を通って,林道へ。林道は,途中で別荘地(A)につながっており,さらに進むと篠ヶ峰林道に出ます。しばらく登っていると,左手に「文殊の水」あり。わき水なので,ボトル2本にいただく。「これを飲んだら,チョットぐらいは知恵がつくかなぁ」「ソラ,無理や。100本飲んでも人並みやろ」「な〜るほど!…!?」

文殊の水で,知恵をつけ,さらに進みます。途中で,アスファルト舗装になっていますが,ヒルクライム大会ではここを競って登ったわけですから,あきれてしまいます。が,地道には以前ほど石は転がっておらず,路面はけっこう締まっています。年々,路面が締まり,走りやすくなっているようです。ヒルクライム大会の記録更新にも影響があるのではないでしょうか。しかし,この道をアスファルト舗装しようという計画もあるようです。そこまでする必要があるのでしょうか。

360度の展望の篠ヶ峰

中間地点の峠(B)に近くづくと,千ヶ峰がきれいに見えます。左には笠形山です。その手前には,丹治さくら公園の桜が大きなかたまりに見えます。見事な展望です。ここからは斜度が増し,路面も荒れています。先週,S田さんのCR−Vもパンクしたぐらいですから,気が抜けません。グリップを確かめながら,ペダルを踏みます。最後の「天国への13%」を過ぎると,山頂のアンテナが見え始め,右手には千ヶ峰・飯森山・笠形山などが見えます。そして,高度が増すにつれて,北方面の山々も見え始めます。三国ヶ岳・粟鹿山も見えます。篠ヶ峰山頂付近(C)では360度の展望が楽しめます。また,車で山頂まで登れる手軽さのためか,山頂付近ではアンテナを立てた無線家もよく見かけられます。

いざ,縦走路へ

アレコレ山座同定をした後,いよいよ縦走です。11:30。山頂直下のシングルトラック(ST)を進みます。しばらく進むと分岐(D)です。左はbR7へ,右はbR6へ。bR8は,山頂に戻り,奥のSTを進みます。縦走を企てる我々は,とりあえずはbR7へ巡視路を進みます。さっそくプラ階段がありますが,右側にはスペースがあり,快適に下れます。さらに進むと,斜度が増しています。所帯持ちのボクは,安全第一に押しをまじえながら下りますが,S田さんは無謀にもすべて乗ったままクリアーしてしまいました。いやはや,テクニシャンというか,無鉄砲というか。

  
縦走路最初の分岐 快適ST
縦走路最初の分岐
快適ST

途中の高圧鉄塔bR7(E)を過ぎ,さらに快適に下り切ったあとは,岩屋山への登りです。しだいに道は踏み跡になり,尾根も細くなってきました。尾根の左右の谷も深く,スリルがあります。道の両側には石楠花の葉が繁っています。まるで3月のカヤマチ山縦走です。この岩屋山もカヤマチ山も,花が咲く頃になると,きっときれいでしょう。こんな山奥まで来る人は少ないでしょうから,よけいに花を心ゆくまで楽しめるはずです。

高圧鉄塔工事中の岩屋山

とはいえ,今の我々には,これらの木々がMTBに絡まり,進みにくいことこの上なしです。悪戦苦闘しながら,岩屋山を登ります。12:30山頂(F)着。山頂にはO柿さんのプレートはあるものの,山頂の表示板はなく,展望もありません。チョット期待はずれです。が,さらに進んだ我々は意外なものを発見!ナント,山麓からケーブルが登ってきているのです。ちょうどこの山が山頂駅といったところです。ケーブルといっても,みかん畑にあるみかん運搬用のケーブルみたいなものですが。な〜んや,ケーブルで登ってきたら楽やったんや…?そんなことできるわけないやん。このケーブルは高圧鉄塔の作業用のものです。このあたりの山は,山崎能勢線の高圧鉄塔の工事だらけなので,この先にも高圧鉄塔の工事があるのでしょう。

昼食の時間です。いつものローソン弁当とミニラーメンと食後のコーヒーです。目の前に広がる山並みを見ながら,春の日を浴びているとこのままお昼寝をしたくなってしまいます。が,こんなところでお昼寝をしていては,暗くなるまでには帰れません。コーヒーを飲み終えると,さっそく縦走再開です。

ケーブルのプラットフォームから続くSTを進むと,突然高圧鉄塔の工事現場に出ました。日曜日なので作業はしていませんが,重機が何台もあり,いったいどうやって運んだのか不思議です。先ほどのケーブルといい,工事用林道の建設といい,高圧鉄塔を建てるということは,我々一般人の想像を越えるスケールで行われているんですね。でも,それだけ自然や山を破壊していることにもなるのですから,問題もあるんでしょう。だから,高圧鉄塔建設反対運動も起こったりするんでしょうかねぇ。

地図で確認

  
工事中の高圧鉄塔 サルも木から落ちる?
工事中の高圧鉄塔
サルも木から落ちる?

高圧鉄塔工事現場を過ぎると,これまた命知らず限定乗車可能区間です。凡人は,押しをまじえながら無難に下ります。下りきると,広いピーク(G)へ。このピークからは進路を西に取ります。ここのあたりは潅木で,道は不明瞭になっていますが,少し先に古い赤テープがあります。もちろん,O柿さんの鮮やかな赤テープは,このルート全体の要所にあります。O柿さんは今年の元日にこのルートを縦走したそうです。正月早々,こんなところに来るなんて,一般市民にはマネのできることではありません。

534(G)付近になると,傾斜はゆるやかですが,道はますます歩きにくくなってきました。枝枝,草草。強引にMTBに乗ると,枝が絡まり,ついにはエンドが曲がってしまいました。まえのDB号とは違って,SP号はエンドの交換できますが, それだけ強度は低いのでしょうか。枝が絡まっただけでエンドが曲がるなんて。

松茸ネット出現

534を過ぎると,左手に「松茸山につき立入禁止 五ヶ野部落」の表示とネットが現れました。どうやら尾根に沿ってネットを張っているようです。もちろんネットに沿って踏み跡もあります。ところが,さほど特徴のない尾根道が続くので,現在地点の特定が難しい。519はもう過ぎたんじゃないかという心配も出てきました。519で分岐があると予想されるからです。その分岐を間違うと,縦走路から外れてしまいます。

心配しながらも,乗れない尾根を強引に突き進みます。あいかわらず,左手には松茸ネットが張ってあります。こんなネットを張ったって,こんな山の中じゃあ,簡単に破って入れるんじゃないのと,よけいな心配をしてしまいます。

15:05。519(H)着。分岐あり。このピークからは真南に,眼前のカザシを目指し下ります。ここも黒いネットが続いています。ただし,松茸ネットかどうかはわかりません。尾根は今までと違って,右手に展望があります。下には,西谷の集落の一部が見えます。対面の山腹には,樺坂へ続く林道も見えます。しかし,縦走路はまだまだ続きます。というより,エスケープルートがないので,縦走するしかありません。石楠花の群生といい,エスケープルートのない縦走路といい,3月のカヤマチ山縦走に似ています。不吉な予感です。ただ,雪がないだけマシです。

コブシの群生

明るい尾根を進んでいると,白いコブシが大きな花をつけています。岩屋山までは石楠花の群生,岩屋山を過ぎると山腹に白いコブシの花が群生しています。縦走路の脇には,つつじがつぼみを膨らませています。中には咲いているつつじもあります。きっと5月の連休には,きれいな花を満開にしていることでしょう。山は深く,登山者もそれほど多くないだけに,花を楽しむには絶好の縦走路です。逆にいえば,登山者が多くないから,それだけの花が群生できたのでしょう。

カザシへ

カザシへの登りになると,岩が出てきました。振り返ると,尾根の反対側の展望のない樹林帯に白いコブシがいたるところで咲いています。尾根を歩いている時は気づかなかっただけに,感動ものです。カザシ(I)着。15:43。三等三角点あり。展望はそれほどよくありませんが,少し先の下ったところに展望岩あり。このあたりになると,岩場が多く,おまけに野ばらも多く,道はさらに不明瞭になってきます。ただ,尾根が細いだけに,尾根を外さないように気をつければ,縦走路から外れることはありません。

  
コブシをバックに尾根を進む 延命寺山の石のプレート
コブシをバックに尾根を進む
延命寺山の石のプレート

そそり立つ延命寺山

展望岩に立つと,目の前には延命寺山がそそり立っています。時間はもう16時。そろそろ日も傾きかけています。2週間前の氷ノ山で,腰を痛めたS田さんは,ひざまで痛くなってきたと泣きが入っています。でも,まぁこれはいつものことなので心配無用です。

尾根道はあいかわらず,乗車不能どころか,MTBを持って歩くだけでも大変です。急坂を登り,なだらかな尾根を登るとようやく延命寺山(J)着。16:45。O柿さんのプレートはありませんが,プレート代わりの石があります。「延命寺山 465.0M MTB登山 ロールアウト 大柿 ’00.1.1 FROM篠ヶ峰」

延命寺山山頂からの下山ルートは,少し縦走路を引き返し,東から南東に流れる尾根を下ります。最初は乗車できますが,すぐに乗車不能に。O柿テープに誘導されながら,尾根を下ります。尾根の後半は乗車できますが,それほど長くは続きません。ようやく,山本神社(K)へ。17:20。もう夕方です。これから林道を登り,STを進み,樺坂まで行かなければなりません。明るいうちに行けるんかいなぁと心配になります。でも,行かなければ帰れません。

夕日は落ちて…

西谷の自販機で一息ついて,林道に入ります。はじめはアスファルト舗装でしたが,やがて地道に。とはいえ,路面がきれいなので,走りやすくて快適です。高度を増すとともに展望が開けてきます。峠近くの広場からは,篠ヶ峰・岩屋山・カザシ・延命寺山の縦走路全体が眺められます。見事な展望です。峠から少し下ったところで林道は終点(L)。そこからはSTを進みます。その入り口に坑道があります。以前は銅の採掘をしていたそうですが,今では坑道が不気味に口を開けているだけです。このSTは樺坂まで続いていますが,高低差はなく,迷うこともありません。途中には,鉱山のズリのような所があったり,人家跡があったりと,不思議な道です。

樺坂(M)着18:30頃。石仏あり。もうあたりは薄暗くなっています。目の前には,夕日をバックにした千ヶ峰が美しい姿を見せています。麓の集落には明かりがともっています。この樺坂からは,アスファルト舗装の下りです。所々,小さなガケ崩れがあります。この林道はいったい何のために作ったのでしょう。できて新しいのに,もうがけ崩れを起こしているなんて。保守が大変でしょ。それだけの価値のある林道なのでしょうか。謎です。

結局,Pに着いたのは18:45。やれやれです。今回は上り始めが遅かったので,遅くなってしまいましたが,ルートとしてはベストに近い設定です。帰りだって,STを通れたし。これだけのルートを歩きでは,加藤文太郎氏以外は無理でしょう。2台の車で来て,1台で篠ヶ峰に登り,もう1台を縦走路終点の五ヶ野に置く。これだと明るいうちに縦走ができるでしょう。コブシに石楠花につつじ。春いっぱいの落ち着いた縦走になること請け合いです。


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